◇ 蔵・・・ゆるゆる雑文/02_03_08 ◇

・・・・・・・・・・  10円の箱  ・・・・・・・・・・
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食品表示やら永田町の人々やら、最近は平気で嘘ばっかりつく大人達が多すぎる。しかもいい大学を出て、立派なポジションに居る人ほど嘘つきが多いような気がするんだけれど気のせいかなぁ?
そんな嘘つきが並ぶ新聞記事を読んでいて、ふと昔の事を思い出した。


もう10年近く前、仕事仲間が家族ぐるみで集まってバーベキューをした。そのバーベキュー場の片隅には、ベニヤ板で作った迷路のような子供向けの遊び場があり、入り口に「10円」と書かれた紙箱がくくりつけてあった。小学生だった友人の子供達を連れた私は、人数分の10円玉を入れるべく財布を漁った。その時「なんで誰も見てないのにお金入れるの?」と子供が聞いた。「え?」私は一瞬そこで固まってしまった。あれ?なんでだろう?10円って書いてあるから従順にその指示に従ってしまうのか?私は。果たしてホントに10円の価値があるのか?ここは。だいたい子供のお小遣いにおける10円の価値は、社会人の私の10円より大きいだろう?子供だけで遊びに来た時に毎回必ず10円入れなさい...って言えるのか?

子供達は、固まってしまった私なんかすっかり忘れて迷路の中でキャアキャア騒いでいた。とりあえず人数分の10円玉をチャリチャリとその箱へ落し、私も子供達の後を追った。

それからしばらくして、私は何故あの時、人数分の10円を入れたかったのか、答えを見つけた。

誰も見ていなくても、自分は見ている。
どんなに上手に嘘をついても、どんなに巧妙に犯罪を犯しても、自分がやった事は自分が一番知っている。そして自分がやった事は死ぬまできっと忘れない。私は自分に嘘をつきたくないんだ。だから10円を入れたかったんだ。
もしかしたら大いなる自己満足なのかもしれない。
でも、自分で自分に嘘をつかない生活は気分がいい。本当はオトナなら、上手な嘘がつけるくらいじゃないとイケナイのかもしれないけれど、だったらいいや子供のままで....なんて無責任にも思ってしまう。

今なら言える。「誰も見てなくっても自分は見てるよ。」

あ〜。なんであの時、思いつかなかったのかなぁ。
子供達にきちんと伝えられないまま時が過ぎてしまったけれど、もしかしたら今現在この国を動かしてる大人達にこそ伝えなきゃならない言葉なのかもしれないね。
自分は見てるぞ。
この星の未来のためにプライドを持とう。
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