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2005.12.31 [土] お正月の準備

29日までに家の中の掃除を終らせて、30日は庭の手入れをする。
お正月用の花材も庭から調達して活ける。今年は寒いせいか水仙がまだ咲いていないので、松と千両だけ。この庭には、万両も千両も赤い実のつく木がたくさんあり、冬はその実をついばみに色々な野鳥が集まる。庭は、ものすごく時間と手間がかかるけれど、土と触れあう作業はけっこう好きだ。つまり、掃除だの庭仕事だのと、私は“もんぺスタイル”が性に合っているらしい。(笑)
今年は花器も自作の物。写真の花器は、本当は蚊取り線香立てだけど、冬の間は花器にもなる。いいの、いいの、様になればそれで良し。暮らしの中に、こうした自己満足があるととても楽しい。大きなラッキーがドカンとあるより、小さな喜びがチマチマ詰まってる方が私は幸せ。そう言う意味では、2005年も楽しく幸せな一年だった。
そして、着物周りの楽しい事は、たくさん真楽が運んでくれました。
真楽メンバー皆様のお陰です。
どうもありがとうございました。
佳いお年をお迎えください。

※写真は、
・玄関。アンティークの帯を敷いて。
・居間に、なんちゃって正月飾り。鏡餅は永楽家

2005.12.28 [水] 年賀状と手あぶり

9時まで、朝寝坊してしまう。
昨晩、近所でボサノヴァのレコーディングライブがあり、夜更かししたからだ。
年末の忙しい時期にダメだなぁ....と、朝から凹む。
そして、一日中年賀状と格闘する。
デザインしてデータ入稿して印刷が仕上がってきた葉書は500枚。
宛名ラベルを貼り、一枚ずつ一言だけでも手書きでメッセージを書く。
仕事とプライベートで400枚近くになるので、まだ終ってない。
今晩も夜なべしてやらなくちゃなぁ。

そんな夜のお供に、手あぶり。
広縁の囲炉裏より小さくて軽いので、手軽に移動できる。
一対で揃っていて、本来は主人と客人がひとつずつ使うそうだ。
実はこれ、一衣舎の押し入れで長い間、眠っていた代物。
冬になる前に、「このままここで仕舞われているのも可哀想だから」と、炭を使う我が家に木村さんがくださった。これがこの冬より大活躍している。
木製のシンプルで柔らかい曲線がとても美しい。
ほんとうに良い物をどうもありがとうございました。
今度は客人として、この手あぶりにあたりに来てくださいね。
スルメで一杯やりましょう。

2005.12.27 [火] 大掃除と草暦

朝から大掃除。
着物の上にもんぺとひっぱりを着てガシガシ働く。
徹底的にあちこちふき掃除して、家中がさっぱりして気持ちイイ。
このさっぱりした感覚がすごく好きだ。
たぶん、掃除自体も嫌いじゃないんだと思う。
自分が暮らす空間を居心地良く、さっぱりさせる爽快感。
門松などの飾り付けまで、全て終らせる。
そして、お正月を迎える気持ちがキリリと引き締まる。

夕方、矢谷さんがDVDを返却に来て、「草暦」をくれた。
昨日届いた「旧暦ダイアリー」に通じる感覚のカレンダーで、彼女の“草の仕事”も書いてある。いつ頃、何を採りに山へ入る....とか、そんな事が丁寧な手書きの文字で書込まれている。つりひもは野生の苧麻。シンプルだけど、矢谷さんの柔らかなメッセージがちゃんと伝わる素敵な暦。ナナムイびとの通信販売で購入できる模様。
すごく良いから、勝手にオススメしちゃいます。(笑)
来年一緒に山へ連れてってもらう約束をした。
葉山で採れる染織に使える素材を探しに行くんだ。
とても楽しみ。

※写真は、窓もピカピカになった広縁と、草暦。

2005.12.20 [火] 喪の装いを考える

友人の父上の告別式に出席した。
小学生の頃から家族ぐるみでお世話になってきたので、ぽっかり寂しい。そんな気持ちを抱えて子供の頃に住んでいた町のお寺へ。たくさんの不義理を重ねてご無沙汰してしまった多くの方々と再会した。おじさんが会わせてくれたんだね。

そんな立場なので、前日に洋装のフォーマルを用意する。革のパンプスを出して足を入れてみたところ、大変きつくて“これで歩くのは無理”と判断して、パンツスーツにローファーを履いていく事にした。日頃は下駄や草履やビーサンばかりで、革靴を履く事が無く、どうやら足の形が変わってしまった様だ。出がけに足を押し込むが、靴の中で足が折れ曲がっている感じがする。以前は普通に履いていた靴なのに、環境の変化は体の形まで変えてしまうんだなぁ。

窮屈な革靴を履いて考え込む。
なぜ、いつから、お葬式に和装の喪服を着て行けなくなったんだろう?
日常普通に着物を着る人も、何故か何かに遠慮して着ていけない今の状況は、なんだかやっぱりどこかが変だ。結婚式などで、自分の好みだけで装うのではなく、立場をわきまえ役割を全うする装いをしなければならない事は理解できる。親族でもなければ着て行けない和装の喪服も、それと同じ事なのだろうか?
それとも、そんな事はごく最近の風潮なのだから....と割り切って、和装の場合は立場に関係無く喪服を礼装として着るべきか。
現代の日本人は、なんだかいろいろややこしい。

※写真は、
上:のびのび育った下駄仕様の足
下:手入れしながら長く履いている革のローファー

2005.12.11 [日] 窯焼きピザと突発温泉

庭にピザ窯を持つお宅でピザパーティーがあり、メンバーに混ぜていただく。パンが本職の友人がピザ生地から自作して、野菜をたっぷりトッピング。窯焼き担当は我が弟。数回焼き担当して、だいぶコツがつかめてきたらしく火の扱いもいい感じ。焼き立てをハフハフ言いながら皆で食べる。旨〜いっ!
ちょうど注文していたオリーブオイルのノヴェッロが船便で届いたので、朝一でピックアップしてパーティーに持参した。だって、狙ったようなグッドタイミングじゃない?
窯焼きした手作りピザに、今年の穫れたてオリーブオイルを垂らして食べる2005年の冬。幸せだぁ。ピザは、トッピングを変えて15〜6枚焼いた。いくらでも食べられる。(笑)

さて、落ち葉を踏みしめながら、ピザ窯の火で暖をとりながらのピザパーティー。さすがに寒くなってきて、誰かが「温泉に行かない?」と言いだす。温泉とは、横須賀ののぼり雲。いいね、いいね、でもタオル持ってないよ、いっぺん家に帰ったらくじけるよね、どうする、どうする?なんて話になったので「手ぬぐい一枚ありゃ大丈夫。このまま行こうぜぃ!」とつい口を出す。で、後片づけして皆でそのまま温泉へ。
ほっかほかにあったまって極楽。
カワイイ長襦袢着ていて良かった。(笑)

※着ていたのは、寒い屋外仕様
・茶色の紬(すり切れた八掛を取り替えて、初おろし)
・トランプ柄のモスリン長襦袢
・ウールの黄色地半幅帯(狩集マジックペイント)をカルタ結び
・赤っぽい帯締め
・コガモ色の別珍足袋
・二重ガーゼの肌襦袢
・ネルの湯文字と絹の腰巻きで下半身重ね着
・赤いドライビングベスト
・ネパールのポンチョ(移動時のみ)

2005.12.10 [土] 救済

また近所の友達から「義母が燃えるゴミに出すっていう古い着物があるんだけど、見にきませんか?」とお声がかかる。
うぅ、仕舞う場所もないからこれ以上増やしたくはないんだけれど、どうしても“捨てる”とか“燃やす”と言われると、なんだか不憫で「行きます」と答えてしまう。以前住んでいた家の掃除をしに行ったら、離れの箪笥から出てきたと言う。友達の義母のお姑さんが着ていた物らしい。帯が4本と着物が20枚ほど。白地紬に和傘柄の帯は新品だった。縦糸がビニロン100%と書いてある。着物も自然素材ではない物も多かった。昭和の始め頃は、いわゆる新素材がたくさん使われていたのだと思う。人が作った絹だから“人絹”。なかなかなネーミングだ。(笑)
近所の着物好きに声をかけて、あらかた引き取り手が現れ、ほっとする。
私もとりあえず、人絹の着物と羽織、帯をいただいてみた。
それにしても、こうした着物達の幸せな処分方法って何かないのかな?

※写真は、私が引き取った物たち。

2005.12.3 [土] 12月のイメージ

サイトトップに季節を感じられる小さな窓を設置してみたのは、今年の4月。なるべく月の初めに差し替えるようにしている。独断で写真を選んでいるけれど、たまにメンバーが日記などで反応してくれるとすごく嬉しい。管理人としてのヨロコビ。でもこの写真選びは、小さな画像なので結構難しい。12月は特に困った。安易に“クリスマス”はイヤだし、そうすると12月のイメージって何だろう?とあれこれ悩む。著作権を考慮して、写真は全て過去に自分で撮った物から選んでいるが、どうも12月は、あまり写欲が湧かないのか撮っている写真自体が少ない。撮っている絵も寒々しいイメージが多い。結局、一昨年の暮れにピンナップしてあったクリスマスカードを撮った写真。エンボスの雪と背景のガラスが氷みたいで、小さな画像にすると神秘的かな?と。
ま、なんのかんの言っても、好きだからやってる事。
管理人の仕事も、着物が好きだから続けられるんだと感じている。

※写真は、
上:雪と氷の12月のイメージ
下:冬の浜辺

2005.11.27 [日] 葉山の紅葉

裏の三ケ岡山がいい感じで色づいてきた。
昨日履いた白足袋を、パンパンと干しながらお山を見上げる。
片付けが終ったら散歩に行こう。

今日から一週間、相棒がロケで留守。
亭主元気で留守がいい....ってなもんで、カメラ持って出かける。
陽気がいい休日だからか、浜はそこそこ人が居た。
川に沿って歩いて、作陶展をやっている知人のギャラリーへ。
ちょうど誰も居なかったので、あれこれ話し込む。
すとんと日が落ちて夜になる。
長い夜が始まる。

でも買い物もしなくっちゃとおいとまして、
鳥がらを買ってきて、鍋にする。
一人の時も鍋はいい。
アンニュイな気分で秋の夜長を愉しむつもりが、酔っぱらって眠くなる。
素直に早寝。ぐぅ。

2005.11.26 [土] 麻布界隈タイムトラベル

フランス現代美術週間の特別企画として、今回初めて一般公開されるフランス大使公邸へ立ち寄ってみた。フランスのエスプリと日本のモダンな和が絶妙にミックスした空間に、フランスの現代アートが展示されている。フランスは、アートに対して懐が深いんだなぁ。ソファーに座って、のんびりとその場の空気感と時間を愉しむ。素敵な企画に感謝!

外へ出て、来た道とは逆に歩き始める。
この辺の路地は、昔とあんまり変わっていない。
1980年代の前半、この界隈に住んでいた。散歩にいい季節なので、25年ぶりに昔住んでいた場所をうろついてみる事にした。私が住んでいた小さな三階建てのマンションは、普通の一軒家になっていた。友人が住んでいた隣のマンションは健在。懐かしい。向いにあったインターナショナルスクールは、新しくモダンなビルになっていた。いつもお参りしていた神社は、後ろにニョッキリと高層マンションが聳えていた。んー、記憶の中の景色とは半分以上変わってしまった。
その風景を見て、センチメンタルな気分になるのは何故なんだろう?
色々な記憶が頭の中を駆け巡る。
その後、麻布十番の路地をぐるぐる歩き、六本木ヒルズの横をかすめ通り、六本木の駅から銀座へ向かった。

頭の時計を“現在”に戻して、真楽オフ。

長野で伊那紬を自作したメンバー達の作品は、驚くべきクオリティーの高さだった。それぞれが、その人らしく似合う色柄を選んで作っていた。センスと集中力と根気の賜物。すごいなぁ。いつか私も織ってみたい。私にも出来るだろうか?
この25年間やってきた事。
これから先の25年かければ出来る事。
機織りは、とりあえず予定に入れておこう。
葉山行きの最終バスに揺られながら、そんな事を考えていた。
どうも、麻布でのセンチメンタル気分を引きずっているみたいだ。
秋だしね、そんな気分。

※写真は、
上:フランス大使公邸内。作品と一緒に調度品も堪能。
中:フランス大使公邸の庭園。絵のようだった。
下:神社の後ろに聳える高層マンション。かなり威圧感あるなぁ。

2005.11.24 [木] 湯文字の素材

洗い張りや仕立て直しで、胴裏や八掛だった絹地がいつのまにか随分と貯まってきました。もったいないので、これを腰巻きや湯文字に作り替えてみました。絹は、水を通すと生地としては弱くなるそうなので、耐久性の問題はあるかもしれません。でも、なんてったって“素肌に絹”の心地良さは最高です。それに材料費ゼロのリサイクルだし。
ついでに、綿の二重ガーゼの生地でも湯文字を作ってみました。腰の結ぶ部分の布も晒ではなくガーゼを二重にして素材感を統一しました。いつも冬の定番は、ネル湯文字ですが、ここ数日は、この二重ガーゼ湯文字を試しています。これが思いの外、暖かいのです。二重になっている分、薄いけれど空気をたくさん含んでいるからでしょう。快適です。
着物で暖かく過ごすには、やっぱり洋服同様に“暖かい素材の下着”が大切だと思います。
コートや羽織りといった羽織る物も重要だけど、下着の事もお忘れなく。

※写真はイメージです。(笑)広縁の囲炉裏。

2005.11.17 [木] お土産

「自然素材展」の帰りの那覇空港で、激しく脱力する事があった。
全員、お土産を買う暇も無かったので、空港では各自お土産購入に走り回る。あらかた終って、他のお店を色々見学してみた。紅型風やミンサー織り風のプリント物のハンカチやスカーフが、あちこちで売られていて、「なんだかなぁ。」と思いつつ手に取ってみる。裏が白いよ。(涙)まぁ、どこに行ってもお土産品って、結局こんなのばっかりなんだけど、寂しいなぁ。じゃあ、どこかに着尺や帯はちょっとでもいいから置いてないかな?と探してみた。見事に皆無。たぶん、呉服の領域は、なにがしかの制約があるんでしょう。でも、せめてミンサー帯くらいどこかに置いてあれば、知らない人も“本物”が見られるのに。つまり、空港には、“パチモン”しか置いてないわけで、知らない人は「○○風」が「○○」だと思ってしまうんじゃないだろうか?
そして、待ち合わせ時間ギリギリに見つけたのが写真(上)のシロモノ。

