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2007.12.28 [金] 年賀状に悩む

“カーボンオフセット年賀はがき”なるものが発売されているのを知り、興味をもちました。
郵便局へゆきそれを見ると、発売価格55円のうち5円が「クリーン開発メカニズムを活用してCO2削減プロジェクト」に寄付する…と書かれている。だけどこれだけでは意味がわからない。何に寄付されるのかを訊いてみるも、その文言を読み上げられるのみ。詳しくは分からないという。知らないものを売らないでほしい。
家へ戻ってサイトを読んでみれば、おおかた理解。ほとんどの疑問には答えてくれていて分かりやすかった。

要するにいわゆる排出権取引なのだった。「郵便配達のバイクや車をハイブリッドにする資金にする」とか「郵便配達のバイクや車のがまきちらすCO2を相殺するだけの木を植える」とか、そういうカーボンオフセットなら分かりやすい。でもこの年賀はがきは国を超えたカーボンオフセットなんだ。
日本でも努力するけど達成の見込みはたっていないし、削減の義務のない発展途上国を支援し削減させてその分を日本の削減とする。排出権取引というものは、結果を求めるならば(間違いなく結果を求めている)正しい選択だと思う。だけどどこかひっかかる。

でも、やっぱり自分がすべきことをしたうえで、さらにこういったことを推進するならばいいはずだ。それに葉書を買った人の5円だけでなく、郵便局がおなじだけ寄付する予定だというし。うん。うん。

と、ひととおり悩んで、よしカーボンオフセットにしようと決めた。
その後友人に会ったら年賀状を買いすぎて2〜300枚くらい(なぜ…)余っているという。かくして彼を助けることになり100枚ほど買うことに。でもって、まだ一枚も書いていない。

2007.12.23 [日] 滋賀の一日

佐川美術館、樂吉左衞門展へ。
樂さんの茶室を目的に行ったのだけども、事前予約が必要とあり、残念無念。(が、そんなことひとっつもチラシにも書いていないんだっ。ぷんぷん。)

樂吉左衞門館はもう驚くほど真っ暗で、よく考えられた展示スペース、というか舞台装置でした。だってもう、ふと撮った一枚がまるでダムタイプ。
焼き物の世界は、うまく言えないからひとことでいうと、すごく面白かった。力強かった。

美術館のあとは守山クラブハリエにゆきお昼でバームクーヘン売り切れに驚く。
湖北の温泉へ入り、長浜で近江牛すき焼き。満腹。

2007.12.22 [土] 毎日ゆず湯

今年は柚子をほうぼうからたくさん貰いました。
鷹ケ峰の柚子。大原の柚子。滋賀の柚子。鯖街道熊川宿の柚子。山科の柚子。らでぃっしゅぼーやから届いた柚子。
種類も形も色も香りの強さもさまざまで、面白いです。

今年は豊作だったのかなあ。
おかげさまで冬至に限らず毎日ゆず湯。
在庫もまだまだあって、大変うれしい。

2007.12.10 [月] 落ち葉くしゃくしゃ

修学院離宮。
ハガキを忘れてあら大変!
ひともんちゃくあった末になんとか入れてもらいました。
はー。まったく、気をつけないといけません。

落ち葉はいっぱい降積もっていて、
ときどき葉を残した木もあったりして、たっぷり堪能。
何度来ても、すばらしいなあ。

2007.12.9 [日] 晩秋

おおひと月ちかく空けてしまった...。

両親が遊びにきている週末。
今日は下鴨神社、御所、府立植物園などを散歩。
葉はほとんど落ちて、枯葉でふかふかになったこの界隈を歩くのはとても楽しい。

植物園では驚くほどの大木が、赤・柔らかい黄色・その中間に紅葉のピーク。20メートルくらいありそうな。近寄ってみたら木の名前は「フウ」。メイプル系な印象だったから北米の木かと思ったけれど、中国中南部&台湾原産の落葉高木。マンサク科。親近感を感じずにはいられないフウの木。これからもたまに様子をうかがいにこようと思いました。

明日は今回の二人の目的・修学院離宮へ。
落ち葉が掃かれていないといいなあ。

2007.12.1 [土] 晩秋の結婚式

うん。本当に、ザ・にっぽんの結婚式だった。
穏やかで良い日。
紅葉もいまいちばんの色づき。

幸せいっぱいのいい笑顔の花嫁さんを、モーニング&留袖を身に纏った両親が、なんともいえない表情で見守っている姿は、心がじーんとくるのでした。

本当に、おめでとう!

2007.11.28 [水] 大徳寺にて

来年から始めようと思っている茶の湯の稽古について、
いろいろ指南をいただきました。

その途中で寄った高桐院。
黄色とちょっぴり赤の、美しい紅葉です。

2007.11.24 [土] 紅葉ツアー

もっとも京都が混雑する三連休。
今年は東京から、面白い組み合わせで三人組が来訪。

下鴨神社、上賀茂神社をまわり、西賀茂で辛味大根そば(これがうまい!)。お気に入りな光悦寺や鷹ヶ峰のあたりを走る。
京都初体験の一人のために、やはり王道をひとつということで、竜安寺へも。満員の枯山水はやっぱり落ち着かないけども、池のまわりの紅葉と山にブラボー!
その後の今宮神社・あぶり餅では20〜30分待ちという珍しい経験。〆はいつものレストランへ。

一日自転車ツアー。
「後ろを振り向かない人だ」と云われてしまう。
うわー気をつけなくちゃ...。毎回コースは熟考するのですが。

2007.11.13 [火] 「京都で、きもの Vol5」

「京都で、きもの Vol.5」が今日から書店に並びはじめました。
特集は「お誂え」。染めのきもののお誂えから、帯揚、かばん、帯留といった小物まで、いろ〜んなお誂えの愉しみを沢山(50ページ以上)紹介しています。
誂えるということは、きものを好きになるまで、縁遠いことでした。だけど、ものづくりの町・京都の地の利も大いに働いて、わたしも次第に誂えをするようになってきたと思います。どんなものを着たいのか、掘り下げるきっかけになるし、手しごとをより深く知るチャンスにもなる。
今回はこのふたつの記事を書きました。
「都の美しいお仕立 〜に志田・千艸屋・しめだ」
「きものまわりのこだわり 〜おしゃれ紋・京七宝の帯留」

それから、日本の絹をテーマにした記事も。
「高貴なる唐織の秘密を探して 〜滋賀県湖北・江州だるま糸」
これは、浜松の織工房で手にした美しい手繰りの糸からはじまって、お蚕さん、繭、製糸、座繰り糸、などなど、いろんなところへ行って、沢山勉強したことのひとつの成果。2007年夏休みの課題という感じです。
写真は「だるま糸」を手で繰る工房のもの。ぜひ読んでみてください。

2007.11.11 [日] 初秋の結婚式

今日小さな神社でしずしずと結婚式が執り行なわれました。
うつくしく整えられた白洲に、紋付袴の男と真っ白なお嫁さん。
二人を見ていると、嬉しくてずっとにこにこしてしまう。

ポッキーの日にちなんでポッキーと祝い酒をいただいて帰り、
午後は屋久島より珍客あり。鞍馬温泉に入る。
鞍馬の界隈は、すこしだけもみじが赤くなっていました。

2007.11.10 [土] 「水になった村」

「水になった村」を観てきました。
この間徳山村のドキュメンタリー(『約束〜日本一のダムが奪うもの〜』東海テレビ制作)を観たばかり。映画では社会的なことにはあえて触れずに、淡々と暮らしを描いていたと思います。とにかく食べ物のことばかり。こういうのを真のスローフードというのだなあ。ばあちゃんたちは、とにかく山から食べ物を採ってきて、保存しつづけていた。

2007.11.6 [火] 庭と法話と茶の湯

大徳寺ですてきな初対面。
「独坐庭」はこれまで見たことのない“荒波”の枯山水。ざば〜んと激しく打ち寄せる大海の荒波にもまれながらも悠々と独坐している自然の姿を、禅の教えにたとえているときく。波の感じがとても好きだ。作庭は重森三玲。

正座し眺めていたら和尚さまが来られて、姿勢がいいのはいいことだ、みていて気持ちがいい、と話かけてくださりました。そして法話をしばらく。
曰く、姿勢をよくすると、いい空気をいっぱい吸える。限りのある命を生きているのだから、いい空気をいっぱい吸って、心穏やかに、心豊かに生きなくては。お坊さんの生活はほんっとにいいの。大好き。朝はお経を30分、座禅を30分、拭き掃除をして、掃き掃除をして、そしてようやくごはんにありつけるの。本当に理にかなったすばらしい生活なの。いい空気をたくさん吸って帰りなさい・・・などなど。和尚さまの澄んだ目にみとれて、お話のほうはじつはちょっと上の空だった。

お茶を一服、そして和尚さまお手製の大徳寺納豆を頂戴する。たいへん滋味。美味しい。大徳寺のどの塔頭でも、自家製で作っているそうです。

2007.11.6 [火] 寿つづき

晩餐はビーフシチューと自家製プリン、などなど。
この秋から冬にかけては、おめでたいことが集まっていて、まず今週末は坪庭をつくってくれた庭師Yくんが結婚式。吉田山の小さな神社にて。
12月は大好きなカップルが修学院にて。
1月は幼なじみのMちゃんが森戸神社にて。彼女はそう、人生でたぶんはじめて友だちになった人。はじめての「お泊り」も彼女の逗子の家だった。大胆にも私はパンツを一枚ポケットに入れ手ぶらで行ったらしく、けれど夜泣いて家に電話をかけたという逸話がその後幾度となく語られています...。彼女は思い出ぶかいあのドレスを葉山で着てくれる。
どの日も、待ち遠しい。

2007.10.29 [月] 佐藤竜子さんの紬

佐藤竜子さんの個展へ、法然院。
夕暮れ前に、電気を消した暗がりの本堂。
色のグラデーションが本当に美しく。
植物で染めたやさしい色が心地よく。
お寺の鐘も長く鳴っていました。
うっとりするほどいい時間。

2007.10.26 [金] 手しごと巡りの一日

「京都きもの散歩」は少数精鋭に(笑)8人で染めの町をめぐりました。関東から参加してくれた方もあって、とっても嬉しかったです。

まずは伊勢型紙で染める京小紋(江戸小紋と基本的に同じ)の工房・大野國染工場へ。ハイライトたる「柄付け」を見せてもらったのは2度目なれど、みじん鮫の細かさやその技術の高さには、深くため息。きれいな色で染めてもらいたいなあ...。消費者とダイレクトでやりとりをする職人の大野さんは、先日、最近は薄いグレーやピンクベージュなんかが人気があるねえと、おっしゃっていました。
案内人でありますから、写真はほとんど撮っていないのだけど、その後にうかがった「伸子やさん」(友禅で生地を張るための棒)では思わずパチリ。染めに関わるあらゆる道具があるようで、キョロキョロじろじろ、あたりを見回しました。飴色になった店内の様子は、素晴らしかった。商品が少なくてと店主はしきりに言うけれど、私たちの目には十分にうつる。そして板場へゆき、地染めや蒸しの現場を見学。ここでの仕事はとてもダイナミック。
仏レストランのパスカル・ペニョに入ってまもなく、雨がざーっと降ってきて、お庭の緑や石たちはしっとりと濡れてよい風情。
最後に訪ねた高橋徳さんの工房には、普段にも増してぴりりとした空気が流れていました。なにやら緊張感。けれどもトークは軽妙に。印金で描くぼかしは、手品をみるよう。
人の手というのは、凄い。こういうものを考え出す頭も感性も、凄い。

当日は朝から雨でどうしようと思ったけれど、ちょうどよい具合に晴れ間があって、影響はほどんどなく。お天道様にありがとう。受け入れてもらった方々に感謝。参加してくれた方々に、より理解と愛が深まる一日になっていますことを。

参加してくれた方から、地図の部分だけコピーし綴じられた『京都きもの生活』を見せてもらいました。さらにハンディになって、こんなふうに役立っている我が子を誇らしく思う。

当日のレジュメをここにアップしてみました。
http://kimonomap.com/...

