KIMONO真楽
ホーム
キーワード一覧パーソナリティ一覧つながり一覧ニュースヘルプ
キーワード最新5: 「さよならは別れの言… | KIMONO真楽同窓会 | 猫心〜にゃんはーと | 和服猫 | ホセイン・ゴルバ「時… | ...more

えりりんの空間
最近の5件
2016年 10月 | 9月 | 8月 | 7月 | 6月 | 5月 | 4月 | 3月 | 2月 | 1月
2015年 12月 | 11月 | 10月 | 9月 | 8月 | 7月 | 6月 | 5月 | 4月 | 3月 | 2月 | 1月
2014年 12月 | 11月 | 10月 | 9月 | 8月 | 7月 | 6月 | 5月 | 4月 | 3月 | 2月 | 1月
2013年 12月 | 11月 | 10月 | 9月 | 8月 | 7月 | 6月 | 5月 | 4月 | 3月 | 2月 | 1月
2012年 12月 | 11月 | 10月 | 9月 | 8月 | 7月 | 6月 | 5月 | 4月 | 3月 | 2月 | 1月
2011年 12月 | 11月 | 10月 | 9月 | 8月 | 7月 | 6月 | 5月 | 4月 | 3月 | 2月 | 1月
2010年 12月 | 11月 | 10月 | 9月 | 8月 | 7月 | 6月 | 5月 | 4月 | 3月 | 2月 | 1月
2009年 12月 | 11月 | 10月 | 9月 | 8月 | 7月 | 6月 | 5月 | 4月 | 3月 | 2月 | 1月
2008年 12月 | 11月 | 10月 | 9月 | 8月 | 7月 | 6月 | 5月 | 4月 | 3月 | 2月 | 1月
2007年 12月 | 11月 | 10月 | 9月 | 8月 | 7月 | 6月 | 5月 | 4月 | 3月 | 2月 | 1月
2006年 12月 | 11月 | 10月 | 9月 | 8月 | 7月 | 6月 | 5月 | 4月 | 3月 | 2月 | 1月
2005年 12月 | 11月 | 10月 | 9月 | 8月 | 7月 | 6月 | 5月 | 4月 | 3月 | 2月 | 1月
2004年 12月 | 11月 | 10月 | 9月 | 8月 | 7月 | 6月 | 5月 | 4月 | 3月 | 2月 | 1月
2003年 12月 | 11月 | 10月 | 9月 | 8月 | 7月 | 6月 | 5月 | 4月 | 3月 | 2月 | 1月
2002年 12月 | 11月 | 10月 | 9月 | 8月 | 6月 | 5月


2007.12.31 [月] 一色の日没

今年もつつがなく平和に、
年越しを迎えることができました。

どうもありがとうございました。
たくさんのご縁に感謝。

昨日から台風のような大風が吹き荒れる葉山ですが、
先程、浜へ出て、今年最後の日没を撮ってきました。
皆様へおすそ分け....。

では、良いお年をお迎えください。

2007.12.30 [日] 今年のお正月準備

東京で忙しく仕事をしていた1980年代後半からは、
毎年の様に年末年始は南の楽園BALIで過ごした。
だから、ずっと日本のお正月がすっぽぬけていた。
とは言え、なぜかいつも、
友人が経営する日本食レストランの厨房で年越しした。
現地在住日本人のために
年越し蕎麦やお節料理もどきを作っていたのだ。
数年間は、現地の材木で杵と臼まで作って餅つきまでした。
最初の頃は、コシのないバリ米を扱い慣れてなくて、
ベチョベチョしたお餅にしかならず苦笑した。
鏡餅はだらしなぁ〜くのびて形にならない。
しかも、南の材木は柔らかいから木屑がだいぶ混入してた。
それでも、懐かしい日本のお正月の味は、
とてもみんなに有り難がられた。

なんだか、
それはそれで正しいお正月だったのかもしれない。
現地の日本人が家族の様に寄り添って暮らしていた。

今は、在住日本人も増え、
日本食の材料も不自由なく色々揃う。
お餅だって美味しい切り餅がお正月に限らず売られている。
たぶん、“日本食に飢える”という感覚は、
今はないんじゃないかなぁ?

今日、ふっくら形の良い鏡餅を飾りながら、
そんな事を思い出した。

:::

さて、今年のお正月準備いろいろ。

年賀状はなんだか印刷が嫌で一筆ずつ手書きした。
宛名はラベルにプリントアウトしちゃったけど。
やってみたら楽しかった。下手でもいいのだ。

鏡餅は、いつもの和菓子屋さんに頼んだ。
そして今年は、音羽楼の板長から閉店時に三方をいただいたので使ってみた。おぉ、なんだか立派。去年同様に無い物は適当に代用。こんぶは横須賀走水。庭や近くの物や今ある物で飾る。
リビング、玄関、水場の代表として洗面所、台所。
一年の感謝を込めて...。

門松は先の日記に書いたように手作りした。
余った材料で写真の様な小さなお飾りをテラスに飾る。
松の葉を束ねて、万両の赤い実。
敷物は紅白の紙。

飾り棚には水仙。
今日の強風でたくさんなぎ倒されたので。
紅白の水引きを両わな結びで束ねた。
写真は後日。
などなど、あちこちに色々ちょこちょこ。

黒豆、煮物も、ついさっき完了。
さぁて、のんびりしようっと。

2007.12.27 [木] 買わない豊かさ

お正月を迎える準備をしながら、
“買わない”という豊かさをこの年の瀬に実感した。

■森山神社のしめ縄
12月の半ばに、森山神社のしめ縄を氏子会役員が本殿に集まって作る....と聞いて、見学させてもらった。葉山の棚田で育った稲藁の束が用意されていた。男衆がきりきりと凛々しく力強く綯えていく。「左向きに綯うんだよ。」と教えてもらう。普通の日用品は右向きに綯うそうだが、神様を迎える神聖なしめ縄は左に綯うとの事。ほほぉ、興味深いお話。しめ縄は結界の標識でもある様だし、地方によって様々な違いがあり、面白いなぁと思う。手水に飾る短い縄のれんの様な物も作っていて、それを“さがり”と呼んでいた。そう言えば、お相撲のさがりにそっくりだ。
こうした風習を葉山っぽい適当さ加減で、今も続けている森山神社が好きだ。
ここに暮らせて嬉しい。
でも、こうした集まりに宮司さんを見かけない。こちらは兼任だしね。つい先日までは葉山町の町長も兼任してたしね、忙しいんでしょうね。
ちなみに、宮司さんのお膝元の森戸神社は、丈夫なプラスティックしめ飾りだ。毎年こんな事をしなくても大丈夫なんだって。私は、神様の罰が当たりそうな気がするけど。


■門松
切り出した竹が余っているからミニ門松を作ってみるかぃ?と誘われて、作ってみた。太い竹を節を残してコップ状に二本切る。その中に入れる三本のマダケを斜めに切る。これが難しくてちょっとブサイク。畳を巻いて棕櫚縄で縛る。ここまでのパーツを揃えたところでタイムアウト。残りの作業は持ち帰り、今日続行した。三本に束ねた竹を入れ、周りを松や梅や千両で飾るとの事だったが、我が庭には万両の方が多いので万両を飾る。庭の梅はまだ咲いていないので、東京に住んでいた頃に買った梅の造花で代用。
あらやだ、素敵。

■黒豆
相棒の親戚から、自然薯と一緒に黒豆も届く。で、今年は黒豆に挑戦してみようかと思う。母に電話して、祖母の煮方を教えてもらう。「難しいのよ」という母も、確か祖母から習って作り始めたのは五十代になってからだったはず。今は亡き祖母の味を、私は受け継いでいけるだろうか。
お節料理は、いつも食べられる分だけを簡単に用意する。煮物だけはちゃんと作る。今年からは黒豆も。

:::

いろいろな物が、簡単に買って済ませられる今。
でも、裏を返せばそうしなければならない忙しい時代。
盆も正月も、ハレもケもない、いつだってコンビニエンス。
本当の豊かさって何だろう。
“買わない”という豊かさが、確かにある。
自分は、どう暮らしたいか....、
ちゃんと考えてみればきっとみつかる。

2007.12.23 [日] 環境パーティーやるます!

葉山は、今ものすごく色々あって、
各新聞の湘南版など、お騒がせしているわけですが、
そんなこんなひっくるめて、
明日「葉山環境パーティー」が開催されます。

以前、真楽メンバーにも署名を呼びかけ、
ご協力いただいた“音羽楼跡地開発”の事や、
海や山の開発の事など、ディスカッションします。
ナマケモノの辻信一さんもお話しに来てくださいます。

そして、葉山だもの。
葉山在住ミュージシャンのライブもあります。

さらに、エコマーケットはなかなか充実。
最新葉山の注目店が集合します。

私は映像裏方でお手伝いしておりますが、
たぶんずっと会場に居ます。
会場の大ホール、なんと500名も収容できるので、
葉山にお住まいの方はもちろん、
湘南方面にお住まいの方、
環境問題に興味がある方、
明日の予定が流れちゃった...なんて方も、
ローカル話題で盛り上がる「葉山環境パーティー」に
ご参加ください!

この星に住む、みんなで一緒に考えましょう。

2007.12.19 [水] 布に導かれて

:::

布が好きだ。
布が好きで着物をまとっている。
今日はずっと行きたいと思っていた展覧会ふたつ。

柚木沙弥郎2007
インド・大地の布

ギャラリーTOMに飾られた柚木沙弥郎のモノトーンで大きな布。
空間にも柄にも、ぽかんとした間(ま)。
つまり、何もない“無”....。
日本人は、そうした無を匠に使いこなす民族なのだと思った。
心地良い間を五感で学んだ時間。

松濤から、キャンパスを抜けて駒場の民芸館へ。
むふふ、これは近くていい散歩道だぞ。

「インド・大地の布」は衝撃的だった。
これほど多くの生きた布をいっぺんに、
しかもきちんと分類された状態で見せてもらえた事に
感謝の気持ちでいっぱい。
インドにはあらゆる染織技術があり、
周辺各地へと広まっていった事が実感できた。
インドの広さと多様性が見事に展示されていた。
一枚ずつのそれぞれの布に心がぶるぶる揺さぶられた。
今後、日本各地の民芸館を巡回するのでお見逃しなく!
とてもとても、見ごたえがあります。


そして思い出す。
私は、この本に出てきたネパールのおばあさんの写真に衝撃を受け、自分の民族衣装である着物を着ようと思ったんだ。生き様そのままが佇まいになっているから、誰にも真似なんか出来ない。いつかあのおばあさんの様に着物をまとう人になりたいと思ったんだ。まだまだ先は長いけど....。



写真は、
上:柚木沙弥郎2007@ギャラリーTOM
下:締めていた読谷花織のアップ。アジア各地でみる浮き織り。

2007.12.15 [土] 浜辺にて

病気の人、元気な人、
生まれたばかりの赤ちゃん、
よぼよぼの老人、
いろんな命が今を生きているけれど、

“明日”を迎えることができるかどうかは、
きっと誰にも平等に不確実。

たっぷり未来がある...と思うのは
きっと幻想。

未来を信じて希望を持って生きることは大切だけど、
あたりまえに未来があると思っちゃいけない。

だから、
“今”を大切に
精いっぱい生きる。



今日は、穏やかないいお天気。
森山神社へ寄って浜散歩。
キラキラとよせてはかえす波を見ながら、
そんな事を考えた。

2007.12.7 [金] 注染手ぬぐいの縁

先日の葉山空間アーティストギャラリーの展示に「手拭いづくし」という本と注染教室のテキストを資料として置いておいた。これらは現在、注染の事が最も分かり易く解説されている一般向けの本だと思う。それを見た知人から、呑み会のお誘いが舞い込む。

「これらの本を書いたのは旧友で、我が家の呑み会に彼女も来るが、君も来るかい?」...と。

うそぉ〜〜〜ん!まぢですか?
行きます、行きます、もちろん行きますと喜んで返事をした。

で、のこのこ出かける。....と言ってもすぐ近所だけど。
注染の本を書かれたのは女子美の教授である大澤美樹子先生で、私が注染教室&型紙教室でお世話になったN先生は大澤先生の教え子だった。「じゃあ、孫弟子ね」だなんて気さくにおっしゃってくださる。うぅ、嬉しい。

知人と大澤先生は、大澤先生の師である柚木沙弥郎作品集(1984年)を知人が手がけた事が縁だと知る。呑み会には他の女子美の先生もいらっしゃったので、話は自然と女子美や民藝の方向へ流れる。お酒もどんどん入って、私もいつのまにか調子に乗って遠慮無く話しに加わる。

楽しかったなぁ。
終いにはただの酔っ払いとなり、午前2時まで。

:::

女子美_柳悦孝_齋藤裕司と連想したので、齋藤さんの館山唐桟を着て行った。となれば、柚木沙弥郎の帯でも締めて行きたかったが、まだ持っていない。涙



※写真は、注染教室での作業の様子。

2007.12.6 [木] 日影茶屋

音羽楼が無くなってしまったので、
来年の真楽新年会は、
葉山の老舗「日影茶屋」で行う事にした。

歴史と風格を感じさせる大広間に
老若男女の個性豊かな着物人が集う...。
想像しただけでうっとりだ。
メンバーの皆様、
葉山はちょっと遠いけど、
お気に入りの着物をまとって
旧暦の初春にお集まりくださいね。

:::::

ちなみに、以前家族でうかがった時の日記

こちらの「老舗ものがたり」もご参考までに。



※写真は、
上:お店の斜め向かいにある鐙摺のバス停
中:料理旅館だった頃の面影が残る正面入り口
下:会場となるひろぉ〜い大広間

2007.11.21 [水] ありがとう from HaYama

葉山空間アーティストギャラリーは、18日に無事終了いたしました。
ご来訪くださった真楽メンバーの皆様、どうもありがとうございました。
9日間の開館期間に延べ350名もの来館者があったそうです。また、滞在時間が長く、「家族を連れてまた来ちゃった」というリピーターが多かったのも今回の企画の特徴だったと、担当スタッフからの報告がありました。多くの方が、18人分の作品を味わいつつ、のんびりまったりと葉山の別荘空間を愉しんでくださった事と思います。企画者としてはとても嬉しい報告でした。
そして、私自身もものすごぉ〜く楽しい9日間でした。たくさんの出会いがあり、会話があり、発見があり、交流がありました。

実験は大成功!
これからも、素直に、
やりたいこと、
やるべきだと思うこと
....を続けていこうと思います。

最終日の終了後、会場でお疲れさまパーティーをしました。
多くのアーティストとその家族、友人知人が集まって、夜遅くまで盛り上がりました。
すると、建物自体も喜んでいるのが確かにみんなに伝わってきたんです。
昭和6年に創建されたこの建物は、今年で76歳です。今じゃ雨漏りでボロボロだけど、自分だって若かった昭和初期の社交場な雰囲気でたくさんの人が集って笑っていたんですもんね。きっと嬉しかったに違いありません。
古い建物に込められたたくさんの思い。
私が、出来る限り歴史的建造物を残したいなぁと思うのは、そこに積み重なった時間や思いを壊したくないからなのかもしれません。

心地よい空間で楽しい時間を満喫しました。
迷い込んできた蜂や、窓から見えた夕焼けにも感謝。
どうもありがとうございました。



※着ていた長着は、久留米絣で通してみました。
帯変化のレポートは、追ってまた報告しようと思います。

2007.11.12 [月] 葉山空間アーティストギャラリー

「あ、今日の夕陽きれぃ」と言ったら、
KAZZさんが「じゃ、帰る前にもう一曲やろうか」だなんて、
アコースティックギターの音色がレトロな洋間に響き渡る。
贅沢過ぎる時間。
歴史を重ねた建物も喜んでいる気がする。
今日は、筆ですぅっと線を引いたような細い月が、
冬色グラデーションの空に浮かぶ。
もっと暮れると、
洋間のランプが窓に映り込む。
じぃんと深い幸せを感じる。
瞬間瞬間それぞれ違って美しい....。

:::

そんなこんなで、
葉山空間アーティストギャラリー、始まってます。

展示の様子や内容は、
ご近所の知人がブログで報告してくれました。
写真もとても美しいのです。

そして、
葉山まで足を運んでくださった真楽メンバーの皆様、
どうもありがとうございます。
18日までやってます。



※着ているのは、
これまではずっと同じ久留米絣で帯を変えつつ。
最終日まで帯変化だけで乗り切ってみようかな?

