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えりりんの空間
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2004.12.21 [火] unplugged vacation

明日から南下して休暇に入ります。
行き先は、いつもの通りバリ。
同じ宿、同じスタッフが「お帰りなさい」と迎えてくれて、いつもバリで会う友達たちがたくさん集っている場所です。既に「旅」では無くて、「里帰り」の様な感覚。まぁ、ゆっくり休むにはベストな環境と言えるでしょう。
いろんなプラグを引っこ抜いて、ボケーっとするのが目的です。

お正月明けに戻ってきます。


※写真は昔の物。宿から見る夕陽@ポンゴセカン

2004.12.18 [土] 洋輔ライブ

朝、さっそくラオス布の着物に袖を通す。
ふっくらと厚手の生地は、
おはしょり部分が少しダブつく。
でも、厚手の割には思ったほど重くない。
そして、空気をたっぷり布に含んでいるのだろうか、
着ていてとても暖かい。
これは、これからの寒い季節にありがたい一枚。
袖の部分と居敷当の絹地が、
きちんとするする滑りを良くしてくれる為、
動いた時のもたつきはほとんど感じない。
すごいなぁ。
仕立ての“仕事”を感じる。

夕方、帯を久米島紬に締め直してお出かけ。
帯を替えるとモダンな感じにガラリと変わった。
今日は、近所の珈琲屋さんで山下洋輔のライブがあるのだ。
キャパ80人の小さなスペース。
“すぐそこ”で、鍵盤の上を指が踊る。肘が叩く。
葉山では、こうした大人のお楽しみがこっそりたくさんある。
ジャズの音が、ラオスの布にも染み込む夜。

2004.12.17 [金] ラオス布

一衣舎さんからラオス布の着物が届く。

「ラオス綿絹泥藍染 袖布総居敷当付」

これも普段着にしようとバチ衿でお願いしていたが、
布巾の都合で布が取れず、広バチという仕立て。
なんだか布のヤリクリでご迷惑をかけてしまったか。

手元に届いて改めて眺めてみても、
このラオスからやってきた布はじつに面白い質感だ。
ざっくりしていてラフな感じ。
そして、そんなユニークな布も、
一衣舎さんの的確な仕事で、
見事に“着物”に仕立て上がっている。

じゃんじゃん着て、洗って、
布の質感がどんな風に変化するのか、
そんな経過も楽しみたい。

2004.12.12 [日] 普段着考察

“葉山空間”の忘年会オフ。真楽ちくちく部として参加した今年の芸術祭アート市で、雨の為に急遽会場となった古い日本家屋が、オシャレな中華レストランに生まれ変わったのだ。会場は、その「和楽/かずら」。天井を取っ払い、柱や梁を生かした内装は、なかなか素敵。オープンしたばかりだけど、出てくる料理があれこれ美味しくて、今、葉山で最も話題となっているお店なのだ。
そんなわけで、新調した普段着用の長着と長襦袢をおろす。長着は、先日届いた弓月京店の格子柄の手織りウール。普段着仕様なので、バチ衿。後ろ身ごろに腰から裾まで居敷当。長襦袢は、初めて居内商店で買い物してみたトランプ柄のモスリン。先シーズンにポチっとしたのだけれど、グリーン版はイロイロあって届いた時はモスリンの季節ではなかった。ま、季節は巡るから問題なし。また、さすがに、「プリント〜!!」って感じの生地なのだけど、普段着だし暖かいし、まぁこれはこれでざぶざぶ着ればいいと思う。そして、My袖丈一尺4寸の為、プレタのLサイズなこの長襦袢だと、袖丈が足りない。安定させる為、両袖に五円玉を仕込む。衿も普段着仕様だから三河芯もナシでそのまま保多織木綿の半襟をかける。
着物で暮らしてみると、普段着とおしゃれ着とではやっぱり随分と着方や重要となるポイントが違うと思う。普段着は、着ていて楽で、肌に心地良くて、メンテナンスが簡単で、その上丈夫だとすごく嬉しい。....なので、今日おろした普段着は、最低でもワンシーズン着倒してからじゃないと評価できない。なんだか普段着の方が、条件厳しいのかもしれないね。

※着ていたのは、
・格子柄手織りウールの長着/弓月京店
・トランプ柄モスリンの長襦袢/居内商店
・生成色の保多織木綿の半襟/一衣舎
・深緑色地の半幅博多帯/松本の骨董屋で
・コガモ色の別珍足袋/文楽
・二重ガーゼの肌襦袢
・洗える絹の腰巻き/一衣舎

●葉山空間
http://www.kanshin.jp/...

2004.12.7 [火] 打ち上げ

渋谷にあるインドネシア料理店で、この夏バリでロケしたプロジェクトの打ち上げ。発売前のHDVカメラを南の楽園バリ島へ持ち込み、そのポテンシャルのギリギリまで攻め込んだ映像は、たぶん映像業界を震撼させつつある。日本で留守番をしていた私も、ロケ隊が持ち帰ったオリジナル映像を初めて見たラッシュの時、想像以上の美しさに驚いてしまった。こんなに小さな民生用のカメラでここまで撮れる時代になったのか....と。どんどん、プロとアマの境目がなくなるな。
で、平日の夜だし、どうしようかと思ったけれど着物で出かけた。集まった面々は、カメラの企画や開発担当者とロケ隊で、女性は私だけ。なので、スーツの様に着物。地味にまとめれば、案外浮かないと思うんだけど、どうかなぁ。

※着ていたのは、
・黒地蚊絣大島
・鴬茶色の長襦袢
・イカットの半襟(ちょっとだけバリっぽく)
・ギャラリー啓で買った久米島紬の半幅をカルタ結び
・黒とベージュの帯締め
・黒足袋に黒エナメル草履
・移動時は上に保田織コート

2004.12.6 [月] 格子柄のウール

先日、「ちょっとのぞいてみよう」と軽い気持ちで立ち寄った弓月京店。上七軒にある築120年の京町屋を店舗にした素敵な佇まいのお店です。今日は、そこで衝動買いした格子柄のウールが仕立て上がって届いた。丈夫な西陣の手織りウールだから、普段着に良さそうだ。柄の感じも、のほほんとした葉山の秋冬にぴったりな感じ。ほっこりゆるぅ〜く着るつもり。

●弓月京店
http://www.kanshin.jp/...

2004.11.30 [火] 新しく....

こんな関心空間が出来たそうだ。>京都関心小路
着物以外の京都ネタは、こちらへどうぞ。

http://www.kanshin.jp/...

2004.11.28 [日] 振り袖

火曜日の夜から風邪でダウンしていたのだけれど、昨日の土曜日は鎌倉で二つ約束があったので頑張って出かけた。
まずは、地元繋がりのWちゃんが来年成人式を迎える為、振り袖選びの助っ人。呉服屋さんルートではなく、アンティークやリサイクルで素敵なのがないかな?という事で鎌倉のお店を案内する。長谷の「花ぐるま」で待ち合わせ、本店でいろいろ見せていただく。さすがに、ほほぉと思う振り袖が何枚もあった。鎌倉に戻り、本人の希望で御成通りの「我楽多の店」に行ってみる。6800円の振り袖があった。その後、移動して「浪漫亭」へ。「振り袖はねー、これ一枚だけなのよ」と箪笥の上段から出された水色地の振り袖は、溜息がでるほど可愛らしくて素敵だった。昭和初期のアンティークだけど、とても状態がいい。友禅の模様や染めも素晴らしく丁寧な仕事で、更にそこへ馴染むように施された刺繍が見事だった。豪奢ではなく贅沢な手仕事。今の振り袖はこの点が反対だと思う。60万円という価格は、勿論大幅に予算オーバーだけれど、“本物”を見る事が出来てほんとうに良かった。駅へ戻る途中、「雪月花」にも寄ってみた。二枚選んで纏わせていただいたが、それぞれ帯や小物まで組み合わせを提案して着付けてくださって、本人もイメージしやすかったようだ。初めて伺ったけれど、こちらはコストパフォーマンスが最高....という印象。
さて、あとはまぁ本人次第。どんな振り袖を選ぶのかな?成人式が楽しみだ。
分かれて、二つ目の約束。鉄砲串で軍鶏玉と日本酒。あぁ、美味い、幸せ。

昨日はだいぶ歩いた上に、酔っ払いで帰ってきたせいか、風邪をぶり返す日曜日。ベッドにパワブク持ち込んで、ネット三昧していたら、ローマ在住の友人が結婚した事をmixiで知る。私よりちょい年上で、正式な結婚をしてないけど20年ちょいの相棒と暮らす....という彼女は、実は未だに生で面識がないけどとても強い縁を感じる人。で、画面には結婚式当日の写真。古いローマの建物を背景に水色の振り袖を纏った彼女が写っていた。うわぁ〜!素敵だぁ。いろんな意味で、こんなにカッコイイ振り袖姿は見た事ないよ。イカスぜ。遠く離れた日本の寝床からメッセージを送り、幸せを祈った。

2004.11.23 [火] 古稀と喜寿と快気祝い

相棒の快気祝いをしようと思ったら、ちょうど母の古稀がもうすぐなので、家族みんなを葉山に呼んで食事会。わいわいと「おめでとう!」を連呼してたら、相棒の父上が「そういや、わしも喜寿だでな」と言う。うわぁ〜!ごめん、お義父さん、気がつかなかったヨ。....と、ダメな嫁もどきっぷりを暴露しちゃったけど、とにかくみんな揃って元気にご飯を食べられる幸せに感謝。
選んだお店は、12名でいっぱいになる小さくて家庭的なお店「うりんぼう」。まるでどこかのお宅にお邪魔してホームパーティーでもしている様な雰囲気だけど、出されるお料理はとても本格的な和食。カウンターの向こうで腕を振るうご主人は、以前は葉山の老舗「日影茶屋」で板前をやっていたそうで、地元の食材をメインにそれぞれきちんと“仕事”された一品が次々と繰り出される。どの皿もほんとに美味しくて、感激だった。
総勢9名の私達の為だけに出されるお料理だから、内容もタイミングも、隅々まで心配りが行き届いていて三時間近くかけたゆっくりの会食は、贅沢の極みだと思った。
葉山は、こんな隠れ家的なお店がけっこうあって幸せなのです。

さて、着ていた着物は....、
・斉藤さんの館山唐桟、古渡り乱立
・緋色の長襦袢に白塩瀬の半襟
・浦野さんの柿柄の帯
・桑茶色に松葉柄の綸子の帯揚げ
・苔色の冠の帯締め
・ベージュの青海波柄の足袋/めうがや
・紅樺色の台に鼠色の鼻緒の草履

ちなみに、今日は義妹も着物。黒鳶色のうこん染め大島に辛子色ベースの博多帯。藍色系の帯揚げと帯締めを合わせていてとても素敵だった。

●うりんぼう
http://www.navida.ne.jp/...