2007.10.22 [月] 「京都きもの散歩」間近

今週の金曜日は、朝日カルチャーセンターの「京都きもの散歩」。ということで、訪問先の工房へゆきちょっと打合せ。そして当日の資料をせっせと作る。
楽しい一日になりますように。お天気がちょっと気がかり。

お席はまだ空いておりま〜す。

2007.10.21 [日] 絵

西陣のギャラリーで友人の描いた絵をみる。
鉛筆だけで描いた人の顔が5枚。その人たちの顔は太陽みたいにかがやいていて、この人のことがとても好きなんだろうな、薄っぺらい関係でなくて、つながりあっているんだろうな、ということも、よく解る。絵の5人について紹介する短文が置かれており、その表紙には「飽きるほど眺めたい。話したい。一緒に過ごしたい。」とあった。
いい絵だった。そして巧かった。
みていてとても満たされるものでした。

2007.10.20 [土] 夜なべ

もりたさんのOBIワークショップに参加してから4年半。ようやく、はじめて、二部式帯を作ってみました。古いもので、前帯がだいぶ擦り切れてしまっていたから、必要に駆られて。もりたさんから貰った資料や「きものサロン」を見ながら夜なべでチクチク。何度かやり直して、なんとか出来ました。いろいろ調整できるから、自分でやってみてよかった。使ってみて、今度また作ることがあったら、次はもう少し工夫ができるかもしれない。

--
ああ、これはちょっと、さすがに(泣)。

2007.10.18 [木] メモ

伊勢型を使った京小紋ないし江戸小紋は、10%以下。
それ以外は大きく分けると、スクリーン擦染かロール擦染で染められている。
ロール擦染は文字通り輪転機と同じやり方で染めるもの。100反以上くらいの規模で染める場合に使われる。
型染は、細かな柄は伊勢型で、粗い柄はナイロン製の型を使う。

2007.10.17 [水] 工場見学

仕事である工場へ。
ウレタンマットを加工して寝具にしたり、お布団を作っている加工所です。毎日、一日に加工する分のウレタンの塊が運ばれてくるそうで、これを“パン”と呼ぶのだそうだ。ものづくりの現場はどこも興味ぶかい。けど私は石油の上で寝たくないな、などと思ったけれど、考えてみればベッドにはふんだんに使われているに違いないのだった。おお...。

2007.10.15 [月] 川村成くん、関さん、二階堂さん

祇園で開かれていた五人展へ。川村成くんの新作には驚いた!写真を撮らせてもらいました。こんなです。すてきです。関美穂子さんの帯もまた可愛いものがたくさん増えていてぐらぐらと。それから出雲の青戸さんのところで修行をしたという二階堂晃子さんの木綿はきりりとして、手触りは柔らかく、とても良かった。弟子の展覧会をちょうど青戸柚美江さんが訪ねてきていました。

あれ、出雲織はKWになっていないのですね。
・・・ここはしょうさんの出番よね!

2007.10.15 [月] 奈良で茶の湯の一日

縁あって、朝から奈良へ、お茶会へ。
空がどこまでも青く、うろこ雲がきれいな好い日でした。
大仏さんの前での献茶式を見学。
そして席が3つも。家元席に流れるきりっとした空気をとても心地よく思った。いいなあ。お茶。やっぱりはじめようかなあ...。

着ていったのは、最近出ずっぱりの桜の無地紬。そして母から送ってもらった「ひつじ草」の袋帯。
この唐織などを観てしまって眼が肥えすぎた私には(大変困ったことだ)頼りなく思えたこの唐織。しかし柄はやっぱりかわいー。絹の光沢もすてき。というわけでお気に入りになりました。そして軽いことが何より助かる。

2007.10.14 [日] 自転車でいろんなところへ

新しい本『京都を包む紙』(井上由季子・村松美賀子共著)の出版記念展というものに出掛けてきました。ちょうど今日は本づくりに携わった人たちが一同に集まって、その制作についてお話をきかせてくれるという日。
アノニマ・スタジオ主宰の丹治さんが話していたこと、
50年、100年先にも本として存在して、手にした人たちとと共感し合えたり、通じ合えることのできる本を作りたいと常に思っている、それだけが何よりも基準、
という仕事への姿勢にぐっと。
会場では、思わぬ再会、予想された再会、新しい出会いがいくつも重なって、楽しい時間でした。
『京都を包む紙』は、とても素敵な本です。愛情あふれる本。これはKWに(KW候補が溜まっています)。

その後は3周年を迎えるもりたもとこさんのお店、OMOへ。木綿の印象が強かったOMOですが、最近は絹ものが増殖中。写真のチョコレイト色のちりめんの無地に、裂織の帯、な〜んて、クールでほっこりしていて、いいなあ、と思う。今までの印象とは異なるけれど、でもやっぱりもりたもとこさんらしい。

さて明日は6時起き。半襟つけをしなくちゃー。あたふたあたふた。

2007.10.10 [水] 取材をいくつか

ゑり正さんで見せてもらったのは、とても半襟は思えない重厚な半襟。刺した風情は重厚で刺繍の厚みはおどろくほど。だけどいくつものピンクの糸の色の濃淡が可愛らしいのです。
長襦袢に縫い付けるのではなく、伊達衿のように仕立てられていました。そして折り目は一本ではなく二本。ふた通りの付け方ができる、これまで目にしたなかでもっとも豪華なものでした。

そして初めて目にして、しかも味見させてもらった「瓢箪のピクルス」。瓢箪を食べるなんて。食べられるなんて。お昆布が紐になってあしらわれています。大きさは親指大というところでしょうか。お味は胡瓜に近い感じ。何よりも姿が愛らしい!

--
こんぶ土居さん、「良い食品づくりの会」というものに参加されています。全国のいくつかの場所にその会の売場あり、関東や他のエリアでも、土居さんのものが置いてある場所があると思います。特に日本橋高島屋は豊富にあるかもしれません。探してみてください〜。

2007.10.7 [日] 昆布パワー

先日、大阪の空堀商店街の昆布店を訪ねました。佃煮やふりかけが、抜群においしかったから。むろん化学調味料フリー。原材料などを記載しているラベルにさりげなく書かれた「調味料(アミノ酸)や酵母エキスなどで人工的に強く味付けした食品を常食されている方には、当店の製品は物足りなく感じられることがあります。自然の素材と技術が醸し出す滋味をお楽しみください」という強いメッセージにも好感を持って。

あとで聞いたことには、こちらは本当に昆布の名店で、名だたる料亭が絶大な信頼を置く、上方を代表する昆布店なのでした。かつ、ただ商いをするばかりでなく、産地・川汲へ赴き、昆布漁に同行したり、地元の子どもたちへ「お父さんの取る昆布は日本一だよ」と語りかけているという。強く尊敬の念。

そして、いただいて帰った川汲産の昆布でお出汁をとってみたら、ちょっともう、のけぞるほどに旨かったです。いつもの鰹節で、いつものようにとって、これほどに違うものかと、昆布の持つ力を初めてずどーんと知る。いやすごい。ほんとに。ちなみにお徳用一人一点のみ、という昆布は110gも入って525円。何たる幸せ。もう土居さん以外で昆布は買うまい。

こんぶ土居
大阪市中央区谷町7-6-38(地下鉄谷町六丁目駅下車)
9:00〜18:00
日曜祝日定休
http://www.nhk.or.jp/...

2007.10.6 [土] アマでオペラ

ひさしぶりの着物。
しかしここ数ヶ月、柔らかもの旋風が吹きあれていて、紬を着る気になれない。困ったものだ。恨めしげに引き出しを開けたって、柔らかものが入っていたり…しませんから。自分につっこむ。しくしく。

…でも!
ニューフェイスの帯締を合わせたら、新たな気持ちの組み合わせがみつかって、なんとも嬉しい。やっぱりきものって偉いな。

して、出かけた先は尼崎(通称アマ)。アマでオペラですよ(この意外な感じは関西の人には分かってもらえるかと)。演目は今年二度目の「カヴァレリア・ルスティカーナ」「パリアッチ」。繰り返し聴いているとても好きなオペラです。日本人がイタリア人を、しかも激情のシチリア人を演じることに多少の違和感はおぼえつつも、なにより大事な唄がとても良かった。びっくりするほどに。いろいろあって公演がしばらく出来なかったという関西歌劇団。また観にゆきたいです。

2007.10.5 [金] ついでに桂離宮

いかにも桂離宮らしい市松の襖と壁。
だいぶ退色しているこの藍の色が好きです。

もみじでいっぱいの別の襖には「杼(ひ)」の引手。
ふっくらとした風情がとてもよく、本当にしゃれてる。

2007.10.5 [金] 秋の京都

さやさやと風が心地よい午後。
風鈴もそろそろ仕舞わなくてはと思うけど、まだ寒々しくは感じないし、いいかなあ。

ところで先日友人の来訪予定に合わせて十一月の修学院離宮の予約に京都御所へゆきました。御所にある窓口では、オンラインやハガキでは「×」(つまり予約不可)になっていても必ずといっていいほど枠があいていて、前日までにいけば許可を貰えるのです。
が。秋は事情がまったく異なるようで、11月〜12月初旬はもう全然ダメ。がびーん。秋の京都をなめてはいけないなあとしょんぼり。
さらに、ならばと月初に次月の予約を受け付ける料理店へその予約日の朝向かうも玉砕。2時間弱出遅れたことが悔やまれる...。

嗚呼残念。
写真は冬の修学院。この日はとても寒かった。
中離宮の霞棚は友禅染の光景。

2007.10.2 [火] ぶどう染めのショール

先日のぶどう染めのショールが出来上がり、受け取りに。
仕上がりは、とってもきれい!
これはワンピースを着て、ふわりと肩にかけたい感じ。ハゴロモのよう。やっぱり帯揚げには勿体ないなあ...。
でもそれとは別に、飛び絞りの帯揚げのような雰囲気の、ちらり友禅の帯揚というのは、かなり素敵に違いない。そのうち出来上がることを心待ち。

ぶどうは昔から草木染めの材料として使われてこなかったことから分かるように、堅牢度はよくなく、今の色が保たれるわけではないそうです。
“ワインと同じく、変化をお楽しみください”とは高橋さんのメッセージ。染めたときの色、今の色、これからの色。よく覚えておこう。