2007.11.4 [日] 作陶展@鎌倉

過ごしやすくていいお天気!

私が通う陶芸教室の先生、渡辺真理さんが久々に個展を開いているので、かおかおさんと鎌倉へ。秋の鎌倉は風情があっていいですねぇ。

会場となっている“Gallery Kaya”は、妙本寺の参道に面していてとても気持ちのいい空間でした。二日目なのにだいぶ売れてしまっていて、見ることが出来なかった作品もたくさんあった様です。ちょっぴり残念。

色と形が美しく、これにお茶を点てたら更に美しいだろうなぁと思う茶碗があり、母へのプレゼントにいただいてきました。今度、これで一服点ててもらいましょう。

ところで、陶製の額の中に、藍の生葉染めの布がコラージュされて展示してあり、藍の色が映えて素敵でした。実はその布、青空アート市の時に真楽メンバーの七五三さんから分けてもらった藍の種を、先生ご自身が育て生葉染めした作品でした。その事の顛末が、パネルで説明してありました。真楽の繋がりを通して“種”がこんなに育って広がっています。なんだかとても嬉しくなりました。七五三さん、どうもありがとう〜!

鎌倉を散策するにはとてもいい季節です。
会場も静かで鎌倉らしい場所なので、是非立ち寄ってみてください。
個展は、今週の水曜日までです。

●渡辺真理作陶展
2007年11月3日(土)〜7日(水)
10:00〜16:00
Gallery Kaya

2007.11.3 [土] ちっちゃく開店 in クッチーナ

いまや、葉山の超有名なお店となったイタリア食材店「タント・テンポ」
そして、そのタント・テンポの食材を使ったお総菜屋さんとしてお隣に拡張したのが「クッチーナ」。ここではハイネッケンの生ビールサーバーがドンと構え、お総菜のお持ち帰りはもちろん、店内でラザニアや旬のパスタが食べられます。もぉね、どれもこれも大変美味しくて、葉山の食いしん坊のたまり場になっています。お天気がいい日は、まずはここに寄ってテイクアウトして海辺でランチ....というのも葉山を楽しむおすすめコースです。

さて、その片隅にレンタルボックスが開設してしばらく経つのですが、先日聞いたら空きがある....との事なので、ここに「手ぬぐい・りんりん」のお店を今月からちっちゃく開店させてもらいました。実物を見て買いたいという方や、ネットはやらないと言う方など、まだまだ多い昨今ですから、実店舗としての実験です。まずは、ちっちゃくこじんまりと。

他のボックスも、個性的で葉山らしい物が並んでいて、いい感じです。良かったら、美味しいラザニアを食べに来たついでに手に取ってみてください。


●タント・テンポ公式サイト

えりりん@手ぬぐい屋

2007.10.30 [火] ミントティー

夏の終りにザクザク刈ったミントが、
また小さな葉をつけて育ち始めたので、
ミントティーを入れることにした。

【えりりん式の作り方】
・庭からミントをたんまり引っこ抜いてくる。
・水洗いしながら葉を一枚ずつにちぎってざるにためる。
・大変だけど、いい香りが台所中に広がる。
・柳宗理のティーポットがいっぱいになるくらいミントを詰める。
・すりこぎ棒で上から葉をゴリゴリつぶす。
・鉄瓶で沸かしたお湯を注ぐ。
・砂糖(三温糖とかも意外にいける)を好みの量投入。
・かき混ぜて、ティーポットに蓋をする。
・好きなカップとか湯飲みに注いで、ずず〜っとすする。

はぁ〜、うみゃい。

こんな風に、手間と時間をかけて淹れたお茶は美味しいよね。
でも、最近は家の中でもペットボトルのお茶が普及して、
急須でお茶を淹れる事が少なくなったらしい。
うーん。
手間と時間を端折って、何を得ているのだろう?

夏場の麦茶だって、
絶対にやかんで煮出した方が美味しいぞ。
ねぇ、のりんさん!(笑)

皆様も、豊かなお茶の時間を大切に。



※写真は、ティーポットと近所の下山川に生息するゴイサギの幼鳥。
このティーポットを見ると思い出すの。似てない?
コイツがね、ぽけぽけ歩く姿が可愛くて和むんだよ。
じぃ〜っと動かないから、周りの空気もとろ〜んとたゆたう。
豊かな時間がゆっくりたゆたう。

2007.10.28 [日] 集合!

フィンランドから一時帰国の友人を囲む会@しょうちゃんち。
集まった面々の一部は、昔このマンションを長屋の様に占拠していた。(笑)
友達が友達を「○○号室空いたよ!」と呼び込んで、
最後に移り住んだしょうちゃん達だけが今でもそこで暮らしている。
いやぁ〜、あの頃はほんとに楽しかった。
そんな勝手知ったる空間で、時間がギュインと十年前に遡る。
Hi8からDVD化した昔の映像は、ついこの間の事みたいだ。
写っているMacや子供たちを見ると、時の流れを感じるけれど、
大人達はさして変わっちゃいないんじゃない?
こんな風に長ぁ〜く付き合える友人達は、人生の宝物だね。
ありがとう。これからも末永くどうぞよろしく。

写真は、お土産(?)の、ミィとムーミン。
友人が関わった「プロジェクト・フィンランド」はオススメですよ。
自ら考え、自ら学ぶ姿勢を子供の頃から身に付けていれば、
世界はきっといい方向へ進化するはず。
フィンランド、行ってみたい所です。いつか必ず。

着て行ったのは、
・長着は、赤地に黒のよろけ縞が入った紬
・帯は、真楽バザーでキナコさんから譲ってもらった裂き織り
(短いので一重巻きしてお太鼓の中で辻褄合わせ)
・麻の葉柄の半襟をかけた麻の葉柄のポリ長襦袢
一緒にトライした染色教室でオモさんが石榴で染めた帯揚げ
・金茶と黒の縞の平組み帯締め
・赤レンガ色の保多織り足袋(黒田商店)
・蓮布鼻緒の草履(楽艸)

2007.10.25 [木] 楽しい実験

こんなのやります。

ジッケン、ジッケン。
神奈川県の実験。
葉山空間の実験。
アートの実験。

素直に、
やりたいこと、
やるべきだと思うこと
....を、続けていたら、
つながってきた。
面白いなぁ、ありがとう。

つながったので、
ジッケン、ジッケン。
愉快で楽しい実験イベント、
よってたかって葉山な空間
出現です。

「葉山空間アーティストギャラリー」
会期:2007.11.10sat - 2007.11.18sun
会場:邸園文化交流館はやま


p.s.
手ぬぐい屋としても参加します。
ぜひ、遊びに来てくださいね。
待ってまぁ〜す!

2007.10.18 [木] 伝説のスピーチ

久々に、“セヴァン・スズキ”ちゃんの伝説のスピーチを聞いた。
最初は私も「何だっけ?」と忘れていたけど、すぐに思い出した。

まずは、ご視聴くだされ。

この伝説のスピーチは、1992年の地球サミットで12歳だった彼女が、そこに集まった大人達にガツンと衝撃を与えたスピーチだ。
12歳だった彼女も、もぉ28歳なんだね。
来日するんだね。

そういえば、
今年は、戻り鰹がなかなか戻ってこなかったんだって?
海水温の影響らしいよ。
けっこう近い未来にも、私達が普通に食べてた魚も食べられなくなるらしいし、思ってた以上に、地球の壊れるスピードは加速してるね。

明日の晩酌の為に、
大人も今日の行動を考えなきゃイケナイね。

この星で生き延びる為に、
自分の頭で考えて行動しなきゃイケナイね。



※写真は、海に沈む夕陽と天日干しされた葉山の稲。

2007.10.16 [火] 眠る着物達

先日また「良かったら着てください。」と着物や帯をいただいた。
旦那様の親戚筋から託されたそうだが、引越のため処分したいとおっしゃる。子育て中の彼女は、着物を着る気もないし興味も無いとキッパリ言い切る。託されたまま、畳紙を広げることもなく保管されてきた着物達。持ち帰って、いただいた物を改めて眺めてみた。

青地の雨コートがあった。
衿の形が個性的で、アクセントのくるみボタンも可愛い。
コート類は、昔のデザインの方がバリエーションがあって遊んでいて楽しい。
生地も織りで格子を表現していてモダンな印象。
若干小さめだけど、可愛いからこれは自分で着る事に....。
うふふ、雨の楽しみがまたひとつプラス。

また、しつけがついたままの羽織が二枚あった。
一枚は友禅。もう一枚は、茶系の更紗。
二枚とも同じ百貨店の畳紙に、残布と一緒に入っていた。
畳紙には、二枚とも28年前のタイムスタンプが押されてある。
お誂え時のタイムスタンプ。
つまりこの羽織達は、28年間袖を通される事も無く、ずぅ〜っと箪笥に仕舞われていたわけだ。

うぅむ。こんなにエレガントで美しいのに。

どんな経緯でこれを仕立てたのだろう?
なぜ着る機会がなかったのだろう?
この糸目をひいたのはどこのどなた?
花びらのぼかしを挿したのも同じ人かな?
ぽってりしたちりめんはやっぱり丹後だろうか?
糸はどこの産地かな?
お蚕さんは日本で育ったお蚕さんかな?

きっと、同じ様に箪笥の奥で眠っている着物達は多いんだろう。
しつけがついたままの着物達は思いを馳せるとちょっと重い。
美術品の様な扱いを受ける着物達もなんだか哀しい。
着物は、人が着てこそ....と思うんだけどな。

今回、私の元にやってきた着物達。
私が愛せるものは末永く大切に着ます。
それ以外のものは愛してくれる人を探します。
縁あってやってきたのだと思うから、着てあげたい。

....秋のせいか、センチメンタル。



話は違うけれど、お隣の鎌倉でこんなアートフェスティバルが始まりましたよ。
今日から28日まで。散策ついでにいかがでしょ?

2007.10.13 [土] 道 草 話

上の写真は、
この前の日記に書いた
道端の蓼の花。

中の写真は、
庭の刈り残しの藍が
更に育って咲いた花。

ほらね、そっくり。


下の写真は、
夏に刈り取られた後、
更に育った道端の苧麻。

昔は、街中で着物センサーが働いた。
ピピピッ、あ、着物。
素敵に着こなしてるぅ。...って。

今は、道端で苧麻センサーが働く。
ピピピッ、あ、苧麻。
なんだ、イラクサかぁ。...なんて。

ふふふ、面白い。

2007.10.10 [水] 金木犀

ここ最近、
みんなの日記にもよく登場している金木犀。
葉山でも散歩してるとあちこちで
ふわんといい香りが漂ってきます。
あぁ、すっかり秋ですね。

ところで、今月の真楽トップも金木犀です。
気がついてくれてたかしら?
パソコンからいい香りは漂わないけど、
そこは是非、想像力で補ってくださいね。

そうそう。
生葉染めの時に刈り残した藍が、
更に育って花をつけています。
最近、道端にたくさん咲いてる蓼の花にそっくりです。
「藍から青へ」で調べてみると、
いただいた藍の種の種類は「タデアイ・たで科」。
そっくりなわけですね。
植物は、育ててみると
多くの発見があり色んな事が分かります。
卓上で図鑑や書物を紐解くよりも、
私は実践で学ぶ方が性に合ってる。

そんなこんなで、いつか、
「葉山の素材」でなにかしたい....。
葉山の仲間と構想中。

2007.9.30 [日] モチベーションは着物

参加している地元NPOが神奈川県と協働し、今年度も「邸園文化交流館はやま」を開館する。昨年度この関連で「ハンカチーフ展」を行い、ちょうど真楽新年会と重なったのでたくさんの真楽メンバーが着物姿で流れてくれた。華やかなオープニングとなり多くの関係者が喜んでくださった。(着物姿が会場にあふれる様子、ここで紹介されてます。)
さて、昨年度は「ハンカチーフ展」のみだったが、今年度は、2007年9月30日〜12月2日の期間内に、4つの企画が開催される。その中のひとつ「葉山空間アーティストギャラリー」は相棒と私が企画して主催者となる。内容は、葉山空間shopに集うアーティストを中心に、いつものバーチャルな空間からリアルな葉山の別荘空間に飛び出して、楽しくてユニークなグループ展を行うつもりだ。これはね、ちょっと面白いよ。葉山芸術祭と海の家とが合体した様な濃密な葉山空間を出現させたいなぁと構想中。ぜひ、遊びに来てくださいね。

昨日は、その「邸園文化交流館はやま」のオープニングセレモニーだったので、着物で出席した。パーティーは、最初の企画である「齋藤カオル銅版画展」のオープニングも兼ねていた。実はこの企画のフライヤーをデザインさせていただいたのだが、着て行った着物は、そこでメインに使用した「黄色いヨットと夏ミカン」という作品からインスピレーションをもらって選んだ。黒地に黄色・黄緑・白の羽根のような柄が飛んだポップで楽しげなアンティークの小紋。これは、同じNPOに参加している方からいただいた着物だ。明治生まれの女性がまとっていた着物は、昭和初期に建てられた別荘空間にしっくり馴染む。飾られた銅版画のニュアンスとも気持ちよく馴染む。こんな風に自分で勝手に色々こじつけて着物をまとうのは最高に楽しい。極上の時間。

私がこのNPOに参加して、葉山の景観や別荘や文化を守ろうとしているのは、“着物が似合う空間や文化を残したい”と願うからだ。動機はいたってシンプル。
神奈川県が提唱する「邸園文化圏再生構想」という大きな構想も、とある末端でのモチベーションは「着物」なのよ。(笑)
着物の力、おそるべし。



・アンティーク小紋。テロテロとした変わり織りの薄い絹地。袖丈一尺七寸くらい?
・生成りの絹半襟をかけた半襦袢。レースの筒袖。
・白地の博多帯
・黄色い帯揚げ
・黄緑色の帯締め
・白足袋

2007.9.23 [日] 電車に乗って東京へ

最終日の「呉服島内 東京秋展」へ。

紅花で染めたという赤い紬の“赤”に魅かれた。
なんとも、いい色。いい雰囲気。

クッキリと深い笑い皴が顔に刻まれたおばあちゃん。
可愛くて色艶のあるおばあちゃん。
私が目指すそんなおばあちゃんになれたなら、
こんな色の着物を着たいなぁ....。
こんな着物をくたっと崩して着たいなぁ....。

なんてね、妄想、妄想。

着て行ったのは、
しょうちゃんも今回のイタリアに持参していった茶の紬。
男物の一疋を半分ずつにして単衣に仕立てたお揃い着物。
そんなこんな無理を聞いてくれた呉服屋さんもずいぶん前に閉店した。むぅ。
長襦袢は一衣舎オリジナルの麻絹を初下ろし。
盛夏用にと仕立てたけれど、少し地厚になったので今くらいがちょうどいいかも。
半襟は出がけにクリーム色の楊柳をざっくりな糸目でちゃちゃっとかける。三河芯パス。
今くらいの季節は日に因ってコロコロ気候が変わるので、前もって準備が出来ない。「出がけに針を持つのはよくない」とは言われているけど、しょうがないよね。九月は乙女心と秋の空。
帯は、これも母が勝手に用意してくれた物。縮緬地の染めで開き名古屋。「日本橋萌」の畳紙に入っていた事しか、私に分かる情報は無かったけれど、島内さんは「京都の○○ですね?」っておっしゃっていた。分かるんですか?すごいなぁ。....で、聞いたそばから忘れる私。ダメ過ぎる。
草履は、蓮布の鼻緒をすげてもらった楽艸さんの草履。
涼しくなって、秋三昧。