2004.11.14 [日] 二の酉

飾ってあった熊手を持って、以前暮らしていた東京の大森まで車を飛ばす。
今日は二の酉。熊手は、会社を設立して以来、毎年ちゃんと新しくしている。本当は少しずつ大きくしていくものらしいけど、10年目以降は現状維持。小さくてもシンプルでピリリと個性が光る会社を目指しているからそれでいいのだ。火打ち石をカッ、カッ、カッ、と打ってもらい、大きな声で締めてもらう。あー、スカッと気持ちがいい。そして元気が湧いてくる。
当たり前のように思っていたこの“お酉さん”の風習は、関東特有のものらしい。まぁ、熊手で福徳をかき集める....だなんて、確かに江戸っぽい縁起担ぎですもんね。
今年は、三の酉まであるので、まだチャンスはありますよ。三の酉は11月26日(金)。

夕方、葉山へ帰り着いたら、ヤマトのお兄ちゃんが待っていた。
三浦清商店さんからだった。
京都の余韻がまだ醒めていないうちに、帯揚げ達は自分で選んだ色に染まり上がって私の手元に届いた。すごいなぁ。これはヤミツキになりそうです。“好みの色に染めてもらう”って、なんて楽しいんでしょう。また、もっと....と、色辞典を見ながら妄想が膨らむ晩秋の夜。

2004.11.12 [金] 四半世紀着物

フーさんの結婚式に着ていた着物。

・地紋入り縮緬地にもみじや梅の京友禅。小紋。千總。
 娘の頃に作ってもらった小紋。四半世紀着てる。すごいよなぁ。
 八掛を変えておけば良かったと直前に気づくも時既に遅し。
 今は、羽織りに仕立て直すのもいいかなと構想中。
・泥染め袋帯。赤地に金で流水。
・白塩瀬の半襟。
・鴬茶色の長襦袢。
・紫鳶色の麻の葉柄に総絞りの帯揚げ
・紫鳶色に銀があしらわれた帯締め。
・白足袋
・グレーに赤いラインが入ったエナメル草履。踵高目。

※写真提供:さくらこさん

2004.11.7 [日] 京都自転車旅

プライベートでの京都は修学旅行以来。
仕事で何度か訪れてはいるけれど、ほぼ直行直帰だからそれは旅じゃない。
今回の京都は、フーさんの結婚式を挟んで二泊三日の旅。
で、前から気になっていた自転車旅にトライしてみた。
駅に着いてすぐKCTPで、三日間の相棒をレンタルする。
ギア付きの茶色のLOUIS GARNEAU。うふふ、かわいい。

5日は、駅から中京地区を目指す。
片手には、フーさん作の「京都きものMap」と「キョウト自転車生活」。
気になる路地をきままに走る。楽しいっ!
充分自覚しているケド、私は“路地フェチ”(笑)
前世は猫だったのかもしれないなぁ。
三浦清商店さんと晩ご飯は、他の真楽メンバーと合流。
うん。いいぞ、たのしいぞ、暮らすように自転車で走る京都。

6日は、自転車はお休み。

7日は、朝ご飯前に人気のない北野天満宮で深呼吸。
西陣から上七軒の路地を抜けて、京のてんてんを目指す。
手拭をしこたま買って、鴨川沿いを遡り、賀茂大橋のボンボンカフェでランチ。
また鴨川を下って、寺町を目指す。
今回あちこち走ったけど寺町エリアがいいな好きだなと思った。
祇園のちんぎれやさんで、古い布に囲まれて時を忘れる。

あっという間に日が暮れて、祇園から京都駅までノンストップで
自転車をぶっ飛ばし、なんとか新幹線に間に合った。
途中すごく渋滞していたから、車だったらもっと時間がかかるだろう。

京都は、自転車がいい!
確信。
着物パスポートは使えなかったけど、私は次の京都も自転車がいい。
今度は天神さんの市がたつ日に行きたいな。


●KCTP
http://www.kctp.net/...
●京都きものMap
http://www.kanshin.jp/...
●キョウト自転車生活
http://www.kanshin.jp/...

■今回の収穫
・畳紙30枚/上村商店
・ほつれのん&みすや針各種&和裁待ち針/みすや忠兵衛
・帯揚げ2枚(染オーダー)&半襟/三浦清商店
・ウール長着(仕立て込み)/弓月
・てぬぐい8枚/京のてんてん
・古い男物久米島絣を仕立て直した半幅帯/ギャラリー啓
・江戸末期和更紗札入れ:母に/ちんぎれや
・100年前の藍染め木綿札入れ:自分用/ちんぎれや

2004.11.6 [土] 白無垢の花嫁

最初は、単純に、
“フーさんの白無垢姿が見たい!”
....って熱望した事から始まった。

それはそれは美しくて可愛くて素敵な花嫁姿だった。
キラキラ降り注ぐ秋の陽射し。
緑の中に色づく木々がさわさわと風に揺れる。
遠くでずっと鳴っていた真如堂の鐘の音。
さえずる小鳥たち。
ふうわりと幸せな空気の層に包まれた二人の笑顔。
五感の全部が幸せな感覚に満ちてくる。
たくさんの祝福とご家族の愛に満ちた門出。
そんな良き日に、同じ時間を過ごさせてもらえた喜び。

「着物が好き」というシンプルなキッカケから始まった縁。
あぁ、ほんとうに着物が好きで良かった。
しゃ〜わせになるんだゾ!>フーさん
そして、ありがとう。

※写真は花嫁。
・綿帽子も白無垢も気品に満ちた素敵な白。
・角隠し。全てのバランスが美しかった。
・ニットのウェディングドレス姿もこれまた溜息モノ。

2004.11.3 [水] 落語!

柏に落語を聴きに行く。
http://www.kanshin.jp/...
いやぁ〜、笑わせてもらったヨ。
このところ戦争や震災や家族の病気など、
ちょっと気持ちがずもぉ〜んとしていたのだけれど、
大きな声を出して笑っていたら、
心がふわっと軽くなった。

笑うって大事な事だね。
世界中の人がみんなで一緒に「わっはっは」って
笑ってみたら、地球中が幸せになる気がするよ。

※着ていた着物
・オリーブ色のうこん染め大島
・オレンジ色の長襦袢に白塩瀬半襟
・縞柄の名古屋帯
・苔色の冠の帯締め
・顔がドットの様に並ぶロングスカーフで帯揚げ代わり

2004.11.2 [火] そうそう。

夜、 sousouから地下足袋が届く。
ちょっと前にネットでポチリと頼んだ物。
これで、車もスクーターも道交法はバッチリ。
履き心地は、これから....。

2004.10.26 [火] 天災

織物の産地として馴染み深い地名が、ニュースで連呼されている。
時間と共に被災状況が、次々と報道される。
大地の怪力が、その場所での様々な暮らしを遮断した。
天災の恐ろしさを噛みしめる。

自然の驚異に対して、人間は非力だ。
たぶんきっと、逃れられない事実。
人間が自然をコントロールできるなんて無理だと思った方がいい。

豪雪地帯の厳しい冬がそこまで迫る。
今、目の前にひろがる光景が現実ならば、人間同士が助け合わなければ。
不条理を乗り越えて、前へ進むチカラを応援したい。
ちっぽけな私なりに。

2004.10.10 [日] お江戸へ

午前中は台風の後片づけをし、午後から東京へ。
まずは、一衣舎さんの秋展にお邪魔する。
http://www.kanshin.jp/...

それぞれに個性的な作家さんたちの布が並ぶ。
どれもこれも布好き琴線に触れる素敵な作品ばかりだ。
イロイロぐるぐる考えて、ラオスの綿絹を普段着仕様でお願いしてきた。
ざっくりくったりした質感が、ラフな感じでいい具合。
もんぺにも合いそうだ。
そんなわけで、水洗い仕様でバチ衿。
この布、先日観た「浪人街」のワダエミの衣装を思い出した。
浪人達が着ていた着物や袴の質感がいい感じで気になっていた。
あれに、似てる。イイゾ!

六本木に移動して「素と形・展」。
http://www.kanshin.jp/...
見せ方もユニークだったし、選ばれてソコに在るモノも面白かった。
やっぱり意味のある形は美しい。
ところで、AXISは随分久しぶり。
無くなっていたお店も多く、まわりの雰囲気も変わってしまった。
六本木の街は、だんだん品が無くなってしまって悲しい。

銀座に移動して、999.9で出来上がった眼鏡を引き取る。
ずっと眼鏡は白山だったのだけれど、前回999.9で浮気。
軽いし具合がいいので、二つ目を新調した。
今度のフレームは茶系で落ち着いているので着物にも合う。
コンタクトを外して、眼鏡で帰宅。


着ていたのは、
・地味で控え目な柄の紬の訪問着。
・鉛色地ちりめんに紅型の名古屋帯。城間栄順さんの作。
・竹絹素材の長襦袢に塩瀬の白半襟。
・松葉色の麻の葉柄綸子の帯揚げ。
・青磁色の冠の帯締め。
・白足袋に黒エナメルの草履。

2004.10.9 [土] 台風22号

すごい台風だった。
葉山の真上を通過していった。
雨戸を閉め、家の中でじっとしてた。
二階は地震のように揺れるほど。
自然のパワーに圧倒される。

被害は、
二本あった大きな棕櫚の木が、一本根元から折れて倒れた。
茄子が棕櫚の木の下敷きになり、今後の収穫に影響大。
桃の木の大枝が折れた。
家の外壁が広範囲ではがれ落ちた。
まぁ、誰もケガせず無事だから良し!

写真は、元気にそびえていた頃の倒れた棕櫚の木。

2004.10.7 [木] 日本的人物

昨日に引き続き、シアトルチームの助っ人。
今日は、葉山の古い別荘を借りて撮影。
この別荘は、美人画で有名な日本画家が創建者。
現在は染色家がオーナーで、ロケ場所として貸してもらえる。

実は去年から、葉山の別荘や景観保護の活動をしている地元ボランティアに参加しているのだけど、この別荘の存在も最初はそこで教えてもらった。築年数などの詳細は分からないが、高低差を利用した空間作りはちょっとユニークで、さすが画家の別荘という印象。建具などのディティール、光の回り方、空間構成、全てがシンプルで計算され尽くしていて美しい。
日がな一日、この別荘を満喫する。

ところで今日は、この家に住むお祖母さんを孫一家が訪ねてくるという設定。お祖母さん役は着物姿。L.A.在住の男性スタイリストは着付けが出来ないからと、着付けの方を頼んでいた。「そんなの私がやってあげたのに」と、昨日言ったら悔しがってたケド遅かった。で、カメラ前に立った着姿をチラリと見ると、どうにも“お出かけっぽい”。白半襟も5センチ以上たっぷり見えている。うむむ。今日は口出しする立場じゃないとは承知しつつも、口出ししてしまう。着付けの方は設定までは意識していなかった模様。意外とこんなチョットした着付けのニュアンスが、リアルかどうかに関わってくるんじゃないかな?と思った。

それにしてもここはキモチイイ空間だ。
こんな別荘で、着物着て、悠々自適に暮らしたいなぁ。

2004.10.6 [水] 日本的風景

葉山の少し先、秋谷の立石。
ここは広重も描いている景勝地だ。
松と岩、相模湾の奥に富士という構図は、
江戸時代から変わらない。

今日はココで、シアトルから来たスチール撮影部隊の助っ人。
葉山方面のロケ場所手配....というチーム末端の立場は気楽。
日がな一日、海を眺める。

人物撮影だったので、日没と共に終了。
片づけ終って振り返ると、空が赤く染まっていた。
シルエットの富士に、シアトルからの客人達は興奮気味だ。

変わらない日本らしい風景。
この美しい国を誇りに思い、このまま未来へ繋げたい。

2004.10.1 [金] a k i

秋になって、
真楽<関心空間groupが、リニューアル。
ちょっとずつでもちゃんと進化してる。
それはとても真面目でスゴイ事。
お疲れさまです。技術係さま。
ありがとう。改善に関わった皆々さま。

そして、
気持ちも新たに、袷の季節。

2004.9.20 [月] 山越え

初夏に始まったお仕事連峰は、18日のスタジオ撮影で最後の山を越えた。
はぁ、やれやれ。

ホントは、葉山に移ったら、半隠居っぽい暮らしが出来るかと思っていた。
だって、こんな不便な場所に移転した制作プロダクションへ誰が発注する?
と思っていたけど、実際は東京に居た時と仕事の量はあまり違わないし、しばらくしてから「あれ?葉山なんですか?」なんて言われる事も多い。インフラが発達した今、もしかすると現実的な拠点はどこに在っても変わらないのかもしれない。メールが読めて携帯があれば、事務所だって必要ないのかもしれないしね。つまり、仕事はより本質が問われるようになりつつあるって事だ。
だから、依頼が有る限り、仕事は続けていこうと思う。でも、これまで通り、自分たちがリスペクト出来ない事柄の仕事はお断りするけどね。なんだか頑固な職人さんみたいなこと言ってるけど、それがポリシーなんだからしょうがない。仕事だって楽しくなくちゃ始まらない。