写真上はそのショール。色はあまりきれいに撮れていない。
写真下は今日の賀茂川。
桜の葉は少し黄色く、落ち始め。雑草たちも、少しずつ秋。

2007.9.27 [木] エコバッグ

ぼたんさん日記、緑区の緑の絞りのエコバッグ
すてき。かわいい。
そして絞っている男性に見覚えが(笑)。
手ぬぐいの手蜘蛛絞りの手ほどきをしてもらいましたよね。

いつも携帯しているのはこれ。これよりもコンパクトなものはないような気がする。
何年も使っているけど傷んでいないし、なかなか丈夫。よいです。

2007.9.25 [火] 名月

一年越しで出会えた名月。きれいだ。とてもきれい。眩しい。雲の動きにもまた見とれる。
視界には月と空と比叡山と木々のみの正伝寺にて。真っ暗闇の道すがらも、昨年の教訓あって、懐中電灯持参。
だけど行くのがちょっと遅すぎました。17時に着くべきだったのだ。その比叡山から上がってゆく月は、また来年の楽しみに。

2007.9.16 [日] ぶどうで染めて、ぶどう酒を飲む

待ち望んでいた“ぶどうで染めて、ぶどう酒を飲む”日。高橋徳さんとこの教室に参加してきました。一日で友禅挿し、ぶどうの染料での引き染め、抜染、までやってしまおうという大胆な企画。もちろんそのための準備が完璧に整えられているからできるのですが...。

いくつかの初体験。いちばんは何といっても「引き染め」。ぶどうの皮からとった染液に刷毛をどぼっと漬けて、ちょっとしぼって、端からざざざっと染めていく。はじめ緊張、でも楽しい。とても難しいと話にきく「引き染め」だけど、なかなか上手くできるじゃない、なーんて気をよくしてしまいます。が、これはぶどうだからなんとかなっているのだとか。そりゃあそうですよね。
ぶどう染めの色はどんな色なのかしらと楽しみにしていたのですが、それは赤っぽいワインの色でした。でもあくまで酸〜アルカリの具合で色はいかようにでもなり、この色というのがあるわけではないのだと。なるほどー。

今回の企画は、クリュッグの世界観を千總が京友禅で表現した空間“クリュッグ インフィニティ・ルーム”の製作がベースにありました。このプロジェクトでは、クリュッグのシャンパーニュになるぶどうを使い、フランスで染められた訳だけども、今回は、京都のぶどう(山科・勧修寺産)を使って、京都で染めました。同じ土地のぶどう、というところが何だか嬉しい。

仕上がりが楽しみ。絹のショールなのだけど、帯揚にしたら素敵というアイディアが。贅沢。だけど友禅の帯揚げなんて、本当にわくわくする。
朝9時に集合して、解散は日が暮れた後。最後は美味しく、心のこもった料理とシャンパーニュ&ワイン。お腹も心も満たされて、とにかく感謝。

2007.9.14 [金] 「京都きもの散歩」開催!

この秋に「京都きもの散歩〜手しごとを巡るフィールドワーク」と題して、朝日カルチャーセンターで現地講座というものをすることになりました(ひゃ〜)。
初回であるこの10月(って続くかどうかまだ分かりません・笑)のテーマは“染め”。真楽ではおなじみの手描友禅工房・高橋徳さん、そして伊勢型紙で京小紋を染める染工房の2軒を訪ね、その周辺の染めの町を散歩します。伸子やさんとか、水元とか、染色補正とか、染めに関する仕事をするちっちゃな工房がきゅーっと集まるエリアです。
写真は京小紋。伊勢型紙で防染糊をおいたところ。もうひとつは“板場”。一反のきものをずわーっと色糊で染める場所です。黒光りした板の美しいことったら。

僭越ながら案内人をつとめさせていただきます。濃いぃ一日になりそうで、どんな出会いがあるのか、私もわくわくしてます。
土日に設定したかったのですが、お休みの工房もあるため、せめてもと金曜日にしました。10/26です。興味のあるかたは下記ごらんくださいませ〜。

京都きもの散歩〜手しごとを巡るフィールドワーク
朝日カルチャーセンター(現地講座)
10月26日(金)10時集合、15時半解散予定
http://www.asahi-culture.co.jp/...
http://kimonomap.com/

2007.9.8 [土] 小さなエコいくつか

ようやく1つ電球(白熱灯の)が切れてくれて、これを機に蛍光灯の電球をまとめ買い。小学生のころから「蛍光灯はキライだ」とかたくなに思っていた。蛍光灯のほうが省エネなことはわかっていても、ほぼ白熱灯しか使わない生活でした。
けれど改心して使いはじめたら、まったく問題ない。ふつうに電球色で、気にならないのです。点灯するまでの時間も、かなり進化しているよう。ああ、パルックボール。もっと早く変えるべきだった。長年の蛍光灯嫌いを返上です。
白熱灯はエネルギーの8割が熱として消えてしまい、灯りとしてはとても無駄。
ここでまとめて購入しました。「レフ形」とか、いろいろ揃ってます。

もうひとつ。最近“マイボトル”とCMもやっている「タフマグ」を春から愛用。
朝入れた氷が夕方でもふつーに残っているのがスゴイ。冷たいものを入れても汗をかいてテーブルがびしゃびしゃにならないので、家でも愛用。周りにも伝染中。おすすめ。

2007.9.6 [木] 夕焼け空に虹

こんな空が広がってたことを新聞で知る。
ああ、みたかった。スゴイ。

「8月は気分がのっぺり」((C)ふっちゃん)、うまいこというなあー。

2007.8.23 [木] 上高地

今年は信州に縁がある。
だってもう三度目!
しかも今回は上高地に3日間も居られて、
とても幸せでした。

大正池のほとりでおもわず側転。
気持ちがよくて、地面がやわらかいと、
側転をしたくなる妙な癖があります。

「安曇野スタイル2007」も気になるな。いきたい。

2007.8.21 [火] 残暑お見舞い

この夏にほしかったものが二つあって、
ひとつは蚊帳、
もうひとつは火箸の風鈴でした。

猛暑のなか、きれいな音がときどき響いてきます。
やっぱりこの風鈴はスバラシイ。

明珍火箸風鈴:http://www.media-sd.co.jp/...

2007.8.19 [日] 岡谷へ

連日の猛暑。
お盆は京都を離れて八ヶ岳山麓にて数日間過ごしました。

下諏訪と岡谷に立ち寄り「岡谷蚕糸博物館」へ。製糸に関することなら、ここに行くしかない!という博物館でした。糸取りのまねごとも少しやらせてもらえて、これまで本で読んだだけのことが、ようやく実感としてわかった。目の前のレストラン「シャルドンネ」もなかなか素敵。

製糸所の見学もできればしたかったけれど、今回は諦めて様子だけちょっと窺ってきました。また今度、ちゃんと来よう。
絹キャンペーンはまだまだ続く...。

2007.8.18 [土] やはり避難

日に日に暑い。
もうだめだ。
高所へ逃げる。
八ヶ岳山麓にて休日。

2007.8.11 [土] 下鴨納涼古本まつり

おそろしく毎日暑い。
家の中で避難(避暑)をしているのも悔しい気分になり「攻める」ことにした。涼しい美術館に行こうとなって9時半くらいだろうか、家を出て下鴨神社を通り抜けようとすると、古本まつりの初日だった。夏のひとつの風物詩だからテレビカメラもちらほら。100円均一コーナーなどもなかなか面白い本があって、生まれた歳の「婦人画報」などを購入。緑いっぱいな森の中で、本を漁る人々。なにやらみんな無言で、かなり真剣だ。児童書コーナーもあり、その近くでは紙しばいも開催。なぜかディジュリドゥの演奏もあり。
すばらしい場だとつよく思う。

最高気温37.7℃。

2007.8.6 [月] 読書メモ

絹&製糸関係大キャンペーン中です。
熟読したもの、斜め読み、いろいろ。

『天の虫天の糸—蚕からの着物づくり』/長町美和子/ラトルズ
『皇后さまの御親蚕』/扶桑社
『丹後ちりめん誌』/野村隆夫/日本放送出版協会
『丹後のはた音』/あまのはしだて出版
『あゝ野麦峠』/山本茂実
『女工哀史』/細井和喜蔵
『製糸工女と富国強兵の時代—生糸がささえた日本資本主義—』/玉川寛治/新日本出版社
『湖の琴』/水上勉

『湖の琴』(うみのこと)は若狭の村から余呉湖(滋賀県北部)へ和楽器の糸引きに奉公に出て、京の三味線のお師匠さんに見初められた少女のお話。熱中し読破。映画版を探しているのですが、う〜ん。みつかるかどうか。

写真は明治5年に作られた官営の富岡製糸場(世界遺産登録のための運動が起こっているのですね)を、皇后が見学(激励?)に訪ねたときの絵。あゝ後光がさしてゐる...。

2007.8.5 [日] 有職織物の夢をみる

この間京都迎賓館でみた小袿(うちぎ)が忘れられない。きれいだった。本当にきれいだった。
『京都迎賓館 ものづくりものがたり』の中にも載っていたと思うし、写真ではみていたと思う。だけどそのときは何とも感じなかった。実物はすごい。絹の光沢が。絹の張りが。おどろくほどに特別。装束の王様だもの。
丸紋は撫子。地紋は竹籠の網目のようなもの(籠目紋?)。喜多川俵二作のようです。

思い返しつつ家に戻るとそこに干してあったのは有松の雪花絞り。もちろん木綿。ふふ。これはこれでとても可愛いんだ。

それにしても暑いです。
まとわりつく暑さがやってきた...。
今日は35℃ちかく。

2007.8.1 [水] そうそう

大事なことを書くのをわすれていた!
『天の虫天の糸』この中にも“着物にハンチングを被ってきた若い女性”を褒め称える記述が。
出没場所的にも間違いないですよね(笑)。

2007.7.30 [月] 京都迎賓館へ

幸運な機会がやってきて、京都迎賓館を見学。
とても厳重な警備。飛行機に搭乗するときくらいにボディチェック。カメラ以外の持ち物はロッカーに預ける(鍵を閉めずそのまま放置するという痛いミスをしでかす・だけどちゃんとスタッフの方に保護されていました)。今日の見学者はたぶん千人。

和会食の大広間まわりがいろんな意味でとてもよかった。黒い漆塗りの巨大なる机。そして庭。きっとこの二つが見せ場。その他は抑制のきいた感じ。建具。木の美しさ。土の壁。障子ごしの光。夏らしいきれいな水色のふわふわ座布団は、彩り。

前日に聞いた「空気の抜けるスカスカ感がどうしたって、ない」という話はその通りに思った。厳重警備の施設だから、鉄筋で、窓は防弾ガラス。障子や土壁になっていたって、その先には空気を通さない壁があるのだ。目にはみえないけれど、感覚的に「日本の建築の中に居る」ことを経験できない感じ。

だから、建物と建物をつなぐ廊橋を渡ったときには、なんともいえなくほっとした。風がさやさやと吹いて、鳥や蝉の鳴き声。ここからの庭と大広間への眺めはとてもよかったなあ。
廊橋で長居。ボランティアのおじさまとお話。ボランティアも5〜6倍の競争率なのだとか。ここに一ヶ月くらい滞在したいものですねえとそのおじさん。そうしたいものです。
先日訪ねた七宝工房が手がけたものがあったはずなのだけど、見つけることはできなかった。非公開ゾーンなのかもしれません(宿泊ゾーンは見学はおろか、間取りもまったく公開されていない)。

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ちびモスラちゃんは出てきてくれませんでした...。涙涙。
羽化させ種を残すときには、繭の先っぽを切って出てこれるようにすることもあるよう(皇室の養蚕所はそうしている)。あのこたちは、繭をやぶるチカラはなかったのか。それとも京都の外気が暑すぎたのか。ううう。
明日土に帰そう...。

2007.7.28 [土] 倉敷の花莚(はなむしろ)

夏の敷物があったらいいなと少し思っていたところ、先日鎌倉でいいものを見つけました。とてもいい具合。がんばって運んでよかった。

倉敷に花筵を作る工房が2つあるそうです。これからもがんばってほしいなあ。デザインは芹沢けい介による。他にもすてきな意匠がいろいろあります。

鎌倉・もやい工藝「花筵」:http://moyaikogei.jp/...
織込花莚:http://www.city.kurashiki.okayama.jp/...