P.S.
電車に乗って東京へ行く....ってんで、久々に化粧をしようとドレッサーを開けた。すると、筆の先や鏡の隅にカビが生えてた。考えてみたら、梅雨以降まともに化粧をしていない。ダメだ、ダメ過ぎる。(笑)いや、笑い事ぢゃない。

2007.9.20 [木] 上弦の月

月と太陽

闇と光り

善と悪

正気と狂気


....バランスが大事。



2007年9月20日21時37分@葉山一色

2007.9.18 [火] ハジケテ踊る

一月前の、森戸の浜の盆踊り
夢のような二時間が過ぎ去って、
あっという間にすっかり秋だ。
早いなぁ....。

あの日は、
ハジケテ踊り狂った。
その様を、
ニレイさんが撮ってくれてた。
花笠でハジケル。

着ている浴衣は、
高校生の時に、
和裁の授業で縫った物。
ちょっと袖の丸味がまぁるくて、
今の歳ではどうかな?だけど、
いいの、いいの、気にしない。

昔の物をそのまま着られるのも、
形が変わらない着物のいいトコロ。
ちっとも古くさくならないのも、
シンプルな藍染めのいいトコロ。

ながぁ〜く、ずぅ〜っと、
着物にlove!


photo by hiroshi nirei

2007.9.14 [金] おっきなリボン

ふっちゃんの日記に出てきた“おっきなリボン”。

つけてた、つけてた、私もつけてた。
当時の流行りだったんでしょうね。
そういえば、今は、あんまり見かけない。
この極端な大きさが可愛いのにね。

そろそろ巷では七五三の準備。
子供の成長を感謝する節目。
親の気持ちは、いつの時代でも変わらない。

こうした写真を見る度に、
大切に育ててくれてありがとう....と、思う。

***
ぼたんさんもおっきなリボン。
この頃から美人っぽいぞ。

2007.9.10 [月] 魂の出入り口?

今年の春の「葉山芸術祭」で、初めて実物を見た「背守り」の着物。
ずっと、キーワードにしたいなぁ....と思いつつ、すっかり秋になってしまいました。鳴海さんは、現代の暮らしの中にもこの「背守り」を自分なりに取り入れようとなさっています。自分なりに願いを込めればいい....と、子供用のTシャツに、オリジナルの背守りを縫い込んだ現代の背守りもとても素敵でした。

そして、これを見た時に思い出した事がもうひとつ。
沖縄の素材展で、石垣昭子さんが「祭事と衣装」についてお話しくださいました。その中で、ニンガイ(祈願)が行われる時に神司が着る麻の着物は、背縫いの部分が縫われてなくて開いていて、それは“心、魂の抜け道”だから....という説明があり、印象深くて覚えていました。着物に一つ紋を入れる時もここだし、掘り下げると興味深いことがたくさん繋がってきて面白いなぁと思います。


※写真は、
鳴海さんのコレクション。麻の絞りの子供用浴衣。

2007.9.6 [木] 台風

いくら二百十日と二百二十日の間とはいえ、
直撃するようです。
この大風の被害が大きくならず、
やりすごすことが出来ますように。。。

2007.9.6 [木] プロの仕事

先日のお茶目部で着ていた長着は、青土さんの苧麻反物を一衣舎さんで仕立てていただいた物だ。この時が初おろし。沖縄の素材展で購入後、着用には固いため砧打ちをしてもらったりしている間に季節がめぐり、やっと着てみることができた。
うふふん。
さてこの苧麻、強度も欲しいし透過光では透けるので、腰から下にはぐるりと航空絹布の居敷当てがついている。この布を品良く着るには居敷当は必要だろう。
大変な暑さだったあの日、冷房の効いていない茶室ではたっぷり汗をかき、襦袢も長着も汗にまみれた。でも、大丈夫!だって、一衣舎さんの“洗える仕立て”だもの....。
という事で、翌日すぐにタライで水洗い。
ざぶん、ざぶぶん。
軽く水を切って、竿に干す。ボタボタと水が滴る。
形を整えて干す....という作業中、腰から下の縫い目がボコボコになり、苧麻布と居敷当が“フクロ”のような状態となり、ちょっと焦る。

あ、あれぁ〜?こんなになっちゃって大丈夫かなぁ?

ちょうどその時、別件で一衣舎の木村さんから電話が入る。
なんというタイミング!(笑)
お電話をお借りして、心配な状況を伝える。すると....、

まだ乾いてないんでしょ?大丈夫!
乾いたら元に戻るし、生乾きでアイロンをかければカンペキです。

と、きっぱりしたお答えをいただく。
そして、おっしゃる通り、乾くと表の苧麻と裏の絹のズレは無くなった。
“プロの仕事”だと思った。
布のクチュリエ。
この辺が、ただの仕立て屋じゃないんだろうなぁ。


こうしたプロの仕事があってこそ、
品格のある生成りの着こなし....が、可能になる。
いつもどうもありがとうございます。
これからも末永くどうぞよろしく。



※写真は、
お茶目部で着用中。透け具合がわかるでしょうか。

2007.9.1 [土] 二百十日

今日は、立春から数えて二百十日目。
古来から、この日は暴風雨にさいなまれると伝えられ、
各地で風鎮めの祭りが催されてきた。
実際、現代の気象学上からも、
この日以降は台風襲来の季節と立証されているそうだ。
二百十日は、稲が実り始める大切な時期なので、
農作物の被害には厳重な警戒を要する。

稲が黄金色に色づき、穂を垂れ始めると秋を感じる。
日もずいぶんと短くなった。
そして今日は、
葉山からダイヤモンド富士が見られるはず。

コントロール出来ない自然現象だからこそ、
人々は祈り、大いなる自然に畏敬の念をいだくのだろう。
自然に対して謙虚であれば、
温暖化の進行ももう少しスローダウンするんじゃないかな?

今日の葉山は、風が舞ってる。
気持ちいい。



※写真は、
上:越中「おわら風の盆」は、二百十日の大風をおさめる祈りの祭り。
下:色づき始めた稲穂。2004年8月30日、越中八尾にて。

2007.8.26 [日] お水取り

森山神社例大祭二日目、世計り神事に使う霊水を滝の坂にある吾妻神社へ汲みに行く“お水取り”がある。金棒、旗持ち、水を運ぶ漆塗りの籠と担ぎ手、木遣隊、お囃子の山車、子供神輿、車載された大人神輿....等々と、長い長い行列が一色地区の町中を進む。炎天下、汗だくになりながら、行列は滝の坂を目指す。
宮司が待つ吾妻神社では、井戸に結界が張られていた。ここから二つの水桶に霊水を満たし、神事が執り行われる。水桶は籠に安置され、森山神社まで運ばれる。この間、籠は地面に降ろしてはいけないそうだ。
森山神社に戻ってきた籠は、神殿の奥へ運ばれ、それから何が行われるのかは、ある意味謎だった。が、今年は神殿内の立ち入りと撮影もさせていただける事になり、宮司の手元や細かな手順の様子を記録する事が出来た。使われる道具や手順などとても興味深かったが、本来は宮司が一人で行う作業の様で、それを“記録”してしまっていいものかどうか一抹の不安を感じる。
翌年の自然現象を“発酵”という変化で占う「世計り神事」の事は、いつかきちんとレポートとしてまとめたい。でも、ライフワークだから、急がずに機を見計らってゆっくりと掘り下げてみようと思っている。

<後日談:8月28日記入>
不安が的中。朝、記録した画像を吸い上げたHDがエラーしてファイルが消失。リカバリーソフトで復旧を試み、なんとか8割方は救済出来そうな現在の状況だが、壊れた画像も多い。
画像は消えたがっているのだろうか....。



※写真は、
上:滝の坂を目指すお水取りの行列。
中:四方に東西南北が記された木箱。中に霊水と麹を入れた甕が安置され、十二支の方位が刻まれた木蓋をかぶせるところ。
中:八乙女奉納。8人の少女たちは初々しくて美しい。

2007.8.25 [土] 森山神社例大祭

毎年八月の最終週末は、森山神社の例大祭だ。
櫛稲田姫を奉る1200年もの歴史がある森山神社は、越してくる前から気になる神社だった。そして、地元の贔屓目かもしれないけれど、ここのお神輿はとても美しくて魅力的だと思う。きっと何か魅かれる理由があって、今ここにこうして居るのかもしれない。

午後、世計り神事の発表があった。
平成二十年 世計 五合六勺 / 天候温暖 風雨 穏やかな日多し

この神事は、越してきた最初のお祭りで知り、ものすごく魅かれ「ライフワークにしよう!」と勝手に決めて追いかけてきた。1200年もの間、毎年続けられてきた“来年の為の世計り”が、今もきちんと氏子達に伝承されているという事実。守ってきてくれた地元の先人達を尊敬し感謝する。明日の朝は、次の世計りの為の霊水を汲みに行く。

ところで、音羽楼跡地の開発に関わる森山神社参道の件は、その後700名以上の署名が集まり、署名運動は継続中だ。今回の例大祭でも「参道を守ろう!」という主旨で、神殿脇に署名のコーナーを設置させていただいた。簡単な森山神社の歴史と共にパネル展示をしてみたところ、氏子会の皆様も含め、とても好意的に受けとめてくださった。ありがとうございました。

いろんな事や別々だった動きが、みんなぐるんと繋がってきた気がする。
神話など、もっとちゃんと勉強したら、きっと更なる発見があるんだろうな。



※写真は、
上:来年の世計りを宮司が自ら板に筆書きする。
中:金の帷子が揺れる女性的な森山神社のお神輿。
下:お囃子の山車の飾り提灯と十三夜の月。

2007.8.19 [日] 早朝野点と真夏の茶会

一夜明けて、いや明ける前から集合して小磯で野点。
ここは御用邸から海に向かった磯場で、よく皇室の皆様も散歩されるとても気持ちいい場所だ。前々から「葉山で野点するならここでしょう!」とイチオシしてた。念願叶ってとても嬉しい。目の前に海、背中に朝日を浴びながらいただく一服。至福。ごちそうさま。

一旦解散後、場所をしおさい公園内の一景庵に移動して、真夏のお茶会。
しおさい公園は御用邸付属邸跡地で、大正天皇が崩御され、昭和天皇が皇位継承された、いわば“昭和”の発祥地。公園入口の前に石碑がある。
そんなロイヤルな茶室を占拠して、おちゃめ部的なお茶会がマイペースで展開していく。その内容をここで紹介するのはとても無理。(笑)聞いた事もない言葉を勉強して、年中行事を紐解いていく過程は興味深い。とても濃い時間だった。
外は記録的な暑さで、庭園を散歩する人も少ない。
そんな一日、茶室に籠り、夏を解く。

夕方、浜へ出て、諸々の後片づけと花火。
何の繋がりも無さそうな一連の行動にも、どうやらそれぞれ意味があるらしい。
そんな謎めいたところもおちゃめ部の魅力なのかな?
ご一緒いただいた皆様、濃密な二日間をどうもありがとうございました。
また一緒に遊んでください。



※茶室で着ていた着物は、
・長着は、青土さんの苧麻(沖縄の素材展で購入、その後、砧打ち処理)を一衣舎さんで洗える仕立てに。生成のまま。
・帯は、麻地に釣り人の墨絵が描かれた名古屋帯。
・帯揚げは、なでしこ模様の青の絽。
・帯締めは、八木オリジナルの道明
・シャリ感のある絹地クリーム色の半襟をかけた白地の夏シルックの長襦袢。
・下着は、麻の湯文字と晒。
・麻の白足袋に畳表の草履。

2007.8.18 [土] おちゃめ部夏合宿 in 葉山/前夜祭

KIMONO真楽には、いつ何が最初だったかも忘れてしまったけれど、自然発生的に立ち上がった“部活動”がいくつか存在する。
その中のひとつ「おちゃめ部」が、葉山で夏合宿するというので参加してみた。
「おちゃめ部」は、“お茶”を愉しむ部活動なのだけれど、いわゆる“正当派茶道”の類いとはものすごくかけ離れたユニークな試みで、日本的な年中行事を絡めながら、古株メンバーであるかずさんを部長に、毎回不思議なお茶会を繰り広げている。
....と、説明してみたけど、参加してみないことには謎ばかりだね。(笑)

今回のキーワードは「解夏」。

初日は、関根不動尊の霊水を汲みに行く。
夕方、御用邸横の馬場だった公園で野点。
波の音を聞きながら、さっき汲んできた水でいただく一服。
「はぁ〜、おいしい。。。」と思わず声が出てしまう。

お茶の事は分からないけれど、
おちゃめ部には、
お茶の本質がどっかり腰を据えている気がして頼もしい。
美味しいお茶を、ご馳走さま。
ありがとう。



※着ていたのは、
・麻の葉柄の麻の長着。
・古い男物の久米島紬を仕立て直した半幅帯/ギャラリー啓
・下着は、麻の湯文字と胸に晒のみ。
・足下は“ギョサン”

2007.8.17 [金] 灯籠流し

帰ってきていたご先祖様とも一緒に踊った盆踊り。
その同じ森戸の浜で、昨日は「灯籠流し」があった。

自分の縁者の戒名などを灯籠に書いて流す個人的な供養の他に、葉山らしい供養もあった。
海岸水難事故で亡くなった人の霊と共に、私達が日々の食事でいただいている魚貝類の霊も一緒に供養するのだ。
特設の盆棚の後ろに卒塔婆のような木札が立っていて、そこにも“魚貝類”という文字が書かれていた。また、僧侶があげたお経の中にもちゃんと出てきた。

こうゆう素朴な感謝の気持ちを忘れずに暮らしたい。
帰ってきていたご先祖様の霊も、波間に揺られて戻っていった。

お盆。
自分のルーツである東北のお盆を、もっときちんと勉強してみたくなってきた。

2007.8.16 [木] 盆踊り@森戸の浜

2007年8月14日。
今年の“森戸の浜の盆踊り”も無事に終了。

この夢のような二時間の為に頑張ってきた。
たった二時間しか無いからこそ、
思い切り楽しむ為に準備してきた。
ターゲットを決めて、
それぞれがそれぞれのポジションで、
出来る限りの力を提供して、
昇りつめていく。
チームワークで、
ひとつの事柄を成し遂げるのはキモチイイ。

今年は、
夏なのに富士山がクッキリと現れ、
ペルセウス座流星群の流れ星まで流れ、
宇宙規模で大いなる自然が、
浜の盆踊りを応援してくれた。感謝。

そして、
砂浜に足を取られながら、
生音に身をゆだね、
浴衣の袂に海風を孕ませて、
踊る、踊る、踊る。

葉山音頭、東京音頭、炭坑節に花笠音頭、
とにかくみんな一緒に輪になって、
踊る、踊る、踊る。

そして、燃え尽きる。

:::::

日本の夏は、盆踊り。
浴衣をまとって盆踊り。
踊って楽しい盆踊り。
それぞれの地域で、その土地の盆踊りが見直されますように....。
日本らしい夏の行事が、次の世代へも伝わっていきますように....。
これからも平和に盆踊りを踊っていられる未来でありますように....。