「芭蕉布バック・両ポケット」 ¥5,040

おいおい。
平良美恵子さんの「喜如嘉の芭蕉布/現状とこれから」というお話を伺ったのは、つい二日前の事で、切々と語る厳しい現状に深く考えさせられたばかりだった。
グラグラとお腹の中が怒りで熱くなる。
これも見ればすぐ分かるプリント物。
素材も芭蕉布どころか、自然素材かどうかも怪しい感じ。
なんで?
どうしてこんな物、沖縄の玄関である那覇空港で売るの?
熱くなって皆に報告する私に、同行のykkさんは「買う人がいるんでしょうねぇ。」と、ぽつりとおっしゃった。

まっとうに本当の物づくりをする人達を苦しめているのは誰なのか?
知らずに買う人、知らずに売る人、買ってきてと頼む人、分かって買う人、分かって売る人、偽物を作る人、店に置く商品を選ぶ人、偽物を喜んで使う人、本物を知らない人。

平良さんの言葉。
「芭蕉布の理解者になってください。」

※写真は、
上:空港で売っていた偽物
下:喜如嘉の糸芭蕉の繊維。艶がとても美しい。

2005.11.9 [水] 一の酉

今日は、一の酉なので、
高速を飛ばして、以前住んでいた町の鷲神社へ。

実は去年買った熊手から、夏を過ぎた頃、
打ち出の小づちがとれて落ちた。
相棒が、瞬間接着剤を買ってきて補修を試みた。
指の方がくっついて補修どころじゃなくなり、
ま、もうすぐだし....と、とれたまま放置。
そのせいか、ぐっと貧乏になる。(笑)

今日、いつもの熊手屋のおじさんに
「打ち出の小づちがとれちゃってさぁ。」と話したら、
「お盆過ぎにとれたんなら、そりゃ縁起がいいよ。」
なんて言う。
「とれてなきゃ、もっと大変だったはずだよ。」
「気になるなら、セメダインでつくから、ね。」
....だってさ。

いやぁ、物は考えようだし、そんなもんだよね。
こまけーこたぁーきにしねー。ってな気分になって、
火打ち石をかちかちしてもらって、
三本締めもしてもらって、
来年もガンバロウ!な気分になって、
賑わう神社を後にした。

お江戸の風物詩、酉の市。
二の酉は、11月21日(月)です。

2005.11.8 [火] ただの着る人のレポート

■2005年10月27日〜31日/沖縄、南風原

なぜ、私は今回の「自然素材展」に行ってみたい
....と思ったのか。
仕事には全く関係ないし、染織家でもない。
ただの着る人。
自分でもまだ疑問。

もともと布が好きで、四角い布を纏う心地良さから、
着物を見直したんだ。
日本人なんだから、着物を着よう!と。
アジアの衣服は、布の延長線上にあってシンプルだ。
平面である布を体にふぅわりと纏う文化。
着物も一緒だ。
形が同じだから素材が気になる。
布の力がそのまま着物の力になるから、
布や糸がどんどん気になって素材の事が知りたくなる。
でも本やネットや、呉服屋に並ぶ商品からは、
なかなか素材の事までは見えてこない。
私の頭は、情報だけじゃ理解できないアナログ頭。

今回の素材展では、五感の全部で“素材”を勉強した。
手を動かす、とにかくやってみる。
それがどんなに大切で多くの事を学び取れるのか、
心底実感できた三日間だった。
苧麻、絹、ウール、しな、大麻、芭蕉、楮、和綿、
グァテマラの茶綿、ロクタ紙布、アロー。

全ては、コツコツと動かした手の仕事。手のスピード。
全ては、自然の恵み。
一心に手を動かしていると、心が平らになってくる。
とても穏やかで心地良い時間。
そうしてコツコツと手を動かした結果として、
布という形ある物になる。その喜び。
そんな事を皮膚感覚で確認した旅だったと思う。

多良間島の80歳になるヒデおばぁは、
60歳から芭蕉を手がけ始めたと言っていた。
いや、だから、別に。(笑)
ただの着る人の小さな野望....だったりするわけで。

※写真は、
上:企画した青土さんのブース
中:宮古島の苧麻、繊維を取り出したトコロ
下:家蚕の繭。繭の色は保護色。

2005.11.1 [火] 緊急捜索願

かずさんが書いている様に、「自然素材展」の三日間は、
良心やあったかさや愛や熱意に包まれた空間だった。
感謝でいっぱい。

でも、信じられない事件もあった。

一点物だから、たくさんの着物好きの目が集まったら、
キヨシローの自転車みたいに出てこないかな?
出てきて欲しい。
一人一人の力は小さくても、みんなが集まれば不可能じゃないかも。

お願いします。
あなたの目も、力になって!

※写真が捜索対象の帯
上:お太鼓部分
下:三崩し(ヤシラミー)柄のアップ
使用素材:経糸/アローと大条糸(野蚕糸)、緯糸/アローと大条糸とヘンプ糸
大きな画像は、こちらで。

2005.10.31 [月] とりあえずの報告

大変濃い数日間だった。
まだ終っていないけれど。

“自然素材”の世界は面白い。
その後ろには、人や社会や自然環境までが、
奥までぐぐっと繋がっていて、
それがなぜかぐるっとまわって、
自分の肌に戻ってくる。

色々な事をいっぱい感じた。
教えてもらった事はたくさんあり過ぎて
頭から溢れていて、まとめきれない。

そして、
与えられたやるべき事が見えてきた気がする。

2005.10.26 [水] 自然素材展@沖縄

明日から沖縄。
染織のための自然素材展です。
みっちりと、糸の勉強をしてきます。
私の興味は、
着物 - 布 - 染織 - 糸 - 植物....と、
どんどんプリミティブな方向へ向かっているみたい。
“素材”って、
そこから無限な広がりを感じる。
“途中”とか“行程”とか、
そういう部分に面白みを感じる。

そんなわけで、行ってきます。

2005.10.23 [日] 葉山の里山散策

弟一家と親達を引き連れて、秋の葉山をハイキング。
今日は、葉山の里山を歩く事にした。
朝からスカッと晴れて、最高な散策日和だ。
途中はバスに乗って、木古庭(きこば)から出発。
総勢8名。
小学生とジジババ達が一緒だから、
歩くペースものんびりゆっくり。
道草しまくり。

ススキがキラキラ輝きながら風になびく。
あちこちの庭先で柿がたくさん実を付けていた。
おいしそう。
農家の庭先や棚田では、稲が天日干しされていた。
おいしそう。
野生のキジが目の前を飛んでいく。
おいしそう。そればっかりかい?!(笑)
あれ?秋なのにアザミが咲いているんだね。
落ちてる“いがぐり”が、私の頭みたいだと笑われる。
椿の種を潰して、鉄瓶磨くとキレイになるんだって。
あ、あけびの実。まだ食べ頃じゃないから取らないよ。
その花の名前、思い出した。ミヤコワスレ。
そんなこんなで楽しい楽しい。

杉山神社の境内をちょっと間借りして、お昼ご飯。
手作りのお弁当を広げて、外で食べるご飯は最高!
おにぎりはちゃんと竹皮に包んで、
お稲荷さんは母の味。
あったかい麦茶も水筒にたっぷりあるよ。
気持ちのいいお天気のお昼に、外でみんなで食べるご飯。
美味しくて幸せだぁ!

午後は、夏場は蛍が舞う小川を上流まで遡ったり、
畦道を歩いたり、どんぐりを拾ったり、
ゆるゆるくねくねぐるぐる歩く。
神経痛持ちで歩くのが苦手な母も全行程を歩き通した。
一緒に歩けて嬉しかった。
だって、元気だっていう証拠だもんね。
“楽しく歩く”というのは健康の基本だと思う。
また一緒に歩こうね。

※写真は、
上:たくさん実をつけてた柿。あちこち柿だらけ。
中:棚田。奥に見えるのは天日干しされた稲穂。
下:ムラサキシキブ。優美な紫色の実。

2005.10.19 [水] 蕎麦屋の楽しみ

メリケンへ嫁にいった友達が一時帰国した。
「日本の秋の美味いもんが食べたぁ〜い!」
という事で、大人な蕎麦屋へ。
行った先は、「布恒更科」。
以前近所に住んでいて、よく通った。
江戸らしく蕎麦屋を楽しむには、
歩いていける店じゃないとだめだ。
だって、昼から呑むわけだしね。(笑)
ここは、江戸前の旬を美味しい酒のあてに
さらりと仕上げて食べさせてくれる。
ふっくらな煮穴子や、とびきり旬なハゼの天ぷら。
江戸前のハゼって築地でも珍しいとか。
とにかく私は、ここで江戸前の味を覚えた。
勿論、最後の〆は、もり。
平日の午後の大人な集いは、
ほろ酔い気分でいい感じ。
あぁ、日本人で良かったぁ。

そんなわけで、蕎麦屋の気分は館山唐桟。
江戸前な装いで何より自分がいい気持ち。
あぁ、日本人で良かったぁ。

■写真は、
上:お稲荷さんに「行ってきます」
中:平日の昼に集える大人な暇人たち。店ノ前。
下:粋な店構えが江戸っぽくて好き。

※着て行ったのは、
・長着は館山唐桟の袷。八掛は卵色。
・水色の絹竹素材の長襦袢。
・瓶覗色の麻の葉柄手ぬぐいをそのまま半襟に。
・真綿紬の絞り染め名古屋を銀座結びに。
・柳色の絞りの帯揚げ
・赤い冠の帯締め
・蒸栗色の保多織りの足袋
・二枚歯のねずこ下駄

2005.10.11 [火] 一衣舎秋展と新歓オフ

一衣舎秋展。
布も人も縁だと思う。
その布は、ずっと前にも見せてもらっていた。
布を織ることが好きで、
木綿の種まきから一人で全部コツコツやるとげる
うち織りおばあちゃんの布。
この布は、おばあちゃんの木綿ではないけれど、
一衣舎セレクトな綿と絹の糸を、
おばあちゃんが織った布。
たぶん、最初に見た時からひっかかってたんだな。
葉山の空気に馴染みそうな格子柄。
また会っちゃったね。
好きだな。着たいな。
のほほんと自然の中で。
....というわけで、お願いします。
と、お願いしてきた。

移動して、八丁堀の“BAR da CICCIO”で新歓オフ。
新人さん18名、旧人さん17名。
今回は女性ばかりの35名。
新人とは言え、
人生も女も着こなしも学ぶべき事の多い達人ばかり。
真楽には、200通りの人生と着物に対する思いがある。
だから、集まると面白くて楽しいんだ。
これからもどうぞよろしく。

※着て行ったのは、
・ラオスの綿絹/泥藍染めの長着(一衣舎)
・浦野さんの柿柄の帯
・祖母か曽祖母が着ていた物を仕立て直した友禅の長襦袢
・東雲の生成の半襟(三浦清商店)
・鉄御納戸色の帯揚げ(三浦清商店)
・海老茶色と象牙色の帯締め
・海老茶色の紬地足袋
・右近下駄(小松屋)

2005.10.8 [土] 自然を謳う三人展

葉山の友人である矢谷さんに誘われて、KWにもした「自然を謳う三人展」のオープニングパーティーにお邪魔した。

世田谷の成城にある“gallery ichiyo”は、俳優の役所広司さんの元ご自宅だそうで、住宅街の中の「普通の家」が、年に数回の企画展の時だけギャラリーになる。シンプルでとても洗練された素敵な空間は、建て主のセンスが随所に感じられ、作品と共に見とれてしまった。

そんな空間に並ぶ三人の作品たち。
ただの箱では無いだけに「難しかった」と矢谷さん。
でも、金属っぽく輝く謎の生物みたいな小沼さんの陶作品が和室にごろんと置かれていたり、加藤さんの盆栽ワールドが雨に濡れたテラスに並んでいたり、矢谷さんの草の布が階段の踊り場に飾られていたり、見てる方の私は面白かった。

作品たちを感じながら、お家の中をぐるぐるしてたら、パーティーが始まり、次々と出されるお料理も美味しく、ワインも美味しく、まるで役所さん宅のホームパーティーに招かれたみたいな錯覚にふと陥ってしまう。ラフな姿でご本人もいらっしゃるし、玄関に飾ってあった書は誰の作品かと思ったら「あ、それ僕が書いたの」なんて、びっくりさせられちゃうし。

そう言えば、加藤さんの盆栽に、頭部がトンカチみたいな形状の2センチ位のヒル(?)が居た。那須から一緒についてきちゃったんだね。加藤さんは「生きていけるかな?」なんて言いながらギャラリーの庭に放していた。植物は環境の変化に柔軟に対応出来るけど、虫や動物や人間は、なかなか簡単には順応できない。
葉山に越してから、ほんとに植物が面白い。
自分では動けないからこそ、こんなに強いのかな。
「草と木の小さな鉢」という加藤さんの本を購入した。
盆栽…、面白そうな世界。

2005.9.29 [木] 久留米絣

今年の春、まとめて譲り受けた中の一枚。
厚手木綿の久留米絣に袖を通してみた。
もちろん、お端折りは出来ない。
それを更に短めに着付ける。
裄も袖丈も短くて、
袂がまぁるく仕立ててある。
適度に着込んであって柔らかな風合い。

黒沢映画の赤髭を思い出す。
雑巾掛けしなくっちゃ。

母達に言わせると、
木綿の絣は、「貧乏臭い」らしい。
うん。それも分からなくもない。

でも、実際、毎日着物で家事までこなすと、
こうした“労働着”に徹した着物は気楽でいい。
キビキビ働けて気持ちいい。
久留米絣の働き者っぽい雰囲気も好きだ。

今の時代は、
色んな着物を好きなように着分ければいいと思う。
ひとくくりに“着物”って言ったって、
ピンからキリまであるんだからさ。

※写真は、
上:久留米絣に半幅ミンサーをカルタ結び。
下:今朝、浜の公園で拾ったドングリ。

2005.9.25 [日] ちりめんみたいな海

海の表情は見ていて飽きない。
毎日、時間ごとに刻々と変わる。
壮大な大自然の演出には人間なんか敵いっこない。
いつも、ぽかんと口を開けて「すげぇなぁ」って見とれてる。
今日は、台風が去って風が強く、でも波が無くて、
海の表面がちりめんの反物みたいに見えた。
ちりめんの向うには、伊豆半島や大島まで見える。
キラキラ光ってるのは、熱海辺りの建物かな?
強風で、砂浜の砂が舞い上がって肌に痛い。
着物の裾がはだけて湯文字が丸見え。
湯文字まではだけちまったら大変だ。
大相撲が始まるし、帰ろ帰ろと帰ってきた。
ところで、ちりめんじゃこの“ちりめん”と、
絹織物の“ちりめん”は、なにか共通の語源でも?
そんなくだらない事を考えつつ、ごくらくな三連休オワル。