2007.7.27 [金] 羽化まぢか

福知山のお蚕さん。今日で出荷の日から1週間。家に連れて帰った、小さな繭がふたつ。そろそろ出てくるかもしれないから屋外へ出そうと昨晩寝床で思っていた。ふつう羽化は明け方なのだという。

して、今朝繭をみてみると、微妙に位置が変化。むむ!と思ったら、ころっとちょっと動く。
繭はもともと片側を少し薄く作ってあって、そこに分泌液をだして溶かし、そこからよいしょと出てくるらしい。で、この繭ちゃん、なにやら片側だけ、尖ってきています。今あけようとしているんだね。
ワアワアワア!
さて今日のうちに出てくるのか、明朝なのか。

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出てきませんでした。
ちびモスラとの対面は明朝なるか。ドキドキ。

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ちょうど3年前に天神さんで買って、ほぼ寝かせていた(だって滑るのだもの...。)雪駄を履くことにしました。昔の棕櫚表の雪駄。今はなくなってしまった祇園の田中屋さんのもので、田中屋さんで鼻緒を交換してもらった。足袋をはかずに裸足なら、雪駄にはよくないと思いつつも滑らないし快適。

2007.7.26 [木] 三越、伊勢丹

今朝の天声人語は昨日統合のニュースが流れた三越と伊勢丹の話題。
明治30年代(1897〜)、三越は元禄模様で、伊勢丹は御守殿模様で火花をちらしたのだそうだ。しかし御守殿模様とはどんなものかしら。御所解とは違うのかな。伊勢丹社史に小さな写真が一枚。でもよくわからない...。

そんなときに『きものの花咲くころ』(主婦の友社刊、すばらしい本です!)の出番とページをめくるも、「主婦の友」は創刊大正6年(1917)なのでした。御所解模様については触れられていて、昭和初期に大いにはやった、とある。

ところで毎日新聞も同じ話題(検索をしていたら早々とヒット)。
“非凡な商才をみせながら、道義や公益を重んじた”明治の創業者(三越の場合はデパートの創始者)の経営哲学を教えてくれている毎日新聞が、より興味ぶかい。

朝日新聞 「天声人語」より引用
明治30年代、東京の呉服業界は模様合戦にわいた。老舗(しにせ)の三井呉服店(後の三越)は京都に染め工場を構え、復古調の元禄模様に力を入れる。これに対し、より古く平安時代に想を得た御守殿(ごしゅでん)模様で押したのが、創業間もない伊勢屋丹治呉服店だった▼伊勢屋は、この模様を柳橋芸者の総踊りで着せたほか、両国の花火大会でも宣伝した。「御守殿模様の成功により、天下の三井呉服店と張り合って高級呉服店を目指す伊勢丹の姿勢に、衆目が注がれるようになった」(伊勢丹百年史)▼(後略)

毎日新聞 「余禄」より引用
日本人の服装の洋風化はすんなり一直線に進んだわけでもない。明治30年代の東京には1400以上の呉服店があり、20年前に比べ7倍近く増えている。一方で舶来織物商の方は、同じ間に190軒から120軒に減った。和装への復古ムードがあったようだ▲呉服の老舗、三越呉服店は当時、あでやかな「元禄模様」を大々的に売り出す。一方、新興の伊勢屋丹治呉服店は、柳や桜をあしらった王朝風の「御守殿模様」を宣伝した。復古ムードのなか「元禄」「御守殿」のデザイン戦略はみごとに成功した▲「三越は営利だけの観念で経営すべきでない。国家社会に貢献すべきだ」は三越呉服店の専務で、三越デパートの創始者となった日比翁助の言葉だ。福沢諭吉の教えを受けた日比は、アイデアに富んだ経営とともに、利より義を重んずる「士魂商才」の人として経済史に名を残した▲かたや「およそ本店員たるものは、居常必ず正義の観念に住すべし」と家憲の冒頭にうたったのは伊勢屋丹治呉服店の創業者、小菅丹治だ。こちらも客の心をつかむ新商法で非凡な商才をみせながら、道義や公益を重んじた経済人として知られている▲(後略)

2007.7.23 [月] 梅雨明け!

朝は湿度もそれなり。が、昼前くらいから風が乾いていって、午後にはクリアな空気。真っ白の雲と、青い空。蝉も鳴いてます。爽やか! 今年もやっぱり気象庁に先んじて、勝手に梅雨明け宣言。

自転車日和なんだけども、おとなしくバスを乗り継いで松尾へ。
訪ねた先は七宝の工房。懐かしい人に会いに行きました。
“誂えの帯留”を相談。取材の準備です。七宝の帯留。きっとすてきなものに。

とうとうと流れる桂川、今日はひときわ輝いていました。川の中で遊ぶひとたちもちらほら。

2007.7.21 [土] 久しぶりの弘法さん

ちょっと雨が心配な日曜日。弘法さんへは8時出発(同行の知人からは遅い!とクレーム・涙)。
だけど収穫はいっぱい。ふっふっふ。写真のとおりです。

・竺仙の未仕立の浴衣反物
・おそらく明治期の輸出用有松鳴海絞り
(この頃、絞りと注染を施した布をアフリカへ大量に輸出してたのです。例えばそれはこんな布
・桐下駄
・塗りの下駄
・古い籠(大)
・古い籠(中)

合計6点。して、出費はなんと1600円。えーっ。すごくないですか。
籠と下駄1つは「あげますコーナー」から頂いたもの。そんなコーナー初めては見つけました。境内ではなくて、東寺の外で。
いい日もあるなあ。こんな骨董市歩きは愉しすぎます。

2007.7.20 [金] お蚕さまフィールドワーク:もう繭に

“掃き立ての日”から32日。繭を作り終えて蛹となり、出荷される日に福知山へ行きました。
(前の日記に書いた「約50日後に繭を作り終えます」はマチガイでした。正しくは、蛹になるまでが30日くらい、一生涯が50日。詳しくはこちらなど)

今回福知山の野村さんが育てたのは「黄白」(おうはく)という品種のお蚕さんです。雄は白、雌は黄色の糸を吐き、雌雄の区別ができる品種(写真は雌の繭ばかりを集めてたもの)。雄のほうが糸が細く、良い糸がとれると昔から言われていて、色により選別することを可能にした品種なのだそうです。

作りたての繭はふわあっと柔らかく、心なしかしっとりとした雰囲気。この中で蛹が生きていて、羽化するときを待っている...。でも、今日の夜には京都から岡谷・宮坂製糸へ出荷されていきます。

2万弱の繭を車に乗せて、美山を経由し京北町の「塩野屋ファーム」へ。今年三月に植えたという桑の苗木1000本。雑草にやや侵食されつつも、元気に根を下ろして艶やかな葉っぱを伸ばしていました。ほぼ1人で世話をしているという畑。塩野屋の服部さんの情熱には本当に感服!

2007.7.17 [火] 巡行

烏丸御池で山鉾巡行を少し見物。
たまたま函谷鉾が目の前で止まってくれたから、じっくり観ることができました。鶏の懸装品が印象深い。近世の染織家、山鹿清華の作なのだそうです。
函谷鉾のお囃子には女の子も乗っていたような。

七月も後半になったけれど、夏らしい日はまだやってこないなあ。

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くにえさん!
そうそう、まさにそう思いますぞ!

2007.7.16 [月] 宵山茶会

宵山の日は、煎茶の茶会のお手伝い。
極上の玉露の茶葉を使って、客も自分自身で淹れるというのが今回の趣向。本当に美味しい玉露を味わってもらうことが何よりも目的。飲むものではなくて、口に含ませて味わうもの、文字通り“玉の露”として。
味見させてもらったお茶(二煎目)は美味しかったなあ...。とろりとして、甘く、じわああっと。うまみ成分はほどほどに、甘くて、丸い。ああまさに甘露であった。

抹茶の席の主菓子は行者餅。東山のお菓子やさんが一年でこの一日、宵山の日しか作らないというお菓子。200年前、当代主人が山伏修行中にお告げを受けて、作り始めたもの、とききました。私たちスタッフもお客さまたちが帰られた後にいただきました。

着ていったのは、縞の八重山グンボウに、無地の八寸。道明の唐組と白の帯揚。渋めの色だけど、ピンクっていいなあ。柔らかな気持ちになる。うん、綺麗な色をたくさん着たい。

2007.7.15 [日] 「大人の和生活」

主婦と生活社の「大人の和生活」(7/5発売)に取材をしてもらいました。格子の(というよりチェックの)小千谷と、知人から譲りうけた宮古を着ました。
へちま帯枕の下にあるのは、久保紀波さんの扇入れ...。“暑さを忘れるお助け品”ではないのです。うるうる...。手違いです。ごめんなさい(涙)。

大特集は「夏から秋にかけての織のきもの」。
青山八木さんが夏きものに最上と考えるのは「上布(宮古もしくは越後)」。その上ですすめるのは、まず小千谷。夏きものの感触をつかんだら、次にすすめるのは絹(夏塩沢など)。小千谷と上布の間にある麻には手を出さない、というのがお考えだとか。なるほどです。オモさんの生紬もとってもすてきだったし、夏の絹きもの欲がじわじわと増殖中。

本屋さんで見てみてくださいね。

2007.7.15 [日] 青空

ああ、一ヶ月も日記をさぼってしまいました...。書きたいことが溜まっていって、それが頭の整理のできていないことだと尚更に、ひきこもってしまう。そうこうしているうちに福知山のお蚕さんたちはぐんぐん育って、あと1週間で出荷だという(ここ最近の湿気のせいなのか急に成長し、出荷の日が前倒しになったのだそうだ)。

青い空をみたのはもう何日ぶりだろう。10日くらいかな。青い空は綺麗だ。台風一過。ダイナミックに動く白やグレーの雲と、青い空。
やはり何日ぶりかに自転車に乗って、美しい帯を見にいきました。逸品という言葉はこんなもののためにあるんだ。糸のこと、日本の絹のこと、たくさん話をききました。絹の本質は「艶」と「肌触り」。それを見失ってはいけないと。未整理。いずれにしても、うきうきする。

喫茶六花で夏野菜いっぱいのお昼ごはんを食べて、夏の装履の花緒を相談しにない藤さんへ。ようやく雨のあがった鉾町を歩き、飾られた屏風を眺め、夏の気持ちになってきました。そしてとっても遅まきながら、祇園祭の扇を床の間へ。巡行は明後日だから、三日間限定です。