写真は、18日の撮影中の1シーン。
この日は、衣装&小道具さんも兼任していたのだけど、サイズが私と同じだったキャストにドレスを提供した。20年以上前に買ったラインストーンがちりばめられた黒いアンティークドレス。久々に彼女に着てもらった姿を見たら、なんだか洋服も新鮮で、またこのドレスが着てみたくなった。ここ数年、フォーマルは着物ばかりだったので、チョット浮気心がムクムク。(笑)ちなみに、かなり体にピッタリしたカッティングのドレスだけど、今でもちゃんとファスナーは上がった。ふふふ。サイズ変わらず。よしよし。着物は、多少体のサイズが変わってもだいじょうぶだけど、だからと言って、オンナとしての緊張感を無くしちゃったらイケナイのでありますよ。

2004.9.10 [金] 秋が届く

浦野さんから、柿の帯が届く。
うわぁ〜、秋だぁ。嬉しいなぁ。
しばし、眺めたり触ったりうっとりする一時。

でも私にはまだ、
この帯を締めるだけの
心と時間に余裕がない。

もう少し、待っててね....と箪笥に仕舞った。

2004.9.3 [金] 終っちゃった夏

ガシガシ仕事してたら夏が終わってた。
最終日の海の家で壊れるまで呑んだ。
翌日、洗濯して干した麻の着物。
袂には砂がまだいっぱい入ってた。
裾も縦に裂けていたけど記憶に無い。
ナニヤッテンダロ?
ま、いいさ。
今年最後の夏着物。
富士山のシルエットも絵のような夕焼け空。
夏の最後を飾り、私の記憶に焼き付く。
時間がたくさんあるわけじゃないからこそ、
ここに暮らすことが大切なんだ。

※写真は熊蔵が撮ってくれてた壊れる前の私。そして茄子。

さて、今日は、レギュラーのWeb仕事を片づけて、夕方からは恐ろしく長くなってしまっている真楽小窓を消化。せっせとメンバーの日記などつらつら眺める。茄子が受けてた。(笑)あの日はとても蒸し暑い日で、袷の久留米絣&もんぺは蒸れてタイヘンだった。竹&絹の長襦袢は汗でぐっしょり。洗えて良かった。茄子の苗は、真夏の間は切りもどして休ませ、今また秋茄子がどんどん採れてる。働ける健康なカラダがあり、庭で食べられる物が採れ、海と山に囲まれた環境に暮らせる。ありがたいなぁ....。さ、明日も仕事だ。ガンバロー!

2004.8.31 [火] おわら 風の盆

28日から30日にかけて、富山県の八尾町で行われている「おわら風の盆」を取材した。
http://www.town.yatsuo.toyama.jp/...

外人クルーを引き連れ、放送用カメラ二台etc.の機材を担ぎながらのロケの為、本来の意味での祭りを楽しむわけにはいかなかったけれど、おわらはとても日本的な情緒が残る奥の深い祭りだと思った。稲の収穫時期である二百十日ごろに吹き荒れる大風をおさめる為に行われる「風の盆」。今回のロケは、台風16号のコースや動きを見るにつけ、この祭りの威力を垣間見たような気がした。昨日までは前夜祭で、31日の今日は休み、9月1日から3日が祭りの本番。台風は、祭りが休みの今日、日本海を通り抜けていくようだ。私もおわらの不思議なナニカに魅せられてしまった気がする。

着物的な視点からも、おわらはとても興味深い。八尾の人は小さい頃からこの祭りに参加するので、自然と着物も自分で着られるようになるらしい。おわらには、笠と着物のシルエットがかかせないし、内に込めた日本的な女性の動きが艶っぽくて美しい。女性は目の詰まった木綿の浴衣。男性の法被は、本来は農作業を表す振り付けだから木綿のはずなのだけれど、おわらで踊る時は美しいシルエットを考慮して羽二重が使われる。町ごとの柄など、とにかく随所にこだわりがあって奥深い。

話が戻るけれど、この取材の許可をお願いするため、24・25日と八尾を訪ねた。急なお願いだったし、八尾とおわらに敬意を表する為に、着物で出向いた。ヨレヨレの作業服ではあまりに失礼かと思った次第。なんとかお許しをいただき、その後は町中を歩いてロケハン。山の上まで石段を登ったり、アングルを探す為に野原へ分け入ったり、白い草履が真っ黒になっていた。一応持参したひっぱりともんぺは、小雨に降られた時や夜の撮影時に重宝した。その後の流れ的には、この時の着物は好印象であった模様。
観光で来る人も浴衣や夏着物を着た人が大変多かった。和装の男性も多かった。八尾の町並みに、着物はとてもよく似合う。

そういえば、このロケの最中、フーさんと超ニアミスをしていた。バッタリ会えたら面白かったのに残念だなぁ。でも、おわらは仕事じゃなくて再訪したいし、いつかまた....だね。

2004.8.20 [金] コピ・ルワ

今、生まれて初めて“コピ・ルワ”を味わった。
なるほど、まだ口の中に豊かな余韻が残ってる。

先日、相棒がインドネシアのバリ島へ10日間ほどロケに行っていた。
これは、唯一のお土産。

ロケ先で、茶色い塊の中からコーヒー豆を選別している所に出くわし、前からソレの話を噂で聞いていた彼は、「もしかして、コピ・ルワ?」と尋ねてみたらしい。豆を選別している人は、にやりと笑って「Ya.」と。
相棒は、無理を言って100gを生豆で分けてもらってきてくれた。勿論、対価はお支払いして。

“コピ・ルワ”は、知る人ゾ知るとても希少なコーヒー。
インドネシアに棲むジャコウネコが、美味しく熟したコーヒー豆を選別して食べ、消化器官を経由して排出された後のコーヒー豆こそが、噂のソレ。そ、ウンコまみれの豆。(笑)
随分前から、一度は飲んでみたいよね....と話していたのだけれど、バリでもなかなか入手が難しくお目にかかった事すら無かった。
生豆の状態は、割と普通のコーヒー豆。
焙煎して、挽いて、ドリップで。

香りはさほど強くなく、口に含んだ瞬間はバリコピの様なちょっと泥臭い感じがあり、ん〜〜〜?と思うも、色々な味が物凄くマイルドでバランスがいい。ふーんと飲み終って感想を述べ合い、少し経った頃に、ずっと舌に残る甘い後味の良さに気がつく。なるほどなぁ。こんな余韻は初めてだ。味わえて良かった。

以上、ぜんぜん着物とは関係ない話だけど、この素敵な余韻を残したくてココに記す。

2004.8.18 [水] なで肩

ここ数週間、左肩が凝ってツラクて眉間にシワを寄せて仕事をしていた。今日は、痛さで集中力も無くなってきたので、近所の中医学専門の治療室でマッサージと針治療を受けてきた。ココは、私達と同じ頃に葉山に移り住んだ夫婦が最近開業した治療室で、とにかく腕は確か。みっちり治療してもらった帰りがけに、「あ、えりりんさん、なで肩だ。」と言われる。なぜそんな事を言うのか聞いてみたら、なで肩の人は両腕の重みが首すじから肩にかけての筋肉に負担がかかり、肩が凝りやすい体質になるらしい。肩の上げ下げ運動で、肩甲骨を動かし筋肉を鍛えられると言う。やってみたら、「これって髭ダンス?」という動き。(笑)
着物を着るのに、なで肩はありがたいけど、肩凝りは辛い。
私が髭ダンスを踊っているのを見かけても、それは治療の一環ですので笑わないでくだしゃんせ。

※写真は、究極のなで肩の着物姿みたいに見える蝉。

●頼りになる天空洞治療室
http://www.sukoyaka.jp/...

2004.8.12 [木] ようこそ

絵織ちゃんとこうめさんが葉山に遊びに来た。
夏の葉山を案内し、美術館で二回目の「柳宗悦」を鑑賞し、一色海岸を散歩。
葉山には源流から海へ流れる川が二本も在る。山があり、海がある。
ビオトープの様にある意味完結してる土地。
たった三万人しか住んでいない小さな町なのにね。
絵織ちゃんに「葉山の春夏秋冬のいつが好き?」と聞かれて、ふと困った。
それぞれに全部一年中好きだ。選べないよ。

着ていたのは、
・花柄が縞のように繋がる麻の着物。
・黒の紗の半襟をかけた麻地の半襦袢。
・木綿の半幅をカルタ結び。
・素足に似二枚歯の下駄。

2004.7.18 [日] 小旅行

松本は“民藝”な場所だった。
光佳染織の布はそれぞれが魅力的だった。
手仕事がちゃんと息づく場所は居心地がいい。

美しいものをたくさん見て感じたい。
美しいものに囲まれて暮らしたい。
美しいものが発散する力を受けとめたい。
そうして人として成長したいんだ。

装飾過多だったり奇をてらったりすると
美しくない。
形あるものも、無いものも。

そんなことを考えながら旅した松本の一泊二日。


※着ていったのは、
男物を仕立て直した上布は追丈の夏仕様。
白地の紗の長襦袢にクリーム色のシャリ感のある絹半襟。
水墨画が入った麻地の名古屋帯。
黒地ベースの細目の帯締め。
生成り色の絽の帯揚げ。
深緑色の麻足袋。
二枚歯の下駄。
昔、バリで買った革製の旅行鞄は内側がバティック。

2004.7.9 [金] 夏なのに

ヤバイ。
この暑さと共に、仕事もオーバーヒートしてきた。
葉山がにぎにぎ楽しくなってきたのに、ツライじゃないか。
「忙しい」という字は、心を亡くす....と書きますね。

心を亡くさないように、この山をやっつけるゾ!
しかしテキパキ動くにもこの暑さは、かなりきつい。

帯の辺りがあせもっぽくなってきたので、
ここ数日は日中の着物はやめて、タンクトップ&サロン。
暑さと仕事に負けそうな夏。くぅ〜。

※写真は、葉山のトマソン。塀の穴にレンガの塀。

2004.7.1 [木] 海開き

いよいよ今日から海開き。
午前中は、参加しているボランティア活動の会議。午後からは仕事場に籠って、明日締め切りのスノボ素材の画面デザイン。海開きだと言うのに、雪山画像をいじくるのはイマイチのらない。(笑)でも、夕方にはオープンしたばかりの海の家に行きたいから、激しく集中して作業する。単純。
6時には目処がたったので、仕事は切り上げて、浜へ。
まずは挨拶がてら森戸海岸の「OASIS」へ顔を出す。
ビールを飲みながらまったり過ごすオアシスの夕暮れ時は、サイコーな時間だ。今年は店のレイアウトが海へ向けて開放的になり、とても居心地がいい。ラスタヘアな若者や子連れママさんや着物を着た近所のオバサン(私)がみんな一緒になって、浜での幸せな時間を共有する。素敵だ。
その後、地元である一色へ移動。
森戸に比べると、一色の海の家は大人な雰囲気。
「ブルームーン」はその名の通り、月を眺める夜にぴったりな空間だ。今晩は素通りして「松」へ。去年から始まった松は、料理が凝っていて美味しかった。今年もどうやらだいぶ気合いが入っている。オープニングの今日はスペシャルお試し大盤振る舞いだったのだけど、特に鯵のスモークが強烈に美味しくて、採算度外視だからどこまで定番メニューで現れるのか分からないけど、とにかくココに来れば美味しい物は食べられそうだ....とほくそ笑む。
一番御用邸側に建つ「UMIGOYA」は、外から挨拶だけしてまた後日。

さぁ、葉山の夏、ホンバンです!