2005.9.23 [金] こみちあるき

そろそろ散歩の季節かな?と、「葉山のこみち」をかばんに入れて、こみちを歩いた。
10時くらいに出発して、途中お昼ご飯も食べて、帰ってきたのは3時半。鐙摺(あぶずり)から一色まで、細いこみちをぐるぐる探検。ほんとに色んな発見があって面白い。まだまだ未踏のこみちがたくさんある。同じこみちでも季節によって表情が違う。歩く度に新鮮。
おばぁちゃんになっても、元気に自分の足で葉山のこみちを歩いていたい。柔らかな感受性のまま、楽しい発見を続けたい。つまり、ココロとカラダの健康がイチバン大事。
ところで、陽が差すとまだ暑かった。半襦袢+薄手木綿の長着+半幅+ビーサンという残暑対応普段着スタイルだったけど、背中にもんわか汗かいた。帰宅後すぐにシャワーを浴びて、ビール&大相撲。ごくらくな三連休初日。

※写真は、
上:鐙摺バス停裏の小さな浜。
中:家紋入り工芸品みたいな「タコノマクラ」。棘皮動物。
下:人ひとり分の幅しかないけど町道。道端にぽつんと彼岸花。

2005.9.20 [火] ツギあて

台所で料理してる相棒。
晩酌しながら夕刊を読む私。
夕刊をめくる拍子にふと見ると、彼の短パンのお尻が裂けていた。
「あれ?破れてるよ。」と教えてあげると、「ウソ!あ、ホントだ。この短パン好きなのに」と残念がってる。そーだよねー、ずいぶんと気に入ってはいてるよねー。もう何年も前に買った“STUSSY”の短パン。よく見たら、お尻の部分はだいぶ布が薄くなっている。「寿命だよ」と私が言っても「ちぇ、もうダメかなぁ」と、まだ諦めきれない様子。気に入らない洋服は新品同様でほったらかすくせに。(笑)
しょうがないなぁ....と、数日後、ミシンに向かう。
ちょうど先日買った“MASON'S”のタグ替わりの布が目に付く。花柄ポップでキュートな布きれ。これこれ、これがカワイイ。赤い糸をセットして、まず裏から晒を当てて裂けた部分をジグザクに縫う。表に返して、MAISON'S布を当てて、花の周りや文字のアンダーラインみたいに、ミシンでカタカタ線を描く。
ふふふ。
おちゃめなツギあてパンツの出来上がり。
相棒に見せに行く。「えー!?派手だなぁ」
うん、派手だね。(笑)でも、オヤヂが着るからこそカワイイぞ。
そんなわけで、リニューアルした相棒のお気に入りパンツは、引き続きお気に入りみたいで、よく履いてくれている。
今日も、台所でツギ当てパンツのお尻がかわいい。

以上、ちくちく部の自主トレ報告。

2005.9.17 [土] ネオン街から月夜の浜へ

蒲田の猥雑なラブホ街にその店はある。
「ウマウマなベトナム料理を食べに行きませんか?」と誘われてフラフラ出かける。
なかなか予約も取れないという評判の店は、やっぱり大変旨かった。
着物で集まるというので、私も。
下品なネオンや看板が並ぶ路地を歩くキモノビト達。
とっても妙で、いいカンジ。(笑)

そんなわけで、私はキッチュ&下品に着崩した。
単衣の長着は、不揃いな縞がフリーハンドに染めてあるてろろんとしたちりめん。
半襦袢に麻の葉柄の手ぬぐいを切らずにそのままかける。芯無しだから適度にクタクタだらしなくてそれでいい。半幅帯は短めなので片結びして結び目の上をかぶせてオシマイ。だらりと垂れは長目に、ユラユラ。コタツの電気コード紐がなんだかカワイイので帯締めにしてアクセント。花柄悪趣味足袋も足下のアクセント。草色本天の鼻緒の右近下駄。
こんな風に、組み合わせや着方で遊ぶのは好き。
でも、イメージ的には着る人の年齢は、25歳くらいまでだよなぁ。
自分でもよくやるな....と。(笑)

お腹いっぱいになって、帰路につく。
でもまだ今日は帰らない。
逗子駅から山周りのバスに乗って長者ケ崎へ。
今晩は「満月ツーリング」があるからね。
バス停前のバーで日付が変わるまで暇つぶし。知った顔が続々集まる。
そろそろかなぁ?と浜へ降りる。砂浜にくっきりと月影。てろろんとしたちりめん地のシルエットが秋らしくていい。縞柄も月明かりに浮かんできれい。月夜に着物はやっぱりいいな。
月を眺め波の音を聞きながら、大倉さんを待ったけど、またフラれちゃう。く、残念。
でも、「現場に行ってみなければ分からない」なんて事にいい歳こいた大人達が大勢集まる。月明かりの浜で大倉正之助の大鼓を聴こうと大勢集まる。そんな事実がとても素敵。なんでも情報化された今の時代だからこそ、とてもいい。

2005.9.15 [木] 秋の気配

昨日までの残暑とはうってかわって
今日の葉山は爽やか。
でも急に秋がやってきたわけじゃなくて、
日中は暑かったけど、ちゃんと日毎に秋がきていた。
咲く花、空の高さ、夕焼けの色、虫の声、月の輝き。
ほんとに日毎に、少しずつ違う。
淡々としているようでドラマチック。
ぃやあー、おもしろいなーーー。

写真は、9月13日の夕焼け。
昼間はほんとに暑かった。
赤と紫の世界。
本当の色はデジタルには記録不能。

2005.9.12 [月] 凹む。

アンチホワイトバンドな意見やサイトをたくさん見かける様になったので、昨日、シンプルな思いを書いた。迷ったけどアップした。
でも、「ライブ8の深層」とか、矛先となってる「日本政府に対する債権放棄」の問題とか、選挙の結果とか、政治的な表面や、裏や、そのまた裏の裏を、足りない知能をフル稼働させて考えているうちに、どんどん凹んで落ち込んでしまった。ずぶずぶずぶ。
アンタ何様?
変わるかも?
ダークサイドな自分の声に悶々とする。
「こんな時は寝てしまえ!」と、布団に潜り込むが、明け方目覚めて、また堂々巡り。
ほっとけないけど、ほっとくべきなの?

結局のところ、私には分からない。
でもやっぱり“無関心”はよくないと思う。

世の中は、ほんの一握りの人達のパワーゲームで動いている。
無関心な状態は、その人達の動きを楽にする。
地球上の全ての人間を、あなた達のパワーゲームに巻き込まないで!
戦争はまっぴらごめんだ!

ずぶずぶに落ち込むだけ落ち込んだら、立ち上がる元気が出てきた。
しかし、ナニヤッテンダロ、アタシ。
さぁ、やる事、どんどんやっつけよう。

※写真は、庭の萩と近所の芙蓉。

2005.9.11 [日] ホワイトバンドと糸の危機

100円ショップが嫌いだ。
もう数年、店内に入った事はないけれど、どう考えても100円で売られたら可哀想な商品が並ぶ光景。「アタシにはもう100円の価値しか無いの」と、恨めしい声がドヨヨンとした空気となって充満している。....気がする。
100円で採算がとれる背景には、学校にも行けずに働く子供達の労働力や、フェアじゃない取引や、国力による貨幣価値の違いなど、歪んだ経済構造がはびこっている。
今の世の中は、全ての事柄が“経済”とか“効率”で判断されて回っていて、そんな風潮がたまらなくイヤだ。どんどん“人の思い”が取り残されていく。哀しい。
着物業界では、糸の危機が叫ばれて久しい。国内では、糸を績む、紡ぐ、といった作業をするより、スーパーでレジ打ちのパートをした方が時給がいい....という現実。生産者の個性や思いより、効率を重視するビジネス。着物の世界にも、100円ショップと同じ論理が働いている。哀しい。
私は、何かを購入する....という行為は、その商品に対する「一票」だと思っている。
“好きだから”、“欲しいから”、“いいと思うから”。
“安いから”、“とりあえず”、“早いから”。
全て、同じ「一票」。
不公平な今の状況を変えるために、今、私が出来ることは、毎日の暮らしの中でそんな「一票」を大切に考えながら積み重ねていく事なんじゃないかなぁ?と思っている。リスペクトする気持ちを一票に託す。
たくさんの人が自分の消費行動を意識していけば、少しずつ何かが変わるかもしれない。アフリカも救われるかもしれない。着物の世界も変わるかもしれない。
そして、消費行動がアウトプットなら、インプットである仕事に対する姿勢も同じ様に意識したい。数字を動かして儲けるなんて絶対変だ。効率が多少悪くたって、自分の仕事に誇りを持って真面目に働くことは、必ず“貧困をなくす”ことに繋がっていくはずだ。糸績み作業をやってみた時、私の指先は「楽しい」と喜んだ。手間を楽しみ、何かを創りだす喜び。それらは、効率の論理からこぼれ、忘れ去られた仕事の根源だけど、私は忘れずに意識していたい。

そんな思いを込めて、ホワイトバンドをしている。
常に自分で自分の意思を確かめるためにも。

2005.06.16の日記に書いたこれ。(↓)
>着物に関係ない話題でごめんなさい。
>でも、私の中では完璧に繋がっているんだ。
>説明するのは難しいけど。

やっぱりうまく説明出来ないけど、
三ヶ月後の今だからこそ頑張らなくちゃと、書いてみた。

※写真は、自分で糸績みした糸芭蕉の糸。
今、庭に咲いているホワイトジンジャーと芙蓉の花。

2005.9.1 [木] 夏の終わり

あぁ。夏が終ってしまった。
昨日の夜は、海の家の営業最終日。
ラストナイト。
名残惜しくて、一色の海小屋でまずビール。
そして最後のKAZZライブ。
それから、森戸のOASISまでハシゴ。
みんな集まってる。
最後の夜を楽しんでいる。
裏メニューの春雨に酔う。
酔ったせいか、胸がキュンと痛くなる。

いい夏だったね。
楽しい二ヶ月をありがとう。

9月になり、浜辺の小屋は解体され、
ガランとした砂浜に戻る。
たった二ヶ月の海の家は、泡沫の夢のよう。

2005.8.28 [日] お水取り

森山神社の例大祭二日目。
今日は、1200年もの昔から伝承されている「世計り神事」の為に、朝から3km程離れた吾妻神社まで、お水取りに行く。この神事は、現在文化庁の無形文化財に申請中だそうで、県からのビデオ記録班も同行していた。実は今年は、相棒が“金棒”のお役目を仰せつかって、この行列に参加している。旗持に続き、金棒は地面の邪を音で払いながら、後に続く主役のお水担ぎの為に、道を清める役と思われる。一行が目指すのは、滝の坂と言われるほど、昔は湧き水が豊富だった場所だ。里人から崇められている吾妻神社は、日本武尊がこんこんと霊水が湧き出るこの地で休憩されたと伝えられる小さな神社だ。この霊水を森山神社まで持ち帰り、水に麦麹を入れて神殿内に一年間納め、翌年これを検め、次の年の吉凶を占う。ちなみに来年は....、
「平成十八年 世計 四合四勺 / 天候穏か 北風に注意」
と、神殿の柱に貼り出されていた。
今日、持ち帰った水で、来年の例大祭に、平成十九年の世計りを行う。
こうして脈々と1200年受け継がれた神事。素直に人間ってすごいなぁと思う。
劇的に西洋化した日本の戦後60年。その20倍もの年月、この神事は毎年同じことを繰り返してきたわけだ。そんな風に考えると、たかだか60年の変化は、また60年くらいの年月をかければ、軌道修正すべき点はより良い方向へ進化できるのではないかと思った。受け継いで未来に伝えるべき日本らしさや日本人らしさを諦めたくない。

ここに越してきた当初から、この神秘的な神事がとても気になる。ライフワーク的に色々深く調べてみたいと思った。その前にあれこれ勉強しなくちゃな。ま、ぼちぼち。

2005.8.27 [土] 森山神社例大祭

近所の森山神社の例大祭。
櫛稲田姫を奉った神社なので、ここのお神輿はどこか女性的でとても美しい。金の帷子がぐるりと垂れ下がり、青く暮れていく宵闇の中で、キラキラ揺れて幻想的だ。御用邸の前では、神輿を高く担ぎ上げ、一段と祭りの熱気が盛り上がる。担ぐ男達は、みんな櫛稲田姫に魅せられて、イっちゃってる目をしてる。
お囃子も地元の子供達が交代しながら、途切れることなくまるでミニマルミュージックの様に延々と奏でてくれる。
担いでなくても、気分がどんどんハイになる。
お祭りマジックだね。
神社の敷地内にある一色会館は、舞台となって地元の芸達者たちが次々と芸を奉納する。子供会の和太鼓あり、フラチームの群舞あり、日本舞踊あり、知った顔が登場するからすごく楽しい。階段席はたくさんの人で埋め尽くされる。

