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えりりんの空間
注染 ノンカテゴリ ノンカテゴリ



手ぬぐいや浴衣を染める技法のひとつ。
注染は、明治後期に発明された日本独自の染め方で、世界でも類を見ない独特の技術だそうです。明治時代に、浴衣や手ぬぐいの需要が増え、それまでの絞りや型染では生産が追いつかず、“一気に大量に染められる技術”として普及しました。

簡単に染め方の説明を試みます。
手ぬぐいの大きさの型紙を木枠に張り、反物状の晒に型紙を置き、上から防染糊を木へらでのばします。型紙の木枠を上げ、反物を屏風状に畳み、再び型紙の上から防染糊を同じ位置に置き、木枠を上げ反物を畳み防染糊を置き....、という繰り返しで、一枚ずつ防染糊を置いていった反物が手ぬぐいの大きさに畳まれた状態で出来上がります。この上から、じょうろで染料を注ぎ、下からポンプで減圧し、一気に染料を布に染み込ませます。水洗いして糊を落とし、天日で乾かします。


というわけで、注染という染め方は、型紙を手彫りしたり、一枚ずつ防染糊を置いていったり、職人の匠の技と息遣いがにじみ出る“人間っぽい”技術です。そして、「量産が出来る手仕事」という点が、実に日本っぽい技術でもあります。
最近私は、手ぬぐいにカスレなどを発見すると、当たりくじを引いたような嬉しい気分になります。また、注染で染めた布は、染料が布の繊維に染み込んでいますので、顔料を布の表面にこすりつけているプリント物とは違い、使っているうちに柔らかくなり布が育ってくる感じが分かります。徐々に色が抜けてくるのもまた楽しいのです。
デザイン的には、プリント物の様な細かい線や柄は注染では染められませんが、様々な制約を考慮して出来上がった柄は、注染らしい味があります。

手ぬぐいや浴衣などを選ぶ際、これからはデザインだけでなく、染め方や布のクォリティにも気を配ってみてください。きっと長く使える物に出会えるはずです。



■2012.07.27追記/08.07.リンク差し替え
必見です!「注染/ちゅうせん」の貴重な映像が公開されています。昭和30年代から40年代に伊勢丹が撮影した伝統的な染織技術を伝える記録。



★2016.07.30追記
今は、注染手ぬぐいをつくる人になりました。

※イラストはクリックすると少し大きくなります。


【チュウセン】


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2016/7/30更新
2006/12/28 登録
12691クリック/ 10回更新
感想 ▽最近の8件 [全17件を表示]
06/12/30 かんから  えりりんさんの詳細なレポートに『オリジナル手拭い』の野望が!
教室のある“立石”が、あの呑んべの聖地の“立石”だったと昨日気がつきました。(笑)
えりりん  海草を使った糊の粘度が高いのと“職人技”でずれないんだと思います。>フーさん。私も手ぬぐいは色々買って使ってみて、よく使うのはみんな注染だったんです。やわらかい風合いが実用品として使い易いのだと思います。で、注染が好きなんですが、捺染が偽物だとは思いません。捺染にも色々あるし....。誰か詳しい方、KWにしてくださぁ〜い!そんでもって、そうそう、立石にある手拭実「染」塾、オススメですよ。>かんからさん。
06/12/31 かんから  手拭実「染」塾、さっそく来年やってみたいことリストに加えました。(笑)
注染と捺染、それぞれに違った魅力がありそうですね。制約があるからこそつつましくも力強い深い味わいが生まれるのでしょうね。(キイさんKW・活版印刷でも同じような印象を持ちました)デザインも含め、技の巧みさを感じてみたいものです。
フー  ふむふむ...。布が糊でサンドイッチされる感じですよね。やっぱりちょっと不思議かも(ずれないのが)。これはやってみないとわからないかもしれないですね。やりたい...。
12/8/7 しょう  追記のリンク先、「指定されたURLは存在しません。」と出てしまいます。見たいわぁ。
えりりん  期間限定だったんですね。伊勢丹本家のサイトにはもうリンクしたページは削除された様なので、vimeoの直リンクにURLを差し替えました。こっちではまだ見られるのでお早めに。
しょう  ありがとうございました。さっそく興味深く拝見。反物が干された景色の、なんと美しいことでしょう。英語の字幕も付いているんですね!
えりりん  こうゆう昔のいわゆる「産業映画」は、プロがきちんと制作しているので、分かり易く良い物が多いです。もっと色々お蔵出しして欲しいですね。
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