※写真は、
上:ちょうちんワークショップで絵を描いた私のちょうちん。
下:富士山とやぐら。携帯のカメラだけどキレイだねぇ。

2007.8.9 [木] 藍の生葉染め

五月の青空アート市で、七五三さんからいただいた藍の種。
すぐに庭の片隅に地植えした。
その後は、一度間引きした程度で、雑草並にほったらかしな育て方。
肥料も特に与えなかった上、台風でなぎ倒されたり、虫に食われたりしたものの、元気にすくすく30センチ〜40センチ位まで大きくなった。もっと大きくなるのかなぁ?と、しばらく観察していたけれど、8月に入り、このままだと“生葉染め”のタイミングを逸するかもしれないと思い、先日やっとチャレンジしてみた。

70gの白絹地を、茎も含め500g位の藍で染めてみた。
藍は、葉をちぎり、ミキサーで藍ジュースにする....と、文献にある。
でも私は、ミキサーを持ってない。
すりばちでもいいらしいので、ゴリゴリしてみた。
道のりは遠い気がした。(笑)
しょうがないので、菜切包丁でざく切りにしていく。
台所中が、藍の匂い。
ザクザク切って、洗濯ネットに入れて、水で揉んでやっと藍ジュースが完成。
そこから先は、適当に“生葉染めの方法”で、染めてみた。
お風呂くらいの水温が染まりやすい....という事なので、鍋で火にかけながら藍の色を布にうつしとっていく。この暑い最中、火の前でナニヤッテンダロ?(笑)

でも、真っ白だった布は、なんとも言えない爽やかな藍の色に染まり上がった。
美しいなぁ....。
こんなにちゃんと美しい色に染まるんだ。
昔の人も、こんな風にして染色していたんだろうか。

草木染めの中でも、藍はやっぱり特別な気がする。
中でも特に、刈り取ったばかりの生葉で染めた色は、言葉にできない。
その時の、土と水と太陽....、そのまま色。

ありがとう。



※写真は、
上:庭で育っていた時の藍
中:鍋の中で染色中
下:染め上がった布

2007.8.7 [火] 森戸の浜の盆踊り_2007

去年、11年ぶりに復活した森戸の浜の盆踊り
今年もあと一週間後に迫ってきました。

今年は、
2007年8月14日(火)午後7時〜9時、
葉山、森戸の浜で行われます。

プロのミュージシャン達が、
この盆踊りの為に特別に結成した“盆バンド”。
ヤヨブーの伸びやかな唄声は、
浜に集まった全ての人々を、
踊り出さずにはいられない気持ちにさせちゃうのです。
そしていつしか、
みんな一緒に輪になって踊り出しているのです。

これは体感した人にしかわからないけど、
素晴らしい体験ができる葉山ならではの盆踊りです。

浴衣にビーサン、
葉山スタイルで一緒に浜辺で踊りませんか?



詳細は、この辺で....。
http://www.kanshin.jp/...
http://bonfes.exblog.jp/

2007.8.6 [月] 百年の愚行

毎年、8月6日は気分が重い。
朝、黙祷。
今日も、
強烈な夏の陽射しと蝉の鳴き声。
落ちる影がくっきりと黒い。

「百年の愚行」という写真集の
96ページ目から始まる“WAR”は、
きのこ雲の写真だ。

勝者だの敗者だの、
加害者だの被害者だの、
善悪も正義も、
今日は、
なんもかんも不条理に思える。

百年の愚行は、
私達がこれらの大きな問題の山を
反省して解決していかないと、
この星で生き延びる事は出来ない。
....と、警告している様な気がする。

どう楽観的に想像したって、
この星の未来は明るくない。
こんな日くらい、
ゆっくりちゃんと考えよう。

2007.8.1 [水] 八重山蛭木

--- ヤエヤマヒルギ ---

今月のトップは、八重山蛭木の花。

西表島のクイラ川支流のマングローブ林で、
2003年8月に撮影。

タンニンを含んだ樹皮は、染料の材料になる。
細長い実は、樹上で発根し、やがてストンと落下。
水底の泥に突き刺さって育ち始めるそうだ。

一枚の着物の奥には、
地球の自然の多くが関わる。
色から染料、その材料の育った環境、
イマジネーションを膨らませて、
その布をまとえる事に感謝したい。

さて、八月。
夏の真っ盛り。
八重山の布がしっくりくる季節。

2007.7.29 [日] バランス

そして、その傍ら...。




ヒトの営み。

これも
リアルな光景。
夕陽を浴びた
反対側。

2007.7.28 [土] 夕陽

きれいだなぁ...。







森戸海岸からの眺め。

リアルに
そこに
存在していられる
しあわせ。

2007.7.25 [水] 署名のご報告

先日“緊急なお願い”として日記に書いた、森山神社の参道に関連する署名は、おかげさまで一週間という短期間に300名以上の署名が集まりました。
ご協力くださった皆様、どうもありがとうございました。感謝。

引き続きこれからもなるべく多くの署名を集め、関心の高さを形にしたいと考えています。
どうぞよろしくお願い致します。



※写真は、森山神社のお神輿。櫛稲田姫をイメージした神輿は、宵の空に金色の帷子が揺れてとても幻想的。

2007.7.17 [火] 自然の猛威

大型台風と大きな地震。
自然の猛威をヒシヒシと肌で感じた連休だった。
怖い。ニンゲンはちっぽけで非力だ。
日本は自然災害の多い場所だからこそ、
自然と共に謙虚に生きる知恵が培われてきたんだろう。
日本人のDNAには自然に対する畏敬の念がしみ込んでいる。
それは暦や祭や神事や行事に現れている。
そんな気がする。
だけど、この半世紀ほどは鈍感だった。
日本中が鈍感だった。
私も鈍感でした。ごめんなさい。
今更だけど、自然に寄り添って生きる知恵を学んでいる。
野菜売りのおばちゃんや漁師のじいさま等々から。
そして思う。
災害対策の名目で建造してきたコンクリートの塊たちは、
本当に人々の暮らしを守っているんだろうか?
便利は、ほんとうに便利なのか?
地域で助け合って生きていた日本的な暮らし方は、
個人主義で崩壊しつつあり、
それは人として幸せな社会なんだろうか?

そんな事を考えながら、
まずは自分に出来る事を自分の周りからやってみる。



※写真は、
上:おわら風の盆。稲の収穫時期ごろに吹き荒れる大風をおさめる為に行われる。(2004年撮影)
下:十夜ヶ橋@愛媛。橋の下の弘法大師は護岸整備のせいか、大雨が降ると川の水位が上がってよく水浸しになるそうだ。(2001年撮影)


p.s._みにさん日記を読んで。
私もアレックス・カーの出演した「情熱大陸」観ました。うん、真楽スピリッツと近いと思った。嫌な事には「嫌だ」と声をあげなければいけないとつくづく思う今日この頃。

2007.7.14 [土] 緊急なお願い

先日の日記にも書いた“音羽楼跡地”の開発に関し、
説明会の開催と署名を募る事になりました。
関連資料と要望書・署名簿を用意しましたので、
そちらを読んで、ご賛同いただける方は、
是非署名をお願い致します。
近隣住民を中心に動いていますが、
森山神社の参道は、
葉山を愛する多くの人々に関わってくる事だと思います。
また、これから葉山に住みたいと考えている方々にも、
“開発の仕方”は重要な問題だと思います。
どうぞ、みなさまのお力をお貸しください。

関連資料-----
森山神社の参道について
音羽楼跡地開発に関する要望書・署名簿

【説明会日程】
■日時:7月16日(月:休日)10時〜12時
■場所:一色会館(森山神社内)
■内容:「音羽楼跡地開発を考える会」による説明 
・音羽楼跡地と森山神社参道の関連
・現状と今後の問題点
・コミュニティ広場としての要望
<主催:一色第五町内会 まちづくりを考える会>


※ローカルな話題、また着物に関係無い話でごめんなさい。

2007.7.13 [金] ほっ。

こゆきさん、ご無事でなにより。ほ。
しかし、台風4号の威力はスゴそうです。
大型で非常に強い台風。
進路にあたる地方の皆様、自然の猛威、警戒しましょう。
葉山も風が荒れている気配です。海の音がする。

で、腹筋・懸垂わりと得意@体育会系

2007.7.11 [水] 湘南物語

こんなタウン誌に、
手ぬぐいマニアとして、
ちょこっと紹介して
いただきました。

手ぬぐいの良さが、
ぢわぢわぁ〜っと
広がってくれないかなぁ...
と、願いつつ。

そして、
日本の知恵も、
ぢわぢわぁ〜っと広がって、
世界が平和にならないかなぁ...
とも、思いつつ。

とは言え、湘南限定です。

2007.7.9 [月] 未来の心配

葉山の友人・矢谷さんが、お中元を持ってきてくださった。
「いつもたくさんいただいちゃうの〜」と、そうめんを箱にいっぱい。お菓子の箱に“御そうめん”って手書きの付箋を貼って、麻紐で結んである。かわいいなぁ。
中国に行っていた義妹のお土産“金蓮茶”を飲みながら、しばしお茶タイム。

そこで、最近の葉山の乱開発についての話になる。
今、葉山のあちこちがスゴイ事になっているのだ。
矢谷さんが住む家のすぐ後ろの森も分譲地に開発される事が決まってしまった。もうすぐ更地にする為、木々が伐採されて800坪以上の森がすっかり無くなる。そこに暮らすいきもの達はどうなっちゃうんだろう?どうしようもないんだろうけど、なんだかこのまま黙っていたくないと矢谷さんも嘆く。
真楽新年会でお世話になった音羽楼の跡地も大変な事になりつつある。現在、建物は解体されすっかり更地になっている。地元で参加しているNPOで、景観をなるべく壊さない開発提案を、近隣住民と一緒にデベロッパーに提案しようと動いていたが、先を越すように、開発計画が町役場に提出された。それはどうやら、音羽楼に隣接した森山神社の参道側に住宅の入口を設け、参道は車両の通行が可能になる計画らしい。
参道に車が入ってきちゃうの???
調べてみると、参道は町道で、色々な法律や条例をくぐり抜ければ車両の乗り入れは不可能ではないらしい。だけど、森山神社の例大祭や、1200年の歴史がある御水取りの神事や、真楽ちくちく部が活躍するアート市は、どうなっちゃうんだ?
宮司さんはさぞやお嘆きだろうと思うでしょうが、森戸神社と森山神社の宮司さんは、ガンガンと開発の旗を振る現葉山町長さんです。ぐぐぐ。
でも、実はもっとすごい事が、海や浜辺で起こっていて、知らない間にどんどんと開発される現状に危惧した知人は、ついに個人で立ち上がった
ぼんやりしていると、どんどん地球は食いつぶされてしまう。
どうすれば、この流れを止められるんだろう?

布や着物をまとう事と、こうした乱開発はまったく無関係な話ではない。
ほんとうに、ほんの少し先の未来すら、今は心配。
なにかしたいね、なんとかしたいね、と矢谷さんも一緒に頷く。



※写真は、
上:手書きの“御そうめん”が可愛い、実に正しいお中元。
中:森山神社の例大祭。
下:アート市の会場にもなる森山神社の参道。朝の風景。

2007.7.1 [日] ナツ・ハジマリマシタ

葉山の浜も海開き。
今日から、海の家がオープンします。
二ヶ月間だけの和みの空間。
さぁさぁ、夏が始まりました!

去年四周年記念を開催させてもらったオアシスは、
こんな感じで、今年もまったりイイ感じ。
竹の大黒柱に昇り龍が彫られていたり、
海正面はお座敷だったり、
お品書きの木札が裏勝りだったり、
なんだかちょっと和風テイストな今年のオアシス。
妙に浴衣が、似合います。うふ。

去年11年ぶりに復活させた盆踊りは、
今年は8月14日に開催予定。
盆バンドによる生演奏で、
老若男女が浜辺に集って踊ります。
こんな気持ちいい盆踊りはちょっと無いよ。
....と、宣伝する私は実行委員。
今年は町のバックアップももらえました。
葉山の風物詩に育っていったら素敵だなぁ。
ってなわけで、
この先、チョット忙しいけど頑張りマッス。
良かったら遊びに来てください。

2007.6.30 [土] 五周年パーティー

楽しい二時間でありました。
あっという間。

幹事のしょうちゃん、
ゲームを企画してくれたリリコさん、
その他諸々のお手伝いをしてくれた皆様、
そして思い思いに夏着物をまとって集まってくれた皆様、
素晴らしい五周年のパーティーでした。
ほんとうに、どうもありがとうございました。

五年の時間は、
300人の着物仲間と、
もうすぐ2000にもなるキーワードと、
今日現在、39747件/189人分の日記と、
キーワードにちりばめられた感想が、
ネットの世界で真楽の財産となって存在してます。
受け継いで分け合って共有していける
大切な“知恵”だと思います。
ここまで素晴らしく真楽を育ててくださった皆様に
感謝の気持ちでいっぱいです。

自分も相手もその他の万人も、ともにうるおう楽しみ。

80人分の装いは、
ほんとにそれぞれ個性的で、
同じカタチのはずなのに、
着る人や組み合わせによって、
こんなにもそれぞれの“素敵”があるわけで、
だから着物って、
やっぱり奥が深くて面白い....。
眼福、眼福、ともにうるおう楽しみでした。

そして今回、私の(+1)は母でした。
私に着物の素敵さを教えてくれたのは母ですから、
一度は、真楽の集いに参加してほしいと思っていました。
最初は渋っていた母ですが、
パーティー中も座ったままの母でしたが、
やっぱり着物が好きなので、
80人分のそれぞれの装いを見て、
けっこう楽しんでいたようです。
引っぱって連れていって良かったなぁと思います。
母に声をかけてくださった皆様、ありがとう!
ネットの事はちんぷんかんぷんな母ですが、
これからは少し、話が通じる様になるでしょう。(笑)

いつまでも、平和に着物をまとって集える世の中であります様に....。
真楽から、真楽的な心持ちの人々の輪が広がっていきます様に....。
これからも末永くどうぞよろしくお願いします。



※着て行ったのは、
この時持ち帰った張正さんの雪花絞り。奇跡的なスピードで間に合いました。(笑)

2007.6.28 [木] 設立記念日

五年前の今日、ネット上に“KIMONO真楽”が誕生しました。
おぎゃあ!2002年6月28日です。

実はその数ヶ月前から、関心空間エンジンを使って着物好きが集まるコミュニティを作ろうと考えていました。が、名前がイマイチ決まりません。そんなある日、広辞苑を眺めていたら「真楽」という言葉が目に入りました。

しん-らく【真楽】自分も相手もその他の万人も、ともにうるおう楽しみ。(二宮尊徳の用語)

....と、あります。
「これだ!」と思いました。

それまで漠然と、着物は自分の為だけに着るもんじゃないなぁ....と感じていました。特に、夏の着物は、着ている本人はけっこう暑いのですが、すれ違う見知らぬ人にも「あぁ、涼しげだなぁ」という印象を残す不思議な感覚があります。私も街ですれ違う夏着物を着た人から、涼感をいただく事が度々ありました。洋服は己のセンスをアピールするツールであるのに対し、着物は“自分だけ”のツールじゃない気がしていました。冠婚葬祭などでの立場を表す装いや、母や祖母から譲られた着物との繋がりなど、相手や周りの人々と“楽しみ”や“喜び”や“気持ち”を分かち合える素敵な「モノ」です。
そして、関心空間エンジンも、自分が関心あることをキーワードにして、同じ関心をもつ人にも伝え、その関心事をみんなで共有していこう!という気持ちをカタチにする為のシステムです。

だから「真楽」という名前は、ピッタリだと思ったのです。
夏に向かうこんな季節だったからこそ、特にそう感じたのかもしれません。

自分も相手もその他の万人も、ともにうるおう楽しみ。
着物をまとい、そんな気持ちの人々の輪が広がればいいなぁ....と願っています。
これからも、KIMONO真楽をどうぞよろしくお願いします。

えりりん@KIMONO真楽管理人



※写真は、
たのもしいKIMONO真楽の管理スタッフの面々。
左から_しょう・ぬほりん・ばすけ(敬称略)
2002年7月21日撮影@武相荘にて

2007.6.24 [日] KAMAKURA_KURA KURA

朝、ポストにTEAM GOGO!の「豪快な号外」が入っていた。30秒で世界を変えちゃう新聞。手配り隊を募集してたのは知っていたけど、家にも誰かが配ってくれたんだ。じぃ〜ん、ありがとう!中身は、分かりやすぅ〜く、この星に迫っている危機を暗くならずに教えてくれる内容だった。個人的な活動でここまで頑張ってる人もいるんだ。そうだよね、あきらめずに、みんなでとにかく「やってみま笑」!