由緒正しい祭りが、地元で脈々と受け継がれている。
ここに居させてもらえる今、とても幸せです。

2005.8.24 [水] 8月20日〜23日/法事と万博

義母の法事の為、相棒の実家がある名古屋・春日井へ。
早いもので、もう七回忌。
20日に車で移動し、21日が法要。真夏の七回忌なので、黒地に絣の上布に、喪服用の帯や小物という略式で出席した。自宅での法要の後、お墓参り。今にも降り出しそうな雨雲のお陰で、炎天下は免れありがたい。移動して、お寺で私達の順番を待っていると、バケツをひっくり返したような雨が降り始めた。お堂の中にも吹き込む程の大雨。冷たい霧状の大風が吹き抜ける。身八つ口から風を孕む麻の着物は、とても涼しくて快適。終って外に出る頃、ちょうど雨があがる。なんだか私達の行動に合わせた様なお天気で「日頃の行いがいいからだね。」と、みんなで笑いながら宴席へ向かった。お天気は、きっとほんとはお義母さんだね、ありがとう。
宴席は、平服に着替える人が多かったので、私も帯を半幅に替えて、宴会モード。そのまま、親戚一同で会場の施設に宿泊した。市営の施設だったので大浴場はあるけど、タオルなどの備品が無かった。手ぬぐい二枚で乗り切る。でも、朝風呂に入った後、ちょっと干しておいたら、チェックアウトの時間には乾いていた。素晴らしいゾ、手ぬぐい!
チェックアウトして親戚一同と別れ、相棒と義父の三人で、愛知万博へ。一応、納品チェックも兼ねて半分仕事モード。目当てのグローバルハウス以外は、並ばないマイナーな所ばかり狙って入った。そんなチョイスが良かったのか、期待以上に面白かった。そして、法事に合わせたように、この期間、バリの友人達のガムラングループ「スダマニ」の出演が決まっていた。詳細も知らず、約束もしていなかったのに、友人達の一人に会う。この広い万博会場の中で、バッタリ会う。ほんとに縁って不思議だなぁ。夕方からの「スダマニ」の晴れ舞台は、みんなカッコ良く輝いていた。

良い時間を重ねられる毎日。
偶然か、必然か。
森羅万象に感謝する。

2005.8.17 [水] 帰省と地震

両親の実家は、涼しい風が吹き抜ける爽やかな気候の土地です。建て替えた時に一応クーラーも設置したけど、ほとんど使っていないみたいです。必要なし!葉山の少しねっとりとした潮風を含む空気感とは明らかに違います。夏はほんとにいい環境。稲穂が日毎に黄色味を増し、秋の気配も感じます。お盆も迎え火や送り火は焚きますが、関東で見るなすやきゅうりを使ったお飾りは置きません。仏様に上げるお膳も日毎に決まりがあります。お盆ひとつとっても、それぞれの土地毎に細かな違いがあり、面白いなぁと思います。方言が見直されているように、これからは“違い”が大切になっていくと思います。

宮城沖地震が発生した時は、「じゃ、帰るね」とお墓参りを済ませ、従妹の運転する車の中でした。甥っ子たちが騒いでいたし、スピードに乗った田舎道だし、揺れにも全く気づきませんでした。東北新幹線の復旧に最低六時間....と聞いた段階で帰京は諦め、ゆっくりと布団の上で眠り、翌日も仙台始発の列車に乗り換え、座ってゆったり帰ってきました。そんなわけで怖い思いもせず、並んでへとへとになる事もなく、色々運に恵まれました。ご先祖様のお陰かな?

ところで、東京駅の新幹線改札口を出る時の事。
私達一行が、改札口を通っている時、しんがりの私の前に割り込んで通り抜けた人が居ました。「なんだヨもぉ。」と思いながら、切符を二枚重ねて入れようとした時、アラートが出てゲートが閉まり、私は改札を通過できなくなりました。“切符が入ってない”という表示が出ています。どうやら、私の前に割り込んだ人は新幹線に無賃乗車してきた様です。あっと言う間に人混みに消えた見知らぬ人に、ふつふつと怒りがこみ上げてきました。いい大人が、混乱に便乗してなんて恥ずかしい行いをするんでしょうか。情けないなぁ。あんなに大きな地震の翌日、ちゃんと東京まで帰り着けたのは、多くの徹夜で復旧にあたった鉄道関係者のおかげでしょうに。最近の日本、ダメな大人が多過ぎませんか?だから、アホな政治家にもバカにされちゃうんだ。お盆と終戦記念日と地震な日々の最後に、この先の日本を憂ってしまう残念な出来事でした。

2005.8.12 [金] ルーツは東北

明日から両親と一緒に里帰り。
最近合併して“栗原市”になった東北の米所です。
子供の頃の夏休みは、ほとんどこの土地で過ごしていました。もぎたてのトウモロコシの味や、川で泳ぐ面白さなど、都会では経験できない事をたくさんこの場所で学びました。わが国最古の染色技術とも言われる“正藍染”の技法を受け継ぐ土地も近所です。ルーツは東北。
私自身、柔らか物より藍染めのもんぺ姿がしっくりくるのは、東北の血なのかもしれません。お盆の時期に里帰りするのは久しぶり。デジタル機器は持参せず、音信不通の人になります。プツン。

2005.8.8 [月] 気配

縁あって近所の山口蓬春記念館の撮影。日本画家である山口蓬春が絵を描き、暮らした家そのものが記念館として作品と共に公開されている。アトリエには、絵の具が残ったままの絵皿や、使っていたままの道具が、そのままの状態で展示されている。館長は「普通はガラスケースの中に仕舞って展示するんだろうけど、今ちょっと席を外してる....という雰囲気をお客さんに感じてもらいたいんだよ。」とおっしゃる。まさに。「いやいや、すまんね。ちょっと煙草を買いに行っていて。」と、画家本人が現れそうだ。実際は、巨匠であった山口蓬春なのだから、生前にこの部屋まで通してもらえた客人はそうそう居るはずはないだろう。今だからこそ、私もこの部屋に入らせてもらえる。そして、今は居ないはずのその人の“気配”を確かに感じる。
物や空間に宿る気配。
クッキリと濃い影を落とす夏の陽射しの様に、夏は気配もハッキリと濃い。

※写真
上:吉田五十八設計の新画室。雨戸、網戸、ガラス戸を全て開け放つと庭と一体化するアトリエ。
下:使っていたままの画材や道具たち。

2005.8.6 [土] 黙祷

土曜日の朝は、浜で太極拳。
波に向かってゆっくりと体を動かしながら、
“その時”の同時刻、心の中で黙祷。

絶対に繰り返してはならないと思う決意を、
波が途絶える事のないように、
いつまでもずっと持ち続けて行動する。

深く地球の大気を呼吸しながら、
この星の平和を祈る。

2005.8.5 [金] 三周年装い

7月31日の三周年イベントに着て行った着物。
テーマが「夏の思い出」との事なので、雪輪を選んだ。
今回の会場が白金プリンスホテルだった頃、庭にあったマーブルプールによく出かけた。二十歳を少し過ぎた頃の夏。今の相棒とも一緒に行った。芝生の庭にまぁるいプール。それを雪輪に見立てて。こじつけかもしれないけれど、甘酸っぱい夏の思い出。

・黒地に雪輪模様の夏大島。30代後半の頃に母が用意してくれた着物。
・洗える絹の絽の白い長襦袢。
・半襟は石垣島の津田さんの布。
・白の絽綴れの名古屋帯をお太鼓に。
・クリーム色に転んだ白の絽縮緬の帯揚げ
・青山八木オリジナルの道明の帯締め。白とベージュの鎌倉組み。
・めうがやの白の麻足袋。
・黒田商店さんのしゃみ右近下駄

※撮影は波平さん。バックに写っていた赤いコーンを気にしていらっしゃったそうなので、日記の画像は消し込んでみました。えぇ、こうした作業は仕事柄たいへん得意なものですから。(笑)オリジナル画像は大事に保管。いじってませんよ。

2005.7.31 [日] 三周年イベント “k o r e k a r a”

みんな、それぞれの色でキラキラ輝いていた。
夏着物を纏って集まった一日。
はずむ声と華やいだ笑顔と美しい着物で溢れた空間。
この楽しい時間をみんなで共有できた事に感謝。

たぶん、それぞれの一生分の持ち時間の中で、
昨日の様な楽しい時間の割合は、
きっとほんのちょっぴりだけで、
たいがいは、辛くて苦しくてしんどい事の方が多いと思う。
でもそんな時間を乗り越えてこそ、
楽しい時間がダイヤモンドの様に輝くんだよ。
頑張った人へのご褒美。
昨日の楽しさは、みんなで頑張ったご褒美だと思う。
真楽の楽しさも、みんなでお互いを思いやりながら、
それぞれの思いを繋げて共有して、
大人なサイトに育ててくれたみんなのおかげ。
これからもよろしくお願いします。

そして、小冊子に書いたメッセージ。
かなり本気です。
これからも平和に着物を纏える未来であります様に...。
そして、
メンバーみんなの“これから”に期待してます。

※下の写真は、せさん提供

2005.7.24 [日] 真南風/maapai

テキスタイル方面での、石垣昭子さん・真砂三千代さん・真木千秋さんのコラボレーションである“真南風/maapai”。以前、ニューヨークで個展を開く事になった時「音も必要なんじゃない?」と、パートナー達も音楽方面で結束した。それが、石垣金星さんや真砂秀朗さんを中心とした音楽での“真南風”。
今日は、一色の海の家「Blue Moon」で、その真南風のライブだった。
一色の浜は店と波打ち際が近いので、音楽と波の音のブレンド具合がすごくイイ。金星さんの唄声と三線の音色に酔いしれるうちに夜が降りてくる。真砂さんのインディアンフルートが八重山を思い出させて心にしみる。金星さんにつられて泡盛がすすむ。(笑)アンコールはカチャーシー。酔いも回って引っ張り出されて引っ張り込んで踊る踊るみんなで踊る。
でも、海の家はライブは9時まで....という決まり。
「踊り明かしたい人は西表島にいらっしゃい。28日から豊年祭だよ。」と金星さん。飛んでいきたい。

もうひとつ。
会場で30年来の友達に会う。バッタリ会う。
会うべき時に会うべき人と会う....という不思議な事が最近多い。
そして、縁ある人は、クモの巣のようにあちこち不思議と繋がっている。
面白いなぁ、楽しいなぁ。

※着ていた着物は、
・グレー地に鳥柄の木綿を浴衣風に
・ミンサーの半幅をカルタ結び
・下着は湯文字と胸の晒だけ
・足下はビーサン

2005.7.20 [水] 甲状腺と帯締め

六年前に左側の甲状腺を切除した。
術後は、年に一度の検診が必要なのに、丸二年さぼっていた。
いい加減そろそろ行かなくちゃ....と、東京へ。
甲状腺の手術は、首筋をパックリ横に切るので、手術前は「あぁ、着物が着られなくなるなぁ....。」と覚悟していた。でも、原宿にあるこの専門病院は、手術がとても上手かった。今ではたぶん言わなければ傷跡は分からないと思う。ある意味、専門病院の職人技かもしれないな。
受付を済ませ、待ち時間が二時間あったので、一旦病院の外へ出る。昼食を済ませ、まだ時間があったので、前から行ってみたかった「ギャラリー朱」と「青山八木」へ足をのばす。
三周年イベントは持っている物を着て行くつもりなのだけど、何か小物くらいは記念に新調したいなぁ....と思い、それぞれのお店で帯締めを見せていただく。
朱ではピンとくるものが無かったけれど、青山八木で魅かれる帯締めに出会う。白の絽綴れの帯に合わせるので、色目の多い強いモノをイメージしていた。が、こちらに揃っている“八木オリジナル”な道明の帯締め達を見て、「捜していたイメージ」をあっさりごみ箱に捨てる。一旦、白紙。
どの帯締めも、実にあっさりとしていて品が良い。最初から、その細さ(三分弱)と色目に魅かれた写真の物に決める。鎌倉組みというそうだ。夏なのだから、こんな組み合わせもすっきりと潔くていいかもしれない。
病院へ戻らなければならないので、あまりゆっくり出来なかったけど、こちらのお店は今度またゆっくり行ってみたい。
キケンガアブナイケド....。

2005.7.9 [土] 葉山のこみち

長者ケ崎の素敵なレンタルスペース「ブルーミクス」で、私も写真提供した「葉山のこみち」という本の出版記念パーティー。会場のキャパを越える50名の老若男女が集まって楽しい時間だった。
この本は、地元で参加している葉山環境文化デザイン集団のメンバー有志で作った本なのだけど、すごく素敵ないい本に仕上がったと思う。
この本に込めた思いは、先日の日記(05.5.21)に書いたけれど、私は日本中の「こみち」を大切にしたいと思っている。車が走るための道路ではなくて、人が歩くための道をちゃんと残しておかないと、どんどん町が機能しなくなる。商店街や町がイキイキと元気な場所は、暮らしている人達の暮らしぶりや素顔が見えて個性的だ。そんな場所はきまって散歩が楽しいこみちの残る町だと思う。
“みち”は、暮らしの要。
私は、葉山の細いこみちが大好きだ。
カラコロ下駄の響きが似合うこみちを守りたい。

※着て行った着物は....、
・かすれ麻の葉柄の綿紅梅/この着物をくださったのもデザイン集団のメンバー。着姿を見せたらとても喜んでくださった。
・白の亜麻で半襟をかけた半襦袢。
・白の博多献上帯を小さめのお太鼓結び。
・茄子紺の細目の帯締め
・松原染織工房の藍グラデーションの帯揚げ
・麻の湯文字
・麻の葉柄の鼻緒のねずこ下駄

2005.7.6 [水] 偶然の神様ありがとう。

金沢の町を歩いて散策。
結構な距離を、写真を撮りながら、路地に迷い込みながら、探検。
兼六園でマシュー・バーニーと会う。と言うか、出くわす。実は四回目。
美術館のカフェで食事してたら隣卓へ。ホテルのエレベーターで。ホテルの入口で。そして兼六園で。アーティスト本人と同じ時空をニアミスする快感。透明な交信。これだから旅はやめられない。ドキドキ・楽しい!

※着物
最初の日とほぼ同じ。
帯揚げを藍のグラデーションの絹絽に。
帯締めを茄子紺の細目な冠に。
そう言えば、湯文字も麻で夏仕様にして涼やか快適。

2005.7.5 [火] 休憩

同じ着物ばかりじゃ、ナンなので、ここらで箸休め映像。
そう言えば、金沢滞在中、着物姿の方は一人も見かけなかった。勝手なイメージで金沢は着物っぽい町だと思っていたので、ちょっと意外。梅雨だし、暑いし....っていう季節柄かな?