●海の家オアシス
http://www.oasis-jahnodebeach.jp/
●ブルームーン
http://www.internetacademy.co.jp/...
●松
http://www.kanshin.jp/...
http://www.matsu.biz/
●UMIGOYA
http://www.umigoya.net/

※写真は、
上:十四夜の月と海の家の灯。ブルームーンの前から御用邸を臨む
下:夏の浜には麻着物。そしてゲンベイのビーサン。松にて。

2004.6.29 [火] 柿の帯

浦野邸で見た柿の帯について、三日三晩ぐるぐる考え、「やっぱりあの帯を締めてみたい」と結論を出す。秋の葉山の路地を歩いて、小津映画の主人公になってみたいんだ。反物ひとつで、イマジネーションがどんどん膨らむ。こうした感覚は、洋服ではあんまり感じないなぁ。これぞ、着物マジック。
奥様に電話して、秋までに松葉仕立てでとお願いした。

※写真提供:ほさぷさん

2004.6.26 [土] 浦野邸へ

みにひつじさんの引率で、真楽仲間と共に、北鎌倉は浦野邸へお邪魔する。
曲がりくねった細い路地が古都の情緒たっぷりで、それぞれの夏着物姿がしっくり馴染む。浦野邸は、まさに小津映画そのままの様な佇まいだった。苔むす庭や縁側が囲む日本家屋は、この建物が建ったという昭和初期のまま、時が止まった様でもある。心が落ち着く空間だ。
そんな素敵な場所で、たくさんの浦野さんの着物を見せていただく。
紬、縞、格子、ちりめん、無地帯、染め帯....、どれもみなそれぞれ素敵で、いつのまにか心拍数が上がってくる。色も素材感も力強さも、“私好みな方向性”なのだ。困った。(笑)だって、物は増やしたくないし、でも素敵だし。いろんな事を考えて頭がぐるぐるしてくる。
浦野さんの着物には、内に秘めた力を感じた。着物自体が主張するわけではないのに、着た時に着た人の個性を輝かせる....ような....、そんな感じ。
着てみたいなぁ。
最初の頃にピンときた柿柄の帯地をお取り置きしてもらい、浦野邸を後にした。

着て行ったのは、
・柿渋染めの夏紬。絹だけれどシャリ感があり、適度な透け具合は盛夏も含めて六月から九月まで着用できる....とは、購入時の呉服屋さんのお話。
・ベージュの絹だけどシャリ感のある半襟。
・白地の化繊だけどシャリシャリな夏用洗える長襦袢。
・麻の紺地刺繍帯。洋風の変わった柄で、よく見るとタイツにブルマを履いた王子様やガウンを纏った王様など、妙に暑苦しい。(笑)今は浅草にある「龍巳」というアンティーク屋さんが赤坂にあった頃に買った帯。当時の「龍巳」はユニークな物が多くてお気に入りなお店だった。
・くすんだ薄紅色のレース帯締め
・ベージュから薄紅色のぼかし染めの絽の帯揚げ
・銀色の麻足袋
・畳表の草履

2004.6.20 [日] 父の日

父の日なので、弟一家とそれぞれの親達が集まって家族で会食。
休日は一年前から予約が埋まるという日影茶屋の離れだが、ダメモトで聞いてみたらちょうどキャンセルが出て部屋がとれたというラッキーな私達。
ここは創業300余年。葉山と言えば日影茶屋....というくらい有名な老舗だ。離れの周りは蓮の花も咲く池がぐるりと囲っていてとても涼しげ。夏目漱石ら文人墨客に愛され、しばしば文学作品の舞台にもなったそうだ。そんな素晴らしい空間でいただく会席料理は、たっぷり葉山らしくて美味しかった。特にきんめの刺し身と茄子の翡翠煮が鮮烈な印象。ここにもプロの仕事が。
ゴキゲンな父たちを見て、みんな口元がゆるゆる。素敵な父の日でありました。
ありがとう!

今日は、弟夫婦も着物だった。
私達四人は着物で、昭和一桁生まれな親達が洋服。昨今、ありがちな情景なのかな?
歳をとれば、帯を後ろで結ぶのもシンドイだろうとは想像できる。でも、面倒くさがらずにいくつになってもオシャレを忘れたくないなぁ....と思う。そんな思いもあり、着物とは末永く付き合いたい。マイペースでね。

着て行ったのは、
・母のお下がりの絹芭蕉。瑠璃色の地に花柄が染め抜いてある。仕立てが素晴らしいので裄出しだけして、初おろし。適度なシャリ感が涼しくて、今日の気候にピッタリだった。
・先日来から着ている麻の長襦袢。
・白地にピンク&グレーの博多献上帯。
・千草色になでしこ柄の絽の帯揚げ。
・白地に複数の挿し色が入ったレースの帯締め。
・銀色の麻の足袋。めうがや。
・黄色に転んだ真珠色の白くて細身な革草履。

※写真は、
上:中庭で弟と。麻の着物をクテクテに着てなかなかイイぜよ。(笑)
下:庭も建物も見どころ満載で、食後の散策では会話も弾み、ナニヤラ語る私。

■日影茶屋
http://www.kanshin.jp/...

2004.6.17 [木] 七々子を洗う

10時から会議なので、早起きして七々子を洗う。斉藤さんの館山唐桟を自分で洗うのは初めてだ。普段着の木綿やウールは、いつもはドラム式の洗濯機でドライ(手洗い)コースに設定してお任せなのだが、今回は糸まで充分に水を通したかったので、お風呂場で洗ってみる。畳んだ状態で湯船に張った水を充分含ませ、ずっしり重くなったトコロで洗い場に出して押し洗いした。衿がかなり汚れていたので石鹸を含ませた柔らかめのボディブラシで洗う。汚れの筋はきれいに消えた。シャワーですすぎ、最後にまた湯船に張った水で充分すすぐ。脱水は洗濯機を低速回転に設定して軽く。竿にシワをのばしながら干して完了。
あー、サッパリ!
乾いた七々子はふぅわりと糸から蘇った感じ。気持ちいいなぁ。
畳みながら各所をチェックしたが、一衣舎さんの洗える仕立ては、裏地との狂いも糸のほつれも全く無い。プロの仕事だなぁ....と改めて感心する。

夕方、久しぶりな友人にも会えそうなので、銀座のリトル沖縄に行った。グルクンの唐揚げやらミミガーやらに沖縄を思い出し、泡盛で沖縄に酔う。
酔っ払い状態で新橋から電車に乗ったら、 Nちゃんに会う。お互い洋服なのがちょっと妙。(笑)

写真は、
上:竿に干した七々子。三ケ岡山からの風を受け、布も気持ち良さそう。
下:滝の坂にある新善光寺のあじさいはとても見事。穴場だと思う。

2004.6.14 [月] 波乗り

着物とはゼンゼン関係ない話なんだけど、
四十の手習いでサーフィンを始めた。

天気もいいせいか、
海はとても気持ちが良かった。
全く初めてだったので心もカラダも白紙の状態。
最初は先生の言う事がちんぷんかんぷんだったけど、
ボードと波にカラダが慣れてくると少しづつ分かってきた。
これは楽しい!
いつか自分でボードに立って波に乗れる日をイメージして、
気張らずに自然体で楽しんでいこうと思った。

ウェットを脱いだら、腕と足首にクッキリ日焼け跡。
ま、着物が似合わなくなるけど、それはそれ、私は私。
真っ黒に日焼けした人が似合う着こなしもきっとあるさ。

2004.6.12 [土] ヌヌヌ・パナパナ

キーワードにもした「うちくい展」へ。
http://www.kanshin.jp/...

沖縄の布達は、東麻布のコンクリートビルの中で少し息苦しそうだった。でも、布作りの為に沖縄へ移り住んだ若手の染織作家達が生み出したこんなにたくさんな布達に、いっぺんに会えたのは東京に来てくれたおかげなわけで、ありがたいやら申し訳ないやら。

石垣昭子さんは、布の“見えない部分”を伝えたいとおっしゃった。分かる。私も最近、布の見えない部分が気になるし魅かれる。短い文章で表すのはとても無理なんだけど、確かに存在する大切な事。自分の五感で感じ取らなければいけない事。
糸芭蕉は生えている場所で違う。日に当たる場所、風の抜ける場所、いろいろだもの。
お蚕さんだって、種類や家蚕、野蚕は勿論、食べている桑の葉の元気さや鮮度で、吐く糸が違ってくるのは当たり前だよ。
一枚の布からは、輪っかでぐるりと繋がった自然の恵みが見えてくる。

うちくいに囲まれて思い出した言葉。

館山唐桟の斉藤さん。
昔は裏山へ行けば染料があり、同じ土地で育った植物は染まり具合の塩梅も分かっていた。でも最近は染料となる材料も輸入に頼らざるをえない。

葉山の矢谷さん。
皆さんが、苧麻を栽培すればもっと安定した糸作りが出来るでしょうに....と勧めてくださる。でも、私は、野生の草が好きなの。野生の草から糸を作りたい。

布を通してたくさんの人に出会えた。今日も。
私の中に少しづつ貯まる「ヌヌヌ・パナパナ」。

※写真は去年の夏に撮ったもの
上:西表島の浦内川を上流へ遡る。目的地への陸路は無い。
下:西表島のクイラ川上流に咲くマングローブ(蛭木)の花。
——蛭木は染織にかかせない材料。その他の用途も豊富。

着て行った着物は、昨日と同じ。

2004.6.11 [金] グンボウ

今週はカメラのテスト撮影。雨が続くため、赤い蛇の目を撮る事になり急きょ被写体となる。テスト撮影とは言え、求める映像には手を抜かないのが我々のポリシーゆえ(笑)、土曜日に着るつもりだったグンボウをおろす。この白地に縞のグンボウは、去年の夏に撮影で行った石垣島から持ち帰った富さんの布。人と布の巡り合いが織り込まれている様なグンボウ。経糸が木綿で緯糸が苧麻。身に纏っていて、綿の優しさと麻の清涼感を感じた。八重山の風とそこに暮らす人達の優しさみたいな....。

仕立ては一衣舎さん。洗えるグンボウだからこそ、洗える仕立てのプロに。爪革をかけたねずこ下駄でずいぶん歩いた。洗える安心は、雨の日に白い着物を選べる幸せ。大切な“素敵”の根っこだと思う。

着ていたのは、
・絣の郷で購入した綿と麻のグンボウ。白地に縞。
・絹の青灰色の絽の半襟をかけた麻の長襦袢(青系)。
・あざみの柄の紅型名古屋帯。
・松原工房で購入した絹絽の帯揚げ。爽やかな藍の色。
・白と青が織り分けられた細目の帯締め。
・白足袋
・二枚歯のねずこ下駄には爪革つけて。

2004.6.5 [土] 藍の不思議

しょうちゃんのお膳立てで松原染織工房の見学に参加した。
待ち合わせの駅には一時間以上も前に着き、ゆっくり食事も済ませた。
で、まだ時間もあるし....と、以前も立ち寄ったエスニック系のお店で布を見始めたのがいけなかった。すっかり時間を忘れて見入ってしまい、バッグの中でかすかに鳴った携帯の音で我に返る。はい、集合時間に遅刻しました。ごめんなさい。
駅の反対側に居たので、乗るべきバスは諦めて次のバスで工房へ向かう。
住所を控えておいたので、さほど迷わず到着したものの小さなポストに「松原」としか表記が無い。工房もここ?気配も無いけどみんな中に居るの?....と不安になって、さっき電話をもらった番号にリダイヤルしてみる。かずさんだった。そして、看板は無いけれどまぎれもなくそこは「松原染織工房」で、みんな中で見学していた。合流できて良かった。
海より深く反省し、二度とこんなポカはしないように努力します。

さて、工房の見学レポートは多くの参加者が詳細に報告してくれているのでそちらにお任せ。
感じた事は、ダイヤモンドみたいな職人のプライド・糊置きのスピード感・香ばしい糠の匂い・作業場の土間の空気感・それぞれの段階の藍の匂い・藍甕に注ぐ愛・ゴムみたいな時間感覚。
藍甕の中は、ニンゲンが完全にコントロール出来ない領域のような気がする。
とても不思議な世界。
そしてそんな不思議な世界で“感”を発揮できる人が職人さんなんだろうな。

松原染織工房の色は、濁りのない澄んだ色だと思った。
澄まし建ての藍で染め上げる色。
涼しげなグラデーションの帯揚げに魅かれ、いただいて帰る。
とても美しい藍の色だ。
(先に同じ柄を購入していたみにひつじさん、お揃いを許可してくれてありがとう。)

※着て行った着物は、
・機械織りのペラペラ大島は緑系鰹縞。
・絹の青灰色の絽の半襟をかけた麻の長襦袢(青系)。
・桃ノ木屋で買った織りの八寸帯。
・絽縮緬のベージュに紫の細腺柄の帯揚げ。
・白と緑の細目の帯締め。
・紺地にドット柄の色足袋。(藍甕を考慮して)
・バリで買った手織りの生成のショール。

2004.6.3 [木] 衣替え

カラリと乾燥した陽気が続いたので、今日こそは....と、衣替えをした。
袷の着物を箪笥から出して、畳紙を広げる。
畳紙に仕舞ったまま一度も広げなかった着物は、吊って風を通す。
分けて保管してある喪服も忘れずに風を通す。
汚れのある物や八掛が擦り切れたりして直しに出す物を分ける。
部屋中が着物。
なんだかチョット幸せ。
そして、
単衣と薄物を仕舞ってあった桐箱からそれらを出して、
今日、風を通した袷を仕舞う。
たくさんあるわけじゃないけれど、
必要最小限という意味では、今の手持ちで足りると思う。
足るを知る。
ここ数年の私のテーマ。
葉山の自然の中で、その恵みをたくさん貰って生かされていると、
いろんな欲がポロポロと垢のように剥がれ落ちる。

空気が乾燥していたせいか、
この季節にはめずらしく富士山がきれいに見えた。
ふと目覚めた夜明け間近、黄金色の大きな月も美しかった。

2004.5.30 [日] ONE LOVE!