そして午後から、鎌倉。
最終日のKURAさんの個展にお邪魔する。会場に居合わせたお客様たちと話が弾み、お茶を何杯もおかわりしてしまう。KURAさんの周りには素敵な人がたくさん集まってくるんだなぁ。作品も磁器なのにほんわかあったかいもんね。お人柄の賜物です。今回は、スカートをはいた小さな白い人を連れて帰る。

その後、9brandへ。
ずいぶん前に“Furoshiki”を見て、その発想力とデザインに「なるほどぉ〜!」って感心したんだった。その後、それは九印というブランドだと知り、最近、鎌倉に引っ越してきた事も知っていた。....けど、KURAさんのお友達だった事は繋がっていなかったよ。
そんなわけで、9brandでもさんざん長居してしまう。

そして、駅の反対側へ移動して「ロータスポンド」へ。
行こう行こうと思いつつ、やっと。
うぉぉぉ〜、ここはお宝の山ですよ。アジアの手仕事が小さなお店にギュギュッと凝縮しています。布好きには確かにたまらない。素材の事から、今の産地の状況まで、たくさんのお話を伺いました。また、たくさんの布を見せていただき、触らせてもくださいました。素晴らしいお店です。あまりに素敵な布が溢れていて、ちょっとヤヴァイ。(笑)
雨の中、頭からしゅーしゅーと湯気を出しつつ、鎌倉を後にする葉山人なのでありました。



※写真は、
上:ラッピングが素敵。梅酒を飲みながら作品を愛でていたら、筆が走った。
中:9brandから連れて帰った“ヤモリマグネット”。仕事場のキャビネットに生息。これは、オフィスに一匹いたら、和むぞぉ〜。
下:祈る人の隣に、今日から一緒。平和なオーラ発信中。

2007.6.20 [水] 麻、着ちゃいました。

■6月17日(日)/父の日
家族が葉山に集合して、天ぷら屋さんへ。
葉山のちょっと先の秋谷にある「葉むら」です。
カウンターをずらりと家族で占拠して、
揚げたてをいただきました。
美味しかったぁ!
雲丹、常節、空豆など、
天ぷらで食べるのは初めてな旬の食材。
お腹いっぱい。ご馳走さま。

さて、この日は相当暑かったので、
今年初めての麻着物。
白地に麻の葉柄のこの着物は、
先日、名古屋の大須で見つけて買ってきた物。
赤い塗料みたいな物が上前などに付いていて、
リーズナブルなお値段だった。
落ちそうだな....とは思っていたけど、
洗ったら見事にキレイに落ちちゃって、うふふ。
これは、この夏のお気に入り普段着に。
あぁ、それにしても麻はやっぱり涼しいなぁ。

■6月18日(月)
前から行ってみたかった新江ノ島水族館へ。
いやぁ、楽しい楽しい。
海の中は、宇宙よりも謎が多くてミラクルだ。
同じ地球なのにとても不思議。
いつまでも、陸でドンパチやってる人間は、
いい加減にしないと、
この星はきっと海で覆われてしまうよね。

で、ちょっと涼しかったので、
麻着物はやめてサマーウールの長着に、
織り八寸名古屋帯を枕無しのお太鼓で。
でも足袋の気分じゃなくて、素足に下駄。
まぁ、全体的には、
湘南ちょっとご近所モードな組み合わせかな。

■6月20日(水)
サマーウールと麻着物を洗う。
タライで手洗い。
あっさり乾く。
サマーウールは要アイロンな感じ。
うぅぅ、ちょっと面倒ですぅ。

2007.6.16 [土] 梅雨はどこ?

朝起きたら、今日も晴天。
しかも、富士山まできれいに見える。
朝ご飯を食べて、浜散歩。
えぇとこじゃ....と、義父。

昼過ぎからは森戸神社へ。
今日は“潮神楽”という漁師のお祭り。
葉山の海の安全と大漁を祈願して、
毎年6月16日に行われる。
江戸時代から伝承されているそうだ。
境内は既に夏の陽射しで日なたは暑い。
でも木陰に入ると、
海風が心地良く吹き抜けていって
けっこう涼しい。

さて、ここんところ着続けているのは、
頂き物のサマーウール(たぶん)。
紫がかった格子柄は、さほど透け感もなく、
今の気候にちょうどいい。
また、織りが粗いせいか、
木綿よりも風が通って涼しい気がする。
とは言え、そろそろ洗おうかな?(笑)
こんな風に、
普段は季節に合った同じ着物を着続けている。
昔の人だって、
きっとそんな風だったんじゃないかなぁ?
テキトーに手を抜けば、
着物だろうが洋服だろうが、
メンテナンスも、きっとたいした違いはない。

気負わず楽に....が、私流。

2007.6.15 [金] 今朝の葉山

雨上がりの朝は気持ちいい。
晴れてきて、でも緑は露で濡れていて、
空気もなんだかキラキラしていて、
目に映る全てが美しい。

カメラを持って浜へ出ると、
今日は朔で潮が引いてて浜辺が広い。
海の家の建設も着々と進行中。
あぁ、もうすぐ夏だなぁ...。

淡々と日々は過ぎていくけれど、
庭の植物は、日々着々と育っていて、
毎年季節が巡るごとに花が咲き、
でも長い目で見ると変化もあって、
小さな発見に満ち溢れていて、
面白い。

今日は、相棒の父上が遊びにくる。
名古屋の先から、
自分で車を運転してやってくる。
もうすぐ八十歳だけど、
キビキビと切れのいい運転をする。
でも今日はドライブ日和だから、
のんびりゆっくり来て欲しいなぁ。
しばらく葉山で
いっぱい一緒に遊ぶんだ。

自分の中の“大切”を
大切に出来る今に、感謝。



※写真は、
上:朔の一色海岸。
中:先月種まきした藍もこんなに育った。
下:あじさいと三ケ岡山。

ちなみに最近カメラをDSC-R1に変えた。デカイのでご近所仕様だな。(笑)

2007.6.7 [木] 関心空間の特集

本家の“関心空間”が、
最近「関心空間の特集」というコンテンツを始めたみたいです。
隔週水曜日に更新されるそうですが、今、掲載されてるvol.3は、「初夏、涼を彩る和の風物詩」です。老舗がお手本。水無月モダン....、ほぉほぉほぉ。
着物好きとしては、なかなか気になるキーワードがなにやらいっぱい並んでいます。ふむふむふむ。

しかも、あら、素敵なプレゼントが。(笑)




※写真は、私の周りの、涼を彩る和の風物詩。
上:柿渋で染めた縞が入った夏紬。シャリ感のある絹。
中:新善光寺のあじさい。2004年6月20日撮影。
下:潮風に揺れる浜辺の手ぬぐい。

2007.6.2 [土] 有松・鳴海

諸々のレポートは、
絞りエキスパートのフーさん日記を参照されよ。(笑)

....と、手抜き日記。

この日はお祭りだったせいか、
ホントに楽しい一日だった。
絞りのキーマン達から、深くて濃いお話を聞き、
力いっぱい勉強した。
そして、次の予定が押せ押せになるほど、
皆さんきりなくお話くださる。
口下手なはずの方まで、
どんどん止まらずお話しくださる。
これもきっと真楽パワーなんだろう。
興味津々な目つきでじっと聞き入られたり、
鋭い質問がさらっと飛んできたりするわけだもの、
そりゃあどんどん語りたくなる。
私達は私達で、
つくり手から直接うかがうそれぞれの話は、
たまらなく面白くて興味がつきない。
もっともっと色々聞きたい。

直結はイイ。
こんな機会をつくってくださった、幹事役のお二方に感謝。
どうもありがとうございました。



上:巨大なのれんも、もちろん絞り。
中:古い町並みにしっくり溶け込むキモノビト達。
下:ご縁があった雪花絞り。パズルの様に計算され尽くして畳まれた布に、染色時の色んな要素が偶然に重なり合って生まれる模様。面白い!

2007.6.1 [金] 遠州路

かつて「遠江(とおとうみ)の国」と呼ばれた土地。
穏やかに晴れ渡ったその日、
メンバーがご縁を紡いでくださって、
その地で営まれている工房への訪問が叶う。

立派な長屋門の奥で、ひっそりと布が生まれていた。
着やすさを追求した布は、たくさんは無理。
ここで出来る分だけをつくっていらっしゃる。
独特な布は、独特な糸や機から生まれていた。
そして、そこには手間を惜しまないこだわりがあった。

今、日本で、玉繭をざぐって糸にできる人は、
皆すでに高齢なのだそうだ。
助成金で成り立つ日本の養蚕業からは、
屑繭である玉繭は流通されない。
糸の未来が心配。
昭和初期まで、あんなに盛んだった日本の絹。
いったいぜんたいどうしちゃったんだ?
そんな流れに任せて大事な基本を無くしちゃイケナイ!
着物が日常着に戻ってくれば、
着やすさにこだわる人が増え、
ものづくりや素材に目を向ける人が増えると思う。
そうゆう流れに戻って欲しい。



上:庭に干された糸。気持ち良さそうだった。
下:訪問者達。ほぼみなきもの。

2007.5.31 [木] 夏じたく

日本の夏じたく展を目当てに三渓園へ。
園内で先にお昼を食べて、食後の散策。
この前に来た時は確か梅が咲き始めてた。
今日は、もぉ植物が夏の勢いで生い茂ってた。
苧麻も発見。
わざと刈らずに残しているのかなぁ?

移動して鶴翔閣へ。
ざっくり全体を拝見し、
縁側トークで笑う。
作り手の素顔が身近に感じられる
作品と作家の展示会だった。

一衣舎さんで長襦袢をお願いし、
久保紀波さんの扇子をいただく。
扇子は、小熊廣美さんとのコラボレーション。
シンプルで涼しげな“一葉”。
箱書きが間に合わなかったから....と、
その場で桐箱に書いていただく。
なんという贅沢。
作り手の顔がわかるモノがいい。
モノに込められた思いが伝わってくる。
そうゆうモノに囲まれていたい。



※写真は、
上:百姓家の板間、外には夏草が生い茂る。
中:和紙に書かれた小熊廣美さんの書。
下:箱書きを書いてもらいながら。

2007.5.20 [日] アート市の時の着物

着物は、頂き物の久留米絣。
袖がまぁるくて、活動的な印象なのでお気に入り。
帯は、白地に緑が爽やかな半巾のミンサー帯。
肩掛のバッグの邪魔をしないようにカルタ結びで。
裸足にねずこ下駄。

ちょっと頑張ったのは、半衿。
この日、並べて売ってる手ぬぐいの柄のひとつである「波待ち縞」の手ぬぐいを半衿にしてみた。ぴょんと跳ねてる魚が衿元に覗くように頑張って位置合わせした。自分で言うのもナンですが(笑)、なかなか葉山っぽくて爽やかでしたよ。
手ぬぐいを半衿にするのはオススメです。
....と、思ったらけっこう皆さんやってらっしゃる。
先のきものサロン夏号でも掛け方の紹介をされてる通なお方が載ってました。(43P)

そうそう、早いとこSHOPに新作も並べなくちゃ。
でも、相撲が始まると色んな事が滞ってしまう。
あはは、やっぱりナマケモノ。

2007.5.19 [土] きものサロン夏号

....に、載っちゃいました。
106ページに、私のもんぺが。
そう、もんぺだけ。(笑)
だって、もんぺモデルは恥ずかしかったんだもん。

このもんぺの詳しい事は、
昔の日記に書いてあります。
亡き祖母は、いつももんぺを履いていました。
東北の女は働き者だったんです。
たぶん私も
野良着やもんぺが似合うタイプなんだと思います。
ナマケモノなのになぁ〜。(笑)

写真は、
梅の木に登って梅の実を収穫してるところ。
そう、そろそろ今年の梅の実もぷっくりしてきた。
まもなく収穫。もんぺの出番。

2007.5.13 [日] 苧麻糸をつくる誕生日

草の布をつくる矢谷左知子さんのワークショップ「草に沿う時間」に参加した。
自分のまわりの“そこに在るもの”でつくる事にこだわる矢谷さん。
いつもはひとりでほそぼそとやっている作業を、みんなと一緒にやってみようという初の試みだ。
まずは、今日現在あるかどうか分からない野生の苧麻を探しに山へ入る。自然が相手だから予定も段取りも無理な話。人間が自然に合わせるしかないのデス。
色んな雑草と供に苧麻もまだ刈られずに、元気に勝手にすくすくと育っていた。山から糸の分を少しいただく。そこから先の作業は、以前、沖縄の素材展で体験した苧麻績みと基本的には同じ。....なんだけど、糸にする為に栽培された宮古島の苧麻と、葉山の野生の苧麻では、「同じ苧麻かぃ?」というほど違っていた。おもしろいなぁ〜。それでもちゃんと美しく輝く苧麻糸がとれ、大地と太陽、自然の恵みに感謝する。ありがとう。
私もこの草と同じ一瞬に、同じ大地の上に存在し、48回目の誕生日を迎える事が出来た。同じ様に同じ一瞬に一緒に生きて関わってくださったたくさんの人々にも、大きな声でありがとうを叫びたい幸せな一日だった。
しかも今日は、母の日。
48年前の今日、きっと死ぬほど痛い思いをして私を産んでくれた母。
この命をこれからも大切に、より良く自分らしく生きていこうと思っています。
産んでくれてありがとう。

誕生日に糸をつくりながら思った事。
人はきっと、歳を重ねる毎に、人生の楽しみ方が分かってくるんだ。
野生の苧麻と栽培された苧麻が違うように、
人もそれぞれ違っていて、
最近私は、どんどん素のままの自分に戻っている気がする。
余計な物を剥ぎ取れば剥ぎ取るほど、糸は白く輝きを増す。
これから先の人生が、自分でもとても楽しみ。

まだ青さが残った苧麻糸は、大地から私へのお誕生日のプレゼントだ。
とびきり素敵なお金では買えない贈り物。
森羅万象に感謝、ありがとう。



※写真は、
上:野生の苧麻も山の中でこんなに立派に育っていた。
中:草ランチ。さっきとってきた苧麻の葉も天ぷらに。美味しかったよ。
下:つくった苧麻糸。素のままの色。

2007.5.12 [土] 青空アート市

葉山芸術祭のファイナルを飾る青空アート市。
今年は、とびっきりのいいお天気に恵まれ、
出展者もお客さんも笑顔のたえない一日だった。

あぁ、葉山って楽しいなぁ。

私はKIMONO真楽ちくちく部の隣で、
手ぬぐい屋を開店。
畳を敷いてちゃぶ台の上に手ぬぐいを並べ、
ビールを呑みながらのお店番。(笑)
ま、ま、ま、上がってお茶でも飲んでけば?
...ってな感じのゆる〜いお茶の間モードで、
お客様に対応した。
老若男女のいろんなタイプのお客様とお話するのは、
面白く勉強になり、そして楽しい。

お陰様で手ぬぐいもそれぞれの柄がたくさん売れ、
新しい持ち主の下で可愛がられながら育っていくはず。
そう言えば、
まだ少年っぽさが残る好青年が、
若干恥ずかしそうに“珍満もだん”を買ってくれた。
プレゼントだって言ってたけど、
いったい誰にプレゼントするのかなぁ?
広げるとなかなか大胆な柄だったりするからね、
制作者としては、その後がとってもキニナルゾ。うふ。

あぁ、手ぬぐい屋ってのも楽しいなぁ。

2007.5.10 [木] お楽しみの準備色々

裏庭奥の黄菖蒲は、
その後、どんどん咲いて美しい。
まるで黄色い絨毯のよう。

そして、
せっせと手ぬぐいを畳む日々。
やっとなんとか手ぬぐいの準備は完了。
5月12日の葉山芸術祭・はっぴーくらふとバザールに、
手ぬぐいりんりんとして出店します。
真楽ちくちく部の隣でやってます。
暇そうにしていたらお声をかけてくださいね。

今年は、だいぶ新作が増えました。
中でも「富士ぼかし」は、5月12日がデビューです。

後列左から、
・砂浜縞
・波待ち縞
・珍満つなぎ/灰青
・幸運豆絞り

中列左から、
・珍満つなぎ/紺
・珍満つなぎ/桃
・ろごあられ

前列(新作)左から、
・富士ぼかし
・珍満もだん

さて、お店のしつらえはこれから。
そして、着物は何を着よう。
ジタバタしながらも楽しい準備。
ではでは、あさって、森山神社で会いましょう。

2007.5.6 [日] 字名・菖蒲沢

行政指導により廃止されてしまったけれど、
私が暮らす場所は、以前「菖蒲沢」という字名だった。

裏山の麓に一軒の廃屋があり、
洗濯物を干しているとその家がよく見える。
ここ数日、その家のまわりに自生している菖蒲が、
次々と黄色い花を咲かせ始めた。
端午の節句に合わせたようにちゃんと咲く。
廃屋に黄菖蒲。
なんだか幻想的な風景だ。

近づいて写真を撮ろうと思ったら、
地面は沼というか沢というか水があって、
中へ立ち入る事が出来なかった。
ご近所さんの話では、
この家がまだ別荘として使われていた時は、
家の前も普通の庭で、水も無く、
こんなにたくさんの黄菖蒲は咲いていなかったと言う。

人が住まなくなって放置され、
いつの間にか山の水や雨水が溜まり、
菖蒲が自生しやすい環境になったらしい。
つまり、“元々の自然な状態”に戻ったって事だ。
今、菖蒲沢と言われていた地域で、
こんな風に菖蒲が群生している場所は他に無い。
どこも宅地や駐車場になってしまった。

だから気付かないかもしれないけれど、
ここは確かに「菖蒲沢」で、
きっとそれが自然な状態なんだろう。
字名には、昔の人の知恵や教えが込められている。
大切な教えなのだ。

というわけで、
最近は自主的&積極的に、字名を使っている。
何丁目何番地....、よりもずっといい。

2007.5.4 [金] 葉山スタイル

銀座や京都でそれぞれ似合う着こなしが違うように、
葉山にも、葉山に似あう着こなしがある。
ここで着物で暮らしてみてたどり着いた感覚が、
.....こんな感じ。
どこかいい加減で、力が抜けてて、くだけた着方。
五月の初めの葉山スタイル。



・長着は薄手の木綿。格子柄は染め。めずらしいよね?鎌倉のはなぐるまさんで見つけた物。
・半巾帯は、去年の真楽バザーで譲ってもらった物。カルタ結びにして、黄色い帯締めをプラス。
・半襦袢にベージュの木綿の半襟をかけて。筒袖なので裄や袖丈は関係なし。
・下着は、胸にを巻いて、二重ガーゼで作った湯文字のみ。
・足下は、モチロン、げんべいのビーサン
・閉店しちゃった「きなり」のもちづきさんが今年作った麻素材の肩掛バッグ。紐が幅広でラクチンだし、布素材なので大きなポケットが着物に付いてるみたいに身体と着物に馴染むのですよ。

2007.5.1 [火] どくだみ

今月のトップは、どくだみの花。
白く、可憐でかわいい。

今年はまだ咲いていないけれど、
五月の末ぐらいになると庭中にたくさん咲く。
どくだみの効用を抽出するなら、
この白い花をつける頃がいいそうだ。

去年、庭のどくだみで作った化粧水。
半年使ってみたけれど、
これがなかなか調子いい。
臭いけれどイイ感じ。
どくだみはほんとに万能選手だね。

薬草の知恵、
もっとちゃんと勉強しよう....。

2007.4.30 [月] 野ざらし

最高のお天気に恵まれたGW前半。
とにかく外、外、屋外へ出たい。
お日さまの光を浴びたいのだ。
細胞の一個一個がそう叫ぶ。
あぁ、いい天気、いい陽気、キモチイイ。

GWの葉山芸術祭は、いろんな場所で、
いろんな企画展がたくさん開催されている。
あちこちぷらぷら歩いてまわる。
そんな中、今年からの試みとして、
空き地や路地やお店の壁など、
つまり何気ないその辺の外に、
葉山在住アーティスト達の作品が展示されてる。
露天展示。
これがなんとも葉山っぽくて素晴らしい。
写真も布も、みんな野ざらしほったらかし。
そんな風に展示された作品達は、
なんだかのびのび自由にそこに存在していて、
気持ちよさそうにみえるのだ。

銀座のギャラリーに展示されてた時よりも、
六本木の最先端エリアで見た時よりも、
それぞれの作品が生き生きしている。

野ざらしほったからし、
飾らずにそのままで、そこに在れ。



※写真は、
上:矢谷左知子さんの草の布。大きな吹き流しのような布も風にたなびく。野の草から出来た作品だから野ざらしが似合うのだ。
中:海へ抜ける路地に仁礼博さんの写真が並ぶ。瓶に入れた小さな作品もあちこちに隠されて、宝探しみたいで楽しいの。
下:合間に手ぬぐいを畳む。でも私だって外で。ビール呑みながらテラスでね。(笑)

2007.4.22 [日] 葉山芸術祭ハジマル

葉山芸術祭が始まった。
今年もウキウキ楽しい葉山な季節が始まったのだ。るん!

まずは、チームスガワラによる「素」に参加。
築90年の日本家屋に、
狩集画伯の襖絵を中心とした、
葉山在住アーティスト達の作品が、
生活空間の中に溶け込んでいる。
私も手ぬぐい屋として参加させてもらった。

展示の途中、
狩集画伯による「アートとは?」というテーマのワークショップがあった。
「NOUMISOくん」というシンメトリーな立体物を粘土で作る。
これが意外とハマって面白い。
ひとつとして同じ物は出来ない。
シンプルだけど奥が深くて、
無限の可能性を秘めているけど純粋。
大人も子供も一緒になって楽しめる。
で、自分がそこで体験したアートな時間は、
後から文字や文章になんか到底出来ない。
そうだよね、そうなんだよね。
やっぱりそうゆうものなのだ。

私の場合、リアルな世界が楽しくなると、
記録する事がおろそかになる。
この先、日記がサボリがちになるやもしれませんが、
それは元気に楽しくやってる証拠なのでご心配なく。

一瞬、一瞬が、輝く季節。



※写真は、オープンハウスの「素」。
上:襖絵をバックに、狩集画伯に描いてもらった半巾帯を中心にした着こなし。赤い長着はうっすらと黒のよろけ縞が入った紬。麻の葉柄の長襦袢。ベージュ地に黒の大柄な麻の葉柄の半襟。赤の麻の葉柄の足袋。
中:ワークショップ風景。ハマル、楽すぃ。
下:私が作った「NOUMISOくん」たち。

2007.4.14 [土] 一衣舎展とCAILAN'S

一衣舎春展へ。
自由が丘の住宅街にひっそりと佇む大塚文庫は、静かで素敵な空間だった。そこに、これまでと同じ様に、一見普通だけど実は個性的な作品とそれを生み出した作家さん達がたくさん待ってくれていた。遠方から来た真楽メンバーとも偶然ちゃんと会う事が出来て、一衣舎展はまさに「出会い系」だなぁ....と実感する。(笑)
かなぁ〜り涼しそうな絹麻縮みの長襦袢地にヒクヒクしちゃったけれど、真夏の襦袢は三枚あるし、それで今のところは間に合っているので今回は見送る事にした。
だから....っていうわけではないけれど、長年通っている「CAILAN'S」というセレクトショップで相棒と共に洋服関係のお買い物。二人分の合計は、さっき見送った仕立上がりの長襦袢以上だった。
着物はお金がかかる!って言うけれど、洋服だってそれなりにこだわれば結局似た様なお金がかかるんじゃないかと思う。いや、むしろ長い目で見れば着物の方が安上がりかもしれない。
結局のトコロ、自分は何を着ていたいか....だと思う。

※写真は、昨日CAILAN'Sで買った10LIRAというブランドのスニーカー。
Burberryの生地を潰し、汚しを入れ、くたびれた10Liraコインが付いている。靴屋が見たら怒りそうな(笑)、デザイナーが好き勝手に作ったスニーカー。もちろん一足ずつ違う手作り品。こういう物が好きなんだなぁ....。
昔、伊丹十三がVuittonのバッグを潰して下駄の鼻緒を作ったよね。そんな事を思い出した。



■07.04.16_追記・訂正事項
伊丹十三がVuittonを潰して作ったのは、下駄の鼻緒ではなく「爪皮」でした。Tさん、ご指摘ありがとうございます。「再び女たちよ!」に書かれているエピソードです。私が「女たちよ!」を読んだのは高校生の頃。そんな昔のうろ覚えな話をテキトーに書いてしまってごめんなさい。いやぁ、しかしあのエッセイにはかなり影響されてます。

2007.4.13 [金] 今日の出来事

すぐ近所で、
今、
起こっている事。

でも最近は、
何を言っても、
やっぱりエゴの様で、
言葉に出来ない。


スケルトンになった
日本建築は、
シンプルで素晴らしい。
大工が建てた家は、
建てた時の職人の意思が、
伝わってくる。




※写真は所有者の承諾を得て記録しています。

2007.4.11 [水] ローザス | Rosas

以前、スティーヴ・ライヒの音に連動して、
くるくるくるくるくるくるくるくる....と、
ミニマルに踊り続ける映像をDVDで観て、
ずっと脳裏に焼き付いていたローザス。

何度も来日しているのだけれど、
今回、初めてライブを観る事が出来た。
“Raga”@彩の国さいたま

布が垂れただけの舞台。
3人のダンサーの息遣いが聞こえ、
観ている私まで手の平に力が入る。
ピンと張りつめた緊張感のある美しさ。
何かに憑かれた様な、
人間じゃないみたいな、
ちょっと神がかったダンス。

埼玉までは遠かったけど、
ライブで観る事が出来て良かった。
身体をなまらせちゃイケナイな....と思った。



※写真は、着て行った着物。
洋服を選ぶより着物の方が楽....という状況の最近のワードローブなのだけれど、平日のライブには浮いた存在だったかも。反省。
・先週着てそのままだった大島
小森草木染工房の洒落袋帯
・道明の細目の帯締め
・顔色の悪い人がドットの様に並んだロングスカーフを帯揚げ代わりに

2007.4.10 [火] お祓い

新年会でお世話になった音羽楼が閉店し、
今日は、お祓いの儀式が行われていた。
建物の中は、
既にがらんとしていて寂しかった。

13日から解体。
素晴らしい思い出の時を、
どうもありがとうございました。

庭の梅が、小さな実をつけていた。

2007.4.5 [木] 経年変化

車検のため、愛車を晴海のガレーヂ伊太利屋へ。
94年に納車された愛車は、
葉山に移ってから、ずいぶん傷んだ。
潮風と野ざらしの影響は大きい様だ。
でも、好きだからまだ乗るの。

で、ふと思いついて「経年変化」を撮ってみる事にした。
納車されたばかりの頃、ピカピカの愛車の前で、
仕立上がったばかりの大島を着て写っている写真がある。
今日は、まったく同じ組み合わせの着物を着て、
くたびれた愛車の前で写真に納まる。
着物はゼンゼン大丈夫だけど、
車と私の経年変化が激しいなぁ。(笑)
13年....。短いような長いような、リアルな時間。

そして今日はもう一つ。
ついに日本にやってきた「グレゴリー・コルベール」
お台場のノマディック美術館まで観に行った。
ashes and snow.....

異次元に隠された過去に別の選択をした今。
折り返し地点を過ぎたずっと先の未来。
海の底にある逆さまな世界。

そんな感覚を、平日の仮設神殿で堪能してきた。
おまけに館長の誕生日だそうで入館無料のサプライズ。
グレゴリー・コルベールの世界は泥染めが似合う。

2007.4.4 [水] chin*chin

品が良い....という事で定評の真楽ですが、
みんないったいどうしたのでしょう?
それぞれの日記で飛び交う「ちんちん」という文字に、
なんだか楽しくなってきました。

....って、事の発端は、かなまら祭ですか?
つまり、アタシ???(笑)

ちなみに、インドネシア語では、
●cincin_(ちんちん):指輪
●mangkok(まんこ):お椀

写真は、ちんちんに沸いたお湯。

2007.4.1 [日] 珍満@かなまら祭

2007年4月1日。
エープリルフールでかなまら祭の日。
そして、珍満柄の手ぬぐいを売ってみた日。

8時に着いて準備を始め、
9時頃に売り子さん達が集合し、
10時頃からだんだん人が集まり始め、
手ぬぐいも順調に売れていき、
11時位には集まった人々の顔が紅潮した笑顔になり、
手ぬぐいもどんどん売れまくり、
12時にすぐ脇をご神体のお神輿が通り抜けて町へ繰り出し、
はたと気付くと持ってきた手ぬぐい在庫が少なくなり、
あれれ?なんて思っていたら、完売してました。
見本にしてた物まで売れちゃいました。
売り子さん達が頑張ってくれたおかげですが、
ちょっとビックリ。ありがとうございました。

そして、境内のあちこちで珍満柄の手ぬぐいを身に付けた人々を見かけ、それがほんとうに嬉しくて、ハッピーで、感激でした。なんだか夢のよう....。
はしゃぎまくっていたせいか、短時間なのにものすごくパワーを消費した一日でした。
帰宅後は、撃沈。
幸せで気持ちよくてハイテンションに登りつめて、ぐったり....、って、この感覚には身に覚えが?と思って、あぁ、なるほど。(笑)
さすが、かなまら祭。

ラブでピースなこの空気感、是非、世界中に伝染して欲しいと思います。
戦争なんかやってる場合じゃないよ。



※写真は、満開の桜と、風に揺れる手ぬぐい達と、外人さん達も群がる午前中の様子。
ちなみに着物で集まった4人は、全員が斉藤さんの唐桟でした。江戸時代、川崎宿の飯盛女達の願掛けから端を発したこのお祭り。イメージはなんかやっぱり唐桟なんだよね。

2007.3.31 [土] 食事会@音羽楼

私も参加活動している「葉山環境文化デザイン集団」のメンバーが集い、音羽楼で食事会。毎年、真楽の新年会でもお世話になったこの店は、ついに明日閉店してしまう。この空間が無くなってしまうのは、ほんとうに残念。葉山に残る別荘の保存再生活用などを目的に集っているメンバー達だから、その残念な思いは皆とても深い。そして、まだちょっと諦め切れずに、なんとか壊さずに済む方向はないものか模索している。今、葉山では、音羽楼以外にもあちこちで歴史的建造物の取り壊しが決まったり行われたりしている。いや、最近話題になっている日比谷の三信ビルもそうだけれど、日本中のあちこちで同じ様な事が起こっているんだろう。
実際、こんな形で活動しても、こうした流れに抗えるのかどうか分からない。何もしないのと変わらないじゃないか?とも思う。自分の時間を費やしているだけに、挫折感も大きい。
だけど、日本の普通の町並みから、日本の民族衣装である着物が似合う景色や空間が無くなっていくのは悲しい。それは嫌。
結局のトコロ、私の原動力は「着物」なんだな。(笑)単純明快。
だから、そんな勝手な理由だけど、もう少しジタバタ頑張ってみるかと、今日も思った。
音羽楼は、その最期を惜しむお客で連日大賑わいだという。皮肉なものだね。