2005.7.5 [火] 拘束のドローイング9

今日は、一日中金沢21世紀美術館で過ごす。
午前中に展示を一覧。午後、「拘束のドローイング9」という映画を鑑賞。終って、再び展示を。
ここは、かなり近未来チックな場所。城下町としての金沢に、真逆なベクトルの空間が出現していて面白い。
帯を半幅帯に替えた。白地のミンサーを文庫結び。映画鑑賞中は、文庫をクルリと前へ回して二時間半。

着物という衣服は、確かに「拘束」とは無関係ではないかもしれない。

2005.7.4 [月] 金沢へ

マシュー・バーニー:拘束のドローイング展を観る目的で相棒と一緒に金沢へ。
目的は果たせた。同じ時空で交差できてしまった非日常。嬉。
ま、それはそれ。真楽日記では“着物で小旅行”な場合の参考になれば....と、そんなレポートを。
二泊三日分の荷物は、飛行機で手荷物範囲のゴロゴロ付きバッグひとつにまとめる。着替えの衣類は、半幅ミンサー帯(1)、帯締め(1)、帯揚げ(1)、足袋(2)、湯文字(2)、肌襦袢(1)、胸用晒(2)、パジャマ用タイパンツ(1)、パジャマ兼用Tシャツ(2)、予備でバティックサロン(1)。
これだけで済んでしまうから、着物旅はある意味とてもコンパクトだと思う。
雨コートと折り畳み傘は持参したけど、コートは使わなかった。
履物選びは悩んだ末、美術館に入る事と雨を考慮して、ゴム張りしてある黒田商店さんのしゃみ右近下駄にした。正解だった。バティックサロンに素足で履いてもさほど違和感も無く、かなり懐の深い下駄だと思った。

金沢は、しっとりと着物の似合う素敵な場所だった。香林坊にあるホテルにチェックインして、初日は長町近辺をブラつく。あまり人の居ない武家屋敷で我が家のように寛ぐ。夜は、お腹と相談して軽くおでん屋で。これがまた、いろいろあれこれ美味しかった。昼間に見つけた「よし坊」というお店。その日の気分は、その時にならないと分からないので、旅は出来るだけ「行き当たりばったり」が好き。単に我が侭な気分屋とも言えるケド。

※着て行った着物
・絹のシャリ感があって薄くて透ける琉球絣/紺地に琉球柄
・白のシャリ感のある洗えるシルックの長襦袢
・絹のシャリ感のある半襟
・白の絽綴れ/名古屋帯
・藍色の絽の帯揚げ
・瑠璃紺のレースの帯締め
・白足袋
・黒田商店さんの黒マット台に白の鼻緒のしゃみ右近下駄
・白の編み手提げ/確か無印

2005.7.1 [金] 海開き & White Band Day

雨だけど、
今日、葉山は海開き。
夏が始まる。うきうき。

昼、イギリスから郵便小包。
ホワイトバンドが到着。
わくわく。お、なかなか。
布製×10個
シリコン製×10個
どっちもフォトジェニックぢゃん!

発行が遅れに遅れていた
みんなで作った葉山の本。
「葉山のこみち」がやっと完成。
予約の方々に手配り。
手から手へ。ほわん。

布製のホワイトバンドを腕に早速。
海開き初日の一色の浜は、
雨のせいか、ぼちぼち・のんびり。
ぢゃあって事で、森戸のオアシスへ。
いつもの顔がいっぱい。
25年目のオアシス、既に老舗だ。
夏の浜は、既に文化だ。
さぁっ、楽しい夏が、ハ・ジ・マ・ル!   るん!

※写真-クリック-拡大

2005.6.26 [日] お宮参り

近所の友人宅に第二子が生まれ、お宮参り。
パパはスーツだけど、ママは着物を着るという事で、義妹と一緒にヘア&着付けの助っ人をした。お宮参りの場合は、おっぱいの都合があるから、なるべくギリギリまでゆっくりしてもらって、短時間で着付けてあげたいと思う。胸の晒もきっちり巻いて、授乳で更に豊満になったバストを押さえつつ、着物へのシミ対策も兼ねる。薄曇りだったこの日の葉山は、適度な風もあって、単衣の牛首紬でも快適だった様だ。
ブルーのぼかしが爽やかな掛け着は、パパのお宮参りで誂えた着物だそうで、パパの従弟達や長男のKちゃんなど、みんながこれを着てお祝いしたと言う。こうした話を聞く度に「着物っていいなぁ。」と思う。着物に愛や思い出がたまっていく感覚。すごく好き。
こうしたお祝いの節目に関われるのは、とても嬉しい。ありがとう。

そう言えば、パパのお母様に教えていただいた事。
掛け着にあしらわれた「でんでん太鼓」は、“裏表のない人間に育つように”という意味があるそうだ。なるほどねー。

2005.6.25 [土] 夏休みの計画

「行くぞ、行かねば!」と狙っていた金沢行きを実行に移すことにした。
仕事も余裕があるし、ちょっと早めの夏休み。
行くと決めたら、諸々の手配は早い。スチャっと相棒が手配完了。
目的は、金沢21世紀美術館で開催されるコレ。

■マシュー・バーニー:拘束のドローイング展
http://www.kanshin.com/...

日本初の今回の個展は、「捕鯨」と「茶道」という日本文化をテーマにしているらしい。これまでの展示やパフォーマンスの再演もあり、鬼才と言われるマシュー・バーニーの全貌がつかめそうで、すごく楽しみ。現代アートとして捉える日本文化の切り口にも興味深々。

移動は飛行機を使い、二泊三日の旅。
着物はどうしようかと思ったけど、マシュー・バーニー自身が羽織袴姿でプロフィールに登場しているし、金沢だし....って事で、着物で通す事にした。長着を着たきり雀で通してしまえば、かえって荷物も少なくてすむはず。
「クレマスター」シリーズにちなんで、シルバー製のゴールデンボールを身に付けていきたいけど、根付紐をまだ用意してない。一週間じゃお誂えは無理だし、困ったな。

ちなみに、“クレマスター”とは、睾丸を上げ下げする筋肉の名称。

2005.6.18 [土] クラス会

赤坂プリンスで、恩師を囲む会。
ま、平たく言えばクラス会。
高校卒業時に担任だったM先生は男性で、だいたい私達の親世代。スポーツジムに通っているそうで、肌もツヤツヤでとってもお元気。良かった良かった。
社会科の先生だったので、話は靖国問題から少子化問題や若貴問題まで、まるで授業の様にお話しくださる。いつまで経っても、先生と生徒。
懐かしいクラスメートとたくさん話をして、私も、脳の使っていない記憶エリアを活性化できた。忘れていることは多いけど、たまには煤払いのように電気信号を走らせないとね。
そう言えば、コンタクトだった為、手札サイズの昔の集合写真にピントが合わない。「もぅ、きちゃってるのよ、私。」と告白したら、みんな同じだった。(笑)みんな、見た目は若いのに。
やっぱり、同級生ってなんだかいいな。

※着て行ったのは、
・本塩沢の単衣。
・麻の長襦袢に、津田さんの布(05.4.8.の日記に詳細)を半襟に。
・透け感のある白地の洒落袋帯。
・三浦清商店さんで抹茶色に染めてもらった絽東雲の帯揚げ。
・朽葉色の冠の帯締め。
・白足袋
・黒田商店さんの黒マットなしゃみ右近下駄。

津田さんの布と帯揚げと下駄を初おろし。

2005.6.16 [木] White Band Campaigns

昨日、日記に書いた「White Band Campaigns」。

今日、やっぱり昨日の日記に書いた「G-STAR」も、このキャンペーンをリスペクトしてる事が分かった。サイトトップでロンドンでのライブを告知してると教えてもらった。全然関係ないと思っていた二つの要素が繋がっていて驚いた。
“貧困をなくそう”というキャンペーンを、好きなブランドが応援していたわけだ。
すごく嬉しかった。

・「G-STAR」
http://www.g-star.com/...

世界中で、同時多発的に、色々な形で、不公平な今の状況を変えよう!変えたい!と、意志を持つ人達が立ち上がっている。
日本で盛り上がりに欠けてるのは、国民性なのか、キャンペーンのネーミングのせいなのか。大げさに考える事なんかない。まずは出来ることから始めればいい。「安い」と思うその商品の背景を考える。目の前のご飯を残さず食べる。自分の人生をちゃんと楽しむ。一人一人のそんな意識がきっと大切。“和”の意識。

・国連
http://www.millenniumcampaign.org/...
・GCAP
http://www.whiteband.org/
・イギリス
http://www.makepovertyhistory.org/
・アメリカ
http://www.one.org/

着物に関係ない話題でごめんなさい。
でも、私の中では完璧に繋がっているんだ。
説明するのは難しいけど。

2005.6.15 [水] ほっとけない

どしゃぶりな雨。
朝9時の連絡で、撮影が流れた。
ならば....と、
iPod shuffleを連れて、再び「片岡球子展」へ。
朝一番&雨だから、空いてると思ったのに、
既にポツポツとそれなりな人出。
ゆっくり音楽と共に眺めていたら、
どんどん人が増えてニギニギしてくる。
でも大丈夫。
美術館へiPodと一緒はなかなか良いじゃん。

午後は、桂花の太肉麺の禁断症状が出た為、
みなとみらいまで車を飛ばす。
ついでに買い物。
MASON'Sの麻パンツやG-STARの麻シャツ。
かわいいなと思って手に取ると好きなブランド....
という事が洋服の場合、多い。

ところで、簡単に説明するのは難しいけど、
応援してたくさんの人に広めたいキャンペーンがある。
「White Band Campaigns」
日本の場合は、「ほっとけない」....でいいのかな?

http://www.hottokenai.jp/...

いつも、心のどこかに、
地球のこの現実を気にかけておく。
それが大切かな....と、思う。

2005.6.13 [月] 梅の実

木登りして、梅の実の収穫。
裏庭の豊後梅と、表の庭の白梅。
今年は白梅の方がたくさんなった。
陽が差してきて、汗だく。

どっさり収穫したあと、
大きくて、きれいな実を選ぶ。
ぷくりん、ころりん、かわいい梅の実。

竹串でヘタを取って、
ひとつずつ優しく水洗い。
それを布巾で磨くように拭く。
きゅっ、きゅっ、きゅっ。
台所にも山からの涼しい風が吹く。
そんな時間が好き。

今年は、「あじゃ」という30度の黒糖焼酎と、
喜界島のザラメで仕込む。
一年待てば、美味しい梅酒。
もっと待てば、もっと美味しい梅酒になるんだ。
むふふ。これもまた、“待つ”楽しみ。

※写真は、
上:木登りして収穫中/中:梅の実/下:水洗いした梅の実。
まあるい籠は、またたびの木の繊維で編んだ「米研ぎざる」。
弾力があって丈夫だけど、材料も少なくなって希少になりつつある実用雑貨。
野菜を立てて水切り出来たり、便利なのになぁ。

2005.6.9 [木] 片岡球子

家から徒歩2分の神奈川県立近代美術館葉山で展示中の「片岡球子展」へ行ってきた。招待券もあるのだけれど、今週は葉山町民無料ご招待週間なのだ。「粋な計らいじゃぁないですかぃ!」と、またまた午後から仕事をサボってのこのこ出かけた。

http://www.moma.pref.kanagawa.jp/...

スゴかった!
ポップでアバンギャルドな色使いに圧倒される。
この人の脳は、眼球から入った光をどう変換してるの?
何を見てどう解釈して、絵として出力してるの?
絵から出ているパワーもスゴイ。
こんな女性がいらっしゃった事を知らずにいた。
いや、もしかしたら印刷物とはすれ違っていたかもしれない。
だけどやっぱり、絵はちゃんと実物と対峙しなければダメなんだね。

また、書き込まれた着物の文様にも見入ってしまう。
人物がまとう衣装は、それぞれ大変なこだわりを持って描かれている。
江戸小紋はちゃんと江戸小紋の様に精緻だ。

そして、一番スゴイのは、
今年、片岡球子は、満百歳で、現役の画家だって事だ。
私の今の年齢くらいから、目覚ましく活躍する片岡球子。
精力的に創作活動を重ねて、次々と作品を生み出す。
それを見ていたら、私だって枯れてなんかいられないな....と、創作意欲と元気をもらった。ガンバロウ。

招待券は誰かに譲るつもりだったけど、もう一度、あのパワーに圧倒されたいと思い、手元に残す。今度は雨の日の午前中に行ってみよう。

※写真は、
その日に着ていたいつもの普段着のまま、しかもビーサンのままで入館してしまい、作品や美術館や他のお客様に、ちょっとだけ申し訳ない気持ちになった。でも着替えるのもなんだかなぁ....というくらいご近所な美術館。下駄じゃかえってうるさいし。....難しい。

2005.6.6 [月] 西表の風と彩

撮影の予定が無くなったので、午後から仕事をサボって、鎌倉山のGallery招山へ行く。

「西表の風と彩」
石垣昭子(染織衣)+星公望(草民具)
2005年6月3日(金)〜12日(日)11:00〜17:00
■Gallery招山/鎌倉市鎌倉山2-22-33/tel.0467-32-1712

今日は、「Talk+」という事で、石垣昭子さん、星公望さんを囲んで、西表の自然や「地球交響曲第五番」のお話などをいろいろ伺う。
初めて伺ったGallery招山は、中に入ると鎌倉を一望するロケーションで、気持ちいい風が吹き抜ける。西表から吹いてきた風かもね。トンビが眼下を飛んでいた。
そんな心地良い会場で、西表島の自然や祭り、ガイア5番の事、人間と自然の関わり合い方、星さんの道具を作る手先など、生きる知恵がたっぷりつまったお話を聞く。文化人類学の先生がたくさん学生を連れてきたので若者も多い。この先生、人出が必要になる豊年祭の度に学生を送り込み、持ちつ持たれつな関係みたい。そのまま石垣さんの工房に居着いてしまって帰ってこない学生も居るそうだ。(笑)肉声が届く範囲の小さな集い。今日、ここに居る事ができて嬉しかった。
その後、ワインと軽食が振る舞われ、更に会場はアットホームな雰囲気となる。
葉山からは、真砂三千代さんが来ていた。石垣さんと真木千秋さんを含めた三人のコラボレーションである“真南風/maapai”は、洋服というよりは“衣”といった感じの衣服。布の力がそのまま衣になっている。ゆったりとした形は着物にも通じていて、着物好きにもいいかもしれない。力のある布たちが、素敵な“真南風”になっていた。

※着ていったのは、
・柿渋染めの夏紬。シャリ感のある絹。
・斉藤光司さんの館山唐桟(五十鈴縞)の昼夜帯。タックをとったお太鼓に。
・生成の絹半襟をかけた桃色の長襦袢。単衣。長着が透ける素材なので、長襦袢の色が影響して全体的にピンクトーンな着姿。
・薄紅色の平組みの帯締め。
・鳥の子色の絽縮緬の帯揚げ。
・ベージュの色足袋。
・畳表の草履。

2005.6.1 [水] ようこそ、真楽へ!