One Love Jamaica Festival。
代々木公園は、暑かった。
http://www.onelove-jamaica-fes.org/

実は先日のお誕生日に働いた仕事は、お友達でもあるニレイさんのポストカードだったんだけど、このフェスティバルで販売する為に大急ぎだったわけなのでした。で、無事に印刷も上がって、評判も良く売れ行き上々。5枚ともジャマイカーンないい写真のポストカードだよ。ニレイさんの写真は「ほぼ日」で。
http://www.1101.com/...

それにしても、暑くてくたびれた。
私は踊る元気も無かったけど、
写真は、会場で見かけた着物で太鼓な人。

2004.5.28 [金] 大山木

■大山木(たいさんぼく)
泰山木という表記が一般的らしい。

鎌倉へ行った日は、いい天気だった。
数日前から、庭の大山木が花開き始めた。
高い所に大輪の白い花をつける。
去年は一輪だけ咲いた。
今年はみっつ咲きそう。
脚立の天辺に立ってようやく近づける。
気高いけれど惑わされそうな匂い。

2004.5.28 [金] マリンガールズ

そそそ。まずは我が家のお稲荷さんです。
大家さんによると、家を建てる前からここにあったそうです。
近所を散歩しててもあちこちの庭先で見かけます。
きっとなにか理由があるんでしょう。
この辺の事はゆっくり時間をかけて調査中です。

さて、突然ですが、せっかく海のそばに住んでいるんだから....と、地元の女友達と一緒にサーフィンを始める事にしました。みんななかなかの妙齢。(笑)でも、地元のおじさんが60歳を過ぎてから始めたという話を聞いたりして、何事もやってみなけりゃ分からない!と、決心。トライアルコースを6月の半ばに予約しちゃいました。わぉ!
で、まずは、リゾート系の水着しか持ってないので、鎌倉のパタゴニアにウエア類を買いに行きました。water girlのビキニ・短パン・ラッシュガードです。最近は普段でも着物が多いので、こうしたスポーツ系の新素材には縁がなく、機能性や触感に驚いてしまいました。いろいろと素材も進化しているんですねぇ。なんだか新しい事にチャレンジするのは、不安もいっぱいだけどとてもワクワクします。
その歳で“girl”って?....というツッコミはナシね。(笑)
海辺に行けば、いくつになっても気分は“girl”なのよ。ふふ。

そういえば、暑くなりそうだったので、朝は鰹縞の阿波しじらに綿レースの長襦袢でした。ほぼ夏仕様ですが、昼くらいにはそれでも暑いと感じました。着物で試着は出来ないので、出がけに洋服に着替えました。なんだか妙な行動です。でも着物でパタゴニアはもっと奇妙だし。(笑)

2004.5.16 [日] 私、作る人

葉山芸術祭のファイナルイベント「青空アート市」に、KIMONO真楽ちくちく部で参加。
前日から、玉すだれメンバーのみなこさん一家・ミホちゃん・のりんさんが葉山入りして練習に励み合宿気分。

朝起きるとどしゃぶりで、一時はどうなることかと思ったけれど臨機応変に対処してちゃんと開催された。葉山芸術祭は、ナニカを表現したい思う人々が自主的に参加するイベントで、そのせいか参加している人それぞれが自らやるべき事を自分で判断して動いている様に思う。だから何かアクシデントがあっても「どうすんだよー」と指示待ち体勢で不満タラタラしかも動かず....なんていう状況にならない。外見やかっこうだけ見てるとかなり普通じゃない人達が多いんだけど、実は本質的には大人でコミュニティーでの楽しみ方を知っている人達なのだと思う。

そんなわけで、クラフトバザールは近くの民家に会場が変更になり、ちくちく部は入り口近くのかなりいいポジションを獲得。真楽のみんなはこの雨だしなぁ....と半分諦めていたのにちゃんと集まってくれた。アリガトー!各自の作品はかなり本格的で、作り手が多い分、並べた品にバリエーションがあって眺めるだけでも楽しい。雨なのに、けっこうお客さんも民家にギュウギュウなほど集まり、ちくちく部の品物もたくさん売れた。
ここでも、作った人とそれを見て欲しいと思い購入して使う人がダイレクトにつながる。作った人は「あ、この人が使ってくれるんだ」とかどこが気に入ってくれたのかという事が分かるし、買う人は作り手の顔が見え「こんな人が作ったんだ」と納得できる。
これってやっぱりお互いが幸せになる基本だよなぁ。

そして、レトロな雰囲気が漂うステージでの玉すだれは思った通りサイコーに楽しかった。イオ君を連れて初めての外泊にチャレンジしてくれたみなこさんには大感謝。のりんさんとミホちゃんはちく部と兼任で大忙しだったから心配だったけれど、大きなミスもなくかなり会場を沸かせていた。今後の「さも似たり団」の発展が楽しみ。

こうして三週間以上に渡る第12回葉山芸術祭の全てが終った。
たくさんの人から刺激を受け、たくさん笑い、つきることなく語り、思いを形にした。
楽しかった。ありがとう。
そして半月もすると、浜では海の家の建設が始まる。
夏が来る。

※写真(リリコさん&みなこさん提供)
着物は単衣のお召し。後染めの縞は派手渋な色合いが絶妙で裏まできちんと染まっている。
帯は去年の夏に石垣島で購入してきたミンサー。白地に緑のシンプルな半幅を文庫結びに。
瓶覗色のぼた織りの半襟をかけた長襦袢は綿レース。500円で買った古着だから文句は言えないけれど、身幅が狭く丈も短く衣紋も抜けないので少女用って感じの物かも。
足下は素足にゲンベイのビーサンで葉山らしく。(笑)

2004.5.13 [木] dotte koto nai

お誕生日だったのに、突発仕事。
「明日中にポストカード5種類、版下データ作って」だなんて。
やったよ、ちゃちゃっと。
夕方までにデータはFTPしてオツカレサン。
その後、15日に閉店しちゃう伝説の焼鳥屋伝馬へ行き、
焼き鳥とビールで地元の面々にお祝いしてもらう。
サンキュー!
普段のままの誕生日。
着ていた着物も、普段のままのどってことない奴。

こんな何気ないけど幸せな日常を、
これからも、歳を重ねながら楽しんでいけますように....。


※写真は、
去年お誕生日にぽんと咲いた芍薬。
今年は二日早かった。

2004.5.7 [金] 葉山芸術祭三昧

GW中は、葉山芸術祭三昧。
ほぼ日連載中のニレイさん写真展は会場の日本家屋がサイコー気持ち良く、傍らでワンコインマッサージしてもらい、蚊取り線香の缶で撮ったピンホール写真展見たり、ハコさんの酵母パン食べさせてもらったり、そこで草の布の矢谷さんにばったり出会ったり、浜辺展示のゴミアートに職人技を見たり、長者ケ崎の先の島のビーチクリーン大作戦に参加したり、もぅ盛りだくさんで書ききれませんが楽しい楽しい!
いやぁ〜、面白いトコだなぁ、ここは。(笑)

そんな葉山芸術祭は、まだ続きます。
で、このお祭りのフィナーレが、森山神社で行われる青空アート市!
真楽ちくちく部が出展し、レトロステージでは玉すだれが披露されちゃうわけです。
楽しみだなぁ。いいお天気になる様にみんなで祈ってくださいね。

※写真は、
上:しきやんのゴミアート。こう見えて物凄く細かい職人技の手仕事が。
下:長者ケ崎の先の島はゴミの地層から木が生えてる。根元の証拠写真。
輝く海や新緑の里山、ゴミが流れ着くこの島もすべてそのままの葉山。

2004.4.25 [日] 盛りだくさんな日曜日

午前中は我が家で、以前日記に書いた桃の花の着物を花嫁さんに着付ける。
「すごく楽です。これならご飯が食べられそう」と言っていた。
ヘアメイクは義妹が担当。
とても品良く、可愛らしくて素敵だった。お幸せに!

片付けて、自分も着替えて、いざお江戸へ。
一衣舎さんの個展では、真楽仲間やら私の親達までたくさんの知った顔が揃っていた。
ここに在る物には、木村さんの明確な主張がある様に思う。
しかも仕立てという布と着る人の間に立つポジションから、独自の視点で“こうゆうのはどう?”という提案が示されていてそれがまたいいトコロをついている。お見事です!
私自身は、気になっていた竹素材の長襦袢を試してみる事にした。
会場内の楽しい雰囲気もとても居心地が良く、皆さんそれぞれ滞在時間が長い。(笑)
私もつい長居してしまい、あわてて新宿へ移動した。

さて、移動して新人歓迎オフ。
初めての方にもお目にかかれて嬉しい。
でも、初対面でもあっと言う間にみんなうち解けて単なる着物好きな仲間になって盛り上がる。
いやぁ、楽しくてずいぶん呑んだ。
それぞれ個性的で素敵な着物仲間に囲まれて、幸せな夜。

新宿駅では猛ダッシュで走り、最終バスに間に合う湘南ラインに飛び乗った。ギリギリセーフ。滑りがちな畳表でここまで走れれば完璧だな。(笑)
って言うか、駆け込み乗車はやめましょう。(爆)
車中、爆睡。
でも終点までだから乗り越す事もないのさ。ふふふ。

※写真は、
唐桟と更紗の昼夜帯を両方見せたくて適当に結んでみた。
布も芯も柔らかく、とても扱い易い。
結び目もゴロゴロしないので、いろいろな結び方が楽しめそうだ。

2004.4.23 [金] お誂えの極意

午前中は近くの警察署へ免許の更新に行った。
今回は、藍の久留米絣で写ってみる事にした。
即日公布だとばかり思っていたら違った。
そか。ここは葉山なのだった。
着物姿の免許証は5月31日まで待たねばならない。

帰宅したら、もっと待つだろうと思っていた荷物が一衣舎さんから届いていた。3月18日の日記に書いた館山唐桟の帯が仕立て上がったのだった。
実は布が届いた後、具体的にどんな帯にするかけっこう悩んだ。義妹は普通の名古屋帯に、私は更紗を裏にした昼夜帯にしてみようかと一衣舎さんを訪ねた。すんでのところで廃棄処分を免れた更紗の型紙は、膨大な量があった。片っ端から見せていただき、ゆるりと間のある唐草模様の型を選ぶ。伸びやかな曲線とポカンとした間がいい感じ。色は最初から地色と柄を同系色にしたいと思っていた。よく印刷物にもある黒ベースに黒インクのせとかが好きなテイストで、更紗も染めてもらうなら絶対に同系色だなと目論んでいたのだ。木村さんも色の事は同じ様に考えていらっしゃった。でも呉服屋さんではあまり見かけない。時代やユーザーが求めるテイストと呉服屋さんに並ぶ反物に隔たりがあるのはどうしてだろうね?で、色は結局、五十鈴縞の配色にもある青を地色にし、少し濃い青で柄付けしてもらう。
もう、こうした組み合わせを考える作業は、好きだ、楽しい、面白い。
出来上がって、畳紙を開ける瞬間もワクワクだった。
これぞ、お誂えの極意なんじゃないだろうか。
自分の思い通りに素敵に仕上がってきた昼夜帯。
「裕司さんにお見せしたいかなと思いましてがんばりました」と木村さん。
みなさま、ありがとうございます。
25日の帯は決まった。
結び方を研究しないと....。