2007.7.1 [日] 鎌倉散歩

数人で連れ立って、着物寄り鎌倉散歩。
ガイドはフー母(ふうままさんはフー母とは別の方であります)、訪ねた場所は、えっと…、
・お蕎麦屋さん(店名失念)
・手づくりの洋服のお店( 〃 )
・古着屋さん( 〃 )
なた屋:生紬の御所解染帯すてきだったなー
大佛茶廊:お庭拝見
・豊島屋(鳩サブレのね)
・スターバックス:不本意気味(笑)
もやい工藝
ロータスポンド
・かつら呉服店:すばらしい琉球の織物を拝見。素敵ですねえ、本当に、としばらくのやりとりののち、一瞬間、そして「おつくりなさいませ!」と店主。あまりにも直球のボールにたじろぐ。そして関心する(鎌倉マダムならば受けて立つところでしょう!)。しかし、つくれません...。

写真は夜に眺めた海。

2007.6.30 [土] KIMONO真楽五周年パーティ

東京駅から皇居沿いに歩いていく。気持ちよく、しかし遠かった。
会場の窓からの皇居の緑のパノラマもとても綺麗。

1周年パーティは着付けすらできなくて、母にわりと強めに着せてもらい、出かけました(そして帰りにはだいぶ苦しくてふらふらだった甘酸っぱい思い出)。○周年パーティはそれ以来の参加だったから、1周年のときのことが懐かしく思い出されて、そのときと同じ帯締めをしていきました。初めて買った帯締め。道明の
それから丸4年。もっともっと前のことのように感じる。

楽しくて楽しくて、ワインを飲みすぎ、翌日はちょっと頭痛。

2007.6.19 [火] お蚕さまフィールドワーク:生まれたて

福知山へ。京都府に三軒のみ残る養蚕農家を訪ねるツアーに参加しました。といっても参加者は塩野屋さん社長とスタッフの石井さん、それに私の3名だけ(贅沢だ)。

この日は、夏繭の掃き立ての日。
卵(種/たねと呼ぶ)から孵ったばかりの蚕の赤ちゃんたちが、シート状の袋に入って、10時に宅急便で届く。ちょうど輸送中に卵から孵るようになっているのです。そしてその赤ちゃんたちに、はじめて桑の葉っぱをあげます。柔らかい桑を選んで、みじん切りにしてふわっとかぶせてあげると、わずか2ミリのお蚕さんたちはすぐに葉っぱにとりついて、しばらくすると葉の端っこはぎざぎざになっていく。目が開いてない赤ちゃんが誰に教えられなくともお母さんのお乳を飲み始めるのと同じように、葉っぱを食べ始める姿をみて、すごい!すごい!と大さわぎ。生命の神秘をじーんと感じるのでした。

写真の桑の葉の下にあるのは2シート分のお蚕さまの赤ちゃん。なんと1シートにつき1万3千頭です。虫はそれほど得意ではない(かといってものすごく苦手というわけでもない)私ですが、葉っぱをもしゃもしゃ(小さすぎてわからないのだけども...。)食べているお蚕さんたちをとても愛おしく思いました。これから5回の眠と脱皮を繰り返し、約50日後に繭を作り終えます。

そして今日は、真綿づくりも教えてもらいました。玉繭やくず繭(上繭と違って出荷できない繭)をひとつひとつ器用に引き伸ばして、それを重ねてきれいな角真綿を作る。これをたっくさんたっくさん作って、それを貯めて、お布団をこしらえていたんだよなあ...。教えてくださったのは黒田登喜枝さん。くず繭から糸を引くことも教えてもらいました。小一時間奮闘したものの、これはまた、たいぶ難しい...。けど、この作業は好きだなあ。

8時西陣出発、京都着18時。絹についてめいっぱい勉強した一日。すばらしい機会をつくってくれた塩野屋さんに感謝。またこのお蚕さんたちに会いにいこう。そしてちゃんとフィードバックできるように頑張ります。
夏繭ツアーはあと3回あります。興味のある方はぜひ塩野屋さんへ!

2007.6.11 [月] 鴨川蛍議定書(意味不明...。)

そう、今年は蛍がすごい。
すぐ近くの疎水には1週間前くらいから去年よりずっとたくさんの蛍がふわふわと飛んでいるし、そして今日は鴨川の本流でもみかけた。そしてとてもびっくりした。とても嬉しかった。政令指定都市の町のまんなかを流れる川で蛍が生きている。最初はひとつ、ふたつと数えていたけれど、宵から夜になるにつれて、鴨川を上流へ向かうにつれて、数えきれなくなりました。とはいえ私の視界に入った蛍の数は全部で100には満たないと思うけれど。

この蛍が、温暖化が進み、ここに生きていけなくなったら、それは100%私たちの責任だ。私の責任だ。もういちど勉強して、努力する、と決意したことをここに宣言。向こう10年、温暖化・病気・きもの(および日本のものづくり)をテーマに生きていく。えいっ。

写真は表庭の山紫陽花。小さくて可憐で可愛い。
それから、渉成園の睡蓮。

2007.6.10 [日] 東山界隈

木の家具の工房 ぽちてっくの展覧会へ。会場になっていた古家は、前から気になっていた神楽岡界隈にありました。窓からは大文字が惜しみなく真正面。緑もいっぱいで、理想的なお家。ここに住みたーい!

というわけで東山界隈を自転車でうろうろ。花菖蒲が美しく咲いている場所をみつけました。白〜紫のさまざまな色にしばしうっとり。新名所になりそう。

2007.6.8 [金] 引き続き追求中。

ざざんざ織の貴重なビデオを発掘。
浜松市広報課、昭和54年制作です。
http://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/...
「ざざんざ織」は浜松チーム必見。ざざんざ織を生み出した平松実さん(明治30年〜昭和59年)があまりに素敵です。そして工程もよくよく理解。
「浜松の織物」には、注染の工場がでてきてます。浜松は今でも浴衣の産地。けれどこのビデオが作られたときとそう変わらず、やっぱり海外製との価格競争になってしまっているんだろうなだと思います。
それにしても浜松市の動画アーカイブ ・なつかしの市政映画、どれもこれも興味ぶかい。

写真は昼間の居間。雨の日は坪庭の緑が一層輝く。

2007.6.2 [土] 東海ツアー2日目

朝、期待を軽く上回るの卵サンドにう〜ん!と唸り、これはぜひ、ぜひ、また食したいものだと強く思いつつ、名鉄電車で有松へ。

気合十分で「伝説の手蜘蛛絞り手ぬぐい」体験コーナーへ。が、はじまりの時間が過ぎても、担当者不在(笑)。が、その後無事オープンして、ぞくぞくと「手蜘蛛絞り」にチャレンジ。
ここで「嵐絞り」の浴衣を着こなす初老の紳士との出会いがありました。嵐絞りは今ではも作ることができなくなってしまったもの。ああ、すばらしい。ああ、なんて残念なことなんだ...。

うろうろしつつ、東海道に面していながら敷地1000坪という服部家住宅(広重の東海道五十三次にも描かれている)に寄り道。

お次は張正さん。ここで一堂興奮。板締めの「雪花絞り」という手法で作られた平面的な絞り染めは、みんなのココロをぎゅっと捉えてしまうのだった。SOU・SOU×有松鳴海絞のゆかたも結果的には張正さんの雪花絞りのものが多いし、七緒Vol.10の表紙の浴衣も張正さんの作ったもの。染め上がったばかりという青の雪花を光ごしに観る。本当にきれい。
試行錯誤を繰り返し、いつも新しい張正さんの雪花絞り。前に訪ねた際“まだ試作中”ときいた格子柄が、完璧にできあがっていた。新しく考えたというやり方を見せてもらうと、なるほどと合点。できあがったものを目にすればそれが最も理にかなったものだと思う。が、それを考え出すことは簡単じゃない。鵜飼さんは、すごい。そして「黒がほしい」「帯がほしい」と新たな課題をつぎつぎと訴えかける真楽メンバーたちといったら(笑)。

それから有松鳴海絞りの製造卸・竹田嘉兵衛商店へ。399年前、有松に入植した8人のうちの一人、竹田庄九郎の末裔、竹田嘉兵衛さんから歴史のお話をきく。東海道はすぐそこ。江戸の時代を近くに感じる時間です。

最後にこの浴衣を作ってくれた人、山口さんのところへも。

絞りのいろんな面をめいっぱいみて、めいっぱい勉強しました。
作り手との出会いに満ちた一日。

2007.6.1 [金] 東海ツアー1日目

旅のはじまりは、浜松のうなぎ店「あつみ」から。2年前に出張で浜松を訪れたとき、ぜひあつみにと薦められたのに、祭り中にて休業中だった。店主は強い祭り人だときいた。というわけでリベンジの「白焼き」。美味しかったです。とても。

特別に訪問がかなった工房は森のなかにありました。家の歴史のこと、機のこと、糸のこと。たくさん教えてもらった中で、いちばんのテーマは「糸」。
手にした糸の塊はきらきらと美しく輝き、ずっしりと重量感がありました。一反分の糸はこの倍の量だときいて、改めて「着物」の重みを思う。お蚕さん、それから糸が作られる過程をちゃんと知らなくちゃいけない。まずは製糸所を訪ねようと決めました。そう遠くないうちに、岡谷へ。

夜は名古屋で店も味も濃いぃ味噌カツ丼。
宿では木の香りのするお風呂にゆっくり浸かって、ばたんきゅー。
明日の朝は卵サンドと小倉トーストと...。むにゃむにゃ...。

2007.5.31 [木] 東海ツアーへ

さて明日から六月。
明日から浜松、名古屋、そして有松。木曽の奈良井宿まで足を延ばそうと思っていたけれど、今回は断念。友人の住んでいる奈良井。ずっと木曽漆器祭りの時に訪ねたいと思っていたのです。

有松の絞り祭りはどんなだろう。楽しみだけど、ちょっとこわい感じもする。海外製の“有松鳴海絞り”B反ワゴンセール、なんてものは、はっきり言って見たくない。けれど現実は海外製が今のほとんどなのだ。そしてそれを「やす!かわい!」と買ってしまうんじゃなかろうかと不安に思ったりも...。なーんてね。
今年は七緒の表紙も、板締めの正真正銘有松製の有松鳴海絞りだったし、有松製の動きが盛り上がっているといいなあ。
写真は手蜘蛛絞りカリスマ・本間さん、昨年10月に訪ねたときのもの。

2007.5.27 [日] サイクリング

すこし前に「自転車部」が発足。
活動一回目は奈良の平城京までクルマでゆき、平城京から奈良サイクリングロードを走って法隆寺を往復。
活動二回目は下鴨を出発して、広沢の池、嵯峨野、嵐山を経由して桂まで。戸隠蕎麦・遊時でお昼ごはん(鴨なん冷やし蕎麦!)、桂離宮畔・中村軒でいちご氷。ここで折り返し、街なか、鴨川/賀茂川を通ってゴール。
ゴール直後にコケて右手を負傷...。うう...。湿潤治療をしてくれる病院へ行って手当てしてもらいました。不注意厳禁。

