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フーの空間
『京都迎賓館 ものづくりものがたり』 本・雑誌 本・雑誌



決定から11年の年月をかけて作り上げられた「京都迎賓館」のプロジェクトX的良書。

平成の名建築を作らんと集まり情熱を注いだ誇り高き“現場の男たち”(ほぼ女性は登場しません・笑)の視点でまとめられています。この仕事に関わった匠たちがたくさん登場します。数奇屋大工、左官、畳職人、などなどなど...。プレッシャーや苦労、やりとげるまでのプロセス、そして想いや満足感がいっぱい詰まっています。最後の11ページにわたるスタッフロールには一社残さず一人残さず記録しようとした跡がみえて、ぐっときました。

京都迎賓館の建設をめぐっては、税金の無駄という反対意見も根強く、使われた税金は、総工費が201億円、これからずっと使われる維持費が年間数億円なのだとか。
この金額をどう判断すべきなのか分からないですが、ただこの本を読む限り、日本の近代の歴史のなかで最良の公共工事のような気にさせられます。少なくとも、この建設を通して残った技術、きちんと伝えられた技術がいくつもあったこと、そして伝統の技術をどう今の最新の設備と合体させることができたのかがわかります。
それから通常の公共工事の「発注制度」では「ほんまもん」を作ることはできないと、あらゆる分野で「誰に作ってもらうのか」を中立に正確に選ぶための仕組みが作られたことも特筆すべき点です。また、20年前の桂離宮の解体修理の経験により得た計り知れない知見があったからこそ、この迎賓館が実現した、ということも述べられています。なるほど、ですね。

あとがきより少し引用します。
“作り手側にとっては、これまで経験したことのない、伝統を超える現代和風のスーパープロジェクトでした”
“最先端の建築技術を駆使する技術者と、数奇屋大工、畳、左官などの伝統技術を継承している匠・職人たちが、技術・技能、経験、知恵、情熱を最高のレベルでぶつけ合い、心から、京都のために、日本のために、最高の建築をつくりあげよう、平成の名建築をつくろう、という想いのもとに、壮絶な「ものづくり」が展開されたいたのです”

男たちの本だからなのか、内容は建築・庭園寄りです。迎賓館の内装には川島織物や龍村美術織物もたくさん活躍しているはずですが、そのへんはあまり触れられていません。きもの好きとしてはここがちょっと残念。

http://www.kensetsunews.com/...

公共建築協会『京都迎賓館ものづくりものがたり』編集チーム
日刊建設通信新聞社
2,520円
2005/11

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2007/1/6更新
2007/1/6 登録
2866クリック/ 2回更新
感想
07/1/6 しょう  お金は使ってこそ生きるのだし、それによって残る文化も技術もありますよね。やはり問題は使うことではなくて「使い方」ですよね。読んでみたいです!
青衣  去年、一昨年と「京都迎賓館一般参観」に申し込んだのですが、見事ハズれました。去年の倍率は11倍だったかな?一度この目で見たいと思っているんですけどね。
フー  よい技術が育っていくにはスポンサーが必要ですよね。うむうむ。そして私もとっても見学にゆきたいです!
ぬほりん  おおっ!男の本!!久々に○( ̄v ̄)○ ワクワク
gloves  私も行ってみたい〜。目に入るものの何から何までブリリアントだと聞いています。
フー  硬派ですよ〜。しかし「何から何までブリリアント」そんな最上級な表現!ますます行きたいーー。
07/1/7 えりりん  さすが京都だ。そして、活きたお金の使い方だ。こうゆう仕事こそ“公共”でしか出来ないと思う。本もさることながら、建物自体も目にしたいものです。ブリリアントなのかぁ。。。
07/1/8 アキコ  こういう公共工事なら、税金の出し甲斐もありそうかも。「ほんまもん」とは何かということを考えるとき、私は「後世に伝える価値と意味のある仕事」なんじゃないかと最近思うようになってきていて…。京都迎賓館がそういう建物になればいいですよね。見てみたいなぁ。
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