2004.4.15 [木] 8:45 pm

とりあえず良かった。
また道中でござるを見ていて速報。

2004.4.10 [土] 原美術館のアフリカンな夜

見事に編み上げられた髪型を撮り続けるJ.D.オカイ オジェイケレと、昨年ハッセルブラッド賞を受賞したマリック シディベ。そんな二人の写真展が原美術館で開催されていたのだが、10日はそのクロージングパーティーだった。
相棒と義妹の三人で出かける。義妹は独身時代、バリバリ超売れっこのヘアメイクだったのだけど、出産を機にすっぱり辞めて主婦していた。が、ここ数年近所の子供や友人に頼まれてカットをするうち評判になり、ゆるりと復帰な気分にもなってるらしい。そんなわけで、今度私もアーティスティックな編み上げヘアをやってもらおうと誘ってみたのだ。(嘘/笑)
写真は、生身の人間なんだけどそれはまさに“作品”。チマチマと編み上げるには、いったいどの位の時間がかかるんだろう?カッコイイ。肌の色や髪質に合う“カタチ”だよなぁ....と思う。
で、日本人にはやっぱり日本髪なんだろうなぁ。あれも海外の人から見たら、かなりアーティスティックなカタチだと思う。直毛の黒髪じゃないとダメだしね。

さてパーティーは、マリのママドゥ・ドゥンビアのライブと、ヘアスタイリストTETSUさんのパフォーマンスなど、楽しかった。場所がこのガーデンテラスだって事がかなり重要で、気持ちいい季節の夜、ココロはいろんなナニカを放電して自由で清々しい気分になる。生きる喜び。
そう言えば、写真展のタイトルは“生きる喜び-アフリカの二人”だった。

着て行った着物は、
赤い紬に、マリの泥染めの布をかなり無理やり結んでみた。布は120×185cmの厚手の手織り木綿で糸から手紡なので大変なボリュームがある。細長く畳んで一度だけきつく結び、帯揚げで上を整え、垂れと手を帯締めで固定してなんとか形にした。面白がられたのでヨシとしよう!
ちなみに半襟は黒地の麻の葉柄。足袋はぼた織りの黒。赤&黒の爬虫類っぽい草履。
会場には、着物姿の方は他に三人。
最近は、特に着物テイストじゃない空間にも普通に着物姿が増えたみたいで嬉しい。

2004.4.9 [金] 平和のノウハウ

昨晩、「道中でござる」を見ていたら、
画面にテロップでニュース速報が流れた。
“イラクで邦人3名が誘拐”
番組でのテーマは旅の安全。
西洋では戦争が絶えなかった時代に、
江戸時代の日本では女性だけの旅だって
安全に可能だったそうだ。
テロップと番組の皮肉な重なりに愕然とした。

なぜ、江戸時代は長く平和が続いたのか。
そのノウハウは、時間や国や文化を越えて
役立てられないか。

今はただ3名の無事を祈るばかり。

※写真は、富士山頂に沈む今日の夕陽

2004.4.8 [木] そのままがいい

とある仕事で山のロケハン。

6日は、葉山の仙元山へ登ってみた。
コースは色々あるのだけれど、一番ポピュラーな3.5kmのハイキングコースを歩く。アップダウンが結構あり、いろいろな山の表情が絵になる道だ。しんどいけどね。(笑)足下には散った桜の花びらが美しく、道の脇の緑も柔らかい。急な場所だけ丸太で階段にしてある他は、あまり人工的に手を入れていない。それこそが、山として美しい表情を保つ秘訣だと思う。変な柵を作ったり、やたら看板を立てたり、そうしたおせっかいが日本の美しい景観をダメにしてるんじゃないかなぁ?
葉山の山は、なんにもしてない“そのまんま”が今の所はイイ感じなのだ。

翌日の7日は、箱根へ。
畑宿から江戸時代の雰囲気をそのまま残す箱根旧街道を探索。
「箱根八里は馬でも越すが、越すに越されぬ大井川」と唄われている箱根越えの難所の道だ。
江戸時代に敷かれた石畳が部分的に今も残っている。
ここを多くの旅人が歩いたんだねぇ。しかも、足袋とわらじでだよ。
敷かれてある石は、けっこうデコボコで、もう少し平らにする配慮は無かったんかぃ?とツッコみたくなる出来なのだが、聞けばかなりな突貫工事で作ったらしい。まぁ、意外に、足袋&わらじはグリップが効いて、現代のスニーカーなんかより歩きやすかったりするのかも。
峠を越えると芦ノ湖。旅人もホッとしただろうなぁ。
春の空気に霞んではいたけれど湖の向こうには、富士山。
とても日本らしい景観。
でも、残念な事に芦ノ湖の周りは、なんと言うかいわゆる“観光地”になってしまって、お土産屋やら看板やら海賊船みたいな船やらアスファルトな道やら、とにかく溜息しか出てこない。
もったいないなぁ。

人も自然も、そのままがいい。
そのままが美しい....と、私は思う。

※写真は、
上:箱根旧街道の石畳
下:葉山の仙元山に咲くタンポポ。在来種っぽい気がする。

2004.4.4 [日] 海棠

庭の海棠が満開です。

越してきて二度目の満開。
テラスの真ん前、
私のデスクから目を上げた先に、
この木があります。
最初は名前も知りませんでした。
去年も、この花の咲く姿を見て
やっぱり日記に書いていました。
そして、また同じ事を思ってます。

自然から教わる事が、
とても多い。

四月になって、
また一年生になったつもりで、
たくさんの事をこの場所で
学びたいと思います。

2004.3.30 [火] 桃の着物

26日の日記に書いた桃の着物の事で、かずさんから
「大丈夫じゃないでしょうか」と伝言をいただく。

桃は、ミチトセ(三千歳)とも言い、長寿の印。
場所によっては4月末まで見られるし、
兆し=将来の予知=転じて魔よけにも。

妊娠の兆しととる場合や、
結婚などにふさわしい花でもあるらしい。

知識が深ければ、的確なアドバイスも出来るのですね。
「三千年に一度のめぐり合わせのよいご縁で、
二人で実をつけ、長寿の命もいただけるということで! 」
素敵な解釈です。ありがとう。
本人にも早く伝えたいな。
あぁ、嬉しい。

そして、持つべきものは真楽仲間と
しみじみありがたく思う勉強不足なワタクシでした。

2004.3.28 [日] 花見

山肌が春色になってきたので、裏の三ケ岡山に登る。
それぞれの木の枝先に柔らかな新芽が出ていて可愛らしい。
大島桜も満開だった。
写真を撮りながらゆっくりのんびり。
休日にもかかわらず、ほとんど人とすれ違わない。
大島桜の大木が固まる高台には、木のテーブルとベンチがある。
ここでしばし休憩。
鶯が鳴き、まるで小鳥の楽園。
とても高い所で咲くこの山の大島桜は、肉眼ではよく見えない。
でも、今日は相棒がバードウォッチング用の双眼鏡を持ってきていた。
チョット借りてのぞかせてもらう。
うわぁ、なんという美しさ。
青空を背景に大島桜が花の形まで認識できる。
ベンチに寝ころび、360度ゆっくりPAN。
きれいだぁ〜。
うっとり眺めていたらメジロがフレームインして鳴いている。
まんま友禅の裾模様だぁ〜。
三十分以上双眼鏡の世界に嵌っていたかな?
でも、人間は私達二人だけ。
満開の桜の下で、この山を独占してる気分。
そう言えば、その後鳴いている鶯の雄と近づく雌も間近で見つけた。
でもちっともいわゆる鶯色じゃないんだね。
どうやらメジロと鶯が混同してメジロの色が鶯色になったとか?
なんだかとてもいい加減でいいなぁ。(笑)

山の下り口にあるあじさい公園は、海を背景に染井吉野が咲く穴場。
今日は一本だけ咲いていた。
ここは来週辺りが見頃だろうか。

街に降りて、イタリア食材店で昼飯を買い、
ついでにスクリュートップのハーフワインも買い、森戸海岸で浜ランチ。
磯遊びしながら帰ってきたらすっかり夕方。
あぁ、極楽な春の休日。

※写真は、
上:新芽の色も形も可愛らしい
中:高いトコロで咲く大島桜
下:浜ランチのイタリアおむすび***美味し!

2004.3.26 [金] 枝物

お向いさんから貰った大島桜が満開になった。
1メートル以上ある大きな枝。
なんと、ホワイトデーに彼がプレゼントしてくれたと言う。
我が家にも糸鋸で切り分けてくれた。
ロマンチックなお福分け。THANKS!

大島桜は、開花と一緒に葉も育つ。
花の量も控え目なので、遠目で見ると染井吉野の様な豪華さはない。
でも、私は大島桜の楚々とした咲き姿がとても好きだ。
白っぽい花の色と柔らかな緑と空間をつなげる枝のバランスがいい。
裏山の大島桜も山肌にぼかし模様を作っている。
きっとそろそろ見頃だろうな。

さて、枝物と言えば、これで悩んだ一件があり午後から来客。
じつは地元繋がりで、四月下旬の結婚式の着付けを頼まれた。
結婚式とはいえ、何もしないつもりで入籍も済ませた本人達だが、
簡単な式と親戚だけの食事会をする事になり、
手持ちの訪問着を着たいと言う略式なものだ。
先日、その着物を見せてもらったのだが、綺麗な加賀友禅だった。
聞けば、若い頃に一生懸命バリバリ働いて自分で買ったそうだ。
すごいなぁ。そして、これがまたとてもよく似合う。
ところが、その友禅に描かれていたのは枝ぶりも見事な桃だった。
本人はまったく何の花か?なんて事は意に介してない。
他のモチーフは一切無く、枝に咲く桃の柄を、四月下旬にどうだろう?
親戚にお茶を嗜む人や着物にうるさい人が居たらどう思うだろう?
その時は何も言えずに別れたのだが、一晩悩み、
翌日母にも相談して、やっぱり着る本人の意見を聞く事にした。
なんならココに置いてある私の手持ちを貸してもいいし。
そんな経緯もあり、今日その本人が再度打ち合わせにやってきた。
私の着物を三枚ほど着てみるが、どうもしっくりこない。
似合わないわけじゃないけど、ダンゼン自分の加賀友禅がピッタリなのだ。
結局のところ、本人は桃の訪問着を着ると決めた。
「いろいろ検討させてもらったし、コレでいきます!」
一生に一度きりの結婚式。
季節がどうのこうの言うより、自分に似合う着物を着ればいいじゃない。
うん。私も応援するよ。
きっと素敵な花嫁さんになると思う。

とは言え、私のアドバイスは間違っていなかっただろうか?
着物というのは、ほんとに奥が深くて難しい。
でも色々なしきたりは知りつつも捕らわれずに自由に着たいと思う。
頭もカラダも柔らかくなくちゃね。

2004.3.18 [木] 五十鈴

館山から荷物が届く。
二年前に初めて館山を訪ね、
見本帳からお願いした反物のうちの一つだ。
山田五十鈴の為に織ったという“五十鈴”という縞。
爽やかで可愛らしい縞だと思う。
これは義妹と分けて帯にするつもりでお願いした。
さてさて、では具体的にはどんな帯にしよう。
これからまた楽しく悩もう。