写真は広沢の池の脇に咲く立葵。
それから、印空寺でみつけた言葉、
“昨日を悔いず、明日を恐れず、今日を楽しく充實した日にしよう”

2007.5.26 [土] いろいろ

昨日と打って変わって最高にいい天気。写真上は今日のお気に入り一枚。鴨川右岸をひとり走るこども。けっこうガンガン走ってた。シロツメクサもめいっぱい咲いてます。

近ごろ綺麗だなあと思う花はハコネウツギ。鴨川沿いにも咲いていました。はじめは白くて、だんだん紅色へと変化していくのだとか。植えたいなあ。

写真下は今日買ったSOU・SOU×有松鳴海絞の手ぬぐい。
浴衣を作ってくれた山口さんの手ぬぐいです(青のほう)。ここにも書きましたが、従来の絞り(白い水玉部分)に加えて、鹿の子絞りの下絵の青花を、ゆるい防染剤として使って(それがうすい水玉部分)、こんなものが出来上がる。とても独創的なのです。
白いほうは今日使っていた手ぬぐい。これは有松の板締め、雪花絞り。

2007.5.25 [金] 緑いっぱいのアトリエ

ずっと雨の日。バスに乗って「京都で、きもの」の取材で知り合った、若い型染作家・関美穂子さんの先生のアトリエを訪ねる。

雨なのに明るい。ゆるい坂道を登って玄関にさしかかったところで足元に蛙。中へいざなうみたいに、ぴょんぴょん前へ跳ねていった。玄関脇には黄色のばらと紅の野ばら。おとぎ話の舞台のような洋館です。緑がいっぱいの庭先で水元(水洗い)。屋根つきのポーチにそのまま干す。鶯はすぐ側でほーほけきょ。ああなんていうすばらしい環境なのでしょう。

この日はちょっとアクシデントがあって先生とはお会いできず。再訪を約束。

関さんは今月の「天然生活」倉敷意匠の記事のなかでも特集されています。

2007.5.24 [木] いずれ菖蒲か杜若

大田ノ沢の杜若は平安の世から千年以上ずっと愛でられてきたのだとか。いやでも和歌として記録が残っていないだけで、それよりも前からきっと人々は愛でてきたんだよね。
決して遠くないところに住んでいるのに、ここに来たとき花はもう終わりかけ。だけどそれでも葉の明るい緑としゅっとした姿、何色と表現したらいいのか杜若の花の色は、本当に高貴で美しかったです。そうそう四月から五月にかけて唐衣あるいはそのまま杜若の銘の主菓子を三度、いただきました。

上賀茂神社を通過して、やきもちへ寄ろうと思ったのに定休日であえなく通過。賀茂川左岸を走る。中洲のあちこちに黄菖蒲をみつけた。賀茂川/鴨川に黄菖蒲をみたのははじめて。風にのって菖蒲のすうっとした香りが伝わってくる。ごくごくうっすらと。観察しながら南下すると、北大路〜出雲路橋あたりまでで、その先には自生していないようでした。

あやめと杜若と花菖蒲(はなしょうぶ)の違いはちっともわかっていなかったのですが、その後戻ってからいくつかのサイトを読んでおおむね理解。
黄菖蒲は外来種なんだ。あやめと杜若と花菖蒲、黄菖蒲これらは全てアヤメ科で、葉菖蒲はサトイモ科。ならばあの香りは思い込みだったのかな...。

自転車に乗りながらモヤモヤぼんやり考えていたこと、かいつまんで以下。
杜若うつくしいなあ、菖蒲もいい、あれはどうやったって描きたくなるよなあ。そうそう葵の葉っぱも本当に可愛くて、あれは神社もマークにしたがるはずだ、友禅のモチーフにもなるはずだ、うんうん。だけど葉脈はとってもきれいだけど、友禅に描かれるときも、家紋もだいぶデフォルメ(というかなんというか)されてるよねえ。葵といったら橘もかわいい、ほんとかわいい。・・・あれっ橘ってホンモノを見たことがないじゃないか。えーどんな花だったっけ。そんなときにイメージ検索なんだよなあ。それってどうなんだろ。一歩も動かずにイメージ検索ってまずいんじゃないか。だってこういうのはちゃんと知りたい。やめようイメージ検索。この場合は...。

2007.5.19 [土] 煎茶と美しいチマチョゴリ

宇治・黄檗の萬福寺で行われた「全国煎茶道大会」に参加。全国の煎茶の流派が集まってお茶会を開く毎年恒例の行事です。
黄檗山萬福寺は中国風の寺院。広い境内のあちこちに、各流派が茶席をもうけていました。この日は17のお茶席があって、まずはショーケースに並んだお菓子をみて、どれがいいかなーとめぼしをつける(笑)。そして境内を歩き、席の様子、しつらいなどを窺って、3つの席を選びました。とても楽しい。
お茶席はそれぞれに個性があってとても興味ぶかく、2席目できいたお話「煎茶は茶道具のために道具を作るのではなく、あるものを工夫して使い、それを楽しむ」というのが基本的な精神、ということを知った。

境内ではたくさんのチマチョゴリに身を包んだ女性たちと出会った。
これがー!とっても綺麗だったのです。これまで観たことのあるチマチョゴリは極彩色ばかりで、魅かれることはあまりなかったのですが(あっ白紺の制服はとても可愛いです)、前に何か雑誌での紀行文の写真で美しい色のチマチョゴリを観たことが一度だけあった。
この日に出会った女性たちのチマチョゴリはまさにそのときに観た色。やさしい、きれいな色。それから色合わせがもうとても綺麗。チョゴリ(=上衣)とチマ(=スカート部分)の色、それにリボン(コルンというらしい)と袖口が、帯揚げのように、効き色なのでした。
そして素材。麻かとも思ったけれど、尋ねてみたらシルクとのこと。張りがあって、きものでいう絹芭蕉とか夏塩沢みたいな風合い。いや、糸に拠りはそれほどかかっていなさそうではあったので、セリシンの張りなのでしょうか...。とにかくこれが本物のチマチョゴリなんだなと勝手に理解。綺麗なものを観せて貰えて本当に嬉しかったです。

2007.5.18 [金] 「京都で、きもの Vol4」

「京都で、きもの Vol.4」が今日発売。
とりあえず本屋さんで購入(笑)。←まだ届かないのです

撮影をしたのは一月だったのに、そうは思えないあったかい光。写真を撮ってくれたのは平野愛さん。京都チームのみんなから貰った赤いお盆も一緒に写ってます。ふふ。

今回、4つの記事を書かせてもらいました。
「京のオリジナルゆかた 紫織庵」
「京のオリジナルゆかた SOU・SOU」
「型染作家 関美穂子さんの作るゆかた」
「ゆかたのお手入れ・お洗濯」
写真下はSOU・SOUの伊勢木綿ゆかた撮影中の様子。

表紙はピンクの浴衣の井川遥さん(かわいい)。
SOU・SOU×有松鳴海絞のゆかたも何枚か登場してます。
ぜひ手にとってみてくださいね。

2007.5.15 [火] 平安の色

葵祭。よく晴れて、爽やかな一日。
一行が北大路通りへたどり着いたころには、頭や腰につけた葵の葉はすっかりしなしな、みなさま顔や手が日灼けしていました。

今年は賀茂街道ぞい(北大路〜北山間)で見物。この界隈は人も少なく、緑のトンネルが美しく、とてもよかったです。緑がいちばん綺麗なこの季節に、あの雅やかな平安の色。本当にきれい。

葵祭はきもの好きには非常に興味ぶかい。今年じっくり観てしみじみ思う。立涌と波の文様がとてもいいなとか、馬に乗るときはこんなもんぺみたいなものを穿くのだわとか、むむこの手綱は錣絞り(しころしぼり・有松の絞りは尾張藩主や将軍に絞りの手綱を献上し好評を得たところから一躍有名となっていったそうです)からきてる模様に違いないとか、小さな発見がたっくさんです。

美しい色をたくさんみたあとに、室町の呉服店へ行く。衣桁には現代の上品な夏の訪問着(花筏)と雅やかな扇の袋帯。再びほうと溜息。
飛び絞り・絽東雲の帯揚を購入。絞り柄は夏用でいて、紅のもみじ。

2007.5.12 [土] 御所の休日

緑まぶしい土曜日。にゃんこ氏お勧めの御所のうどん&かやくご飯をお昼ごはんにして(なかなかよかった!)、その南のコーヒーハウスで抹茶ミルク、最後はもっと南の拾翠亭でくつろぎました。

拾翠亭は、五摂家の一つであった九条家の江戸後期に作られたという茶室。ここを一日借りて何かしようではないか、と計画中。いや、これから計画。秋に、ぜひ。

しかし御所、興味ぶかい。毎月恒例のきのこ会とか...。苔会があればいいのに。

2007.5.11 [金] 新茶づくり

八十八夜から10日ほど過ぎて、表庭の茶を摘み、蒸して、揉んでみました。木を眺めている時はけっこういっぱいあるように感じていたのに、出来上がったお茶はたった一煎分。なんて貴重!
できばえは…、一応お茶という感じでしょうか(笑)。茶づくり名人への道ははるか遠く険しいけども、とても楽しかった。宇治では茶摘や製茶を教えてくれる会があったよう。来年は参加したいなあ。

2007.5.9 [水] 初夏というより夏

葵祭がもうすぐ。糺の森は流鏑馬神事が執り行われた後。馬場には馬たちが駆け抜けた蹄の跡が残っていました。幅10メートルほどだろうか、街なかにある大きな緑のトンネルと土の道。この道はとても貴重に思う(はい、だからこそ世界文化遺産)。
ここがこういう形で今も存在しているのは、この神事があるからこそ。今日もまた緑の青さをしみじみと眺めた。

キイさんのところ(京都高島屋)と京都国立博物館へ行こうと思っていたのに、今出川を下がったあたりで暑さにめげてしまいました。昼すぎは31℃強まであがったよう...。

そして数日前にオープンしたオオヤコーヒのカフェに寄る。マンデリン深焼をオーダー。おいしい。ポットで入れてくれるのが嬉しい。またひとつ好きな場所ができた。

カフェ工船(オオヤコーヒ)
京都市上京区梶井町448-57
清和テナントハウス2F
(河原町通今出川通下ル東側)
月火定休・12〜20時

2007.4.28 [土] 筍と京友禅の日

めくるめく一日とか、知恵熱とか。ともに過ごした友人たちの反応をふふふと嬉しく読んでます。出会いの日から一年とすこし経って、たくさんの人と共有できたことは素晴らしい。常にあたかかく迎えてくれる高橋徳のみなさんに本当に本当に本当に!感謝です。

筍も昨年と微妙に献立の内容が変わっていて、恒例になっても何度でもおいしい。写真はバスまちのゆるゆるな時間のもの。誰かの家に遊びにきているように、みんなゆったり、くつろいでました。

2007.4.27 [金] 無燐庵

雪の次は新緑を並べてみよう。
無燐庵は山形有朋の別荘で、七代目小川治兵衛、明治28年の作庭。
緑がむくむく育っているときに行かなくちゃと、あせって訪ねた。
そうしたら庭園講座で知り合った庭師さんがちょうどお手入れ中。
草むしりやお掃除に忙殺されてしまってなかなか剪定までいかないのだとか。手伝いたいくらいだ(本気)。緑が豊かでなかなか好きな庭。すーはーすーはーと緑の空気をいっぱい吸う。けれど交通量の多い車道がすぐそこで、ずっと車の音がしているのが残念なんだよねえ。

