本岡 類さんの小説に、「ウブドの花嫁」(角川文庫)があります。ハネムーンで訪れたバリ島で、親切にしてあげたホテルのメイドから、不思議な力を秘めた聖獣バロンの銀の首飾りをプレゼントされるのですが、それは持ち主の願いを一度だけかなえてくれる幸運の首飾りでした。そして願いがかなえられれば、すぐに別の女性にプレゼントしなければ、今度は不幸の首飾りになってしまうというものです。ふとした縁で手渡されていく聖獣バロンの銀の首飾りが、次々と謎の事件にかかわっていく、四つの恋のミステリー小説です。
ところでUBUDには、UBUDの花嫁(日本人)がはたしているのかどうか、という好奇心をかきたてる疑問がわいてきました。そこで自慢の大江戸捜査網の出番というわけです。そして苦労のすえついに捜しあてました。プリサレン(王宮)を山側(Kaja)に入った、JL:
Suwetaに1993年Cokorda Gede Agung Darmayasaという王家の家系の青年と結婚したUBUDの花嫁がいました。それはもう似合いのカップルです。花嫁はバリ名をJero
Chabdrawatiといい、健康で活発な都会っ子という印象をうけました。子供を生むのをUBUDの人々と同じように、産婆さんで生もうという心意気で望んだのですが、難産のため村の産婦人科で出産ということにあいなりました。
そして、めでたく男の子が誕生しました。名前をCokorda Gude Bagus
Suryanata君、日本名を百太朗君(ももたろう)というそうです。今年4月には、バリの暦で生後一年(210日)におこなうOtonというUpacaraがおこなわれるそうです。
Jero Chabdrawatiさんには、次回から「子育て奮闘記」を寄稿して戴くことになりました。バリでの子育てのHOW
TO、生活習慣が違えば、きっと私たち日本人のものの考え方と違うことが沢山あると思います。 |
喜怒哀楽、いろいろなエピソードを乞うご期待といったところか。
(注:Jeroというのは、Sudra階級の女性がTriwansa(Brahamana, Satria,
Wesia)の階級へ嫁いだ場合につけられる称号です。カースト外の人にもJeroという称号が用いられているようです。)
日本人の花嫁で、Peliatanに嫁いだ花嫁は、バリ好きの人なら誰でも知っているという程有名です。その他にもUBUD近辺に嫁いだ日本人花嫁はいます。Tegallantangの花嫁、Campuhanの花嫁、Nyuhkuningの花嫁、Ladtunduhの花嫁、Masの花嫁、Tegallalangの花嫁が、私の捜査網による確認情報です。私の伝え知らない未確認情報では、もっともっと沢山の花嫁がいるようです。日本人男性としては、KedewatanにGianyar県でただ一人の花婿さんがいるようです。男性諸君も頑張りたまえというところでしょうか。
縁あって人生の伴侶をここバリで得た皆さんの、末永い幸福を心からお祈りしたいと思います。
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