BBSの話題や皆の日記など、
いろんな流れがみんなちゃんとリンクしてるみたい。
真楽は、どんどんその言葉の意味通り進化してる。
素晴らしい。

※真楽(しんらく)
自分も相手もその他の万人も、ともにうるおう楽しみ

2004.3.13 [土] 工房見学

さらProjectの「職人さん訪問」企画に参加して、朝霞にある“染色工房稲木”へお邪魔させてもらった。こちらは、東京手描き友禅の工房で、デザインから蒸しの工程まで全てを一環して行っている。分業が当たり前な世界なので、この工房はかなりユニークな存在らしい。
見学者は案内人ののりさんを含めて総勢5名。バスを降りて住宅街の中を歩き「ここです」と、のりさんが示した先は、住宅街の中にある普通の住宅だった。しかも一階のガレージにはBMWなどの大型バイクがごろごろ置いてある。かなり、ユニーク。(笑)
ガレージ奥の階段を登るとそこが工房で、乾燥中の反物の下をくぐってお邪魔する。
スタッフは、稲木久さん・稲木昇さん・河村玲子さん・稲木実さんの4名で、今日は河村さん以外の皆さんにお目にかかれた。久さんが図案、昇さんが工芸の技術的作業を受け持っている様だが、素晴らしい連携プレーで一枚の着物に仕上がる。染めの工程を間近で見るのは初めてだったので、見る物、聞く物、全てが興味深くて面白い。百聞は一見に如かずとはよく言ったもんだ。とても楽しく大変勉強になった。今度からは、友禅を見ても「おぉ、この柔らかな線はもち糊?」なんて鑑賞できるかもしれない。
見学のレポートは、さらProjectのサイトで後程公開される予定なので乞御期待。
最後に、作品展に入賞した久さんの作品の数々を羽織らせていただいた。衣桁に掛けてある着物も素晴らしいが、身に纏ってみるとその美しさには声も出ないほどだった。なんか、友禅って女心をメロメロにする力があるね。
お話を伺うと、こちらの工房では直接のオーダーもお願いできるそうだ。自分の体形や好みの色・柄、柄出しの位置など、予算に応じて作ってもらえる。考えてみたら、標準寸法で百貨店や呉服屋に並ぶ友禅の方が不自然なわけで、これからは着る人と職人さんがもっともっと近づくべきだと思う。久さんも「何でも相談して」と、同様な意見をおっしゃってくださった。本当のお誂えはこうでなくちゃ。私も、いつか自分にぴったりな友禅を作りたい。ま、その前に貯金ですけど、私の場合。(笑)
気がつくと、外はとっぷり暮れていた。
染色工房稲木の皆様、今日は貴重な時間をどうもありがとうございました。
そして、ここに案内してくれたのりさんにも感謝!
楽しい一日でありました。

●染色工房稲木
http://www.asahi-net.or.jp/...
●さらProject
http://www.sala33.com/...
(ここを主宰しているのりさんも、最近真楽メンバーに!)

※写真
上:乾燥中の反物。一年中ストーブがかかせない。
中:昇さんの作業を見守る見学者達。
下:イグアナは実さんのペット。この辺もユニーク。

2004.3.12 [金] 春の海

問い合わせがあったので追記。

10日の日記で書いた宮城道雄の随筆集は、
「新編・春の海」という岩波文庫。
<ISBN4-00-311681-X>
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/...

※写真は、ここで使っていたと言うステッキ

2004.3.10 [水] 雨の念仏荘

「春の海」などを作曲した盲目の筝曲演奏家・宮城道雄は、葉山に別邸を持っていた。
雨の念仏荘と言う。
この建物の五年がかりの修復が完了し、建物全体が大きな茶室とも言える美しい空間が蘇った。これを機に修復の記録を映像で残したいと、その制作を承る。その為、天気のいい日はここんところ撮影だった。スタッフを雇う予算は無いので、全部自分たちで動く。大勢のスタッフを集めて制作する仕事もやりがいがあるけれど、好きな物をマイペースで制作していくこんな仕事はじつに葉山っぽくていい。感謝。
宮城道雄は、邦楽家という仕事柄か、残された写真のほとんどが着物姿だ。海外演奏などでピシッと羽織袴を着ている姿もいいが、それこそ葉山で普段着をクタクタっと着ている姿がとてもオチャメで私は好きだ。縁側の日だまりで、柱の傷などを眺めていると、ふとそこに宮城道雄の気配を感じる。縁とはほんとに不思議な物だ。そしてやっぱり感謝の気持ちでいっぱいになる。
随筆家としても彼は素晴らしい才能を発揮した。視覚のない世界は、“目明き”の私には到底想像出来ないが、その世界はとても豊かで研ぎ澄まされている。四季の情景や失敗談などが、つい笑ってしまうほど軽やかな文体で綴られている。
ストレスでくたびれた人もきっと元気になれる随筆集だと思う。

※写真
上:路地を出ると真名瀬の浜。ワカメを干す春の風物詩。
中:離れの居室は、正面が海。音にも眺めがあるのだろうか。
下:自然光のみでの撮影はお天気次第。

2004.2.28 [土] 里山の梅

葉山の里山を巡った。
今日のコースは、葉山らしい景観を守ろうと活動しているグループが、足で歩き倒した景観調査の賜物で、私はラッキーにもそのおこぼれに預かる。
横須賀に近い葉山の外れ“木古庭”という場所は、昔の田舎にタイムスリップしたような懐かしい場所だった。ちょうど梅の見頃で、図らずも梅巡りのような散策になる。のどかな棚田が広がり、そこにポツンと満開の梅の老木が佇んでいたりする。おばあさんが農作業の手を休めて「その梅は私が来た時に150年だって言ってたから随分古いよぉ」なんて教えてくれる。里山に咲く梅は、それぞれダイナミックだった。
庭園の中で、美しく剪定されて整えられた梅の木も見事だと思うけれど、こんな風に里山の中で自然のままに咲き誇る梅は感動的だった。風景の中にある梅を巡る。なんて贅沢な散策だろう。
連れていってもらったコースは、とてもバラエティーに富んでいて楽しかった。竹林の山道、農道、「こんな道、どこかに繋がってるの?」なんて小路、カッパが出てきそうな沼というか池、川のほとり、棚田のあぜ道、旧浦賀街道などなど一日中歩き通した。面白かったなぁ。
お弁当持参という事だったので、おにぎりを竹皮に包んで持っていった。里を見下ろすお寺の境内でお昼。大きな木の根っこに腰を降ろして食べる。うまい!ちっともお金を使っていないのに、この贅沢な気分はどこからくるんだろう?この場所は、ほんとうの意味で豊かな場所なのだと思う。自然の恵みに感謝してこの場所を守りたい。
解散後、同行した人の万歩計は15,000歩を越えていた。
よく歩いた一日だった。
このコースは、葉山芸術祭でも巡るらしいので、散歩好きにはオススメ!

着ていたのは、
ウールの男物の長着にもんぺ。
久留米木綿の半纏。
足下は歩く事を考慮してジャングルモック。

2004.2.21 [土] やっぱり天然が好き

夜、葉山空間のオフもあるし....って事で久々に絹物。
とは言え、鎌倉の御成町通りにある古着屋さんで買った物で、2,520円。安いよねぇ。
裏は紅絹だったのでそれなりに古い様だし、状態はいいし、柄もモダンで悪くない。サイズは小さいながらも、祖母の襦袢が裄もピッタリだった。
こうした絹物は、私の中では「汚してもいい絹」として、浜散歩や飲み会で活躍する。ポリの着物は未だに持ってないしね。どんなにボロでも天然素材がやっぱり好きだ。そして、汚してもいいと思って着ている割には汚れない。不思議なものだな。

・古着の着物(お召しかなぁ?で、裏は紅絹)
・半襟は、緋色地に赤の格子柄イカット
・長襦袢は、祖母のモスリン
・ウールの半幅(黄色地に狩集さんのアートペイント)
・北海道の織物の帯締め
・コガモ色の別珍足袋に下駄
・バリ島ヌガラ地方の手織り(浮織)腰布をショール

2004.2.17 [火] 鎌倉ぷらぷら

葉山は小さな町のせいか、公的機能を他の自治体に寄生している。法務局は横須賀だし、社会保険は東逗子に呼ばれるし、税務署は鎌倉だ。ま、本店所在地が葉山って会社も少ないわけだからしょうがないけど。(笑)
で、今日は税務署に用事があったので、ついでに鎌倉散策をした。
とは言え、仕事だしスクーターだし、普通にジーンズ姿。
いろいろあちこち気になるお店を一人で気ままに覗いて回る。あぁ、楽しい。

さて、鎌倉は若い頃から何度も来ているが、何故か大仏様には行った事が無い。つい先日は拝観時間が過ぎていて入れなかったので、思い出して行ってみた。近くから大仏様を見上げると澄んだ青空を背景に穏やかな顔でそこに居た。和むなぁ。大仏様の中にも入ってみた。小さな暗い空間は、胎児に戻ったみたいで落ち着く。大仏様は七百年以上も、ココにこうして座っている。ゆったりとした時間が流れていた。

そして、最後に寄った「花ぐるま」で出会いがあった。
男物の羽織りをひっくり返してディスプレイされた羽裏の柄に目が留まる。酒を飲んでまったりする男女。女性の顔立ちが美しくしぐさが色っぽい。気になるので降ろして見せてもらうが値段も分からないと言う。たぶん諭吉さんが数人は必要だろうなぁ....と、諦めるが、間近で見ると、着物の柄や足袋底の陰影まで驚くほど精細に描き込まれ、色焼けも少なくて絵としてみても美しい。他の着物や帯を見せてもらいつつも、どうしてもこの羽織りに戻ってきてしまう。その内、よくよく見てみたら右袖の裏では房事に励んでいらっしゃる。(笑)袖ってトコロが奥ゆかしくてノックアウト。もうだめだ、連れて帰りたい。出先のオーナーを捕まえて値段を聞くと予想通り。エイヤっと、一緒に帰る事にする。
昔からこうした着物の持つ色っぽい遊びが大好きだ。見えないトコロでこっそり楽しむスケベ心がたまらない。あぁ、大人は楽しいなぁ。ふふ。
それにしても、特に探しているわけじゃないはずなのに、どうしてこういうモノに巡り合ってしまうのかなぁ?スケベがスケベを呼び合うのかな?(笑)

2004.2.15 [日] 春

そこここで、春。

めかぶ。
茹でた時の色変化が鮮やか。
細かく刻んでかつお節と醤油で
混ぜてじゅるる。
海の恵み。

ふきのとう。
なんと家の庭にも芽を出した。
コンクリートの割れ目から芽を出す
健気な強者も近所で見た。
山の恵み。

梅。
遅咲きな我が家の梅も
ほころび始めた。
春がくる。....るん!

ここんとこ、普段着はウール。
モスリンの長襦袢に、格子柄のイカットを半襟に。
半幅の背中には“こはる”忍ばせて。ぬくっ

2004.2.7 [土] 酔っ払いの日

鎌倉清酒研究会で日本酒のお勉強。....と、いう名目で酔っ払いになる日。(笑)
全国の酒蔵から100種類近い選りすぐりの日本酒が集まり、それを目指して300人近い飲ん兵衛も鎌倉パークホテルに集まるのだ。私は前回熊蔵に誘ってもらって、今回は二回目の参加。
体調を万全に調えて「呑むぞぉ〜!」という飲ん兵衛根性丸出しで臨む。
今回は十四代も酒米などの違う五種類が揃ったりして、お米の素性の違いによる仕上がりの違いなども分かっていいお勉強になった。....のは、最初のうちで、あとはもぅどれを呑んでもそれぞれ美味しくて、飲ん兵衛は嬉しくて笑いが止まらない。いやぁ、よく呑んだ。
らららぁ〜、私はただの酔っ払いぃぃぃ〜!