2007.4.22 [日] 雪山へ

10年ちょっとぶりに雪山に登る。雪山大好きチームのメンバーと一緒に。行けるかなあと不安に思いつつ、仲間たちを頼りつつ、がんばりました。場所は北アルプス・唐松岳。天候悪し、たびたびホワイトアウト。踏み跡があるとはいえやっぱり怖い...。
けどけど、視界が開けたときの雪山の山稜は猛々しく美しく、ああこれに会いたかったと思った。

2日間は山。もう1日は桜吹雪後の松本を散歩。
川のほとりの光佳染織さんも訪ねてきました。魅力的です。ふー。どうしよう...。

2007.4.19 [木] 新緑と見納めの桜

父母を案内して朝から修学院離宮。歩いて曼朱院、武田薬品の京都薬用植物園あたりの散歩道。雨上がりの新緑が眩しい。

桜はもう諦めていたのに、さくらこさんからさくらメールを貰って、午後から原谷へ向かいました。
まあなんとそこは桜の夢の国。覆い被さる枝垂れ桜のめくるめく世界、青空とのコントラストも何と表現したらよいのやら。しばし呆然と首を90度に折って見つめつづけました。やれやれ、すごいぞ。

30分ほど緑のきれいな坂道を歩いて下って、着いたところは仁和寺。はじめての御室桜。この間教えてもらった歌、
“わたしゃお多福 御室の桜 はなは低とも人は好く”
を思い出す。うん、本当に可愛らしい。
御室桜と、御室桜が囲む格好の三重塔は、まるでコラージュのよう。まさにこれ

今日はもう参った。降参です。

2007.4.11 [水] 表情のある言葉

一年ほど取っていなかった新聞を、明朝から配達してもらうことにした。たずねてきた新聞屋のおじさんは寅さんとちょっと似た風貌。古き良き上方セールスマンの軽妙なトークは、とてもよいものだった。それにちょうど今日近くの珈琲店で天声人語を読み、興味深く、そして文章が巧いと思っていたところだったんだ。

それは「宵のうち」という表現が、気象庁の予報用語から消えることになるという話題。以下部分的に引用。
“「宵のうち」という表現が、気象庁の予報用語から消えることになり、惜しむ声が相次いでいる。午後の6時から9時をさすが、もっと遅い時間だと誤解する人がいるからという。新しい表現は「夜のはじめごろ」になる。機能的だけれど、いまひとつ趣を欠く。
<中略>
時を表す古い言葉には、それぞれ“表情”がある。「たそがれどき」は寂しげだが、「火(ひ)点(とも)し頃」は盛り場のざわめきを聞く気分がする。夜明けの前後をいう「かわたれ」や「朝まだき」は物静かだ。だが「払暁(ふつぎょう)」とくれば一転、まなじり決した軍事作戦をほうふつとさせる。雰囲気のある言葉が消えていくのは寂しい。”

写真は今日の賀茂川左岸・昼下がり、先日の円山公園・宵の口。

2007.4.8 [日] 庭園講座など

桜はまだまだ絶好調。この肌寒さに感謝です。

お花見日和の京都を後に、庭園講座へ。
今回は学者肌な講師より日本庭園の歴史のことや、施主と庭師との関係について話をききました。
たとえば幾つかの京都の名庭が「植治の庭」と表現されていることに彼はとても違和感を訴えていました。庭は、まずは施主のもの。明治期の男たちは、たとえば植治に庭のイメージを大いに語り、ときに難しい課題を与え、それを植治が見事なまでに具現化していったのだ。施主と庭師のぶつかり合いがこれほどのものを作ってきたのだという話。締めのお言葉は“もの言う施主が次代の庭園文化を創造する”でした。う〜ん。着物の世界だって同じこと!

午後は浄瑠璃寺へ移動。浄土式庭園の理想的なレイアウトという庭の見学をしました。住職さんのお話も。九体仏のうち南から3番目の阿弥陀さまに引き寄せられる。こんがら童子にはもっと優しい人になれるよう手を合わせる。

京都に戻って投票へ。引っ越してからはじめての選挙。小学校からの風景に軽く感動。目の前に山が大きくどどーん。ここは信州か富山かと思うほど(アルプス山麓の人からは笑われるかもしれないけども…)。葵っこたちは、比叡山をみて大きくなるんだね。

2007.4.6 [金] 夜桜

昨日に引き続き疎水の夜桜を愛でつつ、北白川の駱駝へ向かい、かっらいかっらい麻婆豆腐などで晩ご飯。おいしーっ。

そしてもう一度夜の枝垂れ桜を見に行ったら、窓辺に友人の影を見つけた。
「○○ちゃーん、あーそーぼー」
そんな感じのゆるく楽しい夜です。
ここは大正期に建てられたアパートで、中国からの留学生たち(とてもお金持ちの)の寮だったのだとか。そしてその時期はたぶん孫文がちょうど京大に留学していた頃だとか、建物の歴史をきく。孫文かあ...。
部屋からの夜桜見物はとてもよかったです。

2007.4.5 [木] 疎水をいこうよ・2007

ゲラに向かい、病気について考える日々。
午後からは自転車で「疎水をいこうよ・2007」をひとり開催です。コースは昨年とほぼ同じ。われながらほれぼれとするコース(笑)。誰かを案内したいものだ。途中には“くるくるロールケーキ”も付くのですぞ。

駒井邸のすぐ近くにある旧いアパートの枝垂れ桜も、まさに満開。
枝垂れ桜にも幾つかの種類があって、ここのは一重の紅枝垂。花びらはしゅっと細く、花はとても小さい。ここで調べてみたところ、これがそのまま、紅枝垂なのかな(花の色→白〜紅色、花びらの枚数→一重、花の色は→淡紅色、花の大きさは→小輪)。

帰りは図書館に寄って、岡崎と鴨川/賀茂川を経て戻る。今日はきっと10kmくらい走った。

2007.4.4 [水] 祇園の桜見物

京都界隈チームのミニお花見そぞろ歩き。
暮れてゆく時間の桜は本当にうつくしいものだ。
巽橋すぐ横のお茶屋に芸舞妓がずらり並ぶ姿がみえました。
これは本当に現代なのかしらという光景。

着ていったのは、桜で染めた無地紬に、桜の染物の反巾、それに羽織(寒かったです)。あまりにストレートな取り合わせだけど、よいのだ。
帯は母が二十歳ごろに着ていた着物を仕立て替えたもの。名古屋と反巾と2本できたのです。墨染桜という桜を描いたものときいた。そうそう、その桜の着物自体も、もとは祖母のものを染め替えたと言っていたような...。

2007.3.10 [土] 竹垣を作る

「庭園講座」に参加。二回目。前回は剪定を教えてもらって、今日の課題は竹垣づくり。京都のそうそうたる庭園の手入れをしている現役の庭師さんたちから教えてもらえるという願ってもない機会で、るんるんなのです。

竹垣に使う竹は真竹。真竹の筍は食べられない。食べるのは孟宗竹。竹の太さは地面に出てきたときの太さが基本的にそのまま伸びていく。細い竹は細いまま。などなど、初めて知ったこと。

写真は庭園内を歩きながら竹垣の勉強中の図。これは「竹穂垣」といって、ここまでのものは素人が作れるようなことではなく。もっとも初心者向きの、でも奥は深いという「四つ目垣」に挑戦。熱中し、もくもくと作業。とりあえず棕櫚縄の結び方「男結び」だけはマスター。

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真竹は食べないこともないみたいです!
孟宗竹よりだいぶあとの6月くらいが旬だとか。ちとえぐいようです。

2007.3.8 [木] モモサク!

御所を通って町なかへ。
梅は開ききって、終わりかけ。梅はまん丸の蕾がとても可愛くて大好きなのだけど、開ききった梅はまたそれはそれで可愛いな、と思った。そして桃が開花中。白の桃は特に可愛い。

お昼ごはんは「小豆家うさぎ亭」(高倉通六角上ル/月曜休)の原価無視という親子丼。ばかうま(涙)。
おやつは昨日いただいた末富さんの桜餅。はらりとした葉の上に乗る姿、綺麗なまん丸がいとおかし。もちろんとても美味しかった。葉の塩味がすこおし移った道明寺の味わいには滋味すら感じた(表現間違っているかも)。

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サクラサク!の兄やぎくん。おめでとう!

2007.3.7 [水] 春のお菓子

ずらっと並んだお菓子は春の色。
やさしい、やわらかい、色とかたち。

可愛くて可愛くて、思わず顔もほころびます。こんな可愛いものが世の中にあるのかしらというくらいに(ちょっと大げさ)。
春を待つ気持ち、来たときの喜びの気持ちで一杯。しかし今年のように暖かいと、待ちわびる気持ちがあまりこみあげてこなかったり。深刻です。
下のお菓子は銘を「桜前線」という。お天気予報のときに出てくるあの日本地図がインスピレーションの源なのだとか。

末富のご主人による和菓子講座に参加して、たくさんの興味深いお話をききました。砂糖のもつ意味(砂糖がもっていた意味)、特に白い砂糖がどれほど珍重されてきたかについてきき、そして最近は砂糖を摂らないことがインテリジェントな雰囲気になってしまってる。が、が、甘いことは、美味しいんだ!と声を大にしておっしゃっていて、深く納得。その時口に入れた有平糖がどれほど甘美な幸福感を与えてくれたことか。

「白砂糖は毒」なんて話をききますね。普段砂糖を摂りすぎているから、甘美な幸福感も感じることができなくなってしまっている。もっとメリハリをつけて砂糖を楽しむべきなんだろうなあ。
白砂糖について、調べてみよう。期せずして次回「ためしてガッテン」は砂糖特集。ちょっと楽しみ(軽くガッテンしてしまわないよう注意>自分)。
ちなみに「ガッテン流カレー」のレシピ、めっちゃ美味しかったです。作り方はシンプル。異常に詳しく紹介したページも発見。放送をみていなくても再現できそうです。

2007.3.4 [日] 脱線中(染料について)

着色に用いられる色材(しきざい:色の材料の意)のうち
1)染料 dye:水や油に溶けるもの
2)顔料 pigments:水や油に溶けないもの

1)染料
 原料:植物の根や花、化学染料
 どう染まるのか:繊維の内部までしみ込んで色が付く・ビジュアルでみるとこんな感じ

 1)-1 直接染料
 堅牢度:中くらい、水・摩擦に弱い
 用途の例:友禅
 
 1)-2 酸性染料
 堅牢度:まあまあ
 用途の例:友禅、地染め(浸染に向いている)

 1)-3 反応染料
 繊維と化学的に反応して繊維上に固着する染料
 堅牢度:極めて高い、水・摩擦に強い
 用途の例:エルメスのスカーフ

2)顔料
 原料:岩や土を微細に砕いたもの、化学顔料
 どう染まるのか:接着剤(バインダー)により繊維の表面に付着した状態・ビジュアルでみるとこんな感じ
 用途の例:琉球紅型

染料についての参考サイト:
http://www1.mint.or.jp/...
http://www005.upp.so-net.ne.jp/...

