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中国に漢方、インドネシアのジャワにJAMUがあるように、バリにもトラディショナルな薬がある。一般には、飲むタイプのものを「ロロー」、塗るタイプのものを「ボレー」という。それは今でも、バリヤン(まじないによる治療師)が処方する薬や家庭で調合した伝統的な薬として重宝されている。今回はそのバリの伝統的な家庭療法としての飲み薬のひとつを紹介しよう。
私がお腹が痛い時にホーム・スティのイブが作ってくれた飲み薬。これは腹痛はもちろん、食欲増進、そして咳にもよいそうです。材料は各家庭で簡単に手に入るものです。特に今回はほとんどの材料がホーム・スティの庭に生えている木の葉や木の実からつくられました。まず、KUNYIT(生のターメリック)、これを生姜のようにおろします。おろしたKUNYITにJERUK NIPIS(バリのライム)、ASEM(タマリンドの実からつくる酸っぱい調味料)、GULA MERAH(ヤシからとれる赤砂糖)、GARAM(塩)を混ぜ、水を加えて練ります。沸騰したお湯の中に、DAUN SEMBUNG(SEMBUNGの木の葉)、DAUN BELUNTAS(BELUNTASの木の葉)、DAUN KAYU MANIS(肉桂−シナモン−の葉)をよく洗って、練ったものといっしょに煮込みます。煮込み終わったものを冷ましてから、漉し、絞りだした汁がエキスです。エキスにMADU AOWON(はちみつ)を調合して薬の出来上がり。卵を加えるとより強くなるそうです。朝一番に毎日飲めばより効果があるということです。そして、寝起きのコピが日課の人には残念ですが、飲んだあと一時間ほどコピはひかえないと逆にお腹を壊してしまうそうです。
薬はジュースとは違うので、けっして美味しくはありません。いっきに飲みほさないと苦くて飲めません。いっきに飲むのがコツのようです。私はチビチビと苦虫をかむ思いで飲みました。効用は確かにあったようです。
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