....というわけで、着ていった着物も酔っぱらいっぽく遊ぶ。
最初に決めたのは、朱色に白い線で春画が描かれた長襦袢。
このスケベな長襦袢に合わせて全体を決める。
ま、このメインは見えないんですけどね。気分はいいんだ。
半襟は赤い絞りがかかっていたのでそのまま採用。
長着は、自称SoundEdit柄の黒地の紬。
帯は、青地に中華っぽい龍が睨みつけてるポップなアンティーク。
帯揚げは草色の絞り。
帯締めは、朽葉色の冠。
足下は、黒い保多織の足袋に黒塗りの二枚歯の下駄。
この帯はかなり短くて柄を出すのに難儀するのだけれど、帯枕を使わないお太鼓にしたらだいぶいい感じで結べた。これはいい。私としてはいつもより衣紋も抜いて、千鳥足で酒を求めてゆらゆらさまよう。会場には、女将さんっぽい着物姿もそれなりに居た。私もどこかでお店を張ってる玄人さんに見えたかな?
酒は旨いし、着物は楽しい。次回も楽しみ。

2004.2.3 [火] 約束

節分までに....という約束。
守れて良かった。

そんなわけで、登録作業に追われ
てんてこ舞いを踊っていたら
ご近所さんが
「庭で採れたから....」と、
ふきのとうを持ってきてくれた。

晩ご飯に天ぷらにしてサックリいただく。
春の息吹がたくさん詰まってほろ苦い。
あぁ、春なんだねぇ。
そう言えば、陽が長くなったもんな。

新しいメンバーを迎え、
春がくる。
清々しい新風が吹き抜ける節分の一日。

2004.1.25 [日] 葉山で新年会

皆をむりやり葉山に呼び寄せて(笑)、新年会。
昭和初期、葉山には500棟もの別荘が存在した。でも、現存する建物は50棟程で、しかもどんどん消滅している。趣のある庭や建物が更地になって、小さく分割されてギチギチに住宅が建つ。そんな場所が今あちこちに存在している。....なんとかこの状況を食い止めたいと痛切に感じる。
音羽楼は当時のままの建築をそのまま残し、会席料理のお店として営業している素敵な所だ。
今日は、そこに着物な人々が集結する。嬉しいなぁ。
集まった皆の装いは、新年会らしく華やかな雰囲気に満ちていた。
私自身、やはり晴着を着ると嬉しくて気持ちがウキウキしてくる。
集まった全員がそんな気分になっているのか、部屋の中の空気がキラキラした華やぎ成分で充満してすごく幸せな気持ちになった。
オシャレをするって、本当に大切な事なんだね。
思いきり「ハレ」な気分を楽しんだ一日だった。

着ていたのは....、
20代の頃に作ってもらった千總の小紋。
母がこの着物の事を「チソーのコモン」と呼ぶので、耳覚えのある言葉ではあったのだけれど、その意味する所をまったく理解していなかった。何とはなしに“紅型”とか“板絞り”とか、技法を指す言葉だと思っていた。“チソー”は“千總”と書き、京都にある京友禅の老舗だった....という事は真楽で得た知識。まったくもって何も知らない私である。
知らないとは言え、この着物はずっと大好きでお正月などにはよく袖を通した。着物自体が魅力的なオーラを放っているんだと思う。柄ゆき的にもまだまだ着られそうなのでこれからも大切に着ていくつもり。
帯は、先日締めた洋山の裏を出して二重太鼓。裏は白地の紬に鈍い金と銀がうっすらと織り込んである。着物の柄が個性的なので、帯はこの位あっさりしている方が締めていて落ち着く。
緑がかった青系の綸子の帯揚げ。
紺色の冠の帯締め。
白半襟を掛けたピンク色の長襦袢。
白足袋に、赤いラインの入ったグレーの草履。

2004.1.24 [土] 9:45 am

よしよし。今朝になって風は収まった模様。
あぁ、良かった。

2004.1.23 [金] 葉山便り

ここ数日、葉山はゴーゴーと風が吹きすさんでいる。
海からの風が三ケ丘山にぶつかってうねり、おんぼろ我が家はガタピシ鳴ってて飛ばされそうだ。
砂混じりの冷たい風は、散歩にだって出たくない。
そんな風が、相変わらず今日も収まらない。
新年会の日曜日までには収まって欲しいなぁ....と、切に願う。

そしてこの時期の朝晩は、寒い。
セントラルヒーティングのマンション暮らしですっかり鈍ってしまった私の体も、やっとこの環境に慣れてきてくれた気がする。ニンゲンの適応能力は素晴らしい。
そんなわけで、最近は重ね着。
昨日と今日は、二重ガーゼの肌着・ネルの湯文字・モスリンの長襦袢・ウールの長着(男物)・薄綿の入った縞柄のお召し?(男物)・別珍の足袋。
縞柄の着物は、鎌倉の花ぐるまで丹前を探していて見つけた物だが、綿の入り方が控え目なので丹前というよりは、単なる綿入りの着物なのかもしれない。補強と汚れ対策に黒繻子の布を衿に掛けて着ている。
ウールの上に半幅を締め、その上に羽織った綿入り着物には兵児帯を巻き、買い物などに出る時は、綿入り着物を半纏やコートに変えてという感じ。
さすがにこれだけ着ていれば、ぬくい。
夜、囲炉裏のそばで寛いでいると、ほんわかしてきてぽわわぁ〜んと眠くなる。
あれ?もしやそれは一酸化炭素中毒?(笑)
ま、神経細胞が多少死滅したとしても、このぬくぬくは幸せだからやめられない。

葉山の風も寒さも、過酷な剥き出しの自然は、辛く厳しい。
でも、そんな環境に居るからこそ、感じられる幸せがある様に思う。
生命体としての知恵と能力も鍛えられる様に思う。
メリハリは、必要だ。

でも、日曜日だけは穏やかな天気になって欲しい。

2004.1.12 [月] 革と皮膚と現実

仕事仲間のお見舞いの為、東京へ。

ついでに近かったので、自由ケ丘のCAILAN'Sへ寄る。
http://kanshin.com/...
セール中だった。
革手袋の癖に妙にエレガントな手袋が、諭吉さん+α程度のお値段になっているので購入。最近、葉山をスクーターで走るたびに、革手袋があればなぁ...と思っていたのだ。小羊の皮は柔らかく、しっかりとした手縫い。ラベルには「FRANCESCO FARNERARI」とある。調べたけれどフィレンツェにあるお店らしい事くらいしか分からない。微妙にこだわった緩やかなラインは、着物でも違和感なく使えそうだ。

帰りがけに原美術館へ立ち寄る。
ずっと、パトリシア・ピッチニーニの個展が気になっていたのだ。
吸い込まれるように、作品の細部を自分の眼球がスキャンしているのが分かる。何と言うか、そういう作品としか言えない迫力なのだ。脳が細部を解析しながら、哲学的な妄想もしている妙な感覚。ちゃんとナマで見られて良かった。
そう言えば、目線を低くして見て欲しいという意図なのか、作品の置かれた空間は靴を脱ぐカーペット敷きになっていた。小部屋に別れた原美術館では、結構、何回も靴の脱ぎ履きをしなければならない。草履はたいへん楽だった。もし、これから行く予定がある人は、ブーツはやめて着物でどうぞ。二月一日まで。
http://www.haramuseum.or.jp/...

着ていたのは....、
唐桟の無地の長着に、上島洋山の洒落袋帯。洋山は母が好きで、帯を数本持っていた。これは菫の柄で、なし崩し的に私ばかりが締めている。そろそろ?(笑)
卵色の帯揚げに、菫色の冠の帯締め。
クリーム色の縮緬の半襟を付けた鴬茶色の長襦袢。
白足袋に畳表の草履。
上から、保多織りコート。
結局、病室でコートを脱いだ以外はずっとコートを着たままだった。
ま、冬の場合はそんなもん。

2004.1.11 [日] どんど焼き

どんど焼きの日を間違えて記憶していた。
朝、正月飾りを持って浜へ出ると、気配が無い。さっき浜へ出る手前ですれ違った犬を連れたおじさんが、「あれぇ?どんど焼き、昨日だよ」と、後ろから大声で教えてくれた。
うわぁ〜ん、ウソ、昨日だったの?ガーン。久々にかなりへこむ。
どんど焼きとは、地域に根差した伝統行事で、正月に使用した門松やしめ縄を集めて積み上げて焼くという一種のお祭り。浜でやるからきっと絵になるだろうと、楽しみにしていたのに残念。

さて、燃やせなかったこのお飾りはどうしよう....と、調べてみたら、三浦半島の東京湾側で何ヶ所か今日やっているらしい。
えぇいっ、行っちゃえ!と、突発的三浦半島ドライブとなる。
134号線を南下して、途中から山を越えて三浦海岸側へ出る。
東京湾の向こうは房総半島だ。
長沢海岸という所で、それらしいモノを見かけたので、車を降りて観察。
間伐した竹を組む作業の傍らには、お飾りがたくさん山になっている。
おぉ、これだこれだ、きっとそうだ....と、しばし待つがいっこうに火が放たれる様子が無い。
作業中のおじさんに尋ねてみたら、今日は準備で、来週18日の日の出と共に点火するのだと言う。なぁんだ、そうか。この辺りでは、ちょうど正面の房総半島の山並みから朝日が昇るらしく、たいていの点火はその時間に合わせるらしい。うぅぅ、それも絵になりそうですなぁ。
おじさんに「来週、またおいで。」と言われつつ、お飾りはここで焼いてもらう事にして預けてきた。
来週、気が向いたら大きな炎を見に行くのもいいかもしれない。

その後、三浦海岸で大根を見物し、三崎でマグロランチを堪能し、今や三浦半島でもほとんど栽培されていない希少な三浦大根をゲットして、早めに帰る。

着ていたのは....、
朝着たまんまの久留米絣の長着にバザーでしょうちゃんから譲ってもらったウールの帯。御太鼓部分だけ巾が広くなってる形の帯。名前はなんというのでしょう?ウールの帯は普段に大活躍している。nicoちゃんから10円でゲットした半幅もよく締めている。ありがとう!
出がけにコートを羽織る。このコートは、一衣舎の木村さんから無理やり譲ってもらった保多織りユニセックス洗える仕様コートだ。実は試作も兼ねた木村さんご本人用の物だったらしいのだが、素材感と形に一目ぼれ。綿なのに暖かくて、女々しくなくて、すごくイイ!略奪して良かった。(笑)

写真は....、
1.正面の陸地は房総半島。こうして見ると、館山もすごく近い。
2.この辺ではおんべ焼きと言うらしい。作り物は10mはある。
3.たくあん用に浜に干された青首大根とコートの私。

2004.1.5 [月] 迎春

おめでとうございます。
今年はとてもお正月らしいお正月を過ごせました。
ハレとケがある日本の暮らしを大切にしたいと思います。
暖かく天候に恵まれ、気持ちのいい三が日でした。

紅白を見て、近所の森山神社へ初詣。
祝い箸と福錢、そして甘酒をいただき、ホッコリ幸せな気分。
葉山に越してきて初めてのお正月なので、
まずはここへお参りに行きたかったのです。
念願かなって良かった。
着ていた着物は、大晦日のまま足袋も別珍のまま。
暖かいので、上にちりめんの長羽織を羽織り、首にショール。
寒くはありませんでした。

元旦のお昼は、お向いのNちんが「私も着たい」と言うので、
私の着物一式を着付けて、森戸神社へ行きました。
さすがにチラホラ着物姿の人も居て、嬉しくなります。
私は、長着や襦袢は大晦日から着ている物に、
小袋帯を締め、赤い冠の帯締めを刺し色的に締めました。
上は、昨晩と同じ雪輪の長羽織に白いショール。

二日は、東京の実家へ。
親戚や家族が集まり、賑やかな楽しいひとときです。
新年会用に千總の小紋を持ち帰りました。
ついでに、祖母が着ていたモスリンの長襦袢も。
これは普段着に重宝しそうです。
着ていた着物は、大晦日と同様でした。
白い割烹着も持参します。

三日は、宮城へ帰る叔母を見送りに東京駅へ。
実は、叔母が煮付けてくれた干しぜんまいの煮物を
昨晩持ち帰り忘れたので、食意地半分のお見送りです。
叔母の干しぜんまいの煮物は私の目標だし、
めったに食べられないから貴重なのです。
着て行った着物は、ずっと同じ生成の結城に、
鉛色の縮緬地の紅型名古屋帯をお太鼓にして、
卵色の帯揚げ、朽葉色の冠の帯締め。
暖かいので、同じ雪輪の長羽織だけで大丈夫でした。

四日は、鎌倉の友人が遊びに来るというので、
しめしめ....という感じで、お節などのお正月料理を
胃袋の中へ片付けてもらいました。
さすがにそろそろ白っぽい紬も気疲れしそうな気分なので、
半襦袢に青系のウール長着、綿の半幅、タビックス。
夕暮れどきの浜散歩は、つんぬきにポンチョで暖かくして。
晩ご飯も付きあってもらって、お料理は八割方消化。

そして、お正月料理が減るのと一緒にお正月気分も薄らぎ、
いよいよ「日常」が、また始まります。

今年も一年、みな健康で良い年でありますように....。

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