2007.3.4 [日] 脱線中(型友禅について)

型友禅について勉強中。でもでもよくわからない点がいっぱい。
発端は「うっとこはホンモノの友禅で作っているから」とあるメーカーの方からきいた話より。
うーん、でも裏白いし。ホンモノの友禅とは一体何のことを言っているのだろう。。

1)手描友禅=挿友禅
 発明時期:江戸初期
 流行時期:江戸元禄期(1688〜1704)
 重要人物:宮崎友禅斎(扇絵師、デザイナー)
 社会的バックグラウンド:奢侈禁止令により総鹿の子絞りなどのきものが禁止された
 工程:基本ここに書いてあるとおり
 * 簡易化:型糸目

2)型友禅
 発明時期:明治
 重要人物:廣瀬治助(挿し友禅職人/千總専属)
 技術的バックグラウンド:文明開化とともにヨーロッパからもたらされた化学染料
 工程:基本ここに書いてあるとおり、大きく分けて下記二つ。両者だいぶ違う。

 2)-1 摺り友禅
 摺り染:丸刷毛に染料を含ませて、型の上から直接摺り込み、染める。
 長所:ぼかし表現が可能。色に深みがある
 2)-2 写し友禅=しごき友禅(=糊友禅?)
 しごき染:防染糊と染料を混ぜたもの=写し糊=色糊を、型の上からヘラでしごいて染める。
 長所:くっきり均一な染上がりが可能・摺り友禅のように熟練技が要らない
 短所:表面しか染まらないので色に深みがない。裏が白い?

たぶん「友禅」と呼んで許されるのは上記まで。

そしてよくわからない点。
* 手捺染と2)-2写し友禅との本質的な違いは?
* 機械捺染(=機械染め=ローラー捺染など:いわゆる「プリント」)と2)-2写し友禅との本質的な違いは?
* 低価格のきものやゆかた(ぺらっぺらな染まり具合の)はいったいどうやって染めているのか。

染色工程についての参考サイト:
http://www.tenugui.co.jp/...
http://www.navida.ne.jp/...

--
キイさんありがとう。
型友禅の工房見学を近々実現しようと思います。

2007.3.4 [日] テレビ!

BS-hiで15時より昨年の南座顔見世興行放映でーす。
録画録画っ。

2007.2.18 [日] 旧暦新年

葉山で過ごした旧暦のお正月。
よい一日でした。多くの人に感謝です。

友禅のきものを着ようと用意していたのに、
雨にめげて諦めてしまったことが心残り。

写真は男女比1:1の奥の和室から。
やわらかい光に包まれたきものびとたち。
とれもきれいな光景でした。

2007.2.11 [日] 休日

新しい友人と午前中サイクリング。テーマは「御土居」(豊臣秀吉がつくった京のまわりを取り囲む城壁)。
朝日をあびて川面がきらきら。あーきもちいー。早起きは三文の得。わかっていても、なかなかできないんだよね。

天神さんではあちこちで梅が開花。
受験シーズンだもの、境内は大賑わい。学問の神様は忙しそうでした。兄やぎさんの祈願をしてきましたよ!

今日はひさしぶりに晴れたり曇ったり時雨れたり。
やっぱり暖かいけど、京都の冬らしい天気。

2007.2.4 [日] 一日遅れて

一日遅れて、吉田神社。
昨晩からの火はまだわずかに残っていて、無事しめ飾りや門松を納められ、ほっ。
2月4日の夕方。神社は年に一度の大量参拝者を迎えたあとの片付け中。テキ屋さんたちは撤収作業中です。

どんど焼き、普通は小正月なんだよね。
京都は吉田神社に納めるのがメジャーのよう。他地域と比べてゆったりしてます。松の内も長いし。しめ縄のみかんなど、今頃まで置いておいたものだから、くしゃくしゃのおばあちゃん状態でした。

話は変わってこのコラム。言語化こそ控えていたものの密かに前から感じていたこと。そう、20代後半あたりからずぶずぶね。ええ、おっしゃるとおりですとも。ずきずき...。いたい指摘だ(涙)。

2007.2.2 [金] おびどめ

“ 女性が着物を纏う姿は美しい。着付けが進むにつれて表情が次第に引き締まってゆく。帯留めを締め上げた頃のきりりとした緊張が走る瞬間。そこに最高の美を感じるのは私だけであろうか。
それが翡翠で作られた帯留めであれば、満足は頂点に達しよう。着物姿の中心で凛と存在する翡翠は、じつは何億年もの歳月をかけて造られたものだ。生まれは遥か地下深部の別世界である。 ”

ある翡翠の帯留を買うか買うまいか迷っていたときに『おびどめ 2』をめくりながら読んでしまった火山学の先生による短文。
ああ、これを読んでしまって求めずにすむだろうか。

清水の舞台から突き落とされそうになりつつ(ちょっと大げさかしら)、しかしなんとか踏み留まった。でもきっとそのうち。そのうちきっと縁がある。

写真は最近縁のあった珊瑚の帯留。三部紐と一体になるこんな形のおびどめが好き。

2007.2.2 [金] 岩手からの荷物

起きたら外は真っ白。雪の降る朝でした。
今日、陸奥から郵便が届いた。
もう10年も会っていない友人が、本をみたと言って送ってくれたのは草紫堂の小風呂敷。あこがれの紫紺染がこんなふうに届くなんて、とても嬉しいこと。ありがとう。

写真は我が庭の雪持ち笹、ならぬ雪持ち竹笹。
そしてその小風呂敷。包み紙もすてき。

2007.2.1 [木] 手ぬぐいの布

手ぬぐいに使われる木綿の布のことが気になってます。何故かというと最近可愛くて買ったある手ぬぐいが使ってみるとえらくぺらぺらとしていて、えらく弱弱しかった。
豆しぼりの布はすごくいい。知多の木綿だそうだ。ふっくらとやわらかい。弱撚糸で織られた伊勢木綿は“綿(わた)に戻ろうとする糸”と表現されているけど、わりとそんな雰囲気。
写真は昔の注染豆しぼり、今の板締め。両方とも良風合い。触ってきもちよく、使うにもよく水を吸ってくれてよい。だからよく使う。生地がよくないものは、無意識に避けているようで、あまり使っていない。

2007.1.26 [金] 或る茶室にて

ビルのなかにある茶室群。
“石垣張り”の障子の陰影がとても美しかった。
この小さな和紙を継いである部分は、たった2〜3ミリ程度。
真似したいけれど、これはどう考えても無理そうです。

2007.1.25 [木] 冬晴れ

大変よい天気。
太平洋側のような青空だ。
川面も青い。
うきうきうき。

2007.1.24 [水] ウメハウス

最近引っ越した友人のお家兼工房を訪問。
きいていたとおり、2階までの高さがある大きな梅の木には沢山の(本当に沢山の)紅い蕾が花開く時をまっていました。

いいお家。何でも好きにしていいと家主から言われているということが素晴らしい。月へ行かずに、この地上で美しい反物を生み出すよき工房となるよう、陰ながら応援。

再度職人と作家についての話をする。
そして「誂え」について考える。
自分が着たいと思うイメージを伝えることとは大事。そして作り手を信頼して“任せる”ことが、たとえ失敗があったとしてもそれが作り手にとってとても重要であることに気づき、肝に命じた。

2007.1.23 [火] 真冬ですが

今日は真冬に浴衣を着るという珍しい体験。
5月に発売する雑誌にちょろりと出演(?)します。
暖冬とはいえ野外で裸足はそりゃあ寒い!
けれど3回も浴衣を着てみたら、そして部屋の飾りとか食器などに夏らしいものを出してみたら、夏はそこまで来ているような錯覚。
準備は万端。待ち遠しいです。

2007.1.20 [土] 風邪ひき中にて

珍しくチクチク。
風邪でもひいてないと、なかなかこういうことをする気が最近はちっとも起こらないのですが。

布はこの間「京都骨董珍品展」で買った藍染の着物から。
筒袖の働き者の着物。短い裾(膝下15センチくらいかな)の裏側には、色々な模様の藍染の布で補強がしてある。穴もちゃんと繕ってある。
さてどうしようかと考えた末にとりあえず洗い張りをしようと、解いて洗って干して軽くアイロン。その間に手は真っ青だ。

補強とされていた部分ばかりを集めて、長細い袱紗のようなものができた。これは床の間に鎮座してもらっているインドのナンディン(牛の神様)の敷物になりました。
まだ布はいっぱいある。何にしようかな。ふふ。

2007.1.17 [水] 工房へ

しょうさんのアイディアからはじまったパイレックスのガラスの帯留。念願かなって作り手・上野さんの工房を訪ねました。

山の上の一番奥にある工房には想像を超えるたくさんの道具。作っているものの形のせいかもしれないけど、理科の実験室のような雰囲気も。“網網”の作り方も見せてもらう。サングラスをして火のなかをじっと見る。棒状のパイレックスガラスを少しずつ少しずつ繋げていくのです。細かくコントロールができないガラスという素材で帯留を作るなんて、なかなかできることではないよね。“瓢箪”なんかは、単純なようでいて形によってかなり印象が違ってしまうし。難しいに違いない。

工房からの眺めはとてもよく、よい環境。
上野さんファミリーはお元気です。

2007.1.10 [水] 昼間のゑべっさん

引っ越して、だいぶ遠くなってしまったゑびす神社。
この季節に夜自転車ではきついからね。お昼間に参拝。しかし昼間もやっぱりすごい人だ。ぎゅうぎゅう。

その後ロケハンも兼ねて「やじきた」で粟ぜんざい。
おいしい。これはお昼ご飯級のボリュームです。

2007.1.7 [日] 有松からの荷物

朝から雪が降り始め、みるみるうちに屋根が真っ白。
そんな雪のなか、有松から仕立て直しをお願いしていた絞りの浴衣が届きました。

バイアス状に「帽子絞り」を絞って染めてを2回、そしてまたバイアス状に「手筋絞り」を絞って染めてを2回繰り返して作り出された絞り染めの文様と、皺の文様。
こんな意匠はみたことがない。括りの伝統工芸士・山口さん(この方です)が考えてデザインして、自分で括って、そして染めて作ったもの。すばらしい。ほれました。

添えられたお手紙には季節のこと、日本の感性のこと、和の文化をホントに大事にしていきたいと思っていることなどが綴られていて、有松から届いた風にこころ温まる朝。

有松鳴海絞り。すばらしいです。有松鳴海絞りというと、総絞りのモコモコ、もしゃもしゃした浴衣ばかりが目につきますが、もっともっと面白い絞りを作っている人たちがいっぱい(いや、そう多くはないけれど)居ます。確実に。

2007.1.1 [月] 新年

明けましておめでとうございます。

今年は京都でのんびりとお正月を過ごしました。
午後から着物に着替えて初詣。
下鴨神社の清清しい白洲はいつもいいなあと思うけれど、初詣にはなおのこと気持とぴったり合っていました。

お鏡さんはえりりんの真似をして庭の葉っぱと実(やはり千両)でささやかに飾ってみました。無理して決まり通りにお店で揃えるより、こうして身近なものですることのほうがよほど自然で気持ちがこもるのかもしれないと教えてもらいました。

今年もどうぞよろしくお願いします。

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