六月になりました。
そして、新しい真楽メンバーをお迎えします。
ほんの小さなキッカケから始まったKIMONO真楽。
それが、ネット上の空間に、
200人ものメンバーが集うサイトになりました。

“真楽”
自分も相手もその他の万人も、
ともにうるおう楽しみ。

そんな真楽的な心の持ちようが、
ここから広く世界に伝われば、素敵だなぁ....と思います。

2005.5.30 [月] 草と雨

昨日は、日曜日だけど裏庭の草刈り。
この時期は笹がすごい勢いで生い茂り、
鎌を片手にザクザク刈る。
ほぼ一日中作業して、やっと裏庭が終る。
45リットルのゴミ袋にぎゅうぎゅう詰めて4袋。
先週手入れしたはずの表の庭も、
もうあちこち雑草だらけ。
いくらやっても終らない草との戦い。
完敗です。
でも負けながらも
この草達と一緒に暮らす庭が好き。

今日は雨。
濡れた植物が美しい。

そう言えば、先日いただいたよろけ縞の着物。
木綿?と思ったけど、ウールだった。
雨に濡れた匂いで分かった。
そして昨日、
持ち主の写真を見せていただいた。
大変な美人!
明治40年生まれのかずえさん。
娘さんに代わって私が大切に着継ぎますね。
天国に向かってありがとう。

2005.5.25 [水] いただきもの

昨日は、
ひじきをいただきに行ったはずが、
なぜか着物までいただいてくる。

用事のついでにちょっと立ち寄るつもりだったのに、
「そう言えば母の着物がたくさんあるの」と、
箪笥の中を見せてくださる。
うわぁ、素敵なのが、こんなにたくさん眠ってる。
そして、私の時間が止まる。(笑)

持ち主は明治生まれの良家の奥様。
着物が好きでいつも着物を着ていらしたと言う。
私の知人であるその人の娘は、私の母と同世代で、
オシャレに洋服を着こなすモダンガール。
ゆえに、着物はほとんど着ない。
“母の形見”として持っていたそうだが、
「着てくれるなら是非!」と、ゆずっていただいた。
“持つ”目的ではなく、“着る”目的で選んだ六枚。
じゃんじゃん着させていただきます....と、
今日は、その中の一枚に袖を通した。
今は亡き人のナニカを受け継ぐ感覚。
それもまた、着物の魅力。

※写真は、
【上】いただいた着物達。
・かすれ麻の葉柄の綿紅梅か絹紅梅
・黒地に小紋の絹薄物(ポップで個性的!)
・グレー地に鳥柄の木綿の単衣
・紺地に色使いありの久留米絣、厚手木綿の単衣
・紺地の久留米絣、木綿の単衣
【下】今日の着物
・紺地によろけ縞の木綿(たぶん)の単衣

2005.5.21 [土] ・みちくさ・こみち・

人が気持ちよく歩けるこみちがどんどん少なくなっている。
法律では、日本中の道路は全部4mにしなくちゃイケナイらしい。
なんて、ナンセンスなルールなんだろう。
そして道は、車が走る為の道路になって、人も猫も車に注意しながら端っこを歩く事になる。
イヤダヨ、そんなの。
葉山には路地やこみちがたくさんあって、散歩が楽しい。
散歩が楽しい町は、イコール、路地やこみちが豊富な場所だ。
日本中のそんな場所を大切にしたいけど、まずは地元のこみちを守りたいと、関わっているNPOで本を制作中。「葉山のこみち」というみんなの思いが詰まった本。
ここんとこ、その本の地図に載せた色々なお店に掲載の許可をいただくべく、みんなで分担しながら挨拶回りをやっている。たくさんあるから結構たいへん。
で、今日は、弟宅の近所を回るので、スクーターを駐車させてもらいつつ、小学三年生の甥っ子も連れて一緒に出かける。奴は、この辺の顔だからね。(笑)しかも、さすがに子供はこみちのエキスパートで、お店回りもこみちをみちくさしながら歩いて回る。「ここは大きな蜂がいるんだ」とか、「この道は面白いけど行き止まりだよ」とか「ここは抜けられる」なんて教えてもらいつつ私も子供の目線になる。そう言えば、こどもの頃は、みちくさが楽しかったよなぁ。
今日はこの辺で切り上げようと帰る途中、甥っ子は釣り帰りの近所のおやじさんから「おぅ、サカナ持ってけや」と、声をかけられる。大きな鯖三尾と小さな鯛一尾。夕暮れ時にちょいと散歩して夕飯のネタをゲットするなんて、すごい奴!(笑)
いただいた魚は、我が家に持ち帰り、弟達も一緒に晩ご飯。鯖と鯛は塩焼きでぺろり。残った一尾はしめ鯖にした。
家からスーパーに車で直結....という暮らしでは、きっとこうはいかないよね。不便でもみちくさが楽しい暮らしがいい。

すれ違った人と自然に挨拶が交わせる細いこみち。
車が一台ぎりぎりだからスピードもそろそろなこみち。
子供が三輪車で遊べるこみち。
海岸線や山の等高線に沿った曲がりくねったこみち。
そしてもちろん、普段着着物の似合うこみち。
そんなこみちを守っていきたいなぁ。

2005.5.14 [土] 青空アート市

葉山芸術祭のファイナルイベントである「青空アート市」は、葉山らしい景観が最も残っているエリアにある森山神社の境内で行われる。櫛稲田姫が奉られた、なんと1200年もの歴史がある由緒正しい神社なのだけど、この日ばかりは、ラスタな若者やらハワイアンな家族連れやらバリダンサーやら近所のおじいちゃんやら着物娘やらが葉山内外から集まって、わいわいと盛り上がる。
KIMONO真楽も「ちくちく部」として二回目の参加。
手作りが好きな真楽メンバーが、一年かけてそれぞれのテイストで作り上げた作品を持ち寄り、小さなお店を出展するのだ。お店の設えやディスプレイ、そして運営も全部自分たちでやらなければならない。でもそんな手作り感覚が、大人の学園祭みたいでなんだかウキウキ楽しいのだ。
そして、そんな真楽ブースにもたくさんのお客様が立ち寄ってくださり、「真楽ファンなんです」とか「実はウェイティング中です」とか、素敵な出会いがたくさんあって嬉しかった。着物を着て訪れて下さった方もたくさん居て感激。いつも、モニターを通してつながり合ってる人達が、爽やかな葉山の青空の下で、一緒になって大声で笑ながら愉快な時間を共有する。やっぱりさ、暮らしの中に“お祭り”は必要だよね。

※着ていた着物は、
・長着は赤い袷の紬。
・麻の葉柄(茶&黒)の半襟をかけた麻の葉柄の長襦袢。
・茶色の久米島紬の半幅をカルタ結び。
・黒っぽい細目の帯締めをプラス。
・赤地の麻の葉柄の足袋。
・途中から陽射しが強くなったのでリリコさん作の帽子を買って被る。

写真提供:かおかおさん

2005.5.11 [水] ちくちく作品@アート市

いよいよ今年のアート市も迫ってきた。
ちょこちょこと空いた時間を使って作り貯めたちくちく作品。手を動かしながら、やっぱりこうした“何かを作る時間”が私は好きらしい....と、改めて思う。「買った方が安い」という言葉は大嫌い。愛着の持てる物を、最小単位で所有したいから、自分で作る事は理にかなってる。柔らか頭で発想した“再利用”も好き。好きな物を何度も修理して使うのも好き。何かを手に入れる時は、長く愛せるかどうかをじっくり考える。結果、愛着を持てる物だけに囲まれて暮らせる。手作りした物は、愛着が湧く。それだけで既にポイント高し。(笑)ちくちくの背景には、愛がある。
そんな事を考えながら、昨日の夜は、午前2時までかかって値札付けをした。大切にしてくれる人の元へ嫁いで欲しい。

※写真は、
上:風になびく桜柄の越中褌。桜の晒しはくにえさん提供。
下:値札を付けてパッケージングしたちくちく作品。
(ガーゼの帯枕入れ×3、真っ赤な帯枕入れ×3、越中褌×4、半襟×9)

2005.5.10 [火] 黄金週間

GWは、芸術祭三昧な一週間だった。
「葉山のこみちと別荘の写真展」は、延べ300人近くの方が足を運んでくださった。友達を連れて二度三度という方も多かった。会期途中、日経新聞に関連記事が掲載され、遠方からも大勢の方が訪れてくださった。景観や別荘の保存に対する意識の高まりを肌で感じる。たくさんの人と出会い、おしゃべりした。楽しかった。
他の企画展にもあちこち顔を出し、長者ケ崎の先の島をビーチクリーンしたり、葉山の濃い時間を満喫した一週間。住民主導でこれだけの事をやっちゃう葉山って、ほんとにユニークな場所だと思う。面白いなぁ。

休み明けの月曜日は、モーレツな集中力で仕事関係の雑用をこなす。
火曜日は、陶芸教室。
実は、ちくちく部で出展する14日のアート市には、陶芸教室の方のブースでも作品を出す。ブースは首尾よくお隣同士。(笑)
私は、小さめの作品「草かざり」をいくつかと、かやり等を出す。みんなでワイワイ言いながら、値段付けした。売るのが惜しくなって、自分用にいくつか抜く。(笑)

※写真は、アート市に出品する“草かざり”たち。その辺の草をひょいと飾れる様な大げさでない入れ物。真楽ブースのお隣「ちどり陶房」に並んでます。

2005.4.30 [土] いろいろるんるん!

今日はずっと留守だった相棒が半月ぶりに帰ってきた。
一緒の時間が長いから、ふたりが普通。
ひとりはなんだか落ち着かない。
近所の蕎麦屋で遅めの昼を一杯やりながら長っちり。
ゴキゲンな午後。

そして今、葉山は「葉山芸術祭」の真っ最中。
http://www.kanshin.jp/...
葉山にはユニークなアーティストがたくさん住んでいる。そんな人達が、自宅のアトリエを開放したり、こだわりカフェを開催したり、葉山のあちこちでいろんな事をやっている。なんともう13回目で、企画参加者は年々増えているそうだ。分かる分かる、やっちゃう方が楽しいもんね。
そんなわけで、今年は私もどんどん参加して積極的に楽しもうと目論んでいた。
5月14日の森山神社アート市には「KIMONO真楽ちくちく部」として二回目の参加。こちらのちくちく作業も佳境に入っておりますヨ。引き続き、ちくちくちく。
それからもう一つ。
私もメンバーになっている「葉山環境文化デザイン集団」主催の“葉山のこみちと別荘の写真展”が今日から開催。これまではシンポジウムっぽい真面目な展示だったけれど、今年は葉山っぽく&芸術祭っぽく、ちょいとユル目にのほほんと。昭和初期に建った旧中西別荘のアンティークな雰囲気をそのまま残し、写真は葉山の若布の様にピンチで吊るした。のんびりとした葉山時間が流れる空間に写真が揺れる。うふふ、いい感じ。カフェ&バールも併設したので、お時間の許す限りごゆるりと。5月8日までやってますので、葉山好き・こみち好き・建物好きな皆様はどうぞいらっしゃってくださいませ。ちなみに私の担当は、5月1日・2日・5日なので、着物ビトを見かけたら声をかけてくださいね。

●アート市/ちくちく部
http://www.kanshin.jp/...
●葉山のこみちと別荘の写真展
http://www.kanshin.jp/...

そそそ。もうすぐ「葉山のこみち」と「葉山の別荘」の本が出版されます。こみちの方は、私の写真も何点か入っているんだ。本を作るのってとても楽しい。真楽三周年小冊子もどんな本になるのか、今からわくわく。

2005.4.24 [日] 三ケ岡山

葉山は、新緑が眩しい今の季節が一番いいと思う。
我が家のすぐ裏に迫る三ケ岡山は、県立公園になっていて、
山歩き用のコースがあり、自由にハイキングが出来る。
天気もいいので、
いつもの様にカメラを持って、ゆっくり散歩する事にした。

お山は、新緑に萌えていた。
柔らかな緑色。
こうゆう様を“萌える”って言うんだ。
素敵な言葉なのに、最近はヲタク用語になって可哀想だ。

キラキラ輝く若い緑に囲まれて、
植物のパワーをいっぱい吸収した。
ここは、あんまり人と会わないので自然を一人で満喫出来る。
五感の全部を使って“今”を感じていたい。
気持ちいい日曜日だった。

2005.4.23 [土] 心の平和

葉山に越してきてからは、ほぼ着物で暮らしている。
でも、この一週間は着物を着る気分になれなかった。
心がざわざわと波うって余裕が無かった。
だから。
着物を着るには、心が平らじゃないとダメみたいだ。
心が平和であること。
相棒の健康も、世界の情勢も。
アジア的なゆったりと緩やかな時間の中で、
布をまとう暮らしがしたい。

心配事が無くなって、今日はやっと着物を着る気になった。
気持ちをリフレッシュしたくて、
薄手の伊勢木綿をおろして着た。
季節にも気分にもぴったりだった。
これからもずっと、
穏やかな気持ちで着物をまとえる毎日であります様に。


※写真は、
・伊勢木綿の長着。随分前に伝統工芸祭りで湯のし済み一万円で買った反物。ミシン併用で自分で仕立てるつもりで何年もそのままだったが、今年の初めにご近所着物仲間のかおかおさんが仕立ててくれるというのでありがたくお願いした。単衣でバチ衿。薄くて軽いので今くらいの季節にはちょうどいい。ありがとう!>かおかおさん。
・絹竹素材の長襦袢に木綿の保多織半襟
・木綿の半幅帯

2005.4.19 [火] 四日前

4月15日金曜日。
明け方から、長い長い夜まで。
とてもこわかった。

たくさんの約束をすっぽかしました。
ごめんなさい。

2005.4.10 [日] 建築と布

招待券をいただいたので、汐留ミュージアムで開催されている「文化遺産としてのモダニズム建築 DOCOMOMO100選展」へ行ってみる。100選の中には、同潤会アパートや明日館など納得出来る物もあれば、「え?」と思う物もあった。いずれにしても、建築というのはなんとなく男の世界だなぁ....と思った。
http://www.masslogue.com/...