※着て行ったのは、音羽楼の板長からいただいたお母様の着物。
上:薄いちりめんに細かい小菊の型染小紋/マクロ映像
下:牡丹色の表地に新橋色の八掛がついている。大胆でオシャレな色の組み合わせ。半襟はベージュ地に麻の葉柄。帯は塩瀬の水色地にろうけつ染めで抽象的な花柄。たまご色の帯揚げ。白と水色の細目の帯締め。ベージュ地に麻の葉柄の足袋。赤系の低い草履。

2007.3.29 [木] 桜

桜の季節はせつない。
私もそう感じる。
「あと何回....。」って思ってしまう。
日本人にとって桜って、やっぱり特別。
歳を重ねるほど、せつなさが増す。

隣の家の桜は、
今日ずいぶん咲いた。
今朝と夕方ではだいぶ違った。
我が家の花海棠も
今日、いくつか花開いた。
はなにらも一気に咲いて、
庭一面が春の装い。

ここ数ヶ月かかえていた仕事も、
今日クライアントのOKが出て一段落。
ほっと一息。

いい季節になってきたので、
ゆっくりあちこち散策しよう。
お山の桜も見に行こう。
あと何回、こうして桜を愛でられるかな?
さくら、サクラ、桜。
春爛漫。

2007.3.24 [土] 期末

三月は忙しい。
長いスパンの仕事が多いので、
「今期末までに....」となり、
時間のしわ寄せは三月末に集中する。
あと一週間。

とは言え、
春場所を観ながら手ぬぐいも畳む日々。
明日の千秋楽以降は、
4月1日のかなまら祭に向けてラストスパート。
こっちだってあと一週間。

春は変化の季節。
慌ただしいけど、新しい希望も輝く時。
変わる物、変わらない物、
全てはこの星にとってより良い変化であります様に....。



※写真は、
新作の手ぬぐい「珍満もだん」の一部。

2007.3.19 [月] 命

家族、大事にしなくちゃね。
訃報を聞いて、私も思わず自分の親に電話など....。
お父様のご冥福を心からお祈り致します。



そして、同じ日記に書くのもどうかと思いましたが、マダムなぼたんさんからも似た様なお祭りの情報をいただいたので、追記。

中部地方の、「田縣神社のち○こ祭り」「大縣神社のま○こ祭り」の存在は、よぉく存じておりまする。どちらも行った事はありませんが、こうしたお祭りの日本代表選手だと聞いた事があります。行ってみたい!
色々調べると、日本中にけっこう似た様なお祭りは多い様です。この際、「手ぬぐい屋」として、こうしたお祭りを目指して全国行脚の旅に出るのも素敵ですね。(笑)



ここまで書いてふと思う。
かけ離れてはいるけれど、今日は二つとも、人間の命の話だ。
以前、ぬほりんが池波正太郎の書いた物を教えてくれたので引用します。
***
「戦国時代と現代と比べて、それは確かに世の中は文化的になった。文明が発達して。しかし、どういう世の中になっても、人間の生業というものは変わらない。食べて、繁殖して、それで眠らなければいけない。女性と男性のまじわり、セックスというものがなければ成り立たないわけでしょう。それによって人間の動物的生活というものが充足されて行くわけです。セックスがなかったら人間なんてないんだし、それがすべての根本なんですから。それが根本にあって、その上にすべての文化があり文明があり、政治機構がある。それなのに、その根本を忘れちゃってる、いまは。だから人間がハアハアいって苦しむんですよ。その結果はろくなことにならない。あまり人間を素晴らしい高級な存在だと思っていると大変な間違いになってくる。動物なんだから、人間も。」(「男の系譜」より)
***
私もね、人間の喜怒哀楽は、太古の昔よりあんまり変わっていないと思う。大切にしなくちゃいけないものを見失わないようにしないとね。



※写真は、
上:狂ったように咲き誇る庭のぼけ
下:2006年かなまら祭り面掛行列の宮司さん達

2007.3.14 [水] 珍満つなぎ_これまでの歩み

珍満つなぎは、スケベな私から生まれた文様です。
メモ描きスケッチを、ずっとデスクの脇にピンナップしてました。赤地に白抜きで長襦袢の柄にしたら可愛いなぁと思っていましたから。でも、長い間ほったらかしで、そのうち忘れてしまったかもしれません。

流れを変えたのは、真楽です。
KIMONO真楽三周年の記念イベントとして、手ぬぐいコンテストがありました。複数応募も出来たので、「コンテストにユーモアを添えちゃおう!」と、珍満つなぎの手ぬぐいもデザインデータに起こしてエントリーです。もちろん、品の良いメンバーが多い真楽ですから、こんなふざけた柄の手ぬぐいは誰も持ちたくありません。よって、選外。(笑)
ところが、ごく一部の方々にはウケちゃいました。嬉しかった!
そのうちに「やっぱり手ぬぐいという形にしたい」と思う様になり、注染を教えてくれる手拭実染塾と型紙教室へ行き、去年の葉山芸術祭で手ぬぐい屋としてデビューしました。薄い灰青色に染めた珍満つなぎも、意外なほど葉山の人々には好評でした。

さて、その葉山芸術祭でデビューする直前、川崎の奇祭「かなまら祭り」の存在を教えてもらいました。まさに、珍満つなぎにぴったりなお祭りです。「よぉし!出来上がってきたばかりの珍満つなぎを頭に巻いて行ってみよう。」と、金山神社へ乗り込みました。色んな国の人々が、ニッコニコな笑顔で盛り上がってて、楽しかったぁ!ところがふと横を見ると、“手染め友禅・日本手拭い”というパッケージで四十八手柄の機械プリント手ぬぐいが売られています。うぅむ、チョット違うぞ。
どうせ世界に発信するなら、本質的に間違っていない日本文化を伝えたいし、珍満つなぎをこの場所で売ってみたいと思いました。そんな思いがエロの神様に通じたのか、色々な縁に導かれ、去年の秋には、このかなまら祭りを仕切る宮司さんに会える事になり、直談判!
境内で売らせてもらえる事になりました。感涙。
ここまできたら、もう後には戻れません。どんどん前へ。写真は、かなまら祭り用に作った、紺バージョンとピンクバージョンです。ムラムラとイメージが湧いて、「珍満もだん」という新柄も制作中です。
今年のかなまら祭りは、4月1日(日)。
楽しいですよ、来てみてください。

珍と満が仲良くつながる“珍満つなぎ”の根っこには、平和を願うメッセージがあるわけで、私は何かに導かれてここまできた様な気もします。
Love & Peace !
これから先も、楽しみです。

2007.3.7 [水] ピンクの効用

雑誌の企画で、
ピンクの着物をまとわせていただきました。

バリに発つ少し前に、
「○さん、ピンクなんて着ないでしょ?」なんて、
担当の方からお電話をいただきまして、
“ピンク、着なさそう”&“似合わなさそう”な代表として、
お引き受けする事にしました。(笑)
しかも、撮影したのは、バリから帰った直後。
真っ黒に日焼けしたガテン系な私にも、
似合うピンクはあるんでしょうか? どきどき。

あったんですね。
私にも似合うピンク。
一生懸命探してくださったおかげです。
どうもありがとうございました。
まとった時の印象は、先の日記にも書きましたが、
ピンクは気分を軽くしてくれて元気になれます。
全身を覆う着物は、特にその威力が絶大です。
開き直って、別人になれちゃう感じ。
気持ち良かったなぁ....。

ちゃんと探せば、
誰にでも自分に似合うピンクがあるそうです。
それに、春の陽射しの中で、
素敵にピンクを装った人を見かけた時も、
なんだかふわんと嬉しくなります。
ピンクには、幸せなイメージがあるのかな?
けっこう大人になってからの方が、
気負わずに着こなせるのかもしれません。
大人のピンク、見つけましょ。

さてさて、その時、
よろけ縞の長着に更紗の帯を締めました。
黒地の更紗が、ピンクの着物を引き締めて、
スッと自分らしく装えた組み合わせでした。
後から分かったのですが、この帯は、
佐賀の島内さんの帯でした。
島内さんは、真楽三周年オフにも、
佐賀から参加してくださったんですよね。

その島内さんの「更紗展」が、もうすぐ東京で始まるそうです。

■呉服島内 東京春'07___「更紗展」
3月16日(金)〜18日(日)/10:00〜19:00(最終日17時まで)
ギャラリー陶花:練馬区豊玉上1-19-14 tel.03-3992-1197
http://kimono.ocnk.net/...

2007.3.6 [火] 花桃と木綿

今日は、庭の花桃が、
はらはらと風に散っている。

白梅はとっくに、
裏の豊後梅もすっかり散った。

今年は春の訪れが、早い。
ぼんやりしてると、
春においていかれそう。

一昨日までは、
モスリンの長襦袢に、
格子のウールの長着だった。

昨日から、木綿のきもの。
ちょっと厚手の刺し子の様な洋服地。
数年前のいただき物で、
ずいぶん着たから、
すっかり生地もへたってしまった。
何度も繕った身八つ口や、
摺り切れた袂。

ちょっとカッコ悪いけど、
でもそんな働き者っぽい木綿のきものが、
私は、大好き。

2007.3.4 [日] 二子山へ

ポカポカ陽気に誘われて、
まだ登った事のない二子山へ行ってみた。
先日ロケした公園内に登山口がある。
ランチを持って軽い気持ちでハイキング。
大きな梅の巨木の下でお昼ご飯。
背中がポカポカ春の陽射しでのほほん幸せ。

二子山の、上ノ山と下ノ山を制覇して、
急勾配の杉林の中を下山した。
変化に富んでなかなか面白いコースだった。
木々はそれぞれ小さな新芽をつけて、
春の気配が充満していた。
深呼吸して、肺の隅々まで空気を入れ替え、
エネルギーを充填する。
キ・モ・チ・イ・イ....。

裏の三ケ丘山もそうなのだけれど、
この辺の山は、林道などが自然のままで、
あまり整備されていない。
トイレなどの設備も無い。
だけど、その「何もしない」事がとても大切だと思う。
自然林は、ほったらかしが一番なのだ。
何もしない事から生まれる植物の多様性や、
人が歩き難い複雑な地形、
そこで育まれる色んな種類の動物たち、
そして、目に見えない菌類などなど。

日本の景勝地は、
「過保護」によって景観を損なってきた。
近所のお山を歩きながら、
「何もしない」事の大切さをたくさん感じた。

2007.3.1 [木] 表稼業

KIMONO真楽の管理人をやっていますが、私の表稼業は、着物とは何の関係も無い映像制作です。あまりにも世界が違い過ぎて笑っちゃう程、接点は何もありません。
3月1日は、近所の葉山の公園で、ちょっと大掛かりなロケをしました。
映画を撮影している....という設定を、特殊な大型カメラで撮影するので、大きな広場を撮影機材と撮影スタッフが占拠します。めったにお目にかかれない機材やレンズがたくさん並び、それらを目にしてワクワクウキウキしている自分は、女子としてはちょっと変です。でも、正直、「いい絵を撮ってやろう!」とスタッフ全員が一丸となる現場の雰囲気が大好きです。気力も体力も人並み以上に必要なので、年齢的にいつまで関わっていけるか分かりません。でも、長年やってきた事は体に染みついている様です。なるべくここに加わっていたいなぁと思います。
そう言えば、今回は、「八重山ロケ」で一緒だったクルーや、「おわらのロケ」で一緒だったクルーにも久々に会えて、嬉しく楽しい一日でした。
プロジェクトの内容毎に、いろんな立場のいろんなプロと巡り合え、尊敬しあいながらひとつの作品を完成させて解散する....という仕事の形態は、いつも刺激に満ちています。それぞれがみんな職人。あ、そうゆう意味では、ちょっと着物の世界とも似ているかも?

そんな割りと威勢のいい世界で仕事をしているせいか、着物業界の「お着物」「お襦袢」「お草履」と言った言葉遣いが苦手です。女子的な「かーわーいーいー」物なんかも、ちょっと引いてしまいます。つまり、一般的な着物好きな思考から、かけ離れているんじゃないかと思います。着物に関する知識も、深くない上、いつまで経ってもあんまり詳しくなりません。
管理人は、ちょっと異端児。
だからこそ、真楽はひとつの色に染まらずに、メンバーそれぞれの色や個性が、その人らしくのびのびと発揮できるんですよ。(笑)
たまには、皆さんも、仕事と着物の関係など、日記で語ってみてくださいね。

2007.2.26 [月] 今日も佳き日

裏庭の豊後梅が満開。
今月ずっと真楽のトップページで咲いていたのも、
去年撮った写真だけど、同じ裏庭の豊後梅。
可愛らしいピンク色が青空に映える。
満開だから、ひっきりなしに小鳥たちがやってきて、
花から花へ、枝から枝へ、蜜を吸う。
あぁ、すっかり春だねぇ....。

日暮れに二階の窓を閉めていたら、
西の空のグラデーションが見事な色で染まってた。
カメラを持って浜へ急ぐ。
ん〜、でもこの色は捉えられないなぁ。
記録するのは諦めて、
どんどん変わる空の色を誰もいない浜辺で楽しむ。
あ、今、地球がゴーって自転する音が聞こえなかった?

すっかり空は紺色になり、星が瞬く。
ふと足下を見ると、くっきりと月影が落ちている。
旧暦九日。まだ満月には遠いのに充分明るい。
月影と一緒にお家へ帰る。

夜がちゃんと暗いとか、
冬がちゃんと寒いとか、
そうゆう当たり前の事が当たり前じゃなくなってきた。
快適過ぎる暮らしは、つまんないと思うんだけど....。
この星は、この先どうなってしまうんだろう。

でもとりあえず、今日も佳き日。
何気ないけど、こんな日々がずっとずっと続いて欲しい。

2007.2.21 [水] 旧玉塚栄次郎別荘(現音羽楼)

新年会を行った建物について、もう少し詳細を記します。

御用邸を含む一色海岸にほど近いエリアは、葉山の中でも、古き良き時代の葉山を感じさせてくれる貴重な場所です。玉塚栄次郎の別荘もその一角に建っています。昨今は、日本会席料理の「音羽楼」という店として活用されてきました。
この別荘は、昭和2年、玉塚証券の玉塚栄次郎が創建しました。
床がかなり高い木造平屋で、屋根はスレートの平葺きです。御用邸を手がけた鈴木組によって建てられたせいか、雅でゆったりとした印象がかもし出されています。玄関から奥座敷までが一直線に続き、客人に対する主人の懐の深さを感じさせる空間構成だと思います。夏の別荘だったせいか、ゆったりと心から寛げるおおらかさがあり、和めます。
洋間のアンティークなイメージの窓枠や、和室の欄間、床の間、造り付けのソファーや照明器具、それらの全てに創建者と建築を手がけた鈴木組の一流のセンスが感じられます。

こんなに素晴らしい歴史的建造物ですら、一瞬にして壊され、マンションや分譲地に開発されてしまいます。どうしてそんな事になるんでしょう?
かけがえのない日本的な美しい物を、次の世代に伝えていけないのは、今の日本人が日本的な美しさに鈍感になっているのではないでしょうか?
文化や芸術は、経済の論理には当てはまらないのですが、だからと言って「しょうがない」で済ませてしまっていいんでしょうか?

この雅な空間には、やはり雅で古典的な柄の柔らか物が似合います。逆に言えば、そうゆう着物は、歴史のある日本的な空間じゃなければ映えません。町並みや環境が変われば、着物の柄も変わっていくと思います。光や陰影が変われば、着物の持つ奥行きも価値観も変わります。
それが時代の流れ....とは言え、脈々と培ってきた日本の文化を、たかだか戦後60年程の経済論理でぶち壊してしまっていいのでしょうか?
私は、今を生きる日本人として、やれるだけの事を頑張りたいと思います。
そして、財力があり、文化芸術に理解のある救世主が現れる事を、切実に心のどこかで願っています。



※この建物は、葉山町の助成金を得て、2005年に「葉山の別荘vol.1」として、DVD化されました。制作は地元のNPOである「葉山環境文化デザイン集団」が行い、私も演出として関わりました。葉山町の図書館などで貸し出しされているはずです。

2007.2.18 [日] 旧暦元旦の新年会

新年、あけましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願い致します。

....と、今年の新年会は真楽らしく旧暦の元旦にセッティングした。
暦的なお日柄もバッチリなはずなのに、あいにくの雨模様。
だけど、そんなお天気にもめげず、華やかに装った真楽メンバーが続々と葉山の音羽楼に集まってくださった。総勢60名のキモノビト達は、それぞれが自分らしく個性的にハレの気持ちを装いに表していて、集まった一人一人が輝いていた。
あぁ、着物って素敵だなぁ。
古い日本家屋に差し込む冬の陽射しが、柔らかな陰影をつくる。綸子や刺繍や絞り。着物は、自然光の中でこそ、その美しさの本領を発揮すると思う。肉眼でしか感じ取れない美しさに、60人分のスパイラル効果でウキウキとテンションが上がっていく。
そして、次々に運ばれるお料理も、手が込んでいて美しく美味しい。差し入れも含めたお酒も、酒好きの完璧なチョイスで酔い心地も良く幸せな気分になれる。
今年も、夢のような時間。
いつもはネットというバーチャルな空間に集っているからこそ、こうしたリアルな集まりも大切なのだと思う。これからもずっと真楽の新年会を続けていけます様に....。
ところが、この素晴らしい音羽楼という空間での新年会は今年が最期になってしまった。この歴史的建造物を所有するオーナーの都合により、ここが売却される事が決まったのだ。この建物を会席料理の店として活用していた「音羽楼」も、三月末で閉店してしまう。
またひとつ、着物が映える日本的な空間が消滅する。
悔しくて、悲しくて、残念で、虚しい....。

でも、この空間の最期を、華やかにそして盛大に、美しいキモノビト達が花を添えられて良かったと思う。集まってくださった皆様に、感謝の気持ちでいっぱいです。
この空間が消滅しても、みんなの心の中に、美しい思い出となってずっと残っていきます様に....。

今年も素晴らしい新年会になりました。
どうもありがとうございました。



※写真は、
上:雅な葉山の別荘空間に集う60名のキモノビト
下:ちびえりちゃんの振り袖姿は、まさに眼福。あぁ、きれいだぁ〜!

2007.2.16 [金] もぅいくつねると、お正月

昨日は、森山神社へ行こうと表へ出たら、
けっこう夕陽がきれいだったので、
カメラを取りに家へ戻って、浜までダッシュ!
ものすごい強風が海から陸へ吹き荒れていて、
砂が顔に当たって痛い。目も開けられない。
着物も襦袢も腰巻きまでもが、全部はだける。
ここまでスゴイといっそ面白くて、
浜でカメラを構えつつ、仁王立ちしてみた。
なんだか爽快。

風が強いので、相模湾越しの富士山もきれいだ。
実は相棒も今週は富士山を撮りに行っている。
富士山のこっち側と向こう側。
ほんとうに美しくて絵になる山だと思う。

数枚撮って、そのまま森山神社へ参拝に。
日曜日の穏やかなお天気をお願いしてきた。

今日の葉山は、風も治まりいいお天気です。
天気予報がはずれて、
日曜日も、こんな塩梅だと嬉しいなぁ....。

2007.2.15 [木] 強風注意報

相模湾シスターズの皆が報告している通り、
葉山も、昨日からものすごい強風が吹いてます。
オンボロ我が家も揺れてます。

庭の満開の梅も花びらが散って、
椿は花ごと飛んでってます。
夏みかんの実も道路にコロコロ。
音羽楼の梅は大丈夫かなぁ?

今週末は、穏やかなお天気になりますように....。
そして、新年会に参加される皆様、
どうぞお気をつけていらっしゃってください。
あとで、森山神社にもお天気のお願いしてきます。


※写真は、我が家の白梅です。

2007.2.4 [日] 富士は日本一の山

本業仕事の方で、急遽、富士山方面へロケハン。
見たいのは、日の出と日の入り。
農業や漁業や林業という第一次産業は、
自然を無視したら仕事にならない。
そうゆう意味では、撮影という仕事も、
太陽や自然に合わせなくっちゃ仕事にならない。
美しい映像が撮れるマジックアワーは、
曙と夕暮れの事。
そんな美しい時間にたくさん立ちあった。
コントロール不可能だから、祈る。祈るしかない。
自然に対する畏敬の念が心の底に根を張っている。

以前、日が沈む瞬間を見た事がない....という
都会の子供がけっこういると聞いて驚いた。
環境は、人格を育むと思う。
日本人が特異な美的センスを育んだ背景には、
四季や、表情豊かな自然や、光の陰影があったから。
今の日本人は、
五感の全てでそれを感じているだろうか?
感性の毛穴が詰る前に、
お手入れしなくちゃいけない....と思う。



※写真は、
上:ついでに立ち寄った忍野。八海を持つ美しい村。
下:2月4日16時28分57秒、山中湖から望むダイヤモンド富士。

2007.2.1 [木] ありがたいことばかり

先日、音羽楼の板長から電話があり、「箪笥の肥やしになっている母の着物を持ってきたので見に来ないか?」と言われる。板長のお母様が、毎日ずっと着物で暮らしていたという話は、よく伺っていた。なんとありがたいお話。飛んでいきたい。
しかしその時、私はナマコをさばいていた。
「うわぁ!すぐ行きたいけど、でも今、ナマコを....」と言うと、「柔らかくする方法があるから、そのまま持って来い!」とおっしゃる。

そんなわけで、“茶ぶり”という下ごしらえの仕方を女人禁制だという厨房で教わり、お母様の素敵な着物や帯を色々たくさんいただいた。
思いがけず、こんな風にありがたいことばかり。

嬉しいな、ありがたいな、ありがとう!
そんな気持ちで暮らしていると、嬉しい事は、どんどん連鎖して大きくなる様な気がする。
逆に、仕事や何かに追われてケンケンカリカリしている時は、病気したり、怪我したり、落ち込んだりと、いい事がない。自分の気持ちは、結局、自分に返ってくる。

自分も相手もその他の万人も、海も山も地球も宇宙も、全部が輪っかで繋がっている。
悪い事や悲しい事もたくさんあるけど、でも今、ここで生きている事に感謝せずにはいられない。おおらかに、自分なりに、より良く生きる。それが大事。
ありがとう。



※写真は、いただいた着物の一部と、茶ぶりナマコ。
上:木綿地に型染の名古屋帯、唐組ともちょっと違うにぶい赤の帯締め。すごぉく素敵。
下:瑠璃ナマコという釉薬を使った自作の器に盛った茶ぶりナマコ。漁師さんから分けてもらった赤ナマコは、たいへん美味!

2007.1.29 [月] 効果なし

本業仕事の気合いを入れなきゃいけない。
でもスイッチが入らない。
ぢゃあ、着物はやめて、朝から洋服で気分を変えよう。
と、思って久々に洋服なのに、効果がない。
なんだかかえって逃避モードだ。あぁ....。

2007.1.28 [日] 三渓園

朝起きたら晴れていたので、「三渓園」へ行く事にする。
重要文化財全10棟を一挙に公開すると聞いて、気になっていたのだ。
三日間の特別公開最終日。
予想はしていたけれど、混んでいた。

実は、三渓園自体、初めて訪れた。
公開された建物はもちろん、庭も含めて、ここはスゴイ!
昔のお金持ちは、お金の使い方を知っていたよなぁ。
文化も芸術も、パトロンが居ないとダメなんだろうなぁ。
なんて思いながら、建物の細かなディティールにまで目を凝らし溜息をつきつつ、三渓園を堪能した。
“見る”事は、すごく勉強になる。
自分の目で見て感じて考えたい。



※写真は、
上:白雲邸
中:立涌文様の建具。着物ではお馴染みだけど、建具では初めて見た。
下:春草蘆(しゅんそうろ)/桃山時代の建築


※着て行ったのは、柔らか物が着たい気分だったので....、
・若草色の縮緬地に季節の花色々の友禅小紋
・紫地に梅の地紋が入った長襦袢
三浦さんとこの東雲の半襟。染めていないそのままの生成り色
・紫地の絞りに花柄刺繍の名古屋帯
・銀鼠綸子地に苔色の絞りの入った帯揚げ
・帯締めは、紫色の鮫小紋の細い丸ぐけ
・雪輪模様の縮緬の長羽織
・白足袋に畳表の草履

2007.1.20 [土] 大寒にサクラサク

戦前に撮った祖母の写真が出てきた。
....なんて、大嘘。
ライカで数年前に相棒が撮った私。
でも、松林でつんぬきを着ている姿は、
昭和初期に生きる人みたいだ。
オモシロイ。

さて、今日は大寒。
暦どおりに、とっても寒い。
葉山でも、朝、初雪。

そんな寒い昼下がりに、
相棒が注文していた荷物が届く。
100%“SAKURASAKU glass”
冷たい飲物を入れた時にできる結露が、
桜の模様になって、テーブルに残る。
なんとも、その発想が素晴らしく素敵で、
その存在を知った時から欲しいと思った。
寒いのに、桜を咲かせたいから、ロックで黒糖。
炬燵でぬくぬく、大相撲。

2007.1.16 [火] 神代杉

先日誂えた黒田商店さんの下駄。
伝票を見たら、“ねずこ”ではなく、“神代杉”と書いてありました。
神代杉って、建築材としてはとても希少で高価....と聞いた事があります。
でも、下駄の台なんていう庶民的な物にも使われるんですね。驚き。
いやぁ、知らないことばっかりです。大切に履かねば....。


※写真は、
金沢の茶室で見た神代杉の一枚板

2007.1.13 [土] あれこれいろいろ

朝、一色海岸でどんど焼き。
松飾りや写経した紙類などを持って、浜へ。
今年は暖かかったので、去年や一昨年ほど、
火のそばに人が居ない。
寒い時ほど、炎の有り難みを感じるのだなぁ。

早々にその場を辞して、銀座へ。
母と待ち合わせて「池田重子コレクション」を観る。
毎度の事ながら、すごいコレクション。
昔の職人さんって、
効率とか採算性とかあまり考えずに
“心意気”で仕事をしていたんじゃないだろうか?
現代に、そうした仕事の仕方は無理なんだろうか?
着物の海外生産率が高まる中、
国産にこだわりたいし、国産に戻って欲しい。
時間がかかってもいいから、
日本のメーカーや職人さんに頑張って欲しい。

観終って、
くっしーさんに譲ってもらった鼻緒を握りしめ、
黒田商店さんをうろうろする。
台は、ゴム張りされた低い小判形をチョイス。
木肌の感じでは、確認しなかったけどたぶんねずこ。
前つぼの色を変えてもいいよ....と、
ご主人がおっしゃってくださるので甘える。
アイボリーを選ぼうとしていたら、
母がすかさず「こっちの方がいいわよ。」と言う。
錆朱。
乗せてみるとぐっといい。
さすがに着物歴が長いと違うよ。>我が師匠!
というわけで、こんな下駄になりました。

母と別れて、葉山へ戻る電車の中、
美しい母娘に遭遇する。
偶然か必然か、はたまた運命か。
この辺の話は、また追々。
あれこれいろいろな冬の土曜日。

2007.1.10 [水] iPhone

ついに登場。アップルから「iPhone」
これって、携帯電話というよりも、電話機能付きPDAだね。
いろいろあって、いろいろスゴイ。
パソコンが登場して、世の中が変わった様に、
ネットが発達して、世界中が変わった様に、
なんだか色々な流れが変わっていきそうな気がする。

アップルとの付き合いは、
ちょうど自分で着物を着始めた頃とダブる。
1980年代の後半。
Mac512Kというマシンは、HDすら乗ってなかった。
初めてなんとか日本語が打てたMacだった。
同じ頃、初めて自分で泥染め大島を選んで仕立てた。
Mac周り一式で、大島が数枚買えた。

同じ20年のはずなのに、
コンピュータ周りに流れる時間と、
着物周りに流れる時間は違う。
“物”に宿る価値観も、その減衰スピードも、ゼンゼン違う。

だからなんだと言われればそれまでだけど、
変わるもの、変わらないもの、
それぞれ、人間がより幸せに進化する過程であってほしいと思う。



※画像は、
上:iPhone。薄さ11.6mmは、帯に挟めて嬉しいゾ。
下:Mac512K。全ては3.5'フロッピーで動いていたのだ。

2007.1.8 [月] 夏みかん

今までほとんど実をつけなかった庭の夏みかんの木が、今年は大豊作。
葉山には、庭に夏みかんの木がある家が多い。これは、今上天皇がご成婚した時、お祝いとして夏みかんの苗木が配られたからだそうだ。青空を背景に、大きな真黄色をした夏みかんの実は、すごく可愛い。
さて、「酸っぱいから誰も食べない」と聞いていたこの夏みかん。
食べてみたら、びっくりするほど美味しかった。
そりゃあ確かに酸っぱいんだけれど、たまらなく“爽やか”な気分になる。柑橘系のいい匂いがして、シャキっと元気になる。甘味だってちゃんとあるし、さほどきつい酸味ではないと思う。房を剥いて、三温糖をまぶしたら、立派なデザートになった。もちろんそのままでも充分美味しいんだけれどね。酸っぱい物好きな私にはたまらない庭からのご褒美。五回目の冬に、やっと実った葉山の味。

そして、爽やかな気分で今年の抱負。
本業仕事もやりつつだけど、今年はもう少し手ぬぐい屋に集中したい。
もうすぐ新しい柄が染め上がるので、お正月も手を動かした。畳んだり、紙をかけたり、スタンプを押したり、パンフレットを折ったり....と、手ぬぐい屋の雑務は多く、時間がかかる。一点物と大量生産品の真ん中に位置する注染の手ぬぐいは、その中途半端さゆえのジレンマがある。柄を起こすにも、製品化するにも、微妙で難しい生産量なのだ。そんなわけで色々な事を、一人でこなすのはとても大変だけれど、あせらずに一歩一歩進んでいきたい。

夏みかんの様に、いつか大きな実を結んでくれたら幸せだ。

2007.1.1 [月] 初春

明けましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いします。

四回目の歳女です。
時はあっという間に過ぎ去るから、
一日一日、その時々を丁寧に大切に、
暮らしていきたいと思います。
今年も、平和に、
着物がまとえる一年であります様に。



※写真は、昨晩の初詣に羽織った黒羽織。
羽裏に、猪が織り出されています。

メンバーログイン
新規メンバー登録
お店お店
素材素材
着物・帯着物・帯
小物小物
着こなし着こなし
How To & TipsHow To & Tips
メンテナンスメンテナンス
本・雑誌本・雑誌
イベント・場所イベント・場所
ノンカテゴリノンカテゴリ

KIMONO真楽 について | KIMONO真楽の利用規約 | Syndicate this site Powered by 関心空間