銀座へ移動して、矢谷さんの個展。
http://www.kanshin.jp/...

写真は、“草守り”という布。
伊豆や葉山の、ニンゲンの管理が及ばない野や山で育った草たち。
地球の上でのびのびと育った命。
そんな息吹を感じる小さな布を生み出す矢谷さん。
イキル元気をくれる布。
嬉しい。

糸績みや機織りや裁縫など。布の世界はなんとなく女の世界なのかもしれないなぁ....と思った。

2005.4.9 [土] 今年は青!

葉山芸術祭のオープニングパーティ。
去年も「KIMONO真楽ちくちく部」として参加した葉山芸術祭に、今年もエントリー。GWをはさんだ一ヶ月間程、葉山の町は芸術祭のマークのバナーがあちこちで見られ、アーティストの自宅にお邪魔できちゃったり、誰かのお家がカフェになったり、にぎやかに盛り上がる。
今日は刷り上がったパンフレット等の配布も兼ねて、参加するメンバーや芸術祭ファンが100人ほど集まってオープニングパーティーだった。
集まった面々は、とてもユニークな人ばかりで、それぞれ面白そうな企画であれもこれもと参加したくなる。この期間、私は葉山から出られないゾ。(笑)
真楽ちくちく部は、5月14日のアート市にちくちく部の有志がそれぞれ創ったちくちく作品を一つのブースで出展する。今度で二回目なのに、既になんだか知名度が高いちくちく部。やっぱり去年、みんなで着物を着て集まったし、玉すだれもやっちゃったし、インパクトが強かったみたい。(笑)
葉山のユニークなアーティスト達に負けてないゾ!>ちくちく部。
そんなわけで、これからはどんどんそわそわニギニギする葉山。
さぁ、私も頑張ってちくちくしよう!

芸術祭の今年のテーマカラーは青!
なので、着て行った着物も青ベースで葉山っぽく。
・亡き祖母のお下がりの長着はお召しや本塩沢の様な強いしぼがある。素材は不明。けっこう大胆でモダンな柄。やるなぁ、おばあちゃん。
・帯は桃ノ木やで買った八寸。色々な着物に相性がいい出番の多い帯。
・水色の絞りの帯揚げ
・紺色の冠の帯締め
※裄が短いので久々に嘘つき。水色の付け袖をマジックテープが止まるギリギリにしてやっと。襟無し半襦袢なので、これまた久々にクリーム色の美容衿を重ねるが、繰越が違うのかいくら頑張って調整しても美容衿に着物がきちんと添わない。ナイロン紐がたくさんぐるぐるするし、着付けにもえらく時間がかかった。やっぱり、私はちゃんとした長襦袢の方がいいな。もしくは、筒袖のまま半襟をかけられる半襦袢で、裄の短い着物に対処しよう。正直者に嘘つきは合わないのだ。(笑)

●第13回葉山芸術祭
http://www.kanshin.jp/...

●ちくちく部KW
http://www.kanshin.jp/...

2005.4.8 [金] 津田さんの布

朝から葉山で撮影。
お山はぽわぽわと部分的にピンク色。
気持ちいいなぁ。

夜、3月28日に心を鷲掴みにされた津田さんの布が届く。
津田さんは、石垣島で蚕を育て、糸にして、草木で染めて、機で手織りして布にする。一貫した手作業。個展の会場でこの布を見た時、糸の美しさに吸い寄せられた。品のいい艶とオーラを持つ小さな布。その場で「半襟に使ってみたい」と強く思った。
宝石のように布を纏う。
そんなとっておきの半襟があってもきっといい。
嬉しいなぁ。

メールを出したら返事があった。

***
宝石というたとえはぴったりです。
蚕の命と、蚕が食べた島桑の精気
そして真夏の藍の生葉
石垣島の幸がたくさん詰まった小さな布
素材がすばらしく、ちょっと宝石っぽい感じがします。
***

メールには、織っている時から「半襟にしてくれる人いないかな〜」と思っていたと書いてあった。言葉にしなくても、きっとその思いが布に織り込まれていたんでしょうね。そして、私に伝わった。不思議で素敵な布のメッセージ。

石垣島は、梅雨を思わせる暑い毎日だそうです。
島の自然を“布”という形ある物にする。
それが津田さんの仕事なんだと布に触れて理解しました。

2005.4.1 [金] NEW

新しい季節に
新しい気持ちを込めて
トップに画像を入れてみた。
季節の窓。

※写真は大島桜

2005.3.28 [月] 雨の銀座

東京に出て色々。
まずは、銀行関係の処理を新橋で済ませ、「銀座たくみ」へ寄る。
のれんの生地を探しているのだけれど、今日も出会いは無く。

ずるっと横移動して、小松屋へ。
下駄の修理の相談とかかと修理。
いくらプロでも欠けた下駄は元に戻せない。(泣)

いただいたチケットで最終日の「池田重子展」。
相変わらず、すごいコレクション。
今回は特に帯留がこれでもかという程の展示。
やっぱりどうも私は、着物の“布”や“糸”が好きらしい。
帯留はさらっと流す。

展示を見て、そのまま「日本のおしゃれ展」。
お目当ては黒田商店さん。
都会で履けるシャープな下駄が欲しかった。
欲しいイメージはあったので、相談してさほど迷わず決定。
きっぱりと潔く。
葉山には似合わないからお出かけ専用の“下駄”。(笑)

雨は相変わらずけっこう降っている。
今日は洋服。
バッシューに押し込んだ足が窮屈で痛い。
鼻緒でひっかけるだけの履物に慣れた足には、
布製の靴でもなんだか辛い。

伊東屋でサクッと買い物を済ませ、
行った事の無かった「アンティークモール銀座」へ。
時間が無かったのでそれぞれのお店を軽く見て回る。
銀座の端っこにこんな場所が出来てたのね....と、今更。

最後に、Ecru+HMで今日からの
「津田明子展-島の暮らし・日々の布-」へ。
http://www.ecruplushm.com/...
心を鷲掴みにする小さな布を見つける。
石垣の糸をベースに赤城の糸、三年寝かせた藍染めの糸、
繭の色そのままの糸。糸がきれいな布なんだなぁ。
さりげないけど、顔の近くにあると素敵だろうなぁ。
半襟に使ってみたい....と話したら、とても喜んでくださった。
小さな布には、石垣の自然や津田さんの思いなどが織り込まれ、
私はそのきれいな布を身につけられる幸せに感謝する。

今日、思ったこと。
時間の使い方・お金の使い方、そこに個性が現れるのかも。

2005.3.21 [月] 100年前のお雛さま

写真のお雛さまは、新年会で集った「音羽楼」に飾られていた約100年前の物。
この別荘の創建者である玉塚家に伝わる由緒正しいお雛さまだ。
とても高貴で、上品なのだけれど優しそうな顔立ちに、うっとりと見とれてしまう。
大切に保管されてきた為、保存状態が大変良く、すべての素材が“本物”である。
絹地の着物地、髪飾りの珊瑚、蒔絵の金、ミニチュア琴は象牙、簪の銀細工、べっ甲....などなどは、じっくりと細かな観察をすればするほど“本物”の力を感じた。

今日は、このお雛さまを片づけにいらっしゃった持ち主にお目にかかった。
この別荘の創建者の娘さんである目の前の女性は、まるでこのお雛さまの様に美しく上品な方だった。子供の頃のここでの暮らしをいろいろ伺う。兄弟姉妹にはそれぞれにお付きの人が居て、夏の別荘暮らしは、生活道具一式を運び込み、「日帰りなんてとんでもない」という人と物の大移動だったそうだ。いわゆる“別荘族”と言われた上流階級の暮らしぶりを聞きながら、品格というのは持って生まれた血筋だなぁ....などとぼんやり考える。
着物の事にも話が及ぶ。
昔は、身分によって着る着物は違った。女中は綿や紬の絣だし、粋筋の人はそれっぽい衣装として、良家の子女は伝統柄の柔らか物。立場によって着る物が決まっていたし「それが当たり前」だと思っていたと言う。
今は、どんな着物だって自由に着る事が出来る。着ているものから身分を推測される事もない。それだけ、女性の生き方が多様になったのだろうと思う。反面、今は一人の女性が「奥様」も「女中」も「職業婦人」も全部やらなければならないわけだ。
自由と不自由。

お雛さまは、優雅で高貴だけれど不自由な気もする。
いや、不自由だからこそ、何かに守られて、優雅で高貴な雰囲気を醸し出せるのか。
お雛さまと、お雛さまの様な女性に会って、そんな事を考えた。

2005.3.13 [日] 布と語る

日曜日の午前中、お風呂場で木綿の着物を洗う。
この館山唐桟は一衣舎さんの洗える仕様の仕立てだから、安心して洗える。
金たらいに粉石鹸を少し溶かし、そこへざぶぶぶぶんと畳んだ着物を沈め、糸と布が充分に水分を吸収するのを待つ。水から引き上げてまた入れて優しく押し洗い。何度も。糸と糸の隙間から砂やほこりが石鹸水と一緒に吐き出される。繊維の隙間を水がいったりきたりする。布が「あぁぁ、気ぃ持ちいぃいぃぃぃ!」と喜んでいる....気がする。衿と袖口と裾は、柔らかいボディブラシで優しく洗う。「あっ、そこそこ」と布が言う....気がする。(笑)水を取り替えながら押し洗いしつつ濯ぐ。何度も。
春とは言え、足の裏のタイルが冷たい。もちろん水も。

こんな風に手洗いはなかなか大変な作業だ。
真冬はちょっとやりたくない。
でも、糸や布と語り合いながら丁寧に洗う作業は、とっても好きだ。自分が纏う布はなるべく自分で洗いたいと思う。布と語り合いたいと思う。
洗濯機は便利だ。でも、きっと、こうした布との語り合いは出来ない。機械に洗ってもらうわけだもの。なんだか便利だけど、ちょっと寂しい。とは言え、軽い脱水は洗濯機任せ。ココはお任せ。

裏庭に干す。パンパンと叩いて形を整えながら、風をいっぱい孕んで、水分が大気の中へ逃げていく。庭の梅でめじろが遊ぶ。とんびはくるりと輪を描く。

夕方には、ふうわりと糸が蘇り、さっぱりとした布。
キモチイイ日曜日。

2005.3.10 [木] 別荘ツアー

地元のボランティア活動で、ご近所ガイドさんの日。
http://www.kanshin.jp/...

ここのところ忙しかったので、お引き受けできず、今日はかなり久しぶり。
元職場仲間という9名の女性グループを二人のガイドでご案内した。
このツアーの一番の活動目的は、葉山の別荘や景観の保存と町づくりの為....なのだけれど、私自身もかなり楽しくガイドさんをやらせてもらっている。初めてお目にかかる色々な方と半日お付き合いするわけで、それがとても新鮮だし学ぶ事が多いと感じる。今までは、あうんの呼吸で分かりあえるスタッフや、初対面でもその道のプロなど、いわゆる業界用語が通じ合う人達との仕事が基本だった。もしくは、もくもくと一人で作業する仕事。だから、ガイドの様な不特定多数の様々なジャンルの人と、利害関係無くお話するのは面白い。しかも、自分の住んでいる近所の自慢話が出来るわけだし。(笑)
今日も、一色の浜を案内してたら、天然若布を収穫し終えた漁師さんに出会い、その場で採ってきたばかりの若布を分けてもらう。私が「若布のしゃぶしゃぶが美味しいんですよ。」と自慢するものだから、皆さん遠くからいらっしゃった方も、1kgづつの若布をビニール袋に入れてもらってお持ち帰り....と相成った。帰りの横須賀線、車内が磯臭かったかもしれないな。(笑)
こうした活動も、やっぱり自分が楽んでやらないと続かないと思う。
抱えていた仕事も片づき始めたので、またぼちぼちガイドさん業も復活な兆し。

※着ていたのは、
・館山唐桟の長着/斉藤さんの無地
・絹竹素材の長襦袢/一衣舎
・館山唐桟五十鈴縞と唐草模様更紗の昼夜帯を唐草を表にしてお太鼓
・青白コンビの細目の帯締め
・卵色の縮緬帯揚げ

2005.3.9 [水] 豊後梅

裏庭の梅が一気に咲き始めた。
お隣さんに教えていただいたのだけれど、
この梅は、どうやら「豊後梅」という種の様だ。
果樹として栽培される梅の変種らしい。
調べたら、
直径5センチ程の大きな梅の実がなる....と、
どこかのサイトに書いてあったが、
確かにこの梅も大きな実がたくさんつく。
遅咲きで、ほんのりピンク色。
青空と三ケ岡山の稜線とふうわり咲いた豊後梅。
一日づつ暖かくなり、命がイキイキと元気づく。

なんとなくウールな気分ではなくて、
古着の絹物を身に纏う。
昼間はコートもマフラーも、もぅいらない。

2005.2.28 [月] 白金

御存知の方も多いと思うけれど、
東京都庭園美術館は、その昔、白金プリンスホテルだった。

私がまだケツの青い若造だった頃、
白金プリンスホテルや麻布プリンスホテルは、
ちょっと年上のお兄様やお姉様に連れられて行く大人の遊び場だった。
パーティーも普通にやらせてくれてカッコイイ場所だった。
その頃、私の周りに居た大人たち。
今にして思えば、私は彼らに「大人」を教わった。
ファッションも思想も悪い遊びも。
今はもう無くなったらしいけど、
白金プリンスのマーブルプールは、穴場で空いててよく行ったな。

そんな胸がキュンとなる青春の場所で、真楽三周年。
私は誰かのお手本になるような大人になれているのかな?

※写真は、2001年の白金の森

2005.2.24 [木] インフルエンザ

流行に敏感なので、かかってしまいました。(T_T)
B型。外出禁止令が発令!
おとなしく寝ています。ぐー。

2005.2.22 [火] 庭の梅

遅咲きな我が家の庭の梅。
少しづつ咲き始めた。
裏の梅はまだ。
でも、蕾がぷくぷくしてる。
一日づつ、暖かくなって、
春、嬉し。

2005.2.20 [日] 蕗の薹

昨日のシンポジウムの流れで、今日は葉山の景観ツアー。
私は、宮城道雄(筝曲演奏家)別邸の雨戸係だ。全部を開けるのに、早くても30分。閉めるのは木製の鍵が固いので、もっと大変。昔の人は、毎日これをやっていたんだもんなぁ。

帰りがけ、庭に蕗の薹が顔を出していた。思わず「あ、蕗の薹!」と言ったら、その場にいた皆さんが私の為に摘んでくださる。ちょっとまだ小さくて可哀想。「でももぅ、このまま門を閉めちゃいますから」とおっしゃるので、たくさんいただいて帰る。
実は、近所にある秘密の蕗の薹の空き地が、分譲されて先日工事が始まり、もう蕗の薹が採れなくなった。日当たりのいい斜面に、たぁ〜くさんいくらでも採れたのに、残念。
こんな風に、葉山もどんどん開発されて、大切な場所が少なくなる。
そんな気分のせいか、宮城邸の蕗の薹は、ちょっと気持ちがキュンとなる苦味があった。早春の味。

※写真は、
・秘密の蕗の薹の空き地/2004年2月15日
・宮城邸から持ち帰った蕗の薹

2005.2.19 [土] シンポジウム

地元で関わっているNPO「葉山環境文化デザイン集団」が事務局となって準備していたシンポジウムが葉山で開催された。

●第3回湘南邸宅文化ネットワーク協議会シンポジウム
http://www.kanshin.jp/...

朝、起きたら三ケ岡山が雪で白い。うわぁ、こんな天気じゃ人も集まらないかなぁ?と心配しながら、9時集合の現地へ。今回のテーマは「葉山」なので、ホストとして私達が事務局として色々動かなければならない。が、こうしたイベントに関してはみんな素人なので動きが鈍い。つい見かねていつの間にかなんとなく仕切っている私。いかんなぁ。(笑)

私はずっと裏方で忙しかったので、シンポジウム自体は聴講出来なかった。途中、ちょっとだけのぞいてみたが、とても興味深い話が展開されていた。湘南の各地域、それぞれみなさん頑張って活動なさっている。客席の参加者もすごく熱心に聴いていた。どんどん乱開発されて、あっという間に景観が変わる最近の状況に、みんなが危機感を持っているんだと思う。壊したら、それでおしまい。後から悔やんだって取り返しがつかないんだ。

場所を大会議室に移動して、ポスターセッションと交流会。ここでは、一方通行の講義ではなく、パーティー形式で参加者それぞれが語り合えた。今回は、湘南地域だけの集まりだけど、こんな会合が全国レベルであるともっと有意義だろうなぁ。広い視野を持ちつつ、地に足を着けて地元の“いいトコロ”を地道に守っていければいいな。

....というのは、表向きなコメント。本心は、普段着着物の似合う今の葉山の景観をこれ以上壊したくない!っていう気持ちからの行動だ。(笑)曲がりくねった佐島石の路地や生け垣、お屋敷の中の大木、菖蒲が咲き乱れる行き止まりの沼。そうゆうなんでもない普通の昔ながらの景観を大切にしたい。いつまでも、浦野さんの柿帯が似合う町並みを守っていきたい。
日本らしい景観が、映画の中だけの特殊な世界になってしまったら、あまりにも悲し過ぎる。

※そんなわけなので、当然着物。
・ラオス布の長着
・鴬茶色の長襦袢
・キリリとしたかったので白の塩瀬の半襟
・沖縄/読谷座花織の紺地の名古屋帯
・パッキリと真黄色な帯揚げ
・苔色の冠の帯締め
・黒の保多織り(裏ネル)の足袋
・裏がゴム張りの桐下駄

★当日の様子が翌日の朝日新聞/湘南欄と神奈川新聞に。
http://www.kanalog.jp/...

写真は、
・雪景色の三ケ岡山
・会場の準備風景、開場前
・当日の着物

2005.2.11 [金] ワカメオーナー

今シーズン、ワカメのオーナーになってみた。
http://www.kanshin.jp/...

* * * * *
11月に種付け作業。

アタシの若布が、ソコで育ってる....って、
すげ〜幸せな感じ。

鼻水ちょちょりながら、サブ〜イ海岸線を
スクーピーで走る。
カキーンとした冬の海。
そんな海面の下で、若布が揺らいでる。
すくすく育ってる。
冬がちゃんと寒くないと育たない。

そして、今日、収穫。

で、初めて食べた「若布のしゃぶしゃぶ」。
こんな美味しい食べ方があったなんて、びっくり仰天。
お湯の中に放つと劇的な色変化。
しゃぶしゃぶしながら、ポン酢や胡麻ダレで食べる。
シャキシャキの歯ごたえ。

冬の海の恵み。

※写真は、
上:船を出して森戸の沖から見学。白い浮きが若布棚の印。
中:種付けしたロープ。これを若布棚へ。
下:収穫した若布を浜で茹でる。これが普通の生ワカメ。

2005.2.9 [水] 旧暦

明けましておめでとうございます。

私ももっと暮らしの中に、
旧暦が復活すればいいのに....と思っています。

2005.2.6 [日] 悉皆

新年会で着た二人分の晴着を洗いに出すべく、実家経由で戸越銀座へ。
晴着は長くしまい込む事が多いので、少なくとも衿や袖口の汚れを落としてもらい、必要なら丸洗いをお願いする。勿論、シミもチェック。職人さんの目は小さなシミも見逃さない。
実は今までは、晴着を着た後始末は、母に全部やってもらっていた。母が懇意にしているその悉皆屋さんも私は直接お目にかかった事もなく、とは言え「いつか連れていってね」と前から言っていた。私だって自立しなくちゃ。(笑)
さて、お店は細い路地を入った先にあった。看板には「染物店」とあり、本来はそちらが本業と行ってみて初めて知る。昭和の雰囲気を残す玄関先で、着物を広げ、自分で見つけたシミの説明をする。奥様が接客して、母と同じ歳のご主人が作業してくれる。私は、以前、赤ワインをぶちまけた紬の訪問着を魔法の様にきれいにしてもらった事がある。お礼を言ったら、その着物の事は覚えていてくださった。なんだか会いたかった魔法使いに会えたみたいで嬉しい。これからは母任せにしてた着物まわりの事も少しづつ自分でやろうと思っている。四十も半ばになって「当たり前」だよね。無理せずぼちぼち自立します。

着ていたのは、
格子柄の西陣ウールにみんさーの名古屋帯。
以前さんごちゃんがこんな風にお太鼓にタックとってたのを真似っこしてやってみた。
これって名前があるんでしょうかね?
別珍の足袋だとドライビングシューズに足が入らない。
しょうがないので、運転中は裸足にシューズ。

2005.2.3 [木] 未来の為の今

実はインドネシアに里子がいる。
とは言っても、優秀なのに経済的理由で学校を続けられない子供に、学費支援をする“教育里子”で、1990年からこんな私だけれど里親をやっている。去年まで受け持っていた子は、中学三年の時から大学に上がる年まで担当した。手紙には医者を目指していると書いてあった。今年度その子は「奨学金申請しなくても大丈夫になった」と言うレポートをもらい、今はまた新しい中学三年生を受け持っている。彼女で七人目になる。
里子と里親の縁組みをしてくれるのは、C.P.I.教育文化交流推進委員会という今はNPO法人になった組織。私は、たまたま目にした新聞記事でその活動を知った。ちょうど煙草をやめて半年位の頃で、一ヶ月分の煙草代で一人の子供が学校に通える事を知り、浮いた煙草代を有効に使おうと里親になる事にしたのだ。
そして、今日そのC.P.I.から「至急」の封書が届いた。津波被災里子家庭救済募金の知らせだった。実は、このC.P.I.は、インドネシアとスリランカの子供を対象に縁組みをしている。そう、まさに今回の津波被害の激しい地域だ。インドネシアは里子の在住区域がジャワ島のみなので直接的な罹災報告はなかったらしいが、スリランカは大変な被害が出た。ゴールのバス停で被災し亡くなった里子もいる。C.P.I.では罹災した里子家庭の被害状況を調査し、現地理事会と協議して被害別救済目標を立てた。募金目標は250万円。報告書には状況と対象者が表になっているが、それでもギリギリだろうと思う。スリランカでは、もうすぐとても大切なO/L試験、A/L試験がある。逆境にめげず前進しようとしている彼らに、少しでも力を貸したいと思う。
もし、ご賛同いただけるならば。

<罹災里子家庭への救済募金の依頼>
郵政公社:
口座名/C.P.I.教育文化交流推進委員会
口座No./00180-9-405237
※通信欄に下記の通り明記してください。
1.津波救済募金
2.ご氏名・ご住所
3.里親No.2337より聞いて

私が着物を自発的に着るようになったキッカケは、アジアを旅して、それぞれの民族がそれぞれの民族衣装をとてもオシャレに着こなしている事に触発されたからです。じゃあ、私は着物を着よう....と思いました。里子に自己紹介の手紙を送る時は、必ず着物姿の写真を選びます。違う文化を知る事で、お互いが大切な自分の文化に気づくのだと思います。

■ITや広報は得意でない組織なので津波に関する情報はありませんが....。
http://www.cpi-mate.gr.jp/

2005.1.29 [土] 新年会

今年も葉山で新年会。
遠くは四国や京都からも集まってくださった。
嬉しいなぁ。
昭和初期に建てられた別荘建築そのままを活かした音羽楼。
ほんとうに着物姿の映えるロケーションだ。
そこに集う50人の着物好き達。
ネットで繋がる着物仲間が、リアルワールドで集う。
会えて嬉しい人ばかりだから、とにかく楽しい。
みんなすごくいい顔して笑ってる。
たくさんの笑顔に囲まれて、私もどんどん幸せな気持ちになる。

晴着を纏って、新年を寿ぐ。
なんて気持ちがいいんでしょう。
2005年は、平和で明るい一年でありますように....。

そして、ハレとケのある暮らしを大切に過ごしたい。
今日は素敵なハレの一日だった。
皆様、素晴らしい時間を、どうもありがとうございました。

※写真は、
大々的にバージョンアップした玉すだれ。今年はお囃子お歯黒付き!
....と、ykkさんが撮っていてくださった玉すだれ撮影中の私。

着ていったのは、
黒地の訪問着。留袖風。金糸で刺繍の一つ紋。
伊達襟と比翼などは同じ卵色に別染めして仕立てた。
黒地の袋帯や帯揚げ、帯締めなど全て一緒に揃えたセットそのまま。
ピンク色の長襦袢に白い塩瀬の半襟。白足袋。
シルバーっぽい台の草履は新品だけど母のお下がり。

2005.1.15 [土] 雨のどんど焼き

朝から冷たい雨が降っている。
今日は浜でどんど焼きの日。
やってるかなぁ?と思いながら浜へ出ると、
大きな炎と集まる町の人達が見えた。
温かい珈琲と福餅やお菓子をいただき、
炎の中へ去年のお札などを投げ入れる。
そのまま手をかざす。
暖かいなぁ。
顔がポッポとしてきた。
今度はお尻を向けて背中側を火にあてる。
はぁ、暖かい。
体のオモテ・ウラ・オモテ・ウラ....と、
交互に炎にあたりながら、
近所の人達とたわいないおしゃべり。
ものすごく寒いんだけど、
火の周りだけは暖かい。
そこに人が集い、食べ物を分かち合う。
それは火の持つ根源的なチカラだと思う。
原始時代から続いてきた、
ありがたくて幸せなニンゲンの営み。
こんな小さな幸せを私は大切にしたい。
セントラルヒーティングの部屋を飛び出して
三回目の冬。
火が身近にある暮らしは、心がぬくい。

その後、
新しいお札を求めにバスで森戸神社へ行く。
と、あいにくの雨の中、結婚式だった。
参列は私の前を通り過ぎて本殿へ消えた。
さて、お札。
でも作務所には誰も居ない。
宮司さんは結婚式が終るまで戻らないらしい。
20分程だと言うので待つ事にする。
どこの誰かは知らないけれど、
「お幸せにね。」とお祈りし、
作務所に戻った宮司さんからお札を受け取り、
再びバスに乗って帰宅した。

着ていた着物が、燻されて煙り臭い。
でも嫌いじゃないんだ。
冬の匂い。

2005.1.10 [月] 成人式

ん〜っ、 海をバックに振り袖。
葉山らしくてカッコイイぞ。

11月に振り袖選びを手伝ったWちゃんの成人式。
着付けも....って事で助っ人を引き受けたものの....
振り袖の他装なんて出来ないので、
むりやり「ご近所だし」とみにさんまで引っ張り込み、
もちろんヘアメイクは義妹の担当で、
とにかく“よってたかってシスターズ”となり、
朝も早よから我が家でお支度。
式前に海まで出て撮影。
お肌つるつる美人、スレンダーボディなWちゃんは、
大胆な大柄の振り袖をなんなく個性的に着こなした。
帯はスレンダーボディを生かしてだらり文庫に。
結い上げた髪には、生花をあしらい、
「ちょっとラスタっぽく着たい」という本人の意向通り、
大胆でカッコイイ振り袖姿と相成った。

日本中の二十歳な皆さん、オメデトー!
大人は大変だけど楽しいゾ。
輝く未来にカンパイ。

2005.1.7 [金] ただいま & 謹賀新年

先程、インドネシアのバリ島から葉山に帰り着きました。
スマトラ沖地震では発生当時にたくさんの方々にご心配をおかけした様で申し訳ありませんでした。バリ島では揺れも被害も全く無く、翌日に弟からの連絡で地震があった事を知った次第です。電話もテレビも新聞も無い生活だった為、その後の被害状況もポツリポツリと届く程度で、帰国した今もまだ動画のニュース映像は何も見ていません。津波警報も被災レポートも全ては“情報”なわけですが、今回の事は、いろんな意味での「情報格差」について考えてしまいました。“情報の津波”は、確実にバリよりも日本の方が早く大きく詳しく到達しています。地球規模での「情報格差」は、メリットもデメリットもひっくるめてこれから先の未来を左右する様な気がします。情報に閉ざされた隠遁生活をしながら、そんな事を考えた2005年のお正月でした。

というわけで、真っ黒に日焼けして元気です。
あけましておめでとうございます。
今年も、どうぞよろしくお願いします。

※写真は、
2004.12.26/09:33am(現地時間)に撮影した